『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています

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第18話:そして7回目の人生は続く(前編)

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魔王城での「お昼寝外交」から数ヶ月。 季節は巡り、エルグランデ王国は春の陽気に包まれていた。

世界は、劇的に変わっていた。 空の亀裂は消え去り、自然災害は激減し、農作物は豊作。 かつて人類を脅かしていた魔王軍は、今や「安眠同好会」として友好的な隣人となり、王都の広場では人間と魔族が一緒に太極拳(のようなスローな体操)をして汗を流している光景が見られるようになった。

平和だ。 歴史書に「奇跡の時代」と記されるであろう、黄金の時代。

その中心にいる、「救国の聖女」こと私、リリアーナ・ヴェルデは。

「……帰りたい」

王宮の特別応接室で、豪奢なソファに沈み込みながら、心の底から呟いていた。

私の目の前には、色とりどりの布地、レース、宝石、そして山のような書類が積み上げられている。 その周りを、王室御用達のデザイナー、宮廷官僚、そしてハイテンションな侍女たちが忙しなく飛び回っていた。

「聖女様! ウェディングドレスのシルクは、東方の幻繭(ファントム・コクーン)でよろしいですね!? 軽くて肌触りは最高です!」 「リリアーナ様! 披露宴の招待客リストですが、魔王軍幹部の方々の席次はどうしましょうか!? オーク将軍はベジタリアンだそうですが!」 「式典のパレードルートですが、民衆が殺到して交通麻痺が予想されます! 王都全域を交通規制しますか!?」

うるさい。 本当に、うるさい。

私は、ジークフリート王子との結婚式を控えていた。 あの日、舞踏会で高らかに宣言された「婚約」。 それは、私にとっては「引きこもり権の獲得」を意味していたはずだった。 王子と共に、田舎の別荘で静かに暮らす。 晴れた日は庭で昼寝をし、雨の日は読書をして昼寝をする。 そんなスローライフを夢見ていた。

しかし、現実は非情だった。

「国の英雄である聖女様と、次期国王陛下の結婚式ですぞ! 地味になどできるわけがありません! 建国以来、最大級の祝祭にせねば!」

国王陛下が張り切ってしまったのだ。 さらに、教皇聖下までもが「聖女様の門出だ、教会を挙げて祝福する」と言い出し、魔王(現在も睡眠中だが、念話で指示を出しているらしい)からも「祝儀として珍しい魔獣を送る」という迷惑な申し出があった。

結果として、私の結婚式は「国家プロジェクト」ならぬ「世界的イベント」へと膨れ上がってしまったのだ。

「……もう、パジャマでいいじゃない」

私は、目の前に出されたドレスのデザイン画(裾が5メートルある超豪華仕様)を見て、うんざりしながら言った。

「式場も、私の寝室でいい。オンライン中継とかにして、私は布団から一歩も出ずに誓いのキスをする……それでいいじゃない」

「な、なんて斬新な……!」

デザイナーが目を丸くした。 否定されるかと思ったが、彼の目は感動に潤んでいた。

「飾らない……! 権威を誇示する豪華なドレスではなく、ありのままの『休息』を表現する……! それこそが、安らぎの聖女様にふさわしい『究極のドレス』ということですね!?」

「……え?」

「わかりました! パジャマの着心地と、ドレスの品格を両立させた、前代未聞の『リラックス・ウェディングドレス』を開発します! 素材はスライム繊維と天使の羽毛のハイブリッドで……!」

デザイナーが猛烈な勢いでメモを取り始めた。 違う。 開発しなくていい。 ただのネグリジェでいいと言っているのに。

「リリアーナ様、さすがです! 常識にとらわれない発想、勉強になります!」

横で控えていたアリスが、尊敬の眼差しを送ってくる。 彼女の手には、試食用のウェディングケーキ(巨大なパンケーキタワー)が乗った皿がある。

「ケーキ入刀の代わりに、『枕入刀』とかどうですか? ふかふかの枕にナイフを入れると、中から幸せの羽毛が舞い散るんです!」

「……掃除が大変そう」

「大丈夫です! カイルさんが空中で全てキャッチしますから!」

天井裏から「御意」という短い返事が聞こえた。 私の親衛隊も、結婚式に向けてやる気満々だ。 カイルに至っては、式場の警備計画書(厚さ10センチ)を作成し、「アリ一匹たりとも侵入させません。新郎新婦の誓いの言葉以外、全ての音を遮断する結界を張ります」と息巻いている。

私はため息をつき、ソファの背もたれに頭を預けた。 幸せなはずの結婚準備が、なぜこうも疲れるのか。

(……早く終わらせて、寝たい)

それが、今の私の偽らざる本音だった。

          ◇

しかし。 私の憂鬱の原因は、単なる「準備の面倒くささ」だけではなかった。

もっと根本的な、逃れられない恐怖が、心の奥底にへばりついていた。

「……あと、3日」

私は、手元のカレンダーを見つめた。 結婚式の日取りは、私の18歳の誕生日に行われることになっている。 それは、王子が「君が生まれた日に、君と新しい人生を始めたい」と言い出したからだ。 ロマンチックな提案だ。 誰もが祝福した。

だが、私だけは知っている。 18歳の誕生日。 それは、私が過去6回の人生すべてにおいて、「死んだ日」なのだ。

1回目は、婚約破棄されたショックで。 2回目は、冤罪で投獄され、獄中で。 3回目は、戦場で味方に裏切られて。 4回目は……5回目は……。

死因は様々だ。 断罪されて処刑されたこともあれば、事故や病気、暗殺に見せかけた毒殺もあった。 どんなに足掻いても、どんなに運命を変えようとしても、18歳の誕生日を迎えた瞬間、世界は私を殺そうとする。

それが、この世界の「強制力」。 悪役令嬢リリアーナ・ヴェルデに課せられた、逃れられない呪い。

(……今回は、違うはず)

私は自分に言い聞かせた。 断罪イベントは回避した。 魔王も黒竜も手なずけた。 国中が私を愛し、王子は私の最大の理解者だ。 私を殺す要素なんて、どこにもない。

でも。 もしも、「事故」が起きたら? 結婚式の最中に、シャンデリアが落ちてきたら? 誓いのキスの瞬間に、心臓発作が起きたら? あるいは、また空が割れて、今度こそ世界ごと消滅させられたら?

不安が、黒い霧のように心に広がる。 夜、ふかふかのベッドに入っても、その不安だけは消えてくれない。 バクの精霊も、この不安だけは食べてくれない。 これは「悪夢」ではなく、「予感」だからだ。

「……リリアーナ」

ふと、温かい声がした。 気づけば、ジークフリート王子が私の隣に座っていた。 彼は、忙しい公務の合間を縫って、こうして私の元へ通ってきている。

「……ジーク」

私は、彼がいつの間にか私のことを「ジーク」と呼ばせていることに、今更ながら苦笑した。

「顔色が悪いよ。……マリッジブルーかい?」

彼は心配そうに私の顔を覗き込んだ。

「……そうかもね」

私は誤魔化した。 「死ぬのが怖い」なんて言えない。 せっかく幸せ絶頂の彼に、水を差したくない。

「準備が大変で、睡眠時間が一日10時間を切ってるの。深刻な睡眠不足よ」

「ははは。それは由々しき事態だね」

王子は優しく笑った。 そして、私の手をそっと握った。

「ごめんね。僕が張り切りすぎたかもしれない。……でも、僕は君に、世界で一番幸せな花嫁になってほしいんだ」

彼の瞳は、真っ直ぐで、熱い。

「君は今まで、たくさんのものを背負ってきた。国の危機、民衆の期待、そして僕のわがまま。……君はずっと戦ってきた(寝ながらだけど)。だからこそ、この結婚式は、君への感謝と、これからの誓いの場にしたいんだ」

「……誓い?」

「ああ。『もう二度と、君に辛い思いはさせない』という誓いだ」

王子は、私の指に口づけをした。

「18歳の誕生日。……君が何に怯えているのか、僕には詳しくは分からない。君は時々、遠い目をしながら、見えない何かを見ているからね」

ドキリとした。 彼は、気づいていたのか。

「でも、大丈夫だ。僕がいる。アリスも、ベルタも、カイルも、みんな君の味方だ。……たとえ運命という奴が君を襲おうとしても、僕たちが全力で叩き潰す」

「……」

「君はただ、寝ていればいい。目が覚めたら、全部終わっているようにするから」

王子の言葉は、根拠のない自信に満ちていた。 でも、不思議と力が湧いてきた。 そういえば、この人は王位を捨ててまで私と引きこもろうとした変人だった。 運命くらい、ねじ伏せてくれるかもしれない。

「……期待してるわ」

私は、彼の手を握り返した。

「もし私の寝顔に変なことが起きたら……承知しないから」

「ああ。任せてくれ」

王子は力強く頷いた。 その笑顔を見て、私の胸のつかえが少しだけ取れた気がした。

          ◇

そして、時は流れる。 結婚式前日。 私の17歳最後の日。

王都は、前夜祭の喧騒に包まれていた。 街中が花で飾られ、夜空には魔法花火が打ち上げられている。 人々は歌い、踊り、明日の聖女様の結婚式を祝っている。

私は、教会のバルコニーから、その光景を見下ろしていた。

「……綺麗ね」

隣には、アリスとベルタがいる。

「はい! まるで地上の星空みたいです!」 アリスが目を輝かせている。

「明日はもっと凄いですわよ。近衛騎士団と聖騎士団による合同パレード、そしてドラゴン編隊による祝賀飛行……。カイルたちが最終点検を行っています」 ベルタが誇らしげに報告する。

平和だ。 どこにも、破滅の予兆はない。

「……リリアーナ様」

天井から、カイルの声がした。 姿は見えないが、少し緊張した響きが含まれていた。

「……何?」

「報告があります。……王都の結界に、微細なノイズを検知しました」

「ノイズ?」

「はい。魔王軍でも、隣国のスパイでもありません。……魔力反応がないのです。まるで、空間そのものが『きしんでいる』ような……」

私の背筋が凍った。 来た。 やっぱり、来たんだ。

「場所は?」

「……時計塔です。王都の中央、明日、リリアーナ様が鐘を鳴らす予定の、あの大時計です」

時計塔。 この国の時間を司る象徴。 そこが、歪みの発生源。

(……時間は、止まらない)

私は悟った。 18歳になる瞬間。 日付が変わる深夜0時。 そこで何かが起きる。

「……カイル。警備を強化して。時計塔には誰も近づけないで」

「御意。……ですが、リリアーナ様。嫌な予感がします。これは、物理的な攻撃ではないかもしれません」

カイルの勘は当たる。 物理攻撃なら、私の枕投げでどうにでもなる。 でも、そうでないなら……。

「……リリアーナ様?」

アリスが心配そうに私を見る。

「大丈夫よ」

私は笑ってみせた。 引きつっていたかもしれないけれど。

「明日は早いから、もう寝るわ。……お肌の調子を整えないと」

私は二人を残して、寝室へと戻った。

ベッドに入る。 ふかふかだ。 いつも通り、最高級の寝心地だ。

でも、眠れない。 心臓の音がうるさい。 時計の針の音が、爆音のように響く。

チク、タク、チク、タク……。

あと数時間で、日付が変わる。 私が18歳になる。

(……怖い)

本音が漏れた。 布団の中で、膝を抱える。 私はただの、怠惰な元OLだ。 世界を救うなんてガラじゃない。 ただ、静かに寝ていたいだけなのに。

その時。 窓の外から、コンコンと音がした。

「……誰?」

カイルではない。 彼はノックなどしない。

私は警戒しながら窓を開けた。 そこにいたのは、予想外の人物だった。

「……よう。眠れないのかい? お姫様」

黒いコートを着た、ジークフリート王子だった。 彼はバルコニーの手すりに腰掛け、片手にワインボトルを持っていた。 (不法侵入の手口が上達している)

「……ジーク? 何してるの?」

「前夜祭を抜け出してきた。主役がいなきゃつまらないからね」

彼は笑って、部屋に入ってきた。 そして、サイドテーブルにワインと、二つのグラスを置いた。

「結婚前夜に、新郎が新婦の部屋に忍び込むなんて、不謹慎極まりないわよ」

「ははは。僕たちはもう共犯者だろ? 今更さ」

王子はグラスにワインを注ぎ、私に手渡した。

「……祝い酒だ。飲もう」

「……未成年よ」

「固いこと言うなよ。ノンアルコールの葡萄ジュースだ」

私はグラスを受け取った。 深い赤色の液体。

「……乾杯」

「乾杯。……僕たちの、新しい人生に」

カチン、とグラスを合わせる音が、静寂に響く。 ジュースは甘くて、少し酸っぱかった。

王子は、一気に飲み干すと、真剣な表情で私を見た。

「リリアーナ。……僕は、君が何を恐れているのか、正確には知らない。でも、一つだけ確かなことがある」

彼は、私の肩を掴んだ。

「君が明日、死ぬことはない。世界が滅びることもない。……なぜなら、僕が許さないからだ」

「……根拠は?」

「愛だ」

即答だった。 恥ずかしげもなく、堂々と。

「愛は時空を超える。物語の定番だろ? ……もし運命が君を殺そうとするなら、僕がその運命を書き換える。君が寝ている間にね」

王子は、ポケットから懐中時計を取り出した。 針は、午後11時50分を指している。 あと10分。

「……見ていてくれ」

王子は、懐中時計の竜頭を回した。 カリカリという音がする。

「この時計は、王家に伝わる魔導具だ。時間を少しだけ操作できる……なんて機能はない。ただの時計だ」

「……じゃあ、何をするの?」

「こうするんだ」

王子は、時計の針を、指で無理やり進めた。 12時を過ぎ、12時1分へ。

「はい。おめでとう、リリアーナ。君は18歳になった」

「……は?」

「今、この部屋の中だけは、未来になった。……何も起きないだろう?」

王子はニカっと笑った。

「運命なんて、こんなもんだ。針を指で進めれば、あっさり変わる。……君はもう、死の運命を乗り越えたんだよ」

なんという子供騙し。 なんという暴論。 でも。

私の肩から、力が抜けた。 ふっと、笑いがこみ上げてきた。

「……馬鹿ね」

「ああ。君のためなら、ピエロにでもなるさ」

王子は私を抱きしめた。 温かい。 彼の心臓の音が、私の時計代わりになる。

「……ありがとう」

私は目を閉じた。 不思議と、眠気がやってきた。 安心感という名の、最強の睡眠導入剤。

「……少し、寝てもいい?」

「ああ。僕が起きている。……日付が変わる瞬間も、その先も、ずっと見守っているよ」

私は、王子の胸に寄りかかったまま、意識を手放した。 彼がいるなら、大丈夫かもしれない。 そんな、甘い期待を抱きながら。

          ◇

そして。 運命の時刻、午前0時。

王都の時計塔が、ゴーン、ゴーンと鐘を鳴らし始めた。 その音は、街中に響き渡り、新しい一日の始まりを告げる。

リリアーナの部屋では、彼女は安らかに寝息を立てていた。 ジークフリートは、彼女を抱きしめたまま、窓の外の時計塔を見つめていた。

「……何も起きないな」

彼は安堵の息を吐いた。 やはり、彼女の懸念は取り越し苦労だったのか。 あるいは、彼女の「寝る力」が運命をねじ伏せたのか。

しかし。 鐘が12回目を鳴らし終えた、その直後。

世界が、一瞬だけ「明滅」した。

ジークフリートは気づかなかった。 カイルも、ベルタも、アリスも気づかなかった。

ただ一人。 世界の理の外にいる存在――魔王だけが、その異変を感じ取っていた。

魔王城の玉座(ソファ改造済み)で眠っていた魔王が、カッ! と目を見開いたのだ。

「……来たか」

魔王は呟いた。

「『強制修正プログラム』……。奴らは、諦めていなかったか」

王都の上空。 誰にも見えない「透明な亀裂」が走った。 そこから滲み出るのは、黒竜のような物理的な怪物ではない。 もっと質(タチ)の悪い、概念的な毒。

『……聖女リリアーナ……生存ヲ……確認……』 『……シナリオ……逸脱……』 『……修正……開始……』

無機質な声が、世界の裏側で響く。

リリアーナの寝顔に、一瞬だけ影が差した。 彼女の眉がピクリと動く。 悪夢。 バクの精霊ですら食べられない、システムからの直接干渉。

彼女の意識は、深い深い闇の底へと引きずり込まれていく。 そこは、夢の世界ではない。 「過去」の世界。 彼女が6回死んだ、あの絶望の記憶の中へ。

(……え? ここは……?)

リリアーナが目を開けると、そこは寝室ではなかった。 冷たい石の床。 見下ろす断頭台。 そして、嘲笑う群衆。

(……断頭台?)

戻された。 いや、違う。 これはリプレイだ。 過去の死を、もう一度体験させられる。 心を折るために。

『……死ネ……死ネ……死ネ……』

声が響く。

リリアーナは震えた。 王子はいない。 枕もない。 パジャマでもない。 あるのは、絶望だけ。

(……嫌だ……)

彼女が蹲った、その時。

「……リリアーナ!」

声がした。 現実世界からの声ではない。 彼女の魂に刻まれた、新たな絆の声。

「……起きろ! 寝てる場合じゃねえぞ、姉御!」 ベルタの声。

「……リリアーナ様! 朝ごはんですよ!」 アリスの声。

「……師匠。背中は守ります」 カイルの声。

そして。

「……愛している。必ず迎えに行く」 ジークフリートの声。

光が差した。 断頭台の上が、眩い光に包まれる。

リリアーナは顔を上げた。 その瞳から、恐怖が消える。 代わりに宿るのは、不機嫌さと、そして強烈な「意志」。

「……うるさい」

彼女は立ち上がった。 夢の中の断頭台を、素手で殴りつけた。

「せっかく気持ちよく寝てたのに……。人のトラウマを勝手に上映しないでよ!」

バリーン! 幻影が砕け散る。
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