セプトクルール『すぐるとリリスの凸凹大進撃!』

マイマイン

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(番外編)ブラークと千年彗星

7話 観覧車

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 すぐるは花畑の道を進んでいき、灯台の入口まで来ると、装飾そうしょくがほどこされた扉が左右に開きます。中では、たくさんの大きな金色の歯車がゆっくりと動いていて、外から見えていた大きな車輪の部分に近づくと、それには大きなゴンドラのせきがいくつも付いていたのです。

「そうか・・・あの大きな車輪は、観覧車かんらんしゃだったのか・・・!これに乗って上まで行くみたい・・・」すぐるは手ごろなゴンドラに乗り込み、観覧車はゆっくりと時計回りに回っていきます。間もなく、ゴンドラは塔の外へ出ていき、窓からは星空を見ることが出来ました。

「わぁ、星がたくさんある・・・!地球は見えるかな?」すぐるが窓をながめていると、目の前に青くて丸い星が近づいてきてきます。
「地球が見える!?」窓の外にいるブラークが言いました。

「そう、地球です、今、そこでは大変なことが起こっていると話しましたよね?」

 ブラークの問いにすぐるはうなずくと、窓には地球のとある家の中の情景じょうけいが移っていました。そこには、身なりのいい小太りの男の子が誕生たんじょうプレゼントが足りないと駄々だだをこねてわめいています。

「えっ!?あれで足りないの?もう九個もプレゼントがあるのに?」男の子の周りには、大小さまざまで色とりどりのプレゼントの箱が置かれていますが、彼はそれでも足りないとうったえるのです。

「どうですか?あの子は幸せそうに見えますか?」ブラークの問いにすぐるは首を横に振ります。

「ある人は言いました、『貧しいとはお金が少ない事ではなく、いくらあっても満たされないことだ』と、欲張よくばりなあの子は、いくら物をもらえても心が満たされなくなり、幸せを感じられなくなったのです」

窓に今度は緑にあふれる森が映し出されました。

「これは百年前の地球のとある場所を移したものです、しかし、同じ場所の今の姿がこれです!」窓の風景が、森から土がむき出しの荒れ地に変わったのです。

「あれ!?あのきれいな森は!?どこに行ったの?!」ブラークはしずんだ顔で語りました。
「森の木々は、人間たちが切って持っていったり、焼(や)き払ってしまったのです。木材がたくさん欲しい!お金がたくさん欲しい!土地が欲しい!という欲をおさえきれずに・・・!」

「そんな・・・!」すぐるは青い顔で唖然あぜんとしていると、窓の向こうはとある町の風景に変わり、そこでは、ビルに爆弾が飛んできたり、戦車が町中を踏み荒らしたり、空からは、飛行機がたくさんの爆弾を落としていきます。えている町中を、ぼろの服を着た女性が、泣きわめく幼い子を連れて逃げているのが見えました。

「これは・・・!」すぐるが恐怖きょうふに顔を引きつらせながら窓の向こうを見ています。
「これが『戦争』です、自分たちの国だけでは飽き足らず、もっと他の国の土地や物が欲しいという、おろかな人間の欲が引き起こした事・・・!自分だけが幸せになろうとする者は、やがてすべてを失います」

「そんな・・・!このままじゃ地球もなくなっちゃうってこと!?どうすればいいの?!」すぐるは必死にブラークに尋ねます。

「まだ地球は滅んでいません、今からでも世の中のために動き出せば、自分も相手も幸せにしていく事を心がければ、地球は滅びることはないでしょう、すぐる、あなたはすでにそれをやっているはずです」それを聞いたすぐるは呆気あっけにとられます。

「えっ!ぼくが!?何もしていないよ?」ブラークが優しい声で語り掛けます。
「いいえ、あなたは気づいていないだけです。では、あなたに救われた者たちをうつし出しましょう」窓の向こうでは、公園で出会ったリリスの姿が映っており、すぐるはハッと目を見開きます。

「あっ!?あの子は!?」
「あの子の願いは『強くなりたい』です。あの子は自分に自信がなかったのですが、すぐる、あなたがリリスをほめたたえたおかげで、あの子は自分にたしかな自信がついたのです」

「そんな!大したことじゃないよ!」すぐるは両手を左右に振ります。
「あなたはそう思っているでしょうが、あの子はあなたの言葉で救われたのですよ」それを聞いたすぐるは、胸が高鳴るのを感じました。

 続いて映ったのはゆきのの病室で、ベッドのそばで白衣を着ているお医者さんが、ゆきのの両親に話をしています。

「どういうわけか知りませんが、ゆきのさんはもう大丈夫です!明日には退院できるでしょう」それを聞いたゆきのの両親はほっと胸をなでおろしたり、うれし涙を浮かべていると、すぐるは頭をかしげます。
「どうして?ゆきのちゃんの病気は、もう治せないって・・・?」

「すぐるさん、あなたはあの時、ゆきのさんに魔法を使ったのです、おかげでゆきのさんの病気はすっかり良くなりましたよ」それを聞いたすぐるはハッとします。

「そうか!ぼくはあの時、ゆきのちゃんが元気になりますようにっていのったから・・・!ぼくの魔法が・・・人を・・・救った・・・!?」その時、すぐるの胸に力がこみあげてくるのを感じたのです。
「・・・じいちゃんの・・・言ったとおりに・・・なった・・・!」

「それに、公園にいた黒人の男の子の願いは『ヒーローになりたい』で、白人の女の子の願いは『友達が欲しい』です」窓の向こうでは、あの二人が手をつないで仲良く歩いています。
「あの子たちは、自分たちで願いを勝ち取ったのです」
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