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第16話 ヤベェお手紙
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「ところでフローラ嬢はアレクに何の用だったんだ?」
サンペータが急に話題を変えてきた。
突如フローラ嬢の魅了疑惑が浮上し、ルナール嬢の手紙の一件を忘れるところだった。
「ああ、確かルナール嬢からの手紙を渡しに来てくれたんだった」
「ほぉ、ルナール嬢からの手紙だって? 呪いでも掛けてあるんじゃないのか? アイツまともそうに見えてヤベェヤツだからなぁ」
「マリックはホントにオカルト好きだよな。そんな事はしないと思うが……」
僕はさりげなくルナール嬢をフォローしておいた。
僕らの教室にはファンクラブの会員もいる。今の会話も盗聴されている可能性もある。ここで敵に燃料を投下する訳にはいかない。
「ここで開封するのは良くない。僕の部屋に行くぞ」
学院には王族専用の部屋が準備されている。僕はその部屋に行こうと提案してみた。
「アレクの言う通りだな。じゃあ、行くか」
ルブランは僕の提案に乗り、王族専用の部屋へ移動した。
◇
「とりあえず中身を見てみよう」
ルブランは僕に封筒を開けるように促した。こういう時は側近が、万が一の為に率先して開けるんじゃないのか?
「サンペータ。済まないが開けてくれるか?」
僕はサンペータに投げかけた。
「ハァ? 嫌に決まってるだろ。怪しい液体や怪しい毛でも入ってたらどうするんだよ」
サンペータは全力で拒否をした。
「じゃあ、マリック頼む」
「何言ってやがる。拒否するに決まってるだろ」
「仕方がない。ドール……」
「無理、無理無理無理無理」
「……………………」
ドールは僕の言葉を遮りかぶせてきた。
「勇者ルブラン。封筒を開けみるのだ」
「お断り致します」
即答だった。
「仕方がない、僕が開けるよ。僕に何かあったら父上達を頼む」
男は度胸と言わんばかりに封筒を開けてみた。封筒の中身は手紙と紫のバラの花びらで作られた栞が一枚入っていた。
「紫のバラの栞かぁ。確か紫のバラって珍しいなぁ」
僕は紫のバラの栞を手に取った。
「ああ、珍しいよな」
ルブランはそう言いながら栞を覗き込む。
「それで手紙はなんて書いてるんだ? 早く読んでみろよ」
「お、おう。今から読むから待ってろ。じゃあ、読むぞ……」
――コイツら僕を王太子だと思って無いだろ。
『親愛なるアレク様へ
先日のファンクラブの集いを開催していただき、常日頃アレク様だけを考えているファンクラブ一同に成り代わりまして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
ファンクラブに集いに残念ながら参加出来なかった者達も私共の話を聞き、大いに歓喜に溢れ、アレク様の御恩徳の高さに私共も改めて知らされることとなりました。
参加出来なかった者達からの次回のファンクラブの集いについての要望が日増しに増えている状況でございます。
私共も偉大なるアレク様の御慈悲にすがり、ご許可がなければと狂育しているのですが、参加出来なかった者の事を考えますと心痛めるばかりです。
公園の砂場にある砂山より高いご恩徳と水たまりより広いお慈悲で、次回のファンクラブの集いを親愛なるアレク様のご許可を頂きたいとの思いから筆を取った次第でございます。
私共が完全体なるアレク様にお願い出来る立場では無いことは十二分に理解しておるつもりでありますが、ファンクラブの中には全能の神であるアレク様と触れる事が出来なければ、自らの命を絶つと手首を傷つける者まで現れる始末となっております。何卒、崇拝するアレク様のお慈悲で我らファンクラブをお救い頂けますようお願い申し上げます。
――あなたのファンより―― 追伸 いつでもあなたをみています。』
「「「……………………」」」
「お前ら…… 内容を聞いてどう思った?」
僕は手紙を読み終わり、サンペータ達に手紙の感想を聞いてみた。
「アレク! お前すごいな! ここまでアイツらを熱狂させるとは思わなかったぜ!」
「……………………」
ドールは明らかに僕を馬鹿にしているかのような感想だった。コイツはいつか婚約者様に皆殺しにしてもらいたいと心の底から願った。
「狂うに育てるで、狂育…… 狂気の沙汰だなぁ……」
「……………………」
サンペータ! ツッコムところはそこなのか? もっとツッコミを入れる場所があるだろう!
「紫のバラに、そしてお前のファン。ルナール嬢は大芸能会社の冷血敏腕若社長か何かなのか?」
「パクリはヤメろ!」
僕はマリックにツッコミを入れた。
「公園の砂場にある砂山より高いご恩徳と水たまりより広いお慈悲かぁ。ルナール嬢はアレクの事をちゃんと正しく評価しているんだな」
「……………………」
ルブラン…… テメェーは必ず国外追放にしてやるぞ!
「お前ら最後の文章に気が付かないのか! 手首を殺傷するって、どう考えてもリストカットだろ! ヤツらはヤバすぎる…… マジでヤバすぎる…… 一番最後なんて、『追伸 いつでもあなたをみています』って、堂々とストーカー宣言までしてるじゃないか!」
「「「ゲッ!?」」」
――何で今頃、気づいているんだよ!
サンペータが急に話題を変えてきた。
突如フローラ嬢の魅了疑惑が浮上し、ルナール嬢の手紙の一件を忘れるところだった。
「ああ、確かルナール嬢からの手紙を渡しに来てくれたんだった」
「ほぉ、ルナール嬢からの手紙だって? 呪いでも掛けてあるんじゃないのか? アイツまともそうに見えてヤベェヤツだからなぁ」
「マリックはホントにオカルト好きだよな。そんな事はしないと思うが……」
僕はさりげなくルナール嬢をフォローしておいた。
僕らの教室にはファンクラブの会員もいる。今の会話も盗聴されている可能性もある。ここで敵に燃料を投下する訳にはいかない。
「ここで開封するのは良くない。僕の部屋に行くぞ」
学院には王族専用の部屋が準備されている。僕はその部屋に行こうと提案してみた。
「アレクの言う通りだな。じゃあ、行くか」
ルブランは僕の提案に乗り、王族専用の部屋へ移動した。
◇
「とりあえず中身を見てみよう」
ルブランは僕に封筒を開けるように促した。こういう時は側近が、万が一の為に率先して開けるんじゃないのか?
「サンペータ。済まないが開けてくれるか?」
僕はサンペータに投げかけた。
「ハァ? 嫌に決まってるだろ。怪しい液体や怪しい毛でも入ってたらどうするんだよ」
サンペータは全力で拒否をした。
「じゃあ、マリック頼む」
「何言ってやがる。拒否するに決まってるだろ」
「仕方がない。ドール……」
「無理、無理無理無理無理」
「……………………」
ドールは僕の言葉を遮りかぶせてきた。
「勇者ルブラン。封筒を開けみるのだ」
「お断り致します」
即答だった。
「仕方がない、僕が開けるよ。僕に何かあったら父上達を頼む」
男は度胸と言わんばかりに封筒を開けてみた。封筒の中身は手紙と紫のバラの花びらで作られた栞が一枚入っていた。
「紫のバラの栞かぁ。確か紫のバラって珍しいなぁ」
僕は紫のバラの栞を手に取った。
「ああ、珍しいよな」
ルブランはそう言いながら栞を覗き込む。
「それで手紙はなんて書いてるんだ? 早く読んでみろよ」
「お、おう。今から読むから待ってろ。じゃあ、読むぞ……」
――コイツら僕を王太子だと思って無いだろ。
『親愛なるアレク様へ
先日のファンクラブの集いを開催していただき、常日頃アレク様だけを考えているファンクラブ一同に成り代わりまして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
ファンクラブに集いに残念ながら参加出来なかった者達も私共の話を聞き、大いに歓喜に溢れ、アレク様の御恩徳の高さに私共も改めて知らされることとなりました。
参加出来なかった者達からの次回のファンクラブの集いについての要望が日増しに増えている状況でございます。
私共も偉大なるアレク様の御慈悲にすがり、ご許可がなければと狂育しているのですが、参加出来なかった者の事を考えますと心痛めるばかりです。
公園の砂場にある砂山より高いご恩徳と水たまりより広いお慈悲で、次回のファンクラブの集いを親愛なるアレク様のご許可を頂きたいとの思いから筆を取った次第でございます。
私共が完全体なるアレク様にお願い出来る立場では無いことは十二分に理解しておるつもりでありますが、ファンクラブの中には全能の神であるアレク様と触れる事が出来なければ、自らの命を絶つと手首を傷つける者まで現れる始末となっております。何卒、崇拝するアレク様のお慈悲で我らファンクラブをお救い頂けますようお願い申し上げます。
――あなたのファンより―― 追伸 いつでもあなたをみています。』
「「「……………………」」」
「お前ら…… 内容を聞いてどう思った?」
僕は手紙を読み終わり、サンペータ達に手紙の感想を聞いてみた。
「アレク! お前すごいな! ここまでアイツらを熱狂させるとは思わなかったぜ!」
「……………………」
ドールは明らかに僕を馬鹿にしているかのような感想だった。コイツはいつか婚約者様に皆殺しにしてもらいたいと心の底から願った。
「狂うに育てるで、狂育…… 狂気の沙汰だなぁ……」
「……………………」
サンペータ! ツッコムところはそこなのか? もっとツッコミを入れる場所があるだろう!
「紫のバラに、そしてお前のファン。ルナール嬢は大芸能会社の冷血敏腕若社長か何かなのか?」
「パクリはヤメろ!」
僕はマリックにツッコミを入れた。
「公園の砂場にある砂山より高いご恩徳と水たまりより広いお慈悲かぁ。ルナール嬢はアレクの事をちゃんと正しく評価しているんだな」
「……………………」
ルブラン…… テメェーは必ず国外追放にしてやるぞ!
「お前ら最後の文章に気が付かないのか! 手首を殺傷するって、どう考えてもリストカットだろ! ヤツらはヤバすぎる…… マジでヤバすぎる…… 一番最後なんて、『追伸 いつでもあなたをみています』って、堂々とストーカー宣言までしてるじゃないか!」
「「「ゲッ!?」」」
――何で今頃、気づいているんだよ!
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