【R18】温和はオトメをもっと上手に愛したい

鷹槻れん

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*お仕置き

9

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「いっ、痛いっ! 温和はるまさっ!」

  音芽おとめの言葉に気持ちがたかぶりすぎて、彼女の腕を強く握りすぎてしまったらしい。
 抗議の声を上げながら音芽が顔をしかめるのへ、それでも俺はすぐにそのことに配慮してやることが出来ないぐらい動揺していた。

「お前、それ、行く気なのか!?」

 言葉と一緒に、さらに手に力を込めてしまった。そのまま音芽にグッと詰め寄ってそう問いかけたら、彼女が眉根を寄せてフルフルと首を振った。

「――ま、迷って……る。さっき、鶴見つるみ先生とあんなことがあったから」

 つぶやくようにそう言う音芽に、俺は少し安堵して、やっと彼女の手を解放する。

 そうしながら、でも……と思う。

 この感じなら音芽、別に鶴見のことを好きでどうこうってわけじゃなさそうだ。
 だったら約束は守らせておいて、その場に乗り込んでグダグダにするほうが、あの男を牽制するのに効果的なんじゃないだろうか。

 姑息にもそんなことを思ってしまった俺は、
「約束したんなら……行けよ」

 音芽は俺が止めるものだと思っていたんだろう。
 若干突き放したように告げられた俺の言葉に、一瞬瞳を見開いてから、すぐにしゅんとした表情をする。

 その顔が可愛くて、俺は心の中で、止めはしないが邪魔はするから安心しろ、と付け加えずにいられない。

 俺がそんなことを思っているなんて露ほども知らない音芽は、しおしおとうなだれたまま、
「そう、だね。約束は守らなきゃ……だもんね」
 俺からふと視線を逸らして力なくそう言った。

 瞬間、そっぽを向いた音芽の目から涙がポロリとこぼれたように見えたのは、錯覚だろうか。

 そのことにほんの少し罪悪感を覚えた俺は、無意識に音芽の頭へ手を伸ばすと、そのままくしゃりと撫でてから、
「ただし――俺も、行く……」
 そう、つぶやいていた。

 デート現場に乗り込む算段はサプライズのつもりだったんだが、こんな悲しそうな顔をされたら言うしかねぇだろ。

 邪魔しに行くのは俺ひとりでも十分なんだが、も一緒の方が絶対にいい感じにかき混ぜてくれるはずだ。

 面白いものが見られるといえば、乗らないやつじゃねぇし。
 そう確信した俺は、音芽に見えない角度でほくそ笑んだ。
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