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元日本人だなんてことあんまり気にしてなかったんだけど…
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生まれ変わったら異世界だった。
元日本人女性だったのはなんとなく覚えている。今は鳥の獣人のハヨヨ。日本の価値観で考えると変な名前だけど異世界だし、私もうこっちの人間(獣人)だから日本の価値観のが薄れてる。
と、思っていた……昨日までは。
こっちの世界には漫画なんてないから、私の脳内は日本で読んだ少女漫画のめくるめくトキメキシーンへの憧れでいっぱいだった。親とかから伝え聞く求愛の話も、細かな種族によって違うけどだいたい同じ種ならどんな求愛もキュンってくるのよーって聞かされてただけで、詳しくは「お楽しみ」ってされてた。
私は鳥の獣人。だから恋の相手も鳥の獣人。
晴れて学園に通う年頃の乙女になって、私もついに恋のときめきっていうのを知った。
恋したのはもちろん鳥の種族。黒い翼と髪と、ぴょりんと頭から三本出た冠羽をもつクルル君。へへって笑う顔がねーいいのー、私もつい笑いたくなる、しあわせがうつるっていうの? クルル君といられたら楽しいだろうなぁって思ってたら、なんかだんだんね。えへへ。
いつかお付き合いして、私の頭の冠羽なでてほしいなぁなんて思ったりしていたんだけど。
鳥の獣人の求愛は……。
「は、ハヨヨ!」
学園からの帰り、帰り支度をしてたらクルル君が、浅黒い肌でも分かるくらい顔を真っ赤にさせながら私のところに来た。いつも私と一緒にいる友達で熊の獣人のウーちゃんが、あらあらーって感じで顔を大きな熊の手で隠しながら後ろへ遠ざかっていく。
目は好奇心できらきらしてるし、他のクラスメイトもニヤニヤ見てくるし!
私もカーッと顔が熱くなってきた。
そんな状況をものともせずに、クルル君が言う。
「その、今から公園に行かないか? い、一緒にさ、止まり木に止まらないか?」
「は、はい…! 行く! ます!」
「へへ」
くしゃりと笑った顔につられて私も顔がにやけて、恥ずかしくて。つい自分の背中の黄色い翼で全身を隠すように包み込んだら、黄色い羽の壁をかき分けてクルル君が顔をのぞかせてきた。
顔、近い!
「何やってんだよ。いこ?」
真っ赤な顔で笑って、私の人間の手をつかんで歩き出す。
「あ、ウーちゃん、今日は」
「分かってるーお先にどうぞー! ふふふふふ」
もふっもふの熊の手で口を隠して笑うウーちゃんに見送られながら、手を、手をつないで! 公園まで2人できた。
その間、妙に沈黙が長かったり「あそこの公園の止まり木がいいなって、ずっと憧れててさ」とかいう話を聞いたりした。
元日本人女性だったのはなんとなく覚えている。今は鳥の獣人のハヨヨ。日本の価値観で考えると変な名前だけど異世界だし、私もうこっちの人間(獣人)だから日本の価値観のが薄れてる。
と、思っていた……昨日までは。
こっちの世界には漫画なんてないから、私の脳内は日本で読んだ少女漫画のめくるめくトキメキシーンへの憧れでいっぱいだった。親とかから伝え聞く求愛の話も、細かな種族によって違うけどだいたい同じ種ならどんな求愛もキュンってくるのよーって聞かされてただけで、詳しくは「お楽しみ」ってされてた。
私は鳥の獣人。だから恋の相手も鳥の獣人。
晴れて学園に通う年頃の乙女になって、私もついに恋のときめきっていうのを知った。
恋したのはもちろん鳥の種族。黒い翼と髪と、ぴょりんと頭から三本出た冠羽をもつクルル君。へへって笑う顔がねーいいのー、私もつい笑いたくなる、しあわせがうつるっていうの? クルル君といられたら楽しいだろうなぁって思ってたら、なんかだんだんね。えへへ。
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「は、ハヨヨ!」
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私もカーッと顔が熱くなってきた。
そんな状況をものともせずに、クルル君が言う。
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くしゃりと笑った顔につられて私も顔がにやけて、恥ずかしくて。つい自分の背中の黄色い翼で全身を隠すように包み込んだら、黄色い羽の壁をかき分けてクルル君が顔をのぞかせてきた。
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