22 / 148
第22話 敗北者の末路
しおりを挟む
思わぬところで敗北者となった僕に、
「次回のファンクラブの集いを楽しみにしてましてよ。オホホホホホホホホッ」
と、言い残し勝利したヤツらは颯爽とその場を去って行った。
その後ろ姿に愕然と項垂れていると、
「オーイ! アレクどうした? そんなに項垂れて何かあったのか?」
遅い援軍であるサンペータがやって来た。もしサンペータが早く援軍に駆け付けてくれたら、勝利は無くても少なくとも引き分けくらいにはなっていただろうと思うと援軍の到着が遅かったのが悔やまれる……
「ヤツらのハニートラップに引っ掛かってしまった……」
「何ですとぉ!」
サンペータはまさか僕が、この短時間にハニートラップに引っ掛かるとは思ってもみなかったようで、いつもの口調と違っていた。
「殺られたよ…… フローラ嬢に気を許してしまった。あとはルナール嬢、マリア嬢、クリス嬢、ミレーユ嬢にして殺られた…… まさか、フローラ嬢を囮役にするなんて……」
敗因は僕の油断。あれほど魅了には気を付けないといけないことはわかっていたのに……
「アレクほどの慎重なヤツが引っ掛かるなんて…… 信じられん。何かの間違いじゃないのか?」
サンペータは信じられない現実に狼狽えていた。
「僕だって信じられないよ……」
「マジかぁ。しかし、ヤツらにそんな策士は居ないはず……」
「居たんだよ。それが……」
「アレク! 一体誰なんだ! お前ほどの純情ちゃんをハニートラップの罠に嵌めたヤツは?」
サンペータはへたり込んでいる僕の両肩を揺すり、物凄い形相で聞いて来た。
「お前、さりげなく僕をディスってるだろ」
「そんなわけねぇーだろ! 俺達は仲間だろうが! 一体誰の仕業だ?」
ヤツは咄嗟に誤魔化した。
「メアリー・アン・ジェーンスター伯爵令嬢……」
「ハァ? アイツはお前に興味無かったはずだろ? それがどうして?」
「全てメアリー嬢の策略の内だったんだよ。僕達は彼女の手の平の上で踊らされていたんだよ」
「何やて!? 初めから全て演技だったとでも言うのか?」
「そうだ。僕ですらそこまで深読みする事は出来なかった…… 一生の不覚……」
「まさか、ヤツは劇団ツキガゲにでも入っていたと言うのか?」
「ああ、ヤツは天才だ…… もしかしたら千の仮面を準備しているかもしれない」
「なんておそろしい子…… オホホホホホホホホッ!!」
サンペータは僕の話を聞いて白目を剥き、ぶっ壊れてしまった……
「ルナール嬢、マリア嬢、クリス嬢、ミレーユ嬢、フローラ嬢もヤベェが一番超ヤベェヤツはメアリー嬢だったということだ。我ながら情けない」
「ス~ハァ~ 結果的にどうなった?」
ぶっ壊れたサンペータは深呼吸を繰り返して我に返った。
「バーベキュー中は、ヤツらと一緒に行動する事になってしまった……」
僕は絶望的な表情で答えた。
「マジで!? マジか!?」
サンペータはふざけているのか?
「マジだ! とんだショータイムだ!」
僕はさらに絶望した顔で答える。
「作戦会議でも開くか?」
サンペータは僕にとって最善の道を探そうとしてくれている。
「会議場所が問題だ。王宮にも、お前達の屋敷にもヤツらの手の者が入り込んでるかもしれない」
僕は真顔で答えた。
「それはどういう意味だ?」
サンペータは意味がわかっていないようだ。
「メイドや使用人達もヤツらの手の者かもしれない…… それだけ僕らは丸裸同然だと言うことだ」
「そんな…… じゃあ、俺達のプライベートは丸裸に等しいと言うことか?」
「ああ、僕の言葉に間違いがないと断言出来る」
「なんて恐ろしいヤツらなんだ! そこまで俺達を追い込んで何をしようとしているんだ!」
「今までの誰にも言ってなかったが、僕の攻略だろう」
「アレクの攻略?」
「そうだ。ヤツらはどんな手を使っても、僕をものにしようとするだろう。アイツらは捕食者であり、僕は獲物だ。この世は弱肉強食の世界だ。草食男子にも草食男子なりの意地がある」
「ハァ。お前、自分で草食男子って言うんかい? さすがヘタレ王子」
サンペータは呆れた顔で溜め息をつきながら僕を見ていた。
「誰が草食男子だって!」
肉食を自負する僕に向かって、サンペータは草食男子と言いやがった! あとで絶対にぶっ殺す!
「何! キレてるんだよ! 自分で言った言葉じゃないか!」
サンペータは逆ギレをした。
「そうだっけ?」
自分の発言を忘れてしまうとは、とうとう僕にも火が回って来たようだ…… きっと、これが敗北者の末路なのだろう。
「アレク…… お前…… 死兆星でも見えたのか? 死相が出てるぞ」
サンペータは青い顔をして僕の心配をしてくれていた。本当にコイツが僕の側近で良かった。だが、あとで絶対にぶっ殺す!
「お前が死んだら、俺達の出世がなくなるんだよ! それは俺達にとって死活問題なんだよ!」
サンペータは僕の心配より自分の将来を心配している。僕の存在とは一体なんなのだろうか? 出世のための存在でしかないのか? 敗北者の末路とは…… 存在意義の否定だった……
「次回のファンクラブの集いを楽しみにしてましてよ。オホホホホホホホホッ」
と、言い残し勝利したヤツらは颯爽とその場を去って行った。
その後ろ姿に愕然と項垂れていると、
「オーイ! アレクどうした? そんなに項垂れて何かあったのか?」
遅い援軍であるサンペータがやって来た。もしサンペータが早く援軍に駆け付けてくれたら、勝利は無くても少なくとも引き分けくらいにはなっていただろうと思うと援軍の到着が遅かったのが悔やまれる……
「ヤツらのハニートラップに引っ掛かってしまった……」
「何ですとぉ!」
サンペータはまさか僕が、この短時間にハニートラップに引っ掛かるとは思ってもみなかったようで、いつもの口調と違っていた。
「殺られたよ…… フローラ嬢に気を許してしまった。あとはルナール嬢、マリア嬢、クリス嬢、ミレーユ嬢にして殺られた…… まさか、フローラ嬢を囮役にするなんて……」
敗因は僕の油断。あれほど魅了には気を付けないといけないことはわかっていたのに……
「アレクほどの慎重なヤツが引っ掛かるなんて…… 信じられん。何かの間違いじゃないのか?」
サンペータは信じられない現実に狼狽えていた。
「僕だって信じられないよ……」
「マジかぁ。しかし、ヤツらにそんな策士は居ないはず……」
「居たんだよ。それが……」
「アレク! 一体誰なんだ! お前ほどの純情ちゃんをハニートラップの罠に嵌めたヤツは?」
サンペータはへたり込んでいる僕の両肩を揺すり、物凄い形相で聞いて来た。
「お前、さりげなく僕をディスってるだろ」
「そんなわけねぇーだろ! 俺達は仲間だろうが! 一体誰の仕業だ?」
ヤツは咄嗟に誤魔化した。
「メアリー・アン・ジェーンスター伯爵令嬢……」
「ハァ? アイツはお前に興味無かったはずだろ? それがどうして?」
「全てメアリー嬢の策略の内だったんだよ。僕達は彼女の手の平の上で踊らされていたんだよ」
「何やて!? 初めから全て演技だったとでも言うのか?」
「そうだ。僕ですらそこまで深読みする事は出来なかった…… 一生の不覚……」
「まさか、ヤツは劇団ツキガゲにでも入っていたと言うのか?」
「ああ、ヤツは天才だ…… もしかしたら千の仮面を準備しているかもしれない」
「なんておそろしい子…… オホホホホホホホホッ!!」
サンペータは僕の話を聞いて白目を剥き、ぶっ壊れてしまった……
「ルナール嬢、マリア嬢、クリス嬢、ミレーユ嬢、フローラ嬢もヤベェが一番超ヤベェヤツはメアリー嬢だったということだ。我ながら情けない」
「ス~ハァ~ 結果的にどうなった?」
ぶっ壊れたサンペータは深呼吸を繰り返して我に返った。
「バーベキュー中は、ヤツらと一緒に行動する事になってしまった……」
僕は絶望的な表情で答えた。
「マジで!? マジか!?」
サンペータはふざけているのか?
「マジだ! とんだショータイムだ!」
僕はさらに絶望した顔で答える。
「作戦会議でも開くか?」
サンペータは僕にとって最善の道を探そうとしてくれている。
「会議場所が問題だ。王宮にも、お前達の屋敷にもヤツらの手の者が入り込んでるかもしれない」
僕は真顔で答えた。
「それはどういう意味だ?」
サンペータは意味がわかっていないようだ。
「メイドや使用人達もヤツらの手の者かもしれない…… それだけ僕らは丸裸同然だと言うことだ」
「そんな…… じゃあ、俺達のプライベートは丸裸に等しいと言うことか?」
「ああ、僕の言葉に間違いがないと断言出来る」
「なんて恐ろしいヤツらなんだ! そこまで俺達を追い込んで何をしようとしているんだ!」
「今までの誰にも言ってなかったが、僕の攻略だろう」
「アレクの攻略?」
「そうだ。ヤツらはどんな手を使っても、僕をものにしようとするだろう。アイツらは捕食者であり、僕は獲物だ。この世は弱肉強食の世界だ。草食男子にも草食男子なりの意地がある」
「ハァ。お前、自分で草食男子って言うんかい? さすがヘタレ王子」
サンペータは呆れた顔で溜め息をつきながら僕を見ていた。
「誰が草食男子だって!」
肉食を自負する僕に向かって、サンペータは草食男子と言いやがった! あとで絶対にぶっ殺す!
「何! キレてるんだよ! 自分で言った言葉じゃないか!」
サンペータは逆ギレをした。
「そうだっけ?」
自分の発言を忘れてしまうとは、とうとう僕にも火が回って来たようだ…… きっと、これが敗北者の末路なのだろう。
「アレク…… お前…… 死兆星でも見えたのか? 死相が出てるぞ」
サンペータは青い顔をして僕の心配をしてくれていた。本当にコイツが僕の側近で良かった。だが、あとで絶対にぶっ殺す!
「お前が死んだら、俺達の出世がなくなるんだよ! それは俺達にとって死活問題なんだよ!」
サンペータは僕の心配より自分の将来を心配している。僕の存在とは一体なんなのだろうか? 出世のための存在でしかないのか? 敗北者の末路とは…… 存在意義の否定だった……
34
あなたにおすすめの小説
【完結】勇者に折られた魔王のツノは、幼児の庇護者になりました
綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
ファンタジー
旧タイトル:膨大な魔力と知識ありのチートだけど、転生先がツノはないよね?
異世界転生、胸躍らせる夢の展開のはず。しかし目の前で繰り広げられる勇者vs魔王の激戦に、僕は飽きていた。だって王の頭上で、魔力を供給するだけのツノが僕だ。魔王が強いからツノがあるのではなく、ツノである僕がいるから彼が最強だった。
ずっと動けない。声は誰にも聞こえない。膨大な魔力も知識チートも披露できぬまま、魔王の頭上で朽ちるのか。諦めかけていた。
勇者の聖剣が僕を折るまでは……!
動けなかったツノは、折れたことで新たな仲間と出会う。チート無双はできないが、ツノなりに幸せを掴めるのか!? いつか自力で動ける日を夢見て、僕は彼と手を組んだ。
※基本ほのぼの、時々残酷表現あり(予告なし)
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2021/11/17 完結
悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
【完結】奪われたものを取り戻せ!〜転生王子の奪還〜
伽羅
ファンタジー
事故で死んだはずの僕は、気がついたら異世界に転生していた。
しかも王子だって!?
けれど5歳になる頃、宰相の謀反にあい、両親は殺され、僕自身も傷を負い、命からがら逃げ出した。
助けてくれた騎士団長達と共に生き延びて奪還の機会をうかがうが…。
以前、投稿していた作品を加筆修正しています。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
リヴァイヴ・ヒーロー ~異世界転生に侵略された世界に、英雄は再び現れる~
灰色キャット
ファンタジー
「君に今の時代に生まれ変わって欲しいんだ」
魔物の王を討伐した古き英雄グレリア・ファルトは死後、突然白い世界に呼び出され、神にそう言われてしまった。
彼は生まれ変わるという言葉に孫の言葉を思い出し、新しい人生を生きることを決意した。
遥か昔に生きていた世界がどう変わっているか、発展しているか期待をしながら700年後の時代に転生した彼を待ち受けていたのは……『英雄召喚』と呼ばれる魔法でやってきた異世界人の手によって破壊され発展した――変貌した世界だった。
歴史すら捻じ曲げられた世界で、グレリアは何を求め、知り……世界を生きるのだろうか?
己の心のままに生き、今を知るために、彼は再び歴史を紡ぐ。
そして……主人公はもう一人――『勇者』、『英雄』の定義すら薄くなった世界でそれらに憧れ、近づきたいと願う少年、セイル・シルドニアは学園での入学試験で一人の男と出会う。
そのことをきっかけにしてセイルは本当の意味で『勇者』というものを考え、『英雄』と呼ばれる存在になるためにもがき、苦しむことになるだろう。
例えどんな困難な道であっても、光が照らす道へと……己の力で進むと誓った、その限りを尽くして。
過去の英雄と現代の英雄(の卵)が交差し、歴史を作る!
異世界転生型アンチ異世界転生ファンタジー、ここに開幕!
――なろう・カクヨムでも連載中――
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
プロローグでケリをつけた乙女ゲームに、悪役令嬢は必要ない(と思いたい)
犬野きらり
恋愛
私、ミルフィーナ・ダルンは侯爵令嬢で二年前にこの世界が乙女ゲームと気づき本当にヒロインがいるか確認して、私は覚悟を決めた。
『ヒロインをゲーム本編に出さない。プロローグでケリをつける』
ヒロインは、お父様の再婚相手の連れ子な義妹、特に何もされていないが、今後が大変そうだからひとまず、ごめんなさい。プロローグは肩慣らし程度の攻略対象者の義兄。わかっていれば対応はできます。
まず乙女ゲームって一人の女の子が何人も男性を攻略出来ること自体、あり得ないのよ。ヒロインは天然だから気づかない、嘘、嘘。わかってて敢えてやってるからね、男落とし、それで成り上がってますから。
みんなに現実見せて、納得してもらう。揚げ足、ご都合に変換発言なんて上等!ヒロインと一緒の生活は、少しの発言でも悪役令嬢発言多々ありらしく、私も危ない。ごめんね、ヒロインさん、そんな理由で強制退去です。
でもこのゲーム退屈で途中でやめたから、その続き知りません。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる