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閑古鳥さようならダンジョン
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と、いうわけで初期投資いたしました。
まず領都にいる錬金術師のところの弟子2号くんをかの町へ派遣。防臭のしっかりされたアトリエを提供し、低階層素材でなんかできないか研究してもらうことになりました。2号くんは錬金術師によくいる感じの研究大好き人間なので、喜んで研究しているそうな。
なお2号くんに師匠の一番弟子の座を奪われるのではないかと戦々恐々していた肝のちっさい1号くんは領都でのびのび仕事しております。
次に宿屋。
元からあった宿屋をつぶしてはかわいそうなので、領都から有名宿屋のコンサルタントを引っ張ってきて、宿の改革を命じました。経営上は地方宿屋が有名宿屋の傘下入りという形になっていますが、改革費用は半分領主持ちです。
このコンサルタントが優秀でしてね、ダンジョンではなく近くの山にあった花畑を観光名所として売り出しました。観光客が訪れる宿として、ダンジョン関係なく経営回復してしまいました。
「天空の花畑」という名のついた山の花畑は、小さな山のくぼ地一面に桃色の花が敷き詰められたように咲いていて、それはそれは美しいんですのよ。
今ではそこにミツバチ放って養蜂業もはじまりました。
「天空のハチミツ」お土産に人気ですのよ。
もちろんお宿もVIP対応可。スイートルーム完備です。
そして目玉のダンジョン攻略。
このついでに孤児対策をからめてみました。
神官というものは実技能力の高いものほど信心も深くていい人なんです。これに神殿内での階級は関係ありません。
そこで、領内の孤児院のうち、経営困難におちいっているところの子を半数ずつ連れてきまして、孤児院の併設された神殿をここに新設。
この子達に十分な教育と生育環境を我が家で保証する代わりに、Aランク以上の冒険者にダンジョン攻略パーティへの参加を頼まれたら、手助けしてくれる神官募集。ということにしました。
またこのダンジョン攻略に必要な神官側の心得(血への耐性とかですね)も低階層で鍛えるというフォロー付きです。
すると
我も我もと、こころざし立派な神官が集まってくれましたわ。
なんか、神殿の階級無視で集めているところにも惹かれたそうです。そういう考えもありますわね。
ちなみに経営困難の孤児院は子供の数が減ったので困難というほどではなくなりました。
さらにこころざし立派な神官たちが、ダンジョン攻略での分け前をあちこちに寄付したい(でも神殿ではピンハネされそうなので領主様お願い)というので私の方で孤児たちに平等に恵みが行くように手配しました。
ですがなにぶん、ダンジョンの稼ぎが軌道に乗ったらその稼ぎはケタ違いのものになってしまいますので
そうなったら他家の領地にまで手を出して欲しいという要望も来ることでしょう。
それまでにとなりの貴族とは仲良くならなくてはねぇ。
ま、まずは私を認めさせなくてはね。
やれるところまでやっちゃいましょう。
そんなこんなしていたらあれから半年もたってしまいましたわ。
かつてまばらにしか人のいなかったダンジョンの町を、今では多数の冒険者たちが歩いています。
先日と同じメンバーで冒険者ギルドの扉を開けようとすると、中から冒険者が扉をあけて出てきました。
「おっとごめんよ」
「かまいませんわ」
はちあわせ! 入り口で人とはちあわせですわ!
あの閑散としていたギルドで!
おめでたいわぁ。
中に入れば、ガヤガヤと人の話し声。
人数は少なめですけれど、ここは特殊ダンジョンですものね。これでも多い方だと思いますわ。
むしろほどよくすいていて良いのではなくて?
先週、錬金術師の二番弟子の彼が「ハゲ予防薬」(回復はしない)を開発して、その材料にこのダンジョン素材が必要だということで、低ランクの冒険者も今は訪れているんですの。
受付のお嬢さんも、頬杖つくひまもなく笑顔で働いています。
空だったとなりの受付にも女性が1人。
彼女たちの後ろではせっせと仕事する職員が3人は見えますわ。
冒険者の数もそれほどではないので、手が空いたあの受付のお嬢さんのところへ行きます。
「おひさしぶりね」
「あ! お嬢さま!? わぁ! 来てくださったのですね。ありがとうございます。お会いしたかったです。私お礼を言いたくて、また会えるかなぁって思っておりまして。本当にありがとうございました。ギルドが活性化したのもそうですし、そのおかげで私の給料がアップしたのもそうなんですけど、臭いが、あの臭いがなくなったっていうのがもう、もう! 本当にありがとうございます!」
「ふふふふ、うまくいってよかったわぁ。この調子でうまくいくといいのだけど」
「きっと大丈夫ですよ! お嬢さまなら!」
「ふふ、ありがとう」
ギルドを出て、孤児院併設の神殿へ行く。
わたくしがアルリアと知った神官たちに祈られまくられて、今ならアンデッドゾーンも突破できそうな気がするわ。行かないけどね。
わーわー楽しそうにかまってちゃんしてくる可愛い子供達に、わたくしの王子様にふられましたエピソードを語って聞かせて
「どんまい」
となぐさめられてから、改革した宿屋のスイートに一泊して帰りました。
いいお宿になってるわね。でもまだまだね。公爵令嬢を満足させるにはまだ足りないものがあるわ。そう。
「シャンプーをハゲ予防薬入りのものに変えてください」
「かしこまりましたお嬢さま」
別にわたくし悩んでませんわよ?
でもここで使用することにより、購買意欲が高まったり、ハゲ予防薬発祥の地というインパクトを与えることもできるでしょ?
名産は推していかないとね?
そうそう、そういえばダンジョンの8階層に出るアイテムや魔物はランダムでしたわ。
高ランク冒険者によるエリクサーの実取り放題にはなりませんでした。人間エルフ化計画も不可能そうですわね。
でもそのおかげで市場価格は安定して高値をキープしているし、同レベルのレアアイテムが出てくるので冒険者の収入としてはそう問題にはならないようですわ。
それにエリクサーの実には劣りますけれど最高位のポーション(回復薬)のレア素材「はぐれ雲」という雲みたいな白い粒子の塊の素材や、マナポーション(魔力回復薬)の素材やらやらあるので、高ランク冒険者たちが他のダンジョンを攻略する準備として活用という使われ方もしはじめましたわ。
え、ここのダンジョンをさらにもぐるのはしないのかって?
うふふふ、それは死に行くようなものですわ……ここ何階層まであるのかしらね?
まず領都にいる錬金術師のところの弟子2号くんをかの町へ派遣。防臭のしっかりされたアトリエを提供し、低階層素材でなんかできないか研究してもらうことになりました。2号くんは錬金術師によくいる感じの研究大好き人間なので、喜んで研究しているそうな。
なお2号くんに師匠の一番弟子の座を奪われるのではないかと戦々恐々していた肝のちっさい1号くんは領都でのびのび仕事しております。
次に宿屋。
元からあった宿屋をつぶしてはかわいそうなので、領都から有名宿屋のコンサルタントを引っ張ってきて、宿の改革を命じました。経営上は地方宿屋が有名宿屋の傘下入りという形になっていますが、改革費用は半分領主持ちです。
このコンサルタントが優秀でしてね、ダンジョンではなく近くの山にあった花畑を観光名所として売り出しました。観光客が訪れる宿として、ダンジョン関係なく経営回復してしまいました。
「天空の花畑」という名のついた山の花畑は、小さな山のくぼ地一面に桃色の花が敷き詰められたように咲いていて、それはそれは美しいんですのよ。
今ではそこにミツバチ放って養蜂業もはじまりました。
「天空のハチミツ」お土産に人気ですのよ。
もちろんお宿もVIP対応可。スイートルーム完備です。
そして目玉のダンジョン攻略。
このついでに孤児対策をからめてみました。
神官というものは実技能力の高いものほど信心も深くていい人なんです。これに神殿内での階級は関係ありません。
そこで、領内の孤児院のうち、経営困難におちいっているところの子を半数ずつ連れてきまして、孤児院の併設された神殿をここに新設。
この子達に十分な教育と生育環境を我が家で保証する代わりに、Aランク以上の冒険者にダンジョン攻略パーティへの参加を頼まれたら、手助けしてくれる神官募集。ということにしました。
またこのダンジョン攻略に必要な神官側の心得(血への耐性とかですね)も低階層で鍛えるというフォロー付きです。
すると
我も我もと、こころざし立派な神官が集まってくれましたわ。
なんか、神殿の階級無視で集めているところにも惹かれたそうです。そういう考えもありますわね。
ちなみに経営困難の孤児院は子供の数が減ったので困難というほどではなくなりました。
さらにこころざし立派な神官たちが、ダンジョン攻略での分け前をあちこちに寄付したい(でも神殿ではピンハネされそうなので領主様お願い)というので私の方で孤児たちに平等に恵みが行くように手配しました。
ですがなにぶん、ダンジョンの稼ぎが軌道に乗ったらその稼ぎはケタ違いのものになってしまいますので
そうなったら他家の領地にまで手を出して欲しいという要望も来ることでしょう。
それまでにとなりの貴族とは仲良くならなくてはねぇ。
ま、まずは私を認めさせなくてはね。
やれるところまでやっちゃいましょう。
そんなこんなしていたらあれから半年もたってしまいましたわ。
かつてまばらにしか人のいなかったダンジョンの町を、今では多数の冒険者たちが歩いています。
先日と同じメンバーで冒険者ギルドの扉を開けようとすると、中から冒険者が扉をあけて出てきました。
「おっとごめんよ」
「かまいませんわ」
はちあわせ! 入り口で人とはちあわせですわ!
あの閑散としていたギルドで!
おめでたいわぁ。
中に入れば、ガヤガヤと人の話し声。
人数は少なめですけれど、ここは特殊ダンジョンですものね。これでも多い方だと思いますわ。
むしろほどよくすいていて良いのではなくて?
先週、錬金術師の二番弟子の彼が「ハゲ予防薬」(回復はしない)を開発して、その材料にこのダンジョン素材が必要だということで、低ランクの冒険者も今は訪れているんですの。
受付のお嬢さんも、頬杖つくひまもなく笑顔で働いています。
空だったとなりの受付にも女性が1人。
彼女たちの後ろではせっせと仕事する職員が3人は見えますわ。
冒険者の数もそれほどではないので、手が空いたあの受付のお嬢さんのところへ行きます。
「おひさしぶりね」
「あ! お嬢さま!? わぁ! 来てくださったのですね。ありがとうございます。お会いしたかったです。私お礼を言いたくて、また会えるかなぁって思っておりまして。本当にありがとうございました。ギルドが活性化したのもそうですし、そのおかげで私の給料がアップしたのもそうなんですけど、臭いが、あの臭いがなくなったっていうのがもう、もう! 本当にありがとうございます!」
「ふふふふ、うまくいってよかったわぁ。この調子でうまくいくといいのだけど」
「きっと大丈夫ですよ! お嬢さまなら!」
「ふふ、ありがとう」
ギルドを出て、孤児院併設の神殿へ行く。
わたくしがアルリアと知った神官たちに祈られまくられて、今ならアンデッドゾーンも突破できそうな気がするわ。行かないけどね。
わーわー楽しそうにかまってちゃんしてくる可愛い子供達に、わたくしの王子様にふられましたエピソードを語って聞かせて
「どんまい」
となぐさめられてから、改革した宿屋のスイートに一泊して帰りました。
いいお宿になってるわね。でもまだまだね。公爵令嬢を満足させるにはまだ足りないものがあるわ。そう。
「シャンプーをハゲ予防薬入りのものに変えてください」
「かしこまりましたお嬢さま」
別にわたくし悩んでませんわよ?
でもここで使用することにより、購買意欲が高まったり、ハゲ予防薬発祥の地というインパクトを与えることもできるでしょ?
名産は推していかないとね?
そうそう、そういえばダンジョンの8階層に出るアイテムや魔物はランダムでしたわ。
高ランク冒険者によるエリクサーの実取り放題にはなりませんでした。人間エルフ化計画も不可能そうですわね。
でもそのおかげで市場価格は安定して高値をキープしているし、同レベルのレアアイテムが出てくるので冒険者の収入としてはそう問題にはならないようですわ。
それにエリクサーの実には劣りますけれど最高位のポーション(回復薬)のレア素材「はぐれ雲」という雲みたいな白い粒子の塊の素材や、マナポーション(魔力回復薬)の素材やらやらあるので、高ランク冒険者たちが他のダンジョンを攻略する準備として活用という使われ方もしはじめましたわ。
え、ここのダンジョンをさらにもぐるのはしないのかって?
うふふふ、それは死に行くようなものですわ……ここ何階層まであるのかしらね?
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