幸せのろうそく

マイマイン

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5章 幸せのろうそく

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 雪がおさまると、バーサの家の前では、町中の人たちが、倒れているキャンベルのまわりに集まってきました。

「きゃ・・・キャンベル!」おばあさんが倒れているキャンベルをだきあげますが、目を開けません。すると、キャンベルの体がすこしずつ、すきとおっていったのです。

「これはどうしたんだ・・・?」町の人々が言いました。
「ああこのこは・・・冬将軍から、命がけで、あたしを守ってくれたんだ・・・!」
バーサは涙ながらにいいます。

「そんな!うそだろ!?起きてよ!キャンベルちゃん!」前に、キャンベルにパンとハムを分けてもらった男の子がさけびます。
「消えないでよ、キャンベルちゃん!」
「ああ、この子は・・・だれからも相手にされなかったわたしにもよくしてくれたのに・・・!」キャンベルにきのみをわけてもらったひとたちもいいました。

「うう・・・このこは・・・あたしを二度もたすけてくれた・・・!わかった・・・!このこの願いを聞き入れるから・・・!人々につくすと約束する!だから・・・!」

 バーサだけでなく、おばあさんも、男の子も、町の人々も、いっしょになってお祈りをしました。すると、ひとびとの涙や祈りのことばが光となって、すきとおっているキャンベルの体に集まっていき、キャンベルの体が光につつまれていきました。
 
光がおさまると、キャンベルのぼうしに火がともり、体も元に戻り、そして、ゆっくりとつぶらなひとみを開けました。

「・・・キャンベル!」
「あ・・・おばあちゃん・・・!」
おばあさんとキャンベルはだきあいました。町の人たちはみんな、喜びの声をあげたのです。

 あの後、バーサはアトラス牧師を自由にして、病院の借金を全て帳消ちょうけしにし、助けていくことを約束しました。他に貸していた人々も、同じようにつくしていくなど、バーサは、お金よりも大事なもの、『幸せ』を手にしました。

 あれからも、キャンベルは人々につくしていき、人々の心に、幸せの灯をともしていきました。道を通る人たちは、キャンベルのぼうしに灯っている火を見ると、みんな、あたたかい気持ちになって帰っていったのでした。
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