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*ふたりの初めて
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俺の言葉に身体を強張らせると、音芽は視線を泳がせた。
「なにも……考えてなんか……」
ややしてやっとのことでそうつぶやいた音芽に、俺は意地悪く問いかける。
「もう、やめて?とか言おうと思ってた?」
俺のセリフに、痛いところをつかれたとでも言うように目を瞠った音芽を見て、
「――図星?」
ニヤリと笑って、愛らしいその顔を覗き込めば、音芽が恥ずかしそうに視線を逸らした。
そうしながら、「分かってるんなら……」と言おうとするのを半ばで遮って、「……バカ音芽。そんなん却下に決まってんだろ」ってダメ出しをしてやるんだ。
***
「なぁ、音芽。情けない本音……言って、いいか?」
涙目で俺を睨みつけてくる音芽に、俺は至極真剣な顔で話しかける。
「……情けない、本音?」
小さく俺の言葉を復唱する音芽の真っ直ぐな視線に耐え切れなくて、俺は思わず彼女の視界を手のひらで覆い隠した。
両手だってまだ彼女の頭上で一纏めに束ねたまま、開放なんてしてやってねぇのに視界まで奪うとか。
俺が音芽の立ち場だったら、絶対物凄く不安なはずだ。
正直な話、相手のことを信頼してないと、そんな状態、耐えられないと思う。
音芽が、この状況をさしたる抵抗も見せずに甘んじて受け入れてくれているということは、俺のことを信じてくれていると思ってもいいんだろうか。
そこまで考えてやっと、俺は小さな声で言えたんだ。
「俺も……めちゃくちゃ……緊張してる。――お前が相手だと思うと、俺は本当情けないぐらい駄目な男になるんだよ」
ってな。
最後の辺りは自分でもめちゃくちゃ情けないことを言っているという自覚があったから、微かなささやきに近くて。
自分からわざわざ告白をするような真似をしたくせに、何なら今の言葉全て、音芽に聞こえていなければいいのに、とすら思ってしまった。
俺に目を覆い隠されたまま、音芽が不安気に「温和……?」と呼びかけてくる。
本当ならすぐにでも視界を奪うこの手を退けてやりたいところなんだけど、すまん。
まだ、今はもう少しこのまま――。
そんな俺に、音芽が小さく深呼吸をしてから、まるで児童を諭すような口調で訴えかけてくるんだ。
「……温和。私も……アナタに触れたい。手、放して……くれると嬉しい、な……? その……に、逃げたりしない、から……」
俺はその言葉を聞いて心底驚いたんだ。
なあ音芽。
本当にお前の手を離しても、逃げたり……しないでいてくれるのか?
「なにも……考えてなんか……」
ややしてやっとのことでそうつぶやいた音芽に、俺は意地悪く問いかける。
「もう、やめて?とか言おうと思ってた?」
俺のセリフに、痛いところをつかれたとでも言うように目を瞠った音芽を見て、
「――図星?」
ニヤリと笑って、愛らしいその顔を覗き込めば、音芽が恥ずかしそうに視線を逸らした。
そうしながら、「分かってるんなら……」と言おうとするのを半ばで遮って、「……バカ音芽。そんなん却下に決まってんだろ」ってダメ出しをしてやるんだ。
***
「なぁ、音芽。情けない本音……言って、いいか?」
涙目で俺を睨みつけてくる音芽に、俺は至極真剣な顔で話しかける。
「……情けない、本音?」
小さく俺の言葉を復唱する音芽の真っ直ぐな視線に耐え切れなくて、俺は思わず彼女の視界を手のひらで覆い隠した。
両手だってまだ彼女の頭上で一纏めに束ねたまま、開放なんてしてやってねぇのに視界まで奪うとか。
俺が音芽の立ち場だったら、絶対物凄く不安なはずだ。
正直な話、相手のことを信頼してないと、そんな状態、耐えられないと思う。
音芽が、この状況をさしたる抵抗も見せずに甘んじて受け入れてくれているということは、俺のことを信じてくれていると思ってもいいんだろうか。
そこまで考えてやっと、俺は小さな声で言えたんだ。
「俺も……めちゃくちゃ……緊張してる。――お前が相手だと思うと、俺は本当情けないぐらい駄目な男になるんだよ」
ってな。
最後の辺りは自分でもめちゃくちゃ情けないことを言っているという自覚があったから、微かなささやきに近くて。
自分からわざわざ告白をするような真似をしたくせに、何なら今の言葉全て、音芽に聞こえていなければいいのに、とすら思ってしまった。
俺に目を覆い隠されたまま、音芽が不安気に「温和……?」と呼びかけてくる。
本当ならすぐにでも視界を奪うこの手を退けてやりたいところなんだけど、すまん。
まだ、今はもう少しこのまま――。
そんな俺に、音芽が小さく深呼吸をしてから、まるで児童を諭すような口調で訴えかけてくるんだ。
「……温和。私も……アナタに触れたい。手、放して……くれると嬉しい、な……? その……に、逃げたりしない、から……」
俺はその言葉を聞いて心底驚いたんだ。
なあ音芽。
本当にお前の手を離しても、逃げたり……しないでいてくれるのか?
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