108 / 198
*ふたりの初めて
8
しおりを挟む
俺の照れ顔を見て嬉しそうに笑う音芽を見ていたら、段々悔しくなってきた。
このままこいつに情けないところを見せ続けるとか、すげぇ嫌なんだけど。
そう思った俺は、
「――えらく余裕だな、音芽」
小さく吐息を吐いて気持ちを切り替えると、次の瞬間にはスッと目を眇めて正面から音芽を射竦めていた。
俺は音芽が強く出られると怯むことを、長年の経験から知っている。
案の定、急に強気に転じた俺に、ソワソワと瞳を泳がせて慌てる音芽が可愛くて、俺は顔には出さずに密かにほくそ笑む。
「はる、まさ……?」
落ち着かなさそうに俺を見上げる潤んだ瞳を見下ろして、「お前さ、手を解いたら俺に触ってくれるんじゃなかったのかよ?」って意地悪く聞いてやるんだ。
言いながら、わざと冷めた目で彼女を見つめたら、音芽が小さく身体を震わせたのがわかった。
外からは依然として地面を激しく叩く雨の音が聞こえてくる。
その音をバックに、まるで蛇に睨まれたカエルよろしく俺から視線を外せずに固まっている音芽に、わざとキスを迫るみたいに顔を近付けた。
その気配に、慌てたように彼女がぎゅっと目をつぶって。マジ、可愛すぎるだろ。
小動物のような愛らしさを持つ音芽にそんな姿を見せられたんだからな? 加虐心が鎌首をもたげても仕方ないと思わないか?
音芽が俺からの口付けを待っているのを知っていて、わざと寸止めするように唇の手前で動きを止めた俺に、彼女が恐る恐る目を開けるんだ。
俺はそれを見計ったように、わざとクスッと笑ってやった。
すぐ目の前、吐息が絡み合うギリギリのラインで止まっている俺の顔を、潤んだ瞳で睨みつけてくる音芽が愛しくてたまらない。
愛しすぎて泣かせてやりたくなるとか……小学生並みの思考回路だけど、音芽が相手だと俺はそんな男に成り下がるんだ。
可愛い音芽に言うことを聞かせられたら、どんなに心地いいだろう。
そう思ったら、無意識に音芽を試すみたいに、「次はお前からキスしろよ……」ってささやいていた――。
それを言われた時の音芽の反応!
ビクッと身体を小さく跳ねさせて、唇をぎゅっとひき結ぶその姿が俺の胸を鷲掴みにする。
なんだよ、この可愛い生き物!
そのくせ縋るように俺を見つめてくるその視線の色っぽさとのギャップが堪らなくて、俺は音芽から視線が外せなくなる。
まるで、もっと虐めて欲しいとでも言いたげなその視線に囚われているのは、俺の方かもしれない。
このままこいつに情けないところを見せ続けるとか、すげぇ嫌なんだけど。
そう思った俺は、
「――えらく余裕だな、音芽」
小さく吐息を吐いて気持ちを切り替えると、次の瞬間にはスッと目を眇めて正面から音芽を射竦めていた。
俺は音芽が強く出られると怯むことを、長年の経験から知っている。
案の定、急に強気に転じた俺に、ソワソワと瞳を泳がせて慌てる音芽が可愛くて、俺は顔には出さずに密かにほくそ笑む。
「はる、まさ……?」
落ち着かなさそうに俺を見上げる潤んだ瞳を見下ろして、「お前さ、手を解いたら俺に触ってくれるんじゃなかったのかよ?」って意地悪く聞いてやるんだ。
言いながら、わざと冷めた目で彼女を見つめたら、音芽が小さく身体を震わせたのがわかった。
外からは依然として地面を激しく叩く雨の音が聞こえてくる。
その音をバックに、まるで蛇に睨まれたカエルよろしく俺から視線を外せずに固まっている音芽に、わざとキスを迫るみたいに顔を近付けた。
その気配に、慌てたように彼女がぎゅっと目をつぶって。マジ、可愛すぎるだろ。
小動物のような愛らしさを持つ音芽にそんな姿を見せられたんだからな? 加虐心が鎌首をもたげても仕方ないと思わないか?
音芽が俺からの口付けを待っているのを知っていて、わざと寸止めするように唇の手前で動きを止めた俺に、彼女が恐る恐る目を開けるんだ。
俺はそれを見計ったように、わざとクスッと笑ってやった。
すぐ目の前、吐息が絡み合うギリギリのラインで止まっている俺の顔を、潤んだ瞳で睨みつけてくる音芽が愛しくてたまらない。
愛しすぎて泣かせてやりたくなるとか……小学生並みの思考回路だけど、音芽が相手だと俺はそんな男に成り下がるんだ。
可愛い音芽に言うことを聞かせられたら、どんなに心地いいだろう。
そう思ったら、無意識に音芽を試すみたいに、「次はお前からキスしろよ……」ってささやいていた――。
それを言われた時の音芽の反応!
ビクッと身体を小さく跳ねさせて、唇をぎゅっとひき結ぶその姿が俺の胸を鷲掴みにする。
なんだよ、この可愛い生き物!
そのくせ縋るように俺を見つめてくるその視線の色っぽさとのギャップが堪らなくて、俺は音芽から視線が外せなくなる。
まるで、もっと虐めて欲しいとでも言いたげなその視線に囚われているのは、俺の方かもしれない。
0
あなたにおすすめの小説
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる