【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう

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第124話 勇者

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ユーリとの口付けにより、
従属化のレベルが上がり忠誠スキルを得た。
魔族の契約スキルの中で最高だと賢者は言う。
そのスキルはユーリの首輪の効果を打ち消した。


「マリアだけじゃなくて、
 ユーリとも魔力の繋がりを感じるよ」


繋がった魔力から、ユーリの感情を読み取れて、
何だか気恥ずかしくなってきた。


「く、クリス……」


ユーリもそれに気づいたらしい。
きっと俺のユーリへの想いが伝わったのだろう。


「し、仕方ないじゃん……
 好きなんだから」


ユーリはその言葉を聞き、輝かしい笑顔を見せる。
ずっとその言葉を待っていたのかもしれない。


「ユーリこそ、嬉しいみたいだよ」


「ちょっと、クリス!」


俺も仕返しに揶揄ってやろうと思った。
両思いになっているが、こうしてお互いの気持ちを確かめ合いたい。


「良いじゃん!
 俺達は婚約しているんだし」


ユーリも嬉しくて仕方ないのが分かる。
今はお互いの魔力を通して気持ちが通じ合っている。
不安が無くなったユーリは、これからもっと積極的になるのかもしれない。


そして次元結界が消失して周りの景色が見えると、
賢者達の場所はそれほど離れていないのに気付く。



「ユーリ、いくよ!」



探知でマリアの位置を確認して、
その場所に向かおうと俺達は走り出した。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



水の神殿、儀式の間に結界が破壊される音が響き、 
その音は賢者達にも届いた。


「賢者、待たせてごめん」


振り返った賢者は、輝かしい笑顔を向けて、
言葉を発する。


「クリス、散々待たせたんだ……
 罰として、勇者退治といこうじゃないか!」


俺は勇者と聞いて驚愕した。
目の前にいる女性がおとぎ話に出て来る伝説の存在、勇者なのだ。


「ほう、お前が聖剣の使い手というわけか」


カノンは怪しく笑みを浮かべながら口を開く。


「お前、どことなくアイツに似ているな」


「はい?」


何のことを言っているのか分からない。
そして、周りを見渡すと俺は怒りに震えてしまう。
アリスとカートさんが倒れているからだ。


「お前、本当に勇者なのか?」


「どういう意味だ?」


俺の中で勇者とは、困る人々を守り、
更に導く存在だと思っていた。


「心臓欲しさに人を殺す魔族と、
 お前は何も変わらない」


「ふふふ、生意気なことを言う!
 小僧、私が勇者とは何かを……」


カノンの周りに光魔法の輝きが溢れ、
圧倒的な魔力を身体強化に変える。


「その身体に、教えてやる!」


そして剣を握りしめ突進してきた。
急速にカノンが接近すると斬撃を繰り出す。


その瞬間、俺の目の前に氷の壁と回復魔法の防御壁が重なり、カノンの斬撃を完璧に防いだ。
二重に強化された壁は、まるで融合魔法でも使ったかのように強固な壁となっている。


「二人とも……」


そして、振り返るとマリアとユーリが必死な形相で魔法を放っていた。
それを見て嬉しくて仕方がないが、
二人が勇者の攻撃を完璧に防いだことに驚愕する。 


二人の成長した姿を見ると、
俺も決して負けてはいられない。


「勇者カノン……
 ここで、お前を倒す!」


二人の想いを聖剣に集めて、
勇者に向けて聖剣技を放つ。


「素晴らしい……
 聖剣をここまで使いこなす人物が、
 まさか私以外にいるとはな……」


カノンは背中に装備していた盾を前に持ち、
その一撃を凌ぐ。
覇王の力をかなり強めたが、直撃を逸らされた。


「私にこれ程のダメージを与える者が、
 まさかこの時代にいるとはな」


そしてカノンも右手に魔力を集める。
その構えから、次に繰り出す技は、
俺と同じ聖剣技に他ならない。


その時、ユーリに乗り移る女神が、
ユーリを通して交信をした。


「あの……女神が協力してくれるって、
 言ってるんですけど……」


賢者も驚愕してユーリの言葉を聞いている。
そもそも人の争いに女神が干渉しても良いのか分からない。


「それなら、お願いしたいけど……」


俺が声を発した瞬間、
ユーリの周りに神聖な魔力が溢れる。
女神が誘導するようにユーリの左手を上げて、
振り下ろした。

すると女神の裁きである光が勇者を襲う。
勇者は必死に盾で防ぐが、
強烈な一撃を与えるのに成功した。



「お前ら、私が女神を憎むのを知っていて、
 女神の裁きを落としてくるとは……
 本当に私を怒らせたいようだな」



さらに怒りに震える勇者カノン。
その怒りを力に変え、勇者最強の技が繰り出される。
それはまさに500年前に魔王との戦いでも使用していた聖剣技だ。
そしてこれから勇者カノンの戦いは、
お互いの未来をかけた戦いへと突き進む……
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