ざまぁにはざまぁでお返し致します ~ラスボス王子はヒロインたちと悪役令嬢にざまぁしたいと思います~

陸奥 霧風

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第105話 哀れなBBA

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母上を先頭に城門までたどり着いた狂乱鬼婦人会。敵兵も今、何が起こっているのか理解できずにドン引きしている。

「副会長隊は城壁から! わたくしの隊は城門から突撃を敢行します。よろしいわね?」

「「「ハッ! 会長のみ心のままに!」」」

母上は檄を飛ばし、それに嬉々として答える狂乱鬼婦人会のご婦人方。

バッキーさん率いる副会長班は城壁の前に立つと、そのまま城壁を登り始めた。


――ロッククライミングを始めただと!? いや、確かに城壁を登るのは可能かもしれないが、指やつま先を掛ける場所など限られているはず。


バッキーさん達が城壁を登る度にポロポロと城壁の破片が落ちてくる。良く見ると……

狂乱鬼婦人会の面々は硬い城壁をまるで豆腐に指を突き刺し。さらに、つま先をめり込ませて、城壁を登って行く。人間の出来る範囲を軽く凌駕している。


――ま、まるで、神の意思に逆らう行為だ! あのご婦人方は悪魔の化身かバケモノそのものなのか?


少数の敵兵もビビリ散らかしながらも、一応は抵抗しようとしていた。

城壁を蜘蛛のように登りくるヤベェ集団に、恐れ多くも弓矢を放とうとしている。敵ながらなんと命知らずな事を。と見守っていると、荒くれ者チンピラが一般市民に因縁をつけるかのようにバッキーさん達は『ギロリ』と敵兵にメンチを切る。

さすがの敵兵もその野獣けもののような目に、命の危険を感じたのか手に持っていた弓を落とし、悲鳴を上げながら逃げていった。

一方、母上達の班は……

普通に城門を壊し、何事もなかったように普通に城門内へ入って行った。バッキ―さん達が城壁を登った意味とは?


――ヤベェぞ! マジでヤバすぎる。 今の僕には、これ以上のヤバさを伝える言葉がみつからない。語彙力が追いつかな。


僕達、第一軍を母上達に続いて城門を潜り抜ける。そこには、狂乱鬼婦人会の面々が敵兵に対して、容赦のない制裁を加えていた。そして、あまりにも残酷すぎる光景に第一軍の兵士達は言葉を失っていた。


――こ、この世に…… 神はいないのか…… これ程の虐殺行為は見たことが無い。


一般市民だろうか。2メートルを遥かに越える筋肉質ガチマッチョの老婆が弱々しく、母上に近付こうとしていた。

「ど、どうか。命ばかりはお助け下さい。私には病弱な息子と孫がおります。何卒、命ばかりは……」

そんな老婆の言葉に、母上は容赦なく、

『ゴンッ』 
『ビューン』 
『ドカッドカッ』

こともあろうに老婆に顔面パンチと延髄蹴りを入れた。老婆は吹き飛び、建物の壁に頭からめり込ませた。

僕が老婆へ駆け寄ると、首が有らぬ方向に曲がり、すでに事切れていた。

「母上! これ以上の残虐行為はお止めください! 一般市民に手を掛けるとはどういう事ですか!」

僕はあまりのことに激昂し、母上を非難した。

それに対し、母上は

「そんなデカイBBAが、どこの世界にいるのよ。どう考えても便衣兵べんいへいでしょ」

「――確かに……」

無慈悲にも母上はあっさりと答えた。

「アレク。城に急ぐわよ」

母上はそう言って男性は勿論。女子供、老人にいたるあらゆる生命体にワンパンを入れる。そして、崩れ落ちるように横たわる生命体に、さすがの僕でもこれは無いわ。と感じ、母上を止めるように促す。

「母上! 一般市民になんて事を…… さすがに女子供。老人。ニャンコ様まで手を掛けるとは、そこまでする必要がどこにあるのですか! これ以上はお止めください!」

「峰打ちよ。殺してなんかしていないわ。これからケーリンネガー王国の王族を族滅させるんだもん。市民には、その残酷な風景を見せるわけにはいかないでしょ。だから怖い思いをさせないように気絶させたのよ」

母上は一般市民にあれだけの暴力行為を行っておいて、まるで一般市民を自分が守っているかのような口調。それを全く悪びれることなく答えた。


――ダ、ダメだ。この人…… カルイ副司令が言っていた事はすべて正しかった。この場に居ないカルイ副司令が妬ましい…… 恨むぞ、カルイ副司令。
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