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第22話 敗北者の末路
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思わぬところで敗北者となった僕に、
「次回のファンクラブの集いを楽しみにしてましてよ。オホホホホホホホホッ」
と、言い残し勝利したヤツらは颯爽とその場を去って行った。
その後ろ姿に愕然と項垂れていると、
「オーイ! アレクどうした? そんなに項垂れて何かあったのか?」
遅い援軍であるサンペータがやって来た。もしサンペータが早く援軍に駆け付けてくれたら、勝利は無くても少なくとも引き分けくらいにはなっていただろうと思うと援軍の到着が遅かったのが悔やまれる……
「ヤツらのハニートラップに引っ掛かってしまった……」
「何ですとぉ!」
サンペータはまさか僕が、この短時間にハニートラップに引っ掛かるとは思ってもみなかったようで、いつもの口調と違っていた。
「殺られたよ…… フローラ嬢に気を許してしまった。あとはルナール嬢、マリア嬢、クリス嬢、ミレーユ嬢にして殺られた…… まさか、フローラ嬢を囮役にするなんて……」
敗因は僕の油断。あれほど魅了には気を付けないといけないことはわかっていたのに……
「アレクほどの慎重なヤツが引っ掛かるなんて…… 信じられん。何かの間違いじゃないのか?」
サンペータは信じられない現実に狼狽えていた。
「僕だって信じられないよ……」
「マジかぁ。しかし、ヤツらにそんな策士は居ないはず……」
「居たんだよ。それが……」
「アレク! 一体誰なんだ! お前ほどの純情ちゃんをハニートラップの罠に嵌めたヤツは?」
サンペータはへたり込んでいる僕の両肩を揺すり、物凄い形相で聞いて来た。
「お前、さりげなく僕をディスってるだろ」
「そんなわけねぇーだろ! 俺達は仲間だろうが! 一体誰の仕業だ?」
ヤツは咄嗟に誤魔化した。
「メアリー・アン・ジェーンスター伯爵令嬢……」
「ハァ? アイツはお前に興味無かったはずだろ? それがどうして?」
「全てメアリー嬢の策略の内だったんだよ。僕達は彼女の手の平の上で踊らされていたんだよ」
「何やて!? 初めから全て演技だったとでも言うのか?」
「そうだ。僕ですらそこまで深読みする事は出来なかった…… 一生の不覚……」
「まさか、ヤツは劇団ツキガゲにでも入っていたと言うのか?」
「ああ、ヤツは天才だ…… もしかしたら千の仮面を準備しているかもしれない」
「なんておそろしい子…… オホホホホホホホホッ!!」
サンペータは僕の話を聞いて白目を剥き、ぶっ壊れてしまった……
「ルナール嬢、マリア嬢、クリス嬢、ミレーユ嬢、フローラ嬢もヤベェが一番超ヤベェヤツはメアリー嬢だったということだ。我ながら情けない」
「ス~ハァ~ 結果的にどうなった?」
ぶっ壊れたサンペータは深呼吸を繰り返して我に返った。
「バーベキュー中は、ヤツらと一緒に行動する事になってしまった……」
僕は絶望的な表情で答えた。
「マジで!? マジか!?」
サンペータはふざけているのか?
「マジだ! とんだショータイムだ!」
僕はさらに絶望した顔で答える。
「作戦会議でも開くか?」
サンペータは僕にとって最善の道を探そうとしてくれている。
「会議場所が問題だ。王宮にも、お前達の屋敷にもヤツらの手の者が入り込んでるかもしれない」
僕は真顔で答えた。
「それはどういう意味だ?」
サンペータは意味がわかっていないようだ。
「メイドや使用人達もヤツらの手の者かもしれない…… それだけ僕らは丸裸同然だと言うことだ」
「そんな…… じゃあ、俺達のプライベートは丸裸に等しいと言うことか?」
「ああ、僕の言葉に間違いがないと断言出来る」
「なんて恐ろしいヤツらなんだ! そこまで俺達を追い込んで何をしようとしているんだ!」
「今までの誰にも言ってなかったが、僕の攻略だろう」
「アレクの攻略?」
「そうだ。ヤツらはどんな手を使っても、僕をものにしようとするだろう。アイツらは捕食者であり、僕は獲物だ。この世は弱肉強食の世界だ。草食男子にも草食男子なりの意地がある」
「ハァ。お前、自分で草食男子って言うんかい? さすがヘタレ王子」
サンペータは呆れた顔で溜め息をつきながら僕を見ていた。
「誰が草食男子だって!」
肉食を自負する僕に向かって、サンペータは草食男子と言いやがった! あとで絶対にぶっ殺す!
「何! キレてるんだよ! 自分で言った言葉じゃないか!」
サンペータは逆ギレをした。
「そうだっけ?」
自分の発言を忘れてしまうとは、とうとう僕にも火が回って来たようだ…… きっと、これが敗北者の末路なのだろう。
「アレク…… お前…… 死兆星でも見えたのか? 死相が出てるぞ」
サンペータは青い顔をして僕の心配をしてくれていた。本当にコイツが僕の側近で良かった。だが、あとで絶対にぶっ殺す!
「お前が死んだら、俺達の出世がなくなるんだよ! それは俺達にとって死活問題なんだよ!」
サンペータは僕の心配より自分の将来を心配している。僕の存在とは一体なんなのだろうか? 出世のための存在でしかないのか? 敗北者の末路とは…… 存在意義の否定だった……
「次回のファンクラブの集いを楽しみにしてましてよ。オホホホホホホホホッ」
と、言い残し勝利したヤツらは颯爽とその場を去って行った。
その後ろ姿に愕然と項垂れていると、
「オーイ! アレクどうした? そんなに項垂れて何かあったのか?」
遅い援軍であるサンペータがやって来た。もしサンペータが早く援軍に駆け付けてくれたら、勝利は無くても少なくとも引き分けくらいにはなっていただろうと思うと援軍の到着が遅かったのが悔やまれる……
「ヤツらのハニートラップに引っ掛かってしまった……」
「何ですとぉ!」
サンペータはまさか僕が、この短時間にハニートラップに引っ掛かるとは思ってもみなかったようで、いつもの口調と違っていた。
「殺られたよ…… フローラ嬢に気を許してしまった。あとはルナール嬢、マリア嬢、クリス嬢、ミレーユ嬢にして殺られた…… まさか、フローラ嬢を囮役にするなんて……」
敗因は僕の油断。あれほど魅了には気を付けないといけないことはわかっていたのに……
「アレクほどの慎重なヤツが引っ掛かるなんて…… 信じられん。何かの間違いじゃないのか?」
サンペータは信じられない現実に狼狽えていた。
「僕だって信じられないよ……」
「マジかぁ。しかし、ヤツらにそんな策士は居ないはず……」
「居たんだよ。それが……」
「アレク! 一体誰なんだ! お前ほどの純情ちゃんをハニートラップの罠に嵌めたヤツは?」
サンペータはへたり込んでいる僕の両肩を揺すり、物凄い形相で聞いて来た。
「お前、さりげなく僕をディスってるだろ」
「そんなわけねぇーだろ! 俺達は仲間だろうが! 一体誰の仕業だ?」
ヤツは咄嗟に誤魔化した。
「メアリー・アン・ジェーンスター伯爵令嬢……」
「ハァ? アイツはお前に興味無かったはずだろ? それがどうして?」
「全てメアリー嬢の策略の内だったんだよ。僕達は彼女の手の平の上で踊らされていたんだよ」
「何やて!? 初めから全て演技だったとでも言うのか?」
「そうだ。僕ですらそこまで深読みする事は出来なかった…… 一生の不覚……」
「まさか、ヤツは劇団ツキガゲにでも入っていたと言うのか?」
「ああ、ヤツは天才だ…… もしかしたら千の仮面を準備しているかもしれない」
「なんておそろしい子…… オホホホホホホホホッ!!」
サンペータは僕の話を聞いて白目を剥き、ぶっ壊れてしまった……
「ルナール嬢、マリア嬢、クリス嬢、ミレーユ嬢、フローラ嬢もヤベェが一番超ヤベェヤツはメアリー嬢だったということだ。我ながら情けない」
「ス~ハァ~ 結果的にどうなった?」
ぶっ壊れたサンペータは深呼吸を繰り返して我に返った。
「バーベキュー中は、ヤツらと一緒に行動する事になってしまった……」
僕は絶望的な表情で答えた。
「マジで!? マジか!?」
サンペータはふざけているのか?
「マジだ! とんだショータイムだ!」
僕はさらに絶望した顔で答える。
「作戦会議でも開くか?」
サンペータは僕にとって最善の道を探そうとしてくれている。
「会議場所が問題だ。王宮にも、お前達の屋敷にもヤツらの手の者が入り込んでるかもしれない」
僕は真顔で答えた。
「それはどういう意味だ?」
サンペータは意味がわかっていないようだ。
「メイドや使用人達もヤツらの手の者かもしれない…… それだけ僕らは丸裸同然だと言うことだ」
「そんな…… じゃあ、俺達のプライベートは丸裸に等しいと言うことか?」
「ああ、僕の言葉に間違いがないと断言出来る」
「なんて恐ろしいヤツらなんだ! そこまで俺達を追い込んで何をしようとしているんだ!」
「今までの誰にも言ってなかったが、僕の攻略だろう」
「アレクの攻略?」
「そうだ。ヤツらはどんな手を使っても、僕をものにしようとするだろう。アイツらは捕食者であり、僕は獲物だ。この世は弱肉強食の世界だ。草食男子にも草食男子なりの意地がある」
「ハァ。お前、自分で草食男子って言うんかい? さすがヘタレ王子」
サンペータは呆れた顔で溜め息をつきながら僕を見ていた。
「誰が草食男子だって!」
肉食を自負する僕に向かって、サンペータは草食男子と言いやがった! あとで絶対にぶっ殺す!
「何! キレてるんだよ! 自分で言った言葉じゃないか!」
サンペータは逆ギレをした。
「そうだっけ?」
自分の発言を忘れてしまうとは、とうとう僕にも火が回って来たようだ…… きっと、これが敗北者の末路なのだろう。
「アレク…… お前…… 死兆星でも見えたのか? 死相が出てるぞ」
サンペータは青い顔をして僕の心配をしてくれていた。本当にコイツが僕の側近で良かった。だが、あとで絶対にぶっ殺す!
「お前が死んだら、俺達の出世がなくなるんだよ! それは俺達にとって死活問題なんだよ!」
サンペータは僕の心配より自分の将来を心配している。僕の存在とは一体なんなのだろうか? 出世のための存在でしかないのか? 敗北者の末路とは…… 存在意義の否定だった……
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