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第34話 悪魔の調味料
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父上と母上から料理の腕を疑われてた、自称「前世では独身だったからちゃんと自炊とか出来るもん」の僕は厨房へと急いだ。
厨房に着くと料理長が牛肉の下ごしらえをしていた。
「料理長、待ってくれ。ゲンタレを最大限に引き立てた食べ方がある。ここは僕に任せてもらえないだろうか?」
「アレク様が料理ですかい?」
料理長は僕をジト目に見ていた。
「ゲンタレを作った僕だよ。少しくらいは信用してよ」
「わかりました。では、アレク様にお任せいたしましょう。私は何を手伝えば良いですか?」
料理長は僕のわがままを聞いてくれた。
「とりあえず、その肉を7ミリ位の厚さで一口大に切ってもらえるかい? 僕はこっちの準備をするから」
僕は料理長に指示を出し、収納魔法から取っておきの七輪と木炭、丸い網の2セット分を出した。実はアリシアのソロバーベキューに憧れて、七輪のセットを10個ほど作っていたのだ。
「これは!?」
料理長をはじめ料理人達が七輪を見たさで、僕の周りに集まって来た。
「シチリーンという調理器具だよ。肉を焼く器具で、この網の上に肉を焼いて食べるんだよ」
「これで肉が焼けるのですか?」
「ああ、当然だよ。フライパンで肉を炒めるよりシチリーンで焼いた方がうまいんだよ。試しに試食でもしてみるかい?」
「アレク様是非、お願いします。憐れな料理人にお恵みを……」
料理人は片ひざを床に付け、神に祈りを捧げるかのように両手を握っていた。
「わかった。わかったよ。とりあえずみんな立ってくれ」
僕は彼らの要求を飲むことにした。
料理長をはじめ料理人達を立たせ、お肉のカットをお願いした。その間にシチリーンに木炭を入れ、火炎魔法で木炭を炙り、炭に火をつけた。
料理人達は急ぎ、牛肉のカットを終わらせた。その肉をゲンタレに漬け込みをした。短時間の漬け込みであったが、長い時間漬け込むと肉にゲンタレの味が染み込み過ぎてしまって、しょっぱくなってしまうから注意が必要だ。
肉とシチリーンの準備が全て終わり、試食タイムとなった。父上と母上を待たせてしまうが、まずい物は出せない。最初に僕達が味の確認をするのだ。
「網の上にこうして肉を乗せる。しばらく放置する。俗に言う放置プレーと言うやつだよ」
肉を熱せられた網に置くと香ばしい肉の焼ける匂いと白い煙が厨房の中に立ち込めた。
「肉の放置プレーですか? 私も放置されるのが好きです。放置したままの事を放置プレーと言うんですね。アレク様、勉強になります。」
一人の料理人が、放置プレーと言う言葉に即座に反応した。
「――そ、そ、そうなのかい? それは良かった」
何が良かったのかよくわからないが、僕は突然のカミングアウトに対応しきれなかった。
――すまない。名もなき料理人よ。もっと僕に人生経験があったら、上手い切り返しが出来ていたかもしれない。
「肉の様子を見ながらひっくり返すんだ。そして、肉が焼けるまで放置プレー」
「ダメ押しで放置プレーですか? アレク様も中々の放置プレーマニアですね」
「そ、そ、そうかな? 初めて放置プレーマニアと言われたよ……」
僕は放置プレーマニアと言われて動揺してしまった。
「ここまで冷静沈着に放置出来るなんて、普通の人なら出来ませんよ。私なら気になってしまって、放置プレーは出来ません。アレク様は放置プレーのプロです!」
「えっ!? 僕が放置プレーのプロだって!」
僕がプロと呼ばれて、驚きを隠せないでいると、
「あっ! アレク様、肉が焼けたようですよ」
話をすり替えられた……
「じゃあ、肉が焼けたら、こうしてゲンタレに付けて口に運ぶ……」
僕はみんなのお手本となるべく、フォークで肉を刺し、小皿に入れていたゲンタレにからませ、口の中に運んだ。
「うまッ!? 激うま! みんなも食べてみてよ。食べ方は自由だけど網とか熱いからヤケドには気をつけてね」
「はい、いただきます」
料理人達は香ばしい匂いと煙で洗脳でもされたかのようにガツガツと焼肉を食べ始めた。
「ウメッスわ! マジでパネェっすよ」
「ゲンタレ神!」
「肉料理がこんなに面白くて、うまいもんだとは思わなかったッス」
絶賛の嵐だった。
「アレク様! この料理の名前は?」
とある名もなき料理人が僕に尋ねる。僕はドヤ顔で答える。
「『ザ・焼肉』! この肉を『カルビィ』と名付ける!」
「「「おおー!!」」」
料理人達は両腕を高らかに上げ、
「ザ・焼肉! ビバ、ザ・焼肉! どこからどう見てもザ・焼肉!♪ カ~ルビィ! カル~ビィ! カルビィ~! ワラビィー!♪」
料理人達は大合唱で歌い始めた。若干だが、微妙に違う箇所があった気がする……
「さあ、試食も終わりだ! 早く父上と母上に焼肉を食べてもらおう!」
「「「おおー!!」」」
僕の一声で、その場にいた全員の心が一つとなった。
出発前に檄を飛ばす! 僕は右拳を天に突き上げ、
「いざ 鎌倉!!」
「「「いざ 鎌倉!!」」」
料理長、料理人達も右拳を天に突き上げ、僕に答えてくれた。
僕を先頭に料理長、料理人達が父上とは母上のいる食堂へシチリーンセットとカルビィを持って前進した……
厨房に着くと料理長が牛肉の下ごしらえをしていた。
「料理長、待ってくれ。ゲンタレを最大限に引き立てた食べ方がある。ここは僕に任せてもらえないだろうか?」
「アレク様が料理ですかい?」
料理長は僕をジト目に見ていた。
「ゲンタレを作った僕だよ。少しくらいは信用してよ」
「わかりました。では、アレク様にお任せいたしましょう。私は何を手伝えば良いですか?」
料理長は僕のわがままを聞いてくれた。
「とりあえず、その肉を7ミリ位の厚さで一口大に切ってもらえるかい? 僕はこっちの準備をするから」
僕は料理長に指示を出し、収納魔法から取っておきの七輪と木炭、丸い網の2セット分を出した。実はアリシアのソロバーベキューに憧れて、七輪のセットを10個ほど作っていたのだ。
「これは!?」
料理長をはじめ料理人達が七輪を見たさで、僕の周りに集まって来た。
「シチリーンという調理器具だよ。肉を焼く器具で、この網の上に肉を焼いて食べるんだよ」
「これで肉が焼けるのですか?」
「ああ、当然だよ。フライパンで肉を炒めるよりシチリーンで焼いた方がうまいんだよ。試しに試食でもしてみるかい?」
「アレク様是非、お願いします。憐れな料理人にお恵みを……」
料理人は片ひざを床に付け、神に祈りを捧げるかのように両手を握っていた。
「わかった。わかったよ。とりあえずみんな立ってくれ」
僕は彼らの要求を飲むことにした。
料理長をはじめ料理人達を立たせ、お肉のカットをお願いした。その間にシチリーンに木炭を入れ、火炎魔法で木炭を炙り、炭に火をつけた。
料理人達は急ぎ、牛肉のカットを終わらせた。その肉をゲンタレに漬け込みをした。短時間の漬け込みであったが、長い時間漬け込むと肉にゲンタレの味が染み込み過ぎてしまって、しょっぱくなってしまうから注意が必要だ。
肉とシチリーンの準備が全て終わり、試食タイムとなった。父上と母上を待たせてしまうが、まずい物は出せない。最初に僕達が味の確認をするのだ。
「網の上にこうして肉を乗せる。しばらく放置する。俗に言う放置プレーと言うやつだよ」
肉を熱せられた網に置くと香ばしい肉の焼ける匂いと白い煙が厨房の中に立ち込めた。
「肉の放置プレーですか? 私も放置されるのが好きです。放置したままの事を放置プレーと言うんですね。アレク様、勉強になります。」
一人の料理人が、放置プレーと言う言葉に即座に反応した。
「――そ、そ、そうなのかい? それは良かった」
何が良かったのかよくわからないが、僕は突然のカミングアウトに対応しきれなかった。
――すまない。名もなき料理人よ。もっと僕に人生経験があったら、上手い切り返しが出来ていたかもしれない。
「肉の様子を見ながらひっくり返すんだ。そして、肉が焼けるまで放置プレー」
「ダメ押しで放置プレーですか? アレク様も中々の放置プレーマニアですね」
「そ、そ、そうかな? 初めて放置プレーマニアと言われたよ……」
僕は放置プレーマニアと言われて動揺してしまった。
「ここまで冷静沈着に放置出来るなんて、普通の人なら出来ませんよ。私なら気になってしまって、放置プレーは出来ません。アレク様は放置プレーのプロです!」
「えっ!? 僕が放置プレーのプロだって!」
僕がプロと呼ばれて、驚きを隠せないでいると、
「あっ! アレク様、肉が焼けたようですよ」
話をすり替えられた……
「じゃあ、肉が焼けたら、こうしてゲンタレに付けて口に運ぶ……」
僕はみんなのお手本となるべく、フォークで肉を刺し、小皿に入れていたゲンタレにからませ、口の中に運んだ。
「うまッ!? 激うま! みんなも食べてみてよ。食べ方は自由だけど網とか熱いからヤケドには気をつけてね」
「はい、いただきます」
料理人達は香ばしい匂いと煙で洗脳でもされたかのようにガツガツと焼肉を食べ始めた。
「ウメッスわ! マジでパネェっすよ」
「ゲンタレ神!」
「肉料理がこんなに面白くて、うまいもんだとは思わなかったッス」
絶賛の嵐だった。
「アレク様! この料理の名前は?」
とある名もなき料理人が僕に尋ねる。僕はドヤ顔で答える。
「『ザ・焼肉』! この肉を『カルビィ』と名付ける!」
「「「おおー!!」」」
料理人達は両腕を高らかに上げ、
「ザ・焼肉! ビバ、ザ・焼肉! どこからどう見てもザ・焼肉!♪ カ~ルビィ! カル~ビィ! カルビィ~! ワラビィー!♪」
料理人達は大合唱で歌い始めた。若干だが、微妙に違う箇所があった気がする……
「さあ、試食も終わりだ! 早く父上と母上に焼肉を食べてもらおう!」
「「「おおー!!」」」
僕の一声で、その場にいた全員の心が一つとなった。
出発前に檄を飛ばす! 僕は右拳を天に突き上げ、
「いざ 鎌倉!!」
「「「いざ 鎌倉!!」」」
料理長、料理人達も右拳を天に突き上げ、僕に答えてくれた。
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