127 / 148
第127話 卒業記念パーティー
しおりを挟む
ヤツらに最後の最後で心踊る『ざまぁ』をお返しすべく、不眠不休活動魔法で新究極魔法開発に没頭した。まさにヤツらに意趣返しすることが、僕がヤツらに高級な桐の箱に熨斗を付けて送りつけるやる『ざまぁ』だ。
その結果。危うく卒業式に遅刻するところだった。卒業生代表の挨拶は、こんなこともあろうかとルナールに任せておいて良かった。
僕が卒業生代表にとの声もあったが、事情があるとは言え、欠席の多い生徒が卒業生代表とは片腹痛い。その結果を鑑み、丁寧にご辞退させてもらった。決して面倒事に巻き込まれたくないとかの理由ではないぞ!
国王陛下、王妃を迎えてのプシューデント学園卒業式も何事もなく終わり、その後に行われる卒業記念パーティーの準備の為に全校生は一旦帰宅することになっていた。
各自、パーティー用の衣装に着替えてのパーティーとなるのだが、ヒロイン共には僕から特別に、狂乱鬼婦人会会員でもあり、惨殺のデザイナーの二つ名を持つ、この国一番のデザイナー『モォーリ・ハナーウェ』デザインのドレスと装飾品を贈らせてもらった。ジャージの時のような事が起きないよう、卒業記念パーティー用のドレスとしか要件を伝えなかった。僕自身は出来上がったドレスを見ていなかったが、きっと素晴らしいドレスになることは間違い無いだろうと思う。
なぜなら超一流デザイナー『モォーリ・ハナーウェ』に発注したのが、この僕自身なのだから。
◇
卒業記念パーティーの時刻になり、それぞれ会場となる学園の園庭に生徒達が集まって来た。
平民の特待生にはドレス、馬車など準備は出来ないのではないかと判断して、僕の方で準備させてもらった。ドレスなど衣装に関しては、ゲンタレやバーベキューコンロの売上がたんまりあるので、全て特待生にプレゼントしてあげた。
――全ての人類よ。我を崇めよ! 僕の優しさに狂い死ぬが良い! グフェヘヘヘ!
ヒロイン達も会場へやって来た。
ルナールは青を基調としたドレスで、ルナールの気品と相まって麗しの淑女と言ったところだろうか。さすが、おじょビッチ&推しビッチ!
マリアは薄いピンクを基調としたドレスだった。装飾品も下品にならないようにシンプルな感じで可愛い系だと思う。さすが、ギャルビッチ!
メアリーは紺を基調とし、金糸と銀糸で刺繍されたドレスだった。その場にいるだけで、黒髪と上品と知性の塊が混同しているかのような美しさがあった。さすが、ムッビッチ!
フローラお姉様は紫を基調としたマーメイドドレスでボディーラインを全面に押し出したハレンチ…… 失礼。大人の魅力を全面に押し出したドレスだった。さすが、清楚ビッチ!&ドエロヴィッチ!
ミレーユのドレスは黄色を基調としたドレスで、なんとなくザ・小悪魔的な雰囲気があるミレーユの闇を表現したドレスであった。素晴らしかなビッチ・ダ・ビッチ!&ガチビッチ!
クリスのドレスに関して、僕はノータッチだった。全ては母上の独壇場であった。発注困難と噂される天才デザイナーであり、狂乱鬼婦人会会員、終末のインフルエンサーの『カッツラー・ユーミィ』に無理矢理というより、正義の力で強引に依頼し、さらに難癖を付けてはデザインを何度もやり直しをさせるというドン引きレベルの逸品であった。
クリスが会場へやって来ると周りから物凄い歓声が上がった。
クリスのドレスは…… なんと表現していいか分からないドレスだった。金色を基調とし、ドレスにはダイヤ、ルピー、エメラルド、サファイア、真珠など宝石類が至る所に装飾品されていた。卒業記念パーティーに、これは無いわ~ さすがに無いわ~と思うほど場違いなドレスであった。ロリビッチ恐るべし!
クリスの隣には母上が立ち、父上はビシッとタキシードを着込み二人をエスコートしていた。突然の国王陛下と王妃の参加に卒業生並びに在校生までもが、ここまでド派手に殺るのかと目を見開いていた。僕は父上と母上が卒業記念パーティーに参加するとかは聞いていなかった。
サンペータ達に確認を取ると聞いていない。完全なるサプライズであるとの答えだった。
王太子であり、実の息子にも教えないなんて僕の王宮での地位は低さを物語っていた。
いよいよ卒業記念パーティーが始まり、立食用に豪華な軽食とデザート。そして、僕は悪徳教師達から強制かつ大人の権力で飲み物を提供させられていた。
◇
ヒロイン達は何故か父上と母上の二人と軽食を楽しんでいた。まあ、クリスと一緒にいるということは父上と母上がセットで付きまとうというおぞましい事になるのだが……
ヒロイン達もさすがに会いたくても会えない国王陛下と王妃に表情は鋼鉄のように固まっていた。
学園側が手配した楽団の演奏が始まった。
「アレク様、私の最後のお願いです。い、一緒に踊ってもらえませんか?」
父上達から逃げて来たマリアが僕に声をかけて来た。僕に断る理由も無かったので、
「あっ、マリアかぁ。別に構わないよ」
「やったぁ!! アレク様ありがとう」
僕の安易な返答が後に『プシューデント学園の悲劇』と語り継がれる悲惨な出来事に繋がっていくとは、この時は想像すら出来なかった。そして、この数分後には僕は絶望を抱きながら後悔することになる。
その結果。危うく卒業式に遅刻するところだった。卒業生代表の挨拶は、こんなこともあろうかとルナールに任せておいて良かった。
僕が卒業生代表にとの声もあったが、事情があるとは言え、欠席の多い生徒が卒業生代表とは片腹痛い。その結果を鑑み、丁寧にご辞退させてもらった。決して面倒事に巻き込まれたくないとかの理由ではないぞ!
国王陛下、王妃を迎えてのプシューデント学園卒業式も何事もなく終わり、その後に行われる卒業記念パーティーの準備の為に全校生は一旦帰宅することになっていた。
各自、パーティー用の衣装に着替えてのパーティーとなるのだが、ヒロイン共には僕から特別に、狂乱鬼婦人会会員でもあり、惨殺のデザイナーの二つ名を持つ、この国一番のデザイナー『モォーリ・ハナーウェ』デザインのドレスと装飾品を贈らせてもらった。ジャージの時のような事が起きないよう、卒業記念パーティー用のドレスとしか要件を伝えなかった。僕自身は出来上がったドレスを見ていなかったが、きっと素晴らしいドレスになることは間違い無いだろうと思う。
なぜなら超一流デザイナー『モォーリ・ハナーウェ』に発注したのが、この僕自身なのだから。
◇
卒業記念パーティーの時刻になり、それぞれ会場となる学園の園庭に生徒達が集まって来た。
平民の特待生にはドレス、馬車など準備は出来ないのではないかと判断して、僕の方で準備させてもらった。ドレスなど衣装に関しては、ゲンタレやバーベキューコンロの売上がたんまりあるので、全て特待生にプレゼントしてあげた。
――全ての人類よ。我を崇めよ! 僕の優しさに狂い死ぬが良い! グフェヘヘヘ!
ヒロイン達も会場へやって来た。
ルナールは青を基調としたドレスで、ルナールの気品と相まって麗しの淑女と言ったところだろうか。さすが、おじょビッチ&推しビッチ!
マリアは薄いピンクを基調としたドレスだった。装飾品も下品にならないようにシンプルな感じで可愛い系だと思う。さすが、ギャルビッチ!
メアリーは紺を基調とし、金糸と銀糸で刺繍されたドレスだった。その場にいるだけで、黒髪と上品と知性の塊が混同しているかのような美しさがあった。さすが、ムッビッチ!
フローラお姉様は紫を基調としたマーメイドドレスでボディーラインを全面に押し出したハレンチ…… 失礼。大人の魅力を全面に押し出したドレスだった。さすが、清楚ビッチ!&ドエロヴィッチ!
ミレーユのドレスは黄色を基調としたドレスで、なんとなくザ・小悪魔的な雰囲気があるミレーユの闇を表現したドレスであった。素晴らしかなビッチ・ダ・ビッチ!&ガチビッチ!
クリスのドレスに関して、僕はノータッチだった。全ては母上の独壇場であった。発注困難と噂される天才デザイナーであり、狂乱鬼婦人会会員、終末のインフルエンサーの『カッツラー・ユーミィ』に無理矢理というより、正義の力で強引に依頼し、さらに難癖を付けてはデザインを何度もやり直しをさせるというドン引きレベルの逸品であった。
クリスが会場へやって来ると周りから物凄い歓声が上がった。
クリスのドレスは…… なんと表現していいか分からないドレスだった。金色を基調とし、ドレスにはダイヤ、ルピー、エメラルド、サファイア、真珠など宝石類が至る所に装飾品されていた。卒業記念パーティーに、これは無いわ~ さすがに無いわ~と思うほど場違いなドレスであった。ロリビッチ恐るべし!
クリスの隣には母上が立ち、父上はビシッとタキシードを着込み二人をエスコートしていた。突然の国王陛下と王妃の参加に卒業生並びに在校生までもが、ここまでド派手に殺るのかと目を見開いていた。僕は父上と母上が卒業記念パーティーに参加するとかは聞いていなかった。
サンペータ達に確認を取ると聞いていない。完全なるサプライズであるとの答えだった。
王太子であり、実の息子にも教えないなんて僕の王宮での地位は低さを物語っていた。
いよいよ卒業記念パーティーが始まり、立食用に豪華な軽食とデザート。そして、僕は悪徳教師達から強制かつ大人の権力で飲み物を提供させられていた。
◇
ヒロイン達は何故か父上と母上の二人と軽食を楽しんでいた。まあ、クリスと一緒にいるということは父上と母上がセットで付きまとうというおぞましい事になるのだが……
ヒロイン達もさすがに会いたくても会えない国王陛下と王妃に表情は鋼鉄のように固まっていた。
学園側が手配した楽団の演奏が始まった。
「アレク様、私の最後のお願いです。い、一緒に踊ってもらえませんか?」
父上達から逃げて来たマリアが僕に声をかけて来た。僕に断る理由も無かったので、
「あっ、マリアかぁ。別に構わないよ」
「やったぁ!! アレク様ありがとう」
僕の安易な返答が後に『プシューデント学園の悲劇』と語り継がれる悲惨な出来事に繋がっていくとは、この時は想像すら出来なかった。そして、この数分後には僕は絶望を抱きながら後悔することになる。
10
あなたにおすすめの小説
悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!
水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。
ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。
しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。
★ファンタジー小説大賞エントリー中です。
※完結しました!
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
【完結】立場を弁えぬモブ令嬢Aは、ヒロインをぶっ潰し、ついでに恋も叶えちゃいます!
MEIKO
ファンタジー
最近まで死の病に冒されていたランドン伯爵家令嬢のアリシア。十六歳になったのを機に、胸をときめかせながら帝都学園にやって来た。「病も克服したし、今日からドキドキワクワクの学園生活が始まるんだわ!」そう思いながら一歩踏み入れた瞬間浮かれ過ぎてコケた。その時、突然奇妙な記憶が呼び醒まされる。見たこともない子爵家の令嬢ルーシーが、学園に通う見目麗しい男性達との恋模様を繰り広げる乙女ゲームの場面が、次から次へと思い浮かぶ。この記憶って、もしかして前世?かつての自分は、日本人の女子高生だったことを思い出す。そして目の前で転んでしまった私を心配そうに見つめる美しい令嬢キャロラインは、断罪される側の人間なのだと気付く…。「こんな見た目も心も綺麗な方が、そんな目に遭っていいいわけ!?」おまけに婚約者までもがヒロインに懸想していて、自分に見向きもしない。そう愕然としたアリシアは、自らキャロライン嬢の取り巻きAとなり、断罪を阻止し婚約者の目を覚まさせようと暗躍することを決める。ヒロインのヤロウ…赦すまじ!
笑って泣けるコメディです。この作品のアイデアが浮かんだ時、男女の恋愛以外には考えられず、BLじゃない物語は初挑戦です。貴族的表現を取り入れていますが、あくまで違う世界です。おかしいところもあるかと思いますが、ご了承下さいね。
悪役令嬢の独壇場
あくび。
ファンタジー
子爵令嬢のララリーは、学園の卒業パーティーの中心部を遠巻きに見ていた。
彼女は転生者で、この世界が乙女ゲームの舞台だということを知っている。
自分はモブ令嬢という位置づけではあるけれど、入学してからは、ゲームの記憶を掘り起こして各イベントだって散々覗き見してきた。
正直に言えば、登場人物の性格やイベントの内容がゲームと違う気がするけれど、大筋はゲームの通りに進んでいると思う。
ということは、今日はクライマックスの婚約破棄が行われるはずなのだ。
そう思って卒業パーティーの様子を傍から眺めていたのだけど。
あら?これは、何かがおかしいですね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる