『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています

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第14話:聖女認定試験? 不合格を目指して

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その日の朝、私はかつてないほどの不機嫌さと共に目覚めた。 窓の外は快晴。 小鳥たちがさえずり、太陽が燦々と降り注いでいる。 本来なら絶好のお昼寝日和であるはずのこの日、私は地獄の釜の蓋が開く音を聞いたような気分で、ベッドから這い出した。

「……行きたくない」

私は枕(アリス製・極上のふかふか仕様)にしがみつき、うめき声を上げた。

「ダメです、リリアーナ様。今日ばかりは、欠席は許されません」

マリナが鬼の形相で、しかし手には最高級のドレスを持って立っている。 その後ろには、アリスとベルタが、まるで戦場に赴く兵士のような面持ちで控えていた。

今日は、『聖女認定試験』の日だ。

先日の「雑草煮込みスープ(別名:万能風邪薬)」によるパンデミック収束劇。 あれが決定打となった。 国王陛下が回復し、教会の上層部が「これぞ神の御業」と認定してしまったのだ。 その結果、私は王都の中央大聖堂に呼び出され、正式な聖女としての資質を問われることになった。

「……ねえ、カイル」

私は天井裏に呼びかけた。

「……爆破予告とか、出せない?」

『却下します。教会の警備は魔法障壁で固められており、物理的な脅迫は逆効果です。それに、そんなことをすれば異端審問官が出てきて、リリアーナ様の安眠は永遠に失われます』

カイルの冷静な分析が、私の希望を打ち砕く。

「……チッ」

私は舌打ちをした。 逃げ場なし。 ならば、作戦通りに行くしかない。 正面から試験を受け、華麗に、そして無様に「不合格」を勝ち取るのだ。

「……服」

私はマリナが持っている豪華なドレスを指差した。

「それ、重そう。着ない」

「えっ!? し、しかし、大聖堂での儀式ですよ!? 正装でないと……!」

「私が着たいのはこれ」

私は、クローゼットの奥から一着の服を取り出した。 一見すると、シンプルで清楚な白いロングドレス。 だが、その正体は「最高級シルクのネグリジェ(外出用偽装カスタム)」である。 カイルに命じて、パジャマの着心地を維持したまま、外見だけドレスに見えるように改造させた逸品だ。 締め付けゼロ。 肌触り最高。 いつでもどこでも寝落ちできる機能性を備えている。

「こ、これは……なんと清らかな……!」

アリスが目を輝かせた。

「飾り気を削ぎ落とし、純白の布だけで身を包む……。これこそ、欲を捨てた聖女様にふさわしいお召し物です!」

「……素材も一流ですわね。動きやすそうで、万が一の戦闘(?)にも対応できそうです」

ベルタも納得した。 よし。 第一関門突破。 私はこの「パジャマ・ドレス」に身を包み、決戦の地、大聖堂へと向かった。

          ◇

王都中央大聖堂。 そこは、国の宗教的権威の象徴であり、荘厳なゴシック様式の建築物だ。 天井は高く、色とりどりのステンドグラスから神聖な光が降り注いでいる。

そして、人、人、人。

「……うわぁ」

私は馬車の窓から外を見て、ドン引きした。 大聖堂前の広場には、黒山の人だかりができていた。 私の「聖女試験」を一目見ようと、王都中の市民が集まっているのだ。 「リリアーナ様ー!」「ありがとうー!」「喉が治りましたー!」 そんな歓声が地響きのように聞こえる。

「……帰りたい」

「ダメです。諦めてください」

同乗していたジークフリート王子が、爽やかな笑顔で私の退路を断った。 彼は今日、王家の立会人として同席する。 相変わらず無駄にキラキラしている。

「大丈夫だ、リリアーナ。君ならできる。ありのままの君を見せれば、誰もが納得するはずだ」

「……ありのままの私を見せたら、追放されると思うけど」

「ははは! またご謙遜を!」

会話が通じない。 私はため息をつきながら馬車を降りた。

大聖堂の中に入ると、空気は一変して厳粛なものになった。 最奥の祭壇には、教会の最高指導者である教皇聖下と、枢機卿たちがずらりと並んでいる。 みんな長い髭を蓄え、難しそうな顔をしている。 いかにも「権威」と「伝統」の塊だ。

「……ヴェルデ公爵令嬢、リリアーナよ。御前へ」

低い声が響く。 私は祭壇の前まで歩いた。 コツ、コツ、と足音が響く。 私の後ろには、護衛としてベルタ(正装)と、付き添いのアリス(正装)が控えている。

教皇が、私をジロリと見下ろした。 眼光が鋭い。 彼は「厳格」で有名なイグナティウス教皇だ。 安易な奇跡など信じない、リアリストの聖職者らしい。

(……いいぞ)

私は心の中でガッツポーズをした。 この教皇なら、私のやる気のない態度を見抜いて、「不敬である! 出て行け!」と怒鳴ってくれるかもしれない。

「……面を上げよ」

私は顔を上げた。 半眼で。 あくびを噛み殺した、涙目で。

「……ほう」

教皇が眉をひそめた。

「なんと……虚ろな瞳か」

来た。 マイナス評価だ。

「この世の全てに興味を失い、ただ虚空を見つめるその瞳……。俗世の欲望から解き放たれた、無の境地にある者の目だ」

「……は?」

「普通、この場に立てば緊張で震えるもの。あるいは、功名心に目を輝かせるもの。だが、彼女にはそれがない。あるのは、深淵なる静寂のみ……」

教皇の評価が、斜め上の方向に爆走し始めた。 違う。 ただ眠いだけだ。

「……試験を始める」

教皇が杖を突いた。

「聖女認定試験は三つの儀式からなる。第一に『問答』。第二に『奇跡』。第三に『測定』だ」

「……はい(早く終わらせて)」

私は気のない返事をした。

          ◇

第一試験:『問答』。

これは、聖女としての思想や信仰心を問う口頭試問だ。 枢機卿たちが、次々と難解な神学的質問を浴びせてくる。

「リリアーナ嬢よ。汝にとって『神』とはいかなる存在か?」

最初の質問。 私は考えた。 「神様なんて会ったことないし、転生の時に出てきたのも女神じゃなくてシステム音声だったし」とか答えたら、確実に異端審問だ。 でも、それだと話が長引く。 もっと簡潔に、やる気のない答えで呆れさせよう。

「……静かなるもの」

私は答えた。 神様がいるなら、静かにしていてほしいという願望を込めて。

「……ほう! 『静寂』とな!」

枢機卿たちがざわめいた。

「神の声は、喧騒の中にはない。静寂の中にこそ宿る……。古代の聖典にある『沈黙の神学』を、この若さで理解しているとは!」

「では問おう! 『祈り』とは何か!」

次の質問。 祈り? 面倒な行為だ。 膝をついて、手を組んで、目を閉じて……。 あれ? それって……。

「……目を閉じて、意識を断つこと」

私は正直に答えた。 それは「睡眠」の定義だ。

「おおおお……!」

枢機卿たちが涙を流した。

「己の意識を断つ! つまり、自我(エゴ)の消滅! 自らを無にして神と一体化する……それこそが究極の祈りであると!?」

「なんと深い……。我々が何十年もかけて到達しようとした境地を、一言で言い表すとは……!」

ダメだ。 何を言っても「高尚な教え」に変換されてしまう。 私の「睡眠至上主義」が、彼らの脳内フィルターを通すと「深遠なる宗教哲学」になってしまうバグが発生している。

          ◇

第二試験:『奇跡』。

これが本番だ。 実際に「神聖魔法」を使い、その力を見せつけなければならない。

大聖堂の中央に、一台のストレッチャーが運ばれてきた。 そこには、一人の兵士が横たわっていた。 全身に包帯が巻かれ、うなされている。

「彼は、魔の森の調査中に『呪いの黒狼』に噛まれた騎士だ。傷口は癒えず、呪いの毒が全身を回っている。激痛で三日三晩、一睡もしていない」

「ウゥッ……痛い……殺してくれ……」

兵士がうめき声を上げる。 その声が、大聖堂に響き渡る。

(……うるさい)

私は眉間の皺を深くした。 痛いのは可哀想だが、その悲鳴は私の鼓膜にとって害悪だ。 三日三晩寝ていない? それは辛いだろう。 不眠は人格を破壊する。

「……治癒魔法(ヒール)をかけよ。解毒魔法(キュア)でもよい。汝の力で、彼を救ってみせよ」

教皇が命じる。

私は兵士の前に立った。 普通なら、ここで光魔法を使って傷を治す。 でも、私は「不合格」になりたい。 だから、違う魔法を使う。

私は、5回目の人生で覚えた「闇魔法」を使うことにした。 闇魔法は、教会では禁忌とされている。 これを使えば、一発で失格だ。 「悪魔の手先め!」と追放されるに違いない。

私は、兵士の額に手をかざした。

(……闇よ。深き淵より来たりて、彼の意識を奪え)

私が唱えたのは、闇魔法『強制昏倒(ブラックアウト)』。 対象の意識を強制的にシャットダウンし、脳の活動を停止させる、暗殺用の気絶魔法だ。 癒やしではない。 ただの気絶だ。

「……黙って(寝ろ)」

私は魔力を放った。 ドス黒い波動が、私の掌から兵士の頭へと注ぎ込まれる。

本来なら、ここで「ギャアアア!」という悲鳴と共に、不吉な黒いオーラが見えるはずだった。

しかし。

「……スゥ」

兵士のうめき声が、ピタリと止まった。 苦痛に歪んでいた表情が、一瞬で緩んだ。 そして、まるで赤子のような安らかな寝息を立て始めた。

「……え?」

私は自分の手を見た。 闇魔法を使ったはずだ。 なぜ、こんなに穏やかに?

実は、私の魔力(睡眠への執着)が強すぎて、闇魔法の性質が変質していたのだ。 『強制昏倒』が、『究極安眠(アルティメット・スリープ)』へと進化していた。 闇の力が、彼の体内の「痛み」という信号(ノイズ)を完全に遮断し、細胞レベルで休息状態に移行させたのだ。 深い睡眠に入ったことで、彼の自然治癒力が爆発的に向上し、呪いの毒素がみるみる分解されていく。

「……お、おおお!」

医師団が叫んだ。

「傷口が……塞がっていく! 呪いの黒い痣が消えていくぞ!」 「魔法薬でも消せなかった痛みが……一瞬で!」 「彼は今、深い安らぎの中にいる……。これは、ただの治癒ではない! 『魂の救済』だ!」

「黒い光が見えたぞ! あれは何だ!?」 「あれは……『原初の闇』だ! 光が生まれる前の、母なる宇宙の闇……。全てを包み込み、癒やす慈愛の闇だ!」

教皇が震える手で十字を切った。

「聖女リリアーナは、光と闇の概念すら超えているというのか……。苦痛を取り除き、安らかな眠りを与える……これぞ、神の慈悲そのものではないか!」

失敗した。 完全に失敗した。 「闇魔法で失格」作戦が、「新しい概念の聖女」爆誕に繋がってしまった。

兵士は幸せそうな寝言を言っている。 「……ママ……お花畑……」 よかったね。 でも、私の計画は台無しだ。

          ◇

第三試験:『測定』。

これが最後だ。 もう後がない。 ここで挽回(不合格)しなければ、私は聖女として教会に軟禁され、一生働き続けることになる。

祭壇の前に、巨大な水晶玉が設置された。 『聖霊の水晶』。 対象者の魔力に含まれる「神聖値」を測定するアーティファクトだ。 聖女の素質があれば白く輝き、なければ無反応。 邪悪な心を持っていれば、赤黒く濁る。

(……光らせなければいい)

簡単なことだ。 私は自分の魔力を体内で循環させ、外に漏らさないように「閉じる」ことができる。 「隠蔽(ステルス)」の技術だ。 これを使えば、水晶は反応しない。 「あら、魔力がありませんね。ただの人です」となって、放免されるはずだ。

私は水晶の前に立った。 まぶしい。 ステンドグラスからの光が水晶に反射して、私の目に刺さる。

(……うざい)

私は反射的に眉をひそめた。 こんな眩しいものを見ていたら、目が冴えてしまう。

「……布」

私は、アリスに手を伸ばした。

「え?」

「眩しいから。何か掛けるものない?」

「あ、はい! これを!」

アリスが差し出したのは、彼女が刺繍した大判のハンカチ……ではなく、私が愛用している「枕カバー(予備)」だった。 シルク製で、遮光性が高い。

私は、その枕カバーを、バサッと水晶に被せた。

会場がざわつく。 「水晶にカバーをかけたぞ?」 「何をする気だ?」

「……これでよし」

私は満足した。 光が遮断された。 これなら直視できる。

「では、手を触れよ」

教皇の合図で、私は布の上から水晶に手を置いた。

さあ、隠蔽だ。 体内の魔力回路を閉じる。 蛇口を締めるように、一滴も漏らさないように。 私は呼吸を整え、心を「無(睡眠)」にした。

シーン……。

水晶は反応しない。 布の下で光る気配もない。

(……勝った!)

私は心の中で勝利のファンファーレを鳴らした。 無反応だ。 これで私は「聖女の力を持たない詐欺師」として認定される!

「……反応がないな」

枢機卿たちが顔を見合わせる。 「故障か?」 「いや、先ほどの治癒魔法は本物だった」

教皇が訝しげに歩み寄ってくる。

「リリアーナ嬢。手を離してみよ」

「……はい」

私は手を離した。 そして、教皇が枕カバーをめくった。

その瞬間。

カッ!!!!!!!!

爆発的な閃光が、大聖堂を埋め尽くした。

「うわあああ!? 目が、目がぁぁ!」 「なんだこの光は!?」 「太陽か!? 太陽が地上に降りたのか!?」

水晶が、発光していた。 それも、尋常なレベルではない。 直視すれば失明するほどの、純白の輝き。

(……な、なんで!?)

私は呆然とした。 魔力は隠したはずだ。 一滴も漏らしていないはずだ。

その時、カイルの念話が届いた。 声が震えている。

『リリアーナ様……。遮断しすぎました』

(え?)

『リリアーナ様の魔力は、あまりにも強大すぎて、完全に遮断しようとすると、逆に周囲の空間のマナが「真空状態」を埋めようとして殺到するのです。……いわゆる、魔力の逆流現象(バックドラフト)です』

つまり。 私が「出さないぞ!」と頑張って魔力を止めたせいで、水晶の方が「魔力を吸い取らなきゃ!」と暴走し、大気中のマナを勝手に吸収して臨界点突破してしまったのだ。

「……おお……神よ……!」

教皇が、光の中で崩れ落ちた。 涙を流しながら、水晶……いや、光の柱を見上げている。

「これは……『聖痕(スティグマ)』の輝き! 歴代の聖女たちが束になっても届かぬ、神の威光そのものだ!」

「布だ! あの布が光っているぞ!」

誰かが叫んだ。 水晶にかぶせていた枕カバーが、光のエネルギーを浴びて、黄金色に変質していた。 ただのシルクが、聖遺物(アーティファクト)へと進化したのだ。

「あの布を通さなければ、我々の目は焼かれていただろう……!」 「聖女様は、我々のためにあえて力を抑制し、布で光を和らげてくださったのだ!」 「なんという配慮! なんという慈悲!」

大聖堂内が、熱狂の坩堝と化した。 もはや、試験どころではない。 ここに「神の代理人」が降臨したという事実を、誰もが確信していた。

「聖女リリアーナ! 万歳!」 「リリアーナ様! どうか我らに祝福を!」

歓声が、私の鼓膜を物理的に攻撃してくる。 うるさい。 眩しい。 帰りたい。

私はフラフラと後ずさりした。 もう限界だ。 朝からのストレス、緊張(不合格への)、そしてこの騒音。 私のキャパシティはとっくにオーバーフローしている。

「……無理」

私は小さく呟いた。

「……眠い」

私の意識が、プツンと切れた。 私はその場に、糸の切れた人形のように崩れ落ちた。

「リリアーナ様!?」 アリスの悲鳴。 「支えろ!」 ジークフリート王子の声。

私が床に倒れる前に、王子とベルタが滑り込み、私を受け止めた。

しかし、この気絶さえも、彼らにはこう見えていた。

「……見ろ! 聖女様が!」

教皇が叫ぶ。

「あまりに強大な神の力を行使し……その魂が、一時的に天界へと昇られたのだ!」 「神託だ! 神との対話に入られたのだ!」 「静まれ! 聖女様の眠りを妨げるな!」

大聖堂が一瞬にして静まり返った。 数千人の群衆が、息を殺して私の寝顔を見守る。

ジークフリート王子は、腕の中の私を愛おしそうに見つめ、呟いた。

「おやすみ、リリアーナ。……君が目覚める時、世界は変わっているだろう」

変わらなくていい。 ただの平穏な日常を返してほしい。 そんな私の願いも虚しく、私は「国定聖女」としての地位を確立してしまった。

          ◇

後日。 教会の奥の院にて。

「……ここは?」

私が目覚めると、そこは豪華な部屋だった。 天蓋付きのベッド。 壁には聖画。 そして、窓の外には、私の名前を呼ぶ巡礼者たちの列。

「お目覚めですか、聖女様」

アリスが、シスター服(メイド服とのハイブリッド)を着て立っていた。

「……帰りたい」

「ダメです。ここは教会の特別聖域。リリアーナ様専用の居住区画です」

アリスがニコニコしながら、とんでもないことを言う。

「教皇様が仰いました。『聖女様の眠りこそが、国の守りである』と。ですので、ここで好きなだけ寝ていていいそうです!」

「……え?」

「食事も、お風呂も、全て最高級のものが用意されます。仕事は……たまにバルコニーから手を振るだけ。あとは『祈り(睡眠)』に専念してくださいとのことです」

私は瞬きをした。

好きなだけ寝ていい? 最高級の生活? 仕事は手を振るだけ?

「……それって」

理想の生活(ニート)じゃないか。

「聖女、悪くないかも」

私は枕に顔を埋めた。 不合格にはなれなかったが、結果として「公認引きこもり」の権利を手に入れたようだ。

しかし。 人生はそう甘くない。 「聖女」になったということは、「聖女の敵」も引き寄せるということだ。

「……報告します」

天井からカイルが降りてきた。

「リリアーナ様の聖女就任を快く思わない勢力が動き出しました。……魔王軍の残党、そして『本物の聖女』を自称するライバル教団です」

「……また?」

「特に、魔王軍はリリアーナ様の『光』に引かれて、活性化しているようです。近々、大規模な襲撃があるかもしれません」

「……」

私は布団を被った。

「カイル」

「はい」

「……全部、燃やして」

「御意」

私の安眠防衛戦は、規模を拡大して続く。 次は、婚約破棄イベント(リハーサル)が待っているらしい。 なんで聖女なのに婚約破棄? 意味がわからないが、どうせまた私の寝言で解決することになるのだろう。
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