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第35話 恐るべき悪行
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『ズン ズン ズン ドコ ズン ズン ズン ベコ』
僕を先頭にザ・シチリーンズが食堂へ向け、規律正しく、そして堂々とした行進を見せる。近衛師団の行進と見間違えるようであったと後世に語り継がれるのである。多分……
『ドンッ!』
僕は食堂の扉を蹴り上げ食堂に入った。
「陛下、王妃様。大変遅くなりました」
料理長は父上と母上に頭を下げる。その口元にはゲンタレがこびりついていた。
「ず、ずいぶんと遅かったな料理長」
父上は若干だがイラだった表情をしている。
「そ、そうよ。ここまで私達を焦らすなんて、宮本武蔵と佐々木小次郎みたいに巌流島の再現かと思ったわよ」
母上も待たされた苛立ちを表していた。
――母上、宮本武蔵に佐々木小次郎、巌流島だって!? 例えがマニアック過ぎてわかりづらい…… んっ!? 何で母上は宮本武蔵とか知っているんだ? 母上も転生者なのか? プリストの世界だからな、何でもありなのだろう……
「申し訳ありませんでした。初めての料理故すぐには陛下、王妃様にお出しすることは出来ません。私達が自らを犠牲にして試食をしておりました」
料理長はもっともらしい理由を並べ試食をしていたことを暴露した。
「そうなの? それで美味しかった?」
父上はあまりにも酷い言い訳に素が出ていた。
「天使すら堕天使に堕とす悪魔的うまさでした。いえ、そんな言葉では足りません。か、神殺し…… そう、神殺し。悪魔的神殺しのうまさでした」
料理長は微妙にえげつない評価だった。
「か、か、神殺し……」
父上もその評価に戸惑いを隠せなかった。
「料理長。早く私にも食べさせてよ!」
母上は茶番劇に苛立った様子だった。
「ハッ! お前達、陛下と王妃様にシチリーンとカルビィの準備をしろ!」
「ウィ ムッシュ! 陛下、王妃様。こちらがシチリーンとなります。熱いですのでヤケドにはご注意下さい」
ザ・シチリーンズは父上と母上の前に熱々の網が乗ったシチリーンを置いた。
「こちらが牛肉のカルビィになります」
ザ・シチリーンズはシチリーンの側にカルビィを置いた。
「これが!? 料理? 生肉ではないか?」
「料理長! どう言うことですの。私達に生肉を食べろと?」
父上と母上は生肉を出された事に戸惑いを隠せないようだ。
「陛下、王妃様。この料理はまだ50%しか完成しておりません」
料理長は父上と母上の声に怯むことなく話を続ける。
「このカルビィを一切れ取り、熱せられた網の上に置きます」
料理長はカルビィを一切れ取り上げ、網の上に乗せた。網の上に置かれたカルビィは香ばしい匂いと白い煙を立ち上げ、『ジュー ジュー』と音を響かせた。
「オワッ!? な、何が起こったのだ?」
父上は匂い、白い煙、肉の焼ける音に驚いたようだ。
「キャッ なに、なんなの?」
母上は軽いショック症状を受けたようだ。母上! 『キャッ』ってなんだよ! 若い女性ならわかるが、年を考えてくれよ! 年を!
「陛下、王妃様。落ち着いて下さい! これはまだザ・焼肉の序章にすぎません。これより、裏面焼けるまでこのまま放置致します」
「放置だと? このままでは焦げてしまうではないか?」
父上はごく全うな質問をした。母上もお肉の焦げを拒絶するかのように、
「そうよ。私は焦げた肉など食べたくないわ」
――母上、我が儘ブッ込み過ぎです。年をお考え下さい。年を!
「その焦げがうまさ倍増なのです。まさにデビール焦げと言っても過言ではありません」
料理長はどこまでも悪魔関係の表現しかしてくれないようだ。
「裏面に焦げ目が付きましたら、このようにひっくり返します」
料理長は焼けたお肉をひっくり返し、
「肉が焼けるまで、ダメ押しの放置プレーをブチかまします」
「なんと!? また放置プレーか!? お前には人の心が無いのか! この人でなし!」
「そうですよ。放置プレーなんて品性の欠片も感じませんね。邪道、外道、鬼畜、社畜、家畜、チキショー!」
父上と母上はお肉の放置プレーは許されない所業のようだ。
「王妃様。お褒めのお言葉ありがとうございます!」
――ハァ? 罵詈雑言の暴言が褒め言葉だと!? なんてこつた…… チキチキチキチキショー!!
「陛下、王妃様。肉が焼けたようです。焼けた肉はこのように悪魔のタレを付けて……」
『パクッ』
料理長は自分で用意していたゲンタレの入った小皿に肉を入れて、父上と母上の前で自分の口に入れた。
『モグモグ』
「やっぱ! うめ~! ざわざわ ざわざわ悪魔的ーうまさ! 酒飲みてー! 白米食いて!」
「お前……」
「料理長…… ブッ殺す……」
焼いたお肉を父上と母上に献上するかのように見せかけて、自分で食べるという恐るべき悪行。さすが、トチ狂っているぜ!料理長!!
父上と母上はただただ、唖然と料理長をみつめていた。母上…… 物騒な事は言わないように……
僕を先頭にザ・シチリーンズが食堂へ向け、規律正しく、そして堂々とした行進を見せる。近衛師団の行進と見間違えるようであったと後世に語り継がれるのである。多分……
『ドンッ!』
僕は食堂の扉を蹴り上げ食堂に入った。
「陛下、王妃様。大変遅くなりました」
料理長は父上と母上に頭を下げる。その口元にはゲンタレがこびりついていた。
「ず、ずいぶんと遅かったな料理長」
父上は若干だがイラだった表情をしている。
「そ、そうよ。ここまで私達を焦らすなんて、宮本武蔵と佐々木小次郎みたいに巌流島の再現かと思ったわよ」
母上も待たされた苛立ちを表していた。
――母上、宮本武蔵に佐々木小次郎、巌流島だって!? 例えがマニアック過ぎてわかりづらい…… んっ!? 何で母上は宮本武蔵とか知っているんだ? 母上も転生者なのか? プリストの世界だからな、何でもありなのだろう……
「申し訳ありませんでした。初めての料理故すぐには陛下、王妃様にお出しすることは出来ません。私達が自らを犠牲にして試食をしておりました」
料理長はもっともらしい理由を並べ試食をしていたことを暴露した。
「そうなの? それで美味しかった?」
父上はあまりにも酷い言い訳に素が出ていた。
「天使すら堕天使に堕とす悪魔的うまさでした。いえ、そんな言葉では足りません。か、神殺し…… そう、神殺し。悪魔的神殺しのうまさでした」
料理長は微妙にえげつない評価だった。
「か、か、神殺し……」
父上もその評価に戸惑いを隠せなかった。
「料理長。早く私にも食べさせてよ!」
母上は茶番劇に苛立った様子だった。
「ハッ! お前達、陛下と王妃様にシチリーンとカルビィの準備をしろ!」
「ウィ ムッシュ! 陛下、王妃様。こちらがシチリーンとなります。熱いですのでヤケドにはご注意下さい」
ザ・シチリーンズは父上と母上の前に熱々の網が乗ったシチリーンを置いた。
「こちらが牛肉のカルビィになります」
ザ・シチリーンズはシチリーンの側にカルビィを置いた。
「これが!? 料理? 生肉ではないか?」
「料理長! どう言うことですの。私達に生肉を食べろと?」
父上と母上は生肉を出された事に戸惑いを隠せないようだ。
「陛下、王妃様。この料理はまだ50%しか完成しておりません」
料理長は父上と母上の声に怯むことなく話を続ける。
「このカルビィを一切れ取り、熱せられた網の上に置きます」
料理長はカルビィを一切れ取り上げ、網の上に乗せた。網の上に置かれたカルビィは香ばしい匂いと白い煙を立ち上げ、『ジュー ジュー』と音を響かせた。
「オワッ!? な、何が起こったのだ?」
父上は匂い、白い煙、肉の焼ける音に驚いたようだ。
「キャッ なに、なんなの?」
母上は軽いショック症状を受けたようだ。母上! 『キャッ』ってなんだよ! 若い女性ならわかるが、年を考えてくれよ! 年を!
「陛下、王妃様。落ち着いて下さい! これはまだザ・焼肉の序章にすぎません。これより、裏面焼けるまでこのまま放置致します」
「放置だと? このままでは焦げてしまうではないか?」
父上はごく全うな質問をした。母上もお肉の焦げを拒絶するかのように、
「そうよ。私は焦げた肉など食べたくないわ」
――母上、我が儘ブッ込み過ぎです。年をお考え下さい。年を!
「その焦げがうまさ倍増なのです。まさにデビール焦げと言っても過言ではありません」
料理長はどこまでも悪魔関係の表現しかしてくれないようだ。
「裏面に焦げ目が付きましたら、このようにひっくり返します」
料理長は焼けたお肉をひっくり返し、
「肉が焼けるまで、ダメ押しの放置プレーをブチかまします」
「なんと!? また放置プレーか!? お前には人の心が無いのか! この人でなし!」
「そうですよ。放置プレーなんて品性の欠片も感じませんね。邪道、外道、鬼畜、社畜、家畜、チキショー!」
父上と母上はお肉の放置プレーは許されない所業のようだ。
「王妃様。お褒めのお言葉ありがとうございます!」
――ハァ? 罵詈雑言の暴言が褒め言葉だと!? なんてこつた…… チキチキチキチキショー!!
「陛下、王妃様。肉が焼けたようです。焼けた肉はこのように悪魔のタレを付けて……」
『パクッ』
料理長は自分で用意していたゲンタレの入った小皿に肉を入れて、父上と母上の前で自分の口に入れた。
『モグモグ』
「やっぱ! うめ~! ざわざわ ざわざわ悪魔的ーうまさ! 酒飲みてー! 白米食いて!」
「お前……」
「料理長…… ブッ殺す……」
焼いたお肉を父上と母上に献上するかのように見せかけて、自分で食べるという恐るべき悪行。さすが、トチ狂っているぜ!料理長!!
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