ざまぁにはざまぁでお返し致します ~ラスボス王子はヒロインたちと悪役令嬢にざまぁしたいと思います~

陸奥 霧風

文字の大きさ
23 / 148

第23話 監視と脱出

しおりを挟む
ファンクラブのヤツらに敗北してから一夜が過ぎた。屈辱、人間不信、存在意義の否定のトラウマをブチ込まれ、僕は生きる希望を失ってしまった。

「今日は体調が優れない…… 学園へ行きたくない」

生きる希望を失った僕は学園へ行きたくないと感じ、ついその旨を専属メイドの『アリシア』にこぼしてしまった。

「では、ルナール会長へ連絡しておきますね」

「連絡は学園じゃないの? なぜルナール嬢へ?」

「ファンクラブの会員としての義務でございます」

アリシアは当たり前ではないことを当たり前のように言い切りやがった。

「もしかして、君もファンクラブの会員なの?」

「私はアレク様の専属メイドです。当然のことながら、すでにファンクラブに入会はしております」

「然様ですか……」

こんな身近にファンクラブ会員ストーカーがいるとは…… 油断の隙もない。

「それで僕の近くで、誰がファンクラブの会員さんなのか教えてくれないか?」

アリシアの他にまだ何人かいるような気がして、直球で聞いてみた。

「個人情報に付き、名前まではお答えは出来ませんが、ほぼ全員とだけは言っておきましょう」


――なんでしょう? このメイドさん。なんて正直者なんでしょう。僕にはプライベートが無いという現実をまざまざと突きつけられてしまった…… コイツら、僕の赤裸々セキララ日記を書いて、ファンクラブ会員のヤツらに非公開で売っていそうで怖い。


「ではアレク様。ルナール会長へ本日は学園をお休みするとお伝えしておきますね」

「ルナール嬢への連絡の前に、学園に連絡してくれ」

呆気に取られながらアリシアに指示を出すと、

「それは出来かねます。ファンクラブ条約第1章3条「アレク様の行動は最優先でファンクラブ上層部に嘘偽りなく、真実のみ全てを報告すべし」。となっておりますので」

アリシアは当然だと言わんばかりにドヤ顔で言い切った。

「そ、そうなの……」

ファンクラブ条約の恐ろしさに、もうそれ以上の言葉が出なかった。

「では報告して参ります」

颯爽と寝室から出ていこうとした。

「アリシア。ちょっと待ってもらえるか」

どうしても気になることがあり、アリシアを止め聞いてみた。

「時々、僕の下着がTバックのビキニパンツになっているけど、君の仕業か?」

時々紛れ込んでいるセクシー下着について尋ねてみた。

「私ではありません。他の者だと思います」

アリシアは澄ました顔で答える。

「一体、何の目的でそのようなことをするのだ。ファンクラブ上層部の指示か?」

「いいえ、違います。多分、他の者がアレク様のボディーラインを気にしての事だと思われますが」

「ボディーライン?」

「下着のラインが浮き出ないようにとの配慮でしょう。お分かりですか? アレク様はファンクラブ会員の希望であり、命を懸けるに値する尊きお方です。全てにおいて完璧でなければなりません。アレク様に粗相などあれば王宮全てのメイド、使用人はその場で腹を掻っ払く、首を掻っ切る等など自決する覚悟で全身全霊でお仕えしているのです!」

アリシアは真顔で一気に答え、寝室から出ていった。

「あ、あ、ありがとう」

僕はそれ以上の言葉が口から出なかった。

――怖い…… マジで恐い…… 僕が一体ヤツらに何をしたというのだ…… ストーカー行為、嫌がらせ、視姦、ヨダレ、鼻水、ハニートラップ、策略、人間不信トラウマ存在意義の否定ビバトラウマ、監視、自決宣言まで……

僕はなんで、ここまでされなくてはいけないのか? これがラスボス攻略者に課せられた試練なのか? ラスボス攻略者とは一体……


ファンクラブのヤツらに、僕が学園を休むとアリシアから報告があるはず。お前達の思い通りになると思うなよ。誰も居ないうちに王宮から脱出しよう。

急ぎ服を着替えて窓から逃げた。僕の寝室は三階にあるが魔法を駆使して脱出した。

「これからどこに行こう。とりあえず、シンシアヌの森に行こう」

僕は独り言を呟き、隠密と身体強化の魔法を使い、建物の屋根を悪魔的跳躍で次々と跳び越え、ストレス発散の為、狩り場として有名なシンシアヌの森へ向かった。

急いで逃亡した結果、剣を忘れてしまったことに気が付いた。剣を忘れ事に後悔はしたが、僕には最強の酔拳とエムタイがある。 

――!? ここで酔拳で飲む酒も無いことに気付く。

酔拳は酒がなければ、その威力は大幅に激減してしまう。酒を呑むからこそ酔拳なのだ。

「仕方がない…… エムタイで狩りをしよう。エムタイの神マモォール鳥よ! 我を導きたまえ!」

マモォール鳥に祈りを捧げ、シンシアヌの森へ急いだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

リヴァイヴ・ヒーロー ~異世界転生に侵略された世界に、英雄は再び現れる~

灰色キャット
ファンタジー
「君に今の時代に生まれ変わって欲しいんだ」 魔物の王を討伐した古き英雄グレリア・ファルトは死後、突然白い世界に呼び出され、神にそう言われてしまった。 彼は生まれ変わるという言葉に孫の言葉を思い出し、新しい人生を生きることを決意した。 遥か昔に生きていた世界がどう変わっているか、発展しているか期待をしながら700年後の時代に転生した彼を待ち受けていたのは……『英雄召喚』と呼ばれる魔法でやってきた異世界人の手によって破壊され発展した――変貌した世界だった。 歴史すら捻じ曲げられた世界で、グレリアは何を求め、知り……世界を生きるのだろうか? 己の心のままに生き、今を知るために、彼は再び歴史を紡ぐ。 そして……主人公はもう一人――『勇者』、『英雄』の定義すら薄くなった世界でそれらに憧れ、近づきたいと願う少年、セイル・シルドニアは学園での入学試験で一人の男と出会う。 そのことをきっかけにしてセイルは本当の意味で『勇者』というものを考え、『英雄』と呼ばれる存在になるためにもがき、苦しむことになるだろう。 例えどんな困難な道であっても、光が照らす道へと……己の力で進むと誓った、その限りを尽くして。 過去の英雄と現代の英雄(の卵)が交差し、歴史を作る! 異世界転生型アンチ異世界転生ファンタジー、ここに開幕! ――なろう・カクヨムでも連載中――

加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ

犬社護
ファンタジー
交通事故で不慮の死を遂げてしまった僕-リョウトは、死後の世界で女神と出会い、異世界へ転生されることになった。事前に転生先の世界観について詳しく教えられ、その場でスキルやギフトを練習しても構わないと言われたので、僕は自分に与えられるギフトだけを極めるまで練習を重ねた。女神の目的は不明だけど、僕は全てを納得した上で、フランベル王国王都ベルンシュナイルに住む貴族の名門ヒライデン伯爵家の次男として転生すると、とある理由で魔法を一つも習得できないせいで、15年間軟禁生活を強いられ、15歳の誕生日に両親から追放処分を受けてしまう。ようやく自由を手に入れたけど、初日から幽霊に憑かれた幼女ルティナ、2日目には幽霊になってしまった幼女リノアと出会い、2人を仲間にしたことで、僕は様々な選択を迫られることになる。そしてその結果、子供たちが意図せず、どんどんチート化してしまう。 僕の夢は、自由気ままに世界中を冒険すること…なんだけど、いつの間にかチートな子供たちが主体となって、冒険が進んでいく。 僕の夢……どこいった?

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!

えながゆうき
ファンタジー
 妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!  剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!

【完結】勇者に折られた魔王のツノは、幼児の庇護者になりました

綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
ファンタジー
旧タイトル:膨大な魔力と知識ありのチートだけど、転生先がツノはないよね? 異世界転生、胸躍らせる夢の展開のはず。しかし目の前で繰り広げられる勇者vs魔王の激戦に、僕は飽きていた。だって王の頭上で、魔力を供給するだけのツノが僕だ。魔王が強いからツノがあるのではなく、ツノである僕がいるから彼が最強だった。 ずっと動けない。声は誰にも聞こえない。膨大な魔力も知識チートも披露できぬまま、魔王の頭上で朽ちるのか。諦めかけていた。 勇者の聖剣が僕を折るまでは……!  動けなかったツノは、折れたことで新たな仲間と出会う。チート無双はできないが、ツノなりに幸せを掴めるのか!? いつか自力で動ける日を夢見て、僕は彼と手を組んだ。 ※基本ほのぼの、時々残酷表現あり(予告なし) 【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2021/11/17 完結

転生メイドは絆されない ~あの子は私が育てます!~

志波 連
ファンタジー
息子と一緒に事故に遭い、母子で異世界に転生してしまったさおり。 自分には前世の記憶があるのに、息子は全く覚えていなかった。 しかも、愛息子はヘブンズ王国の第二王子に転生しているのに、自分はその王子付きのメイドという格差。 身分差故に、自分の息子に敬語で話し、無理な要求にも笑顔で応える日々。 しかし、そのあまりの傍若無人さにお母ちゃんはブチ切れた! 第二王子に厳しい躾を始めた一介のメイドの噂は王家の人々の耳にも入る。 側近たちは不敬だと騒ぐが、国王と王妃、そして第一王子はその奮闘を見守る。 厳しくも愛情あふれるメイドの姿に、第一王子は恋をする。 後継者争いや、反王家貴族の暗躍などを乗り越え、元親子は国の在り方さえ変えていくのだった。

気づいたら美少女ゲーの悪役令息に転生していたのでサブヒロインを救うのに人生を賭けることにした

高坂ナツキ
ファンタジー
衝撃を受けた途端、俺は美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生していた!? これは、自分が制作にかかわっていた美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生した主人公が、報われないサブヒロインを救うために人生を賭ける話。 日常あり、恋愛あり、ダンジョンあり、戦闘あり、料理ありの何でもありの話となっています。

処理中です...