【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう

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第84話 脅威

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キャロルは、セシルと共に行動した経験があり、
まだセシルが裏切ったと信じられないでいた。
それが事実なのか確認をしようと口を開く。


「セシル、お前……
 マリア様をどうするつもりだ……」


「ふふふ、力を頂くのよ……
 私が強くなるためにね」


セシルが笑みを浮かべながら口を開いた。
その口ぶりからマリアの心臓が目的だと察する。


「キャロル、何を言っても無駄よ!
 コイツは間違いなく裏切っている」


「あらあら、私を追っていたけれど、
 結局マリア様を守れないみたいね」


セシルは不敵な笑みを浮かべると、
暗黒魔法を纏い身体強化を施す。


「一瞬で殺してあげる」


セシルは恐るべき速度でキャロルに迫り、
目前まで辿り着くと高速剣を繰り出した。


「キャロル!」


いくらシャルロットとは言え、
剣術Lv.3、火魔法Lv.4のスキルで、
ルミナスの剣聖に追いつくことは出来ない。


高速剣によってキャロルが無惨に殺されてしまうと感じた瞬間……


セシルの剣撃を同じ剣で防ぎ、弾き返す者がいる。


「マリア様……
 いつから剣を嗜んだのかしら?」


「ま、マリア、アンタ……」


シャルロットは驚きを隠せない。
まさかセシルの剣を跳ね返したのが、
マリアとは思いもしない。


「ふふふ、あはははは」


するとマリアとは思えない笑い声が訓練所に響く。


「き、貴様……
 王女ではないな……」


「城の中に間者がまだいたんだね……
 どうりでマリアの場所が漏れていたわけだ」


するとセシルの眉間に皺がよる。
図星を突かれて、苛立ちを見せた。



「でも、見事に釣れたよ……
 セシル、お前がな……」



「な、何者だ!貴様は」



幻惑魔法を解き、偽りの姿から真の姿に変化する。
そしてセシルに向かって高らかに宣言した。





「クリス・レガード……
 今日ここで剣聖を倒す者だ……」





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




「向こうも始まったみたいだね…」



賢者は通信機から城の戦闘開始を確認した。
そしてここからは目の前にいるバルガスと、
シンに集中する。


「さぁ、私たちも踏ん張るよ」


賢者が掛け声をかけたと同時に、
全員が打ち合わせ通りに動く。
まずは賢者は転生者であるシンに向かった。


「な、何!」


シンは、賢者が存在している限り、
転移魔法を封じられて無力だ。
賢者の強化格闘術がシンを襲う。


「クソが!」


シンも狙われていることを知り苛立った。
そしてシンを失うと、バルガスは帰還できなくなる為、焦ってしまう。


「ロゼ、殺してやる!」


バルガスは、賢者めがけて突進しようとするが、
アリスが魔法剣で攻撃して、再度麻痺を上書きした。


「ま、まただと……」


更にユーリの氷魔法が両足を凍らせる。
あっという間にバルガスは身動きが取れなくなってしまった。


「これで終わりだ……」


上空に無数の光の剣を呼び出して、
全てをバルガスに直撃させる。


クレアは、大量の魔力を注ぎ込み、
バルガスを倒したと確信したが、
目を凝らすと、光の中からバルガスが姿を現した。



「やはりその力、素晴らしい……」


「な、何だと」


バルガスの姿を見ると、左腕がまるで新しく生えたかのように綺麗に元に戻っている。



「再生しただと……」


しかしクレアは自分達が押していたのを踏まえて、
再度ユーリとアリスに指示をした。


「それでも動きを止めれば良い」


ユーリの氷魔法により両足は凍り、
更にアリスの魔法剣により麻痺を上書きした。
連携の取れた攻撃により、
再度主導権をクレア達が握った。


「殺してやる!」


バルガスも再度足止めされて苛立っている。
そしてシンも賢者に攻撃されて、
身動きが取れない状況が続いていた。
しかし膠着状態を脱する為に、
行動したのは意外にもシンだ。



「仕方ない、使いたくなかったが
 奥の手を使う……」



取り出したのは、ナイフに感じる小さな魔剣。
更に、その魔剣を自分の腹部に突き刺した。
するとシンは魔剣の効果によって吐血する。


「これで俺は、封印の結界から外れたぞ」


魔剣は術の効果を無効化し、
更に術者に自分と同じダメージを与える。


「な、何だと……」


気づけば賢者にも腹部から刀傷が生まれて、
吐血をすると同時に倒れてしまった。


「し、師匠!」


賢者が倒れた事でクレアは一瞬気が逸れてしまい、
シンに付け入る隙を与えてしまう。


「俺はこれで撤退するが、
 タダで帰るわけにはいかない」


シンはバルガスに近づき、その背中に手を当てて、
固有魔法を発動する。


「し、しまった……」


ユーリは即座にシンの意図を察知し、
氷魔法を唱えたが残念ながら遅い。


「バルガスを城へ送る」


シンの発動した転移魔法により、
バルガスはゲートに飲み込まれ、
忽然と姿を消した。



シンによりバルガスは城へ転移してしまった
今も訓練場でセシルと死闘が繰り広げられている。
そしてバルガスが城に着いた時、
その死闘は、更に加熱していく……
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