【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう

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最終話 聖剣

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ユーリの放った女神の裁きが勇者に降り注ぐ。
その威力は強力で、たとえ勇者であっても、
防ぐだけで精一杯のようだ。
女神を憎むカノンは、更に苛立ちを隠せない。


「お前ら、私が憎むのを知っていて、
 女神の裁きを落としてくるとはな……
 本当に私を怒らせたいようだ」


カノンの周りに光魔法の輝きが溢れ、
魔力を右手に集める。
その構えは、俺が放った技と同じ……


「聖剣技は元々、私達の力だ……
 目覚めたばかりのお前とは練度が違うんだよ」


虹色に輝く光の塊を放ち、
カノンの聖剣技が俺達を襲う。


「マリア!もう一度展開するぞ!」


賢者の声を聞き、マリアが防御壁を唱えた。
すると聖者の鞘が共鳴して、
俺からマリアへ魔力が流れる。
そして防御壁が展開されると同時に、
賢者とユーリも結界魔法と氷の壁を発動した。


「これも防いだか……
 だが、いつまで保つかな?」


再度カノンの右手が光り輝き、
聖剣技を放つために構える。
このままでは賢者達の防御魔法は間に合わない。


その一瞬の時だった。
賢者が俺の背中に手を当てて魔力を送り始めた。


「賢者?」


「私に今出来るか分からない……
 だが、これに懸けるしかない!」


賢者のやろうとしている行動を見て、
カノンは怒りを露わにして口を開く。


「ロゼ、お前……
 私たちの絆まで否定するのか!」


「仲間だと、今でも思っているさ!
 だから、私の手で止めてみせる!」


賢者の魔力が俺に送られると、
まるで契約者の力のように聖剣が共鳴した。
そしてマリアとユーリの魔力と重なり、
聖剣から強力な力が感じられる。



「カノン、私はお前も愛していたさ……」



「ロゼ……
 だが私は世界を滅ぼす!
 アイツのいない未来などあり得ない!」



カノンは、そう声を発すると聖剣技を放った。


そしてマリアの聖剣技、ユーリの忠誠スキルから、
それぞれ桁違いの魔力が送られる。



「二人とも……ありがとう」


両方のスキルから二人の想いが伝わる。
溢れるほどの愛情を魔力から感じて、
俺もその想いに応えたい……



「過去に何があったのか、俺には分からない」



もしかしたら初代国王との間に、
俺達の知らない事情があるのかもしれない。


でも、だからと言って譲れる筈がない。
何故なら俺も……




「俺も好きで堪らないんだよ!
 マリアやユーリ、賢者も……
 そしてルミナスのみんなが……」



みんなは笑顔で迎えてくれる。
いつも愛情を与えてくれる。
そんなみんなが好きで堪らないんだ……




「だから必ず……
 俺の大切な人達を守ってみせる!」




俺が聖剣技を放つと、カノンの聖剣技に向かい、
互いに激しく衝突した。



「お前は必ず絶望する!
 その愛する者を守れなかった時に!」



カノンも押し返されないように魔力を込める。
歩んできた歴史を否定されたくない。
絶望に明け暮れた悲しみの感情が、
聖剣技を通して流れてきた。



「関係ない!
 守れなかった時のことなんて考えない!
 必ず守ると俺は決めている!」



そう叫んだ瞬間、カノンが反応した気がする。
もしかしたら、少しだけ届いたのかもしれない。
それを表すように、俺達の聖剣技がカノンの光を退けた。



確かに決定的な一撃を与えたが、
カノンはゆっくりと立ち上がる。


「ロゼの力も合わさり、この魔力……
 しかもアイツと同じことを言う」


ため息を吐きながら、
呆れたように言葉を発した。



「そうか、ならば……
 今の私で勝てないなら、
 勝てる力を身につけるまでだ」



「カノン、お前まさか!」



カノンは不敵な笑みを浮かべながら、
賢者の疑問に答えを発する。


「もう一つの聖剣を解放する」


カノンがその言葉を発した瞬間、
賢者の様子が変わったのに気付いた。
動揺する賢者を見ると、
カノンの考えが恐ろしいものだと察する。


「今日のところはこれで退いてやろう……
 だが、まだ私はお前を認めたわけじゃない
 止められるものなら止めてみるがいいさ」


そう言葉を発すると、金色に輝く光が溢れ、
カノンは光の中に姿を消した。



その瞬間、勇者が退いたことで、
儀式の間は、静寂に包まれる。
しかし、まだ勇者を倒したという実感が湧かず、
俺はその場に立ち尽くてしていた。



「クリス……」



すると婚約者二人が声をかけて抱きついてきた。
また二人と笑って暮らすことができると思うと、
俺は嬉しくて仕方ない……



「マリア、ユーリ……」



気付けば瞳に涙が溢れていた。
二人とも同じように感極まっているのか、
その瞳も輝いている。


そして戦いが終わった後に、
二人に伝えようと思っていたことがあった。




「マリア、ユーリ、
 俺と……」






「結婚してください」





二人の目を真っ直ぐに見て、
想いを言葉にして紡いだ。
その言葉は二人にも届いて、
二人とも輝く笑顔に変わる。


「マリア、ユーリ……
 ありがとう」


二人から返事を貰い、
正式に俺達は自分達の意志で結婚を誓い合った。
そして、その様子を見ていた家族達が祝福する。


愛する家族達に囲まれる日々が、
以前まで夢のようだと思っていた……


でも、今は違う。
それは必死になりながら家族を信じて、
戦い抜いた結果だと俺は断言できる。



そんな愛する者を守るためなら、
何度だって立ち向かってみせる。
俺には、守る力があるのだから……
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