126 / 148
第126話 復讐のざまぁ
しおりを挟む
こんなところで、アイツらが物理的ざまぁではなく精神的ざまぁにシフトチェンジしてくるとは夢にも思ってもいなかった。
「まあ、みんなもあまりアレクをいじめないであげて、こう見えてもフロンガスターを救った英雄なんだから?」
――メアリーさん…… どうして最後が疑問形? ――解せぬ
「そう言われてみると確かにそうね。アレク様が白髪にならなかったら、フロンガスターがどうなっていたかわからないわよね?」
さすがルナールさん! 分かっていらっしゃる! 白髪の部分は気になるが……
「まあ、その事はまたあとで。今はお互いの交遊を深めよう」
精神的ざまぁを回避すべく、僕は全力で話題を変えようとしたが。しかし……
「アレク様がハゲたら究極魔法が使えなくなるとか面白かったのにつまらない設定だよね。それならいっそ究極魔法を使ったら白髪じゃなくてハゲる方が笑えるのに勿体無いよね。あっ! かえってハゲじゃなくて薄毛の方がウケるかも! バーコードハゲも捨てがたいわ」
「……………………」
――ミレーユさん。あんた何言ってんの? 僕はまだ18よ。18! それで、おでこが前進して頭上部の頭皮が見え出したら、僕の将来が失くなるじゃんか! 敢えて、生え際が後退するとか言わない辺りが、漢気を感じる。
「薄毛は最悪ね。薄毛でハゲを隠すくらいなら、いっそ剃っちゃいなさいよ。と言いたいわね」
「……………………」
毒舌の精霊といわれたメアリーの毒舌全開に言葉を失ってしまった。
◇
「でもこんなバカな話も出来るのも、あともう少しね」
フローラお姉様がしみじみと語る。
「あと3日で、卒業だもんね」
マリアも寂しそうに呟やいた。
「みんなは日本に帰ったら何がしたいの?」
僕はしんみりとした居心地の悪い空気を変えるべく話題を振った。
「当然、プリストかな? こっちにはゲームとか無いしね」
マリアは日本に戻ったらゲーム三昧に日々を送りそうだ。
「ゲームも良いけど、カレーもね」
ルナールが昔の人なら誰でも知っている往年のカレーギャグをブッ込んで来やがった。ルナールは女子高生だったはずだが、見栄を張って女子高生設定にしているだけなのか? 実は中身はオバチャンじゃないのか? 謎が深まるばかりだった。実際には前世は女子高校生、今世も18歳になるから累計30歳オーバーのオバちゃんになるのだが、あえて僕、自身の歳には触れたくない事実。
「やっぱり私は子供達と遊びたいな」
フローラお姉様は本当に子供が好きなんだろうなぁ。フローラお姉様の狂育はエゲツないから子供達の将来が心配だが、きっと大丈夫だろう。 ――多分。
「私はお父様の会社を乗っ取りたい! ミレーユを主人公にしてギャルゲーを作らせるわ。勿論、私がプロデューサでAAA大作にするつもりよ。オープンワールド全開で!」
「「「……………………」」」
みんな静まり返ってしまった。
――ギャルゲーにオープンワールドだと!? 男子系セクシィモンスターを狩りまくり、喰いまくりのヤベェ18禁ゲームが爆誕してしまうじゃねぇーか! いつでもどこでもコイツの頭の中が一番ヤベェ。
僕の発言により、これからの希望を語り合うつもりがとんでもない方向に行ってしまった後悔と懺悔の中で、お茶会は終了となった。
物理的ざまぁも心をえぐられるが、精神的ざまぁは闇を更に闇に堕とす結果になるとは、僕は精神的ざまぁをイヤというほど味わってしまった。
この恨みを晴らさずにおくべきか…… 今回の件といい、過去に受けた『ざまぁ』をお前らに返してやる!
その日から僕の新魔法『不眠不休活動魔法』を使い、ヤツらにざまぁすなるべく、新究極魔法に開発に取り掛かる。
期限はヤツらが日本に帰るXデーまで待っていろよ。ヒロイン共!
◇
1日の睡眠時間が1時間有るか無いかの極限状態の中、卒業式を迎えた。
僕としては2年生後半から3年生の前半まで、学園に通っていなかった為に、さほど学園生活の思い出は薄い…… 薄いと思わなければ精神が病でしまう。僕の学園生活はファンクラブのヤツらに振り回せられっぱなしだった記憶しかない。なんともおぞましい記憶なんだ…… 不運な事故にでも出会ってしまったのだと自分を慰めてみるが、どうしてもトラウマ級の思い出が脳裏から離れない…… 僕の学園生活は一体なんだったのだろうか?
「まあ、みんなもあまりアレクをいじめないであげて、こう見えてもフロンガスターを救った英雄なんだから?」
――メアリーさん…… どうして最後が疑問形? ――解せぬ
「そう言われてみると確かにそうね。アレク様が白髪にならなかったら、フロンガスターがどうなっていたかわからないわよね?」
さすがルナールさん! 分かっていらっしゃる! 白髪の部分は気になるが……
「まあ、その事はまたあとで。今はお互いの交遊を深めよう」
精神的ざまぁを回避すべく、僕は全力で話題を変えようとしたが。しかし……
「アレク様がハゲたら究極魔法が使えなくなるとか面白かったのにつまらない設定だよね。それならいっそ究極魔法を使ったら白髪じゃなくてハゲる方が笑えるのに勿体無いよね。あっ! かえってハゲじゃなくて薄毛の方がウケるかも! バーコードハゲも捨てがたいわ」
「……………………」
――ミレーユさん。あんた何言ってんの? 僕はまだ18よ。18! それで、おでこが前進して頭上部の頭皮が見え出したら、僕の将来が失くなるじゃんか! 敢えて、生え際が後退するとか言わない辺りが、漢気を感じる。
「薄毛は最悪ね。薄毛でハゲを隠すくらいなら、いっそ剃っちゃいなさいよ。と言いたいわね」
「……………………」
毒舌の精霊といわれたメアリーの毒舌全開に言葉を失ってしまった。
◇
「でもこんなバカな話も出来るのも、あともう少しね」
フローラお姉様がしみじみと語る。
「あと3日で、卒業だもんね」
マリアも寂しそうに呟やいた。
「みんなは日本に帰ったら何がしたいの?」
僕はしんみりとした居心地の悪い空気を変えるべく話題を振った。
「当然、プリストかな? こっちにはゲームとか無いしね」
マリアは日本に戻ったらゲーム三昧に日々を送りそうだ。
「ゲームも良いけど、カレーもね」
ルナールが昔の人なら誰でも知っている往年のカレーギャグをブッ込んで来やがった。ルナールは女子高生だったはずだが、見栄を張って女子高生設定にしているだけなのか? 実は中身はオバチャンじゃないのか? 謎が深まるばかりだった。実際には前世は女子高校生、今世も18歳になるから累計30歳オーバーのオバちゃんになるのだが、あえて僕、自身の歳には触れたくない事実。
「やっぱり私は子供達と遊びたいな」
フローラお姉様は本当に子供が好きなんだろうなぁ。フローラお姉様の狂育はエゲツないから子供達の将来が心配だが、きっと大丈夫だろう。 ――多分。
「私はお父様の会社を乗っ取りたい! ミレーユを主人公にしてギャルゲーを作らせるわ。勿論、私がプロデューサでAAA大作にするつもりよ。オープンワールド全開で!」
「「「……………………」」」
みんな静まり返ってしまった。
――ギャルゲーにオープンワールドだと!? 男子系セクシィモンスターを狩りまくり、喰いまくりのヤベェ18禁ゲームが爆誕してしまうじゃねぇーか! いつでもどこでもコイツの頭の中が一番ヤベェ。
僕の発言により、これからの希望を語り合うつもりがとんでもない方向に行ってしまった後悔と懺悔の中で、お茶会は終了となった。
物理的ざまぁも心をえぐられるが、精神的ざまぁは闇を更に闇に堕とす結果になるとは、僕は精神的ざまぁをイヤというほど味わってしまった。
この恨みを晴らさずにおくべきか…… 今回の件といい、過去に受けた『ざまぁ』をお前らに返してやる!
その日から僕の新魔法『不眠不休活動魔法』を使い、ヤツらにざまぁすなるべく、新究極魔法に開発に取り掛かる。
期限はヤツらが日本に帰るXデーまで待っていろよ。ヒロイン共!
◇
1日の睡眠時間が1時間有るか無いかの極限状態の中、卒業式を迎えた。
僕としては2年生後半から3年生の前半まで、学園に通っていなかった為に、さほど学園生活の思い出は薄い…… 薄いと思わなければ精神が病でしまう。僕の学園生活はファンクラブのヤツらに振り回せられっぱなしだった記憶しかない。なんともおぞましい記憶なんだ…… 不運な事故にでも出会ってしまったのだと自分を慰めてみるが、どうしてもトラウマ級の思い出が脳裏から離れない…… 僕の学園生活は一体なんだったのだろうか?
0
あなたにおすすめの小説
悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!
水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。
ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。
しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。
★ファンタジー小説大賞エントリー中です。
※完結しました!
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
水しか操れない無能と言われて虐げられてきた令嬢に転生していたようです。ところで皆さん。人体の殆どが水分から出来ているって知ってました?
ラララキヲ
ファンタジー
わたくしは出来損ない。
誰もが5属性の魔力を持って生まれてくるこの世界で、水の魔力だけしか持っていなかった欠陥品。
それでも、そんなわたくしでも侯爵家の血と伯爵家の血を引いている『血だけは価値のある女』。
水の魔力しかないわたくしは皆から無能と呼ばれた。平民さえもわたくしの事を馬鹿にする。
そんなわたくしでも期待されている事がある。
それは『子を生むこと』。
血は良いのだから次はまともな者が生まれてくるだろう、と期待されている。わたくしにはそれしか価値がないから……
政略結婚で決められた婚約者。
そんな婚約者と親しくする御令嬢。二人が愛し合っているのならわたくしはむしろ邪魔だと思い、わたくしは父に相談した。
婚約者の為にもわたくしが身を引くべきではないかと……
しかし……──
そんなわたくしはある日突然……本当に突然、前世の記憶を思い出した。
前世の記憶、前世の知識……
わたくしの頭は霧が晴れたかのように世界が突然広がった……
水魔法しか使えない出来損ない……
でも水は使える……
水……水分……液体…………
あら? なんだかなんでもできる気がするわ……?
そしてわたくしは、前世の雑な知識でわたくしを虐げた人たちに仕返しを始める……──
【※女性蔑視な発言が多々出てきますので嫌な方は注意して下さい】
【※知識の無い者がフワッとした知識で書いてますので『これは違う!』が許せない人は読まない方が良いです】
【※ファンタジーに現実を引き合いに出してあれこれ考えてしまう人にも合わないと思います】
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるよ!
◇なろうにも上げてます。
【完結】立場を弁えぬモブ令嬢Aは、ヒロインをぶっ潰し、ついでに恋も叶えちゃいます!
MEIKO
ファンタジー
最近まで死の病に冒されていたランドン伯爵家令嬢のアリシア。十六歳になったのを機に、胸をときめかせながら帝都学園にやって来た。「病も克服したし、今日からドキドキワクワクの学園生活が始まるんだわ!」そう思いながら一歩踏み入れた瞬間浮かれ過ぎてコケた。その時、突然奇妙な記憶が呼び醒まされる。見たこともない子爵家の令嬢ルーシーが、学園に通う見目麗しい男性達との恋模様を繰り広げる乙女ゲームの場面が、次から次へと思い浮かぶ。この記憶って、もしかして前世?かつての自分は、日本人の女子高生だったことを思い出す。そして目の前で転んでしまった私を心配そうに見つめる美しい令嬢キャロラインは、断罪される側の人間なのだと気付く…。「こんな見た目も心も綺麗な方が、そんな目に遭っていいいわけ!?」おまけに婚約者までもがヒロインに懸想していて、自分に見向きもしない。そう愕然としたアリシアは、自らキャロライン嬢の取り巻きAとなり、断罪を阻止し婚約者の目を覚まさせようと暗躍することを決める。ヒロインのヤロウ…赦すまじ!
笑って泣けるコメディです。この作品のアイデアが浮かんだ時、男女の恋愛以外には考えられず、BLじゃない物語は初挑戦です。貴族的表現を取り入れていますが、あくまで違う世界です。おかしいところもあるかと思いますが、ご了承下さいね。
悪役令嬢の独壇場
あくび。
ファンタジー
子爵令嬢のララリーは、学園の卒業パーティーの中心部を遠巻きに見ていた。
彼女は転生者で、この世界が乙女ゲームの舞台だということを知っている。
自分はモブ令嬢という位置づけではあるけれど、入学してからは、ゲームの記憶を掘り起こして各イベントだって散々覗き見してきた。
正直に言えば、登場人物の性格やイベントの内容がゲームと違う気がするけれど、大筋はゲームの通りに進んでいると思う。
ということは、今日はクライマックスの婚約破棄が行われるはずなのだ。
そう思って卒業パーティーの様子を傍から眺めていたのだけど。
あら?これは、何かがおかしいですね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる