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22話
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「……あら? あの後ろ姿、どこかで……」
帝都郊外の村道を歩いていたルゥナ=フェリシェは、道の向こうに立つ人物に目を留めた。
晴れ着を着た中年の男性。背筋をしゃんと伸ばし、緊張した面持ちで式場へと向かっている。
「もしかして……黒鉄の塔で、お世話になった牢番の方では?」
彼はまさにその人だった。
ルゥナが“なんとなく”脱獄したとき、彼女の管理を担当していた副監守――グルーデン氏。
彼はルゥナに気づくと、明らかに顔を引きつらせ、目をこすった。
「……まさか……まさか今日この日に……!」
「まぁ、ごきげんよう。ご結婚、おめでとうございますわ」
「ひぇっ!?」
彼の叫び声が式場中に響いた。
結果――なぜかルゥナは、そのまま結婚式に招かれることになった。
「いや、そりゃあ……恩人ですし……祝福の……ほら、“奇跡の令嬢”って噂もありますし……」
「わたくし、ただ道を通っていただけですのに……」
その言葉に、列席者たちは「謙虚……」「やはり只者では……」とざわついた。
式は進み、花束を投げる時間。
ルゥナは求められるままに、花束を手に立ち上がった。
「では……皆さまに、幸が訪れますように」
ふわりと投げた花束は――
何をどう間違ったか、新郎の額に見事直撃。
「ぐふっ!」
場が静まり返ったその瞬間、花束が地面に落ちる前に、新婦がぱっと駆け出して見事にキャッチした。
「……っ!」
「お、おおおおお……!」
「……これが、新たな門出の奇跡……!」
拍手と歓声が広がるなか、ルゥナは微笑んだ。
「結果的に良き風となったようで、安心いたしましたわ」
式の最後、ルゥナは新郎新婦に小さな花束を手渡した。
「おふたりに、末永きご縁がありますように。風の穏やかな日々となりますよう、祈っておりますわ」
その祝辞に、普段は無骨なグルーデン氏が――
「……う、うわあああああん……!」
号泣した。
それを見た参列者たちは一斉に跪き、
“花言葉の巫女”“涙を引き出す天使”“祝福の旅人”と、またしても彼女に新たな名を与えた。
帰り道、猫が草むらから顔を出す。
「ふふ、お待たせしましたわ。少しだけ、人の幸せに触れてまいりましたの」
その歩みに、春の風がまたひとつ、伝説を乗せて運んでいった。
帝都郊外の村道を歩いていたルゥナ=フェリシェは、道の向こうに立つ人物に目を留めた。
晴れ着を着た中年の男性。背筋をしゃんと伸ばし、緊張した面持ちで式場へと向かっている。
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彼はまさにその人だった。
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彼はルゥナに気づくと、明らかに顔を引きつらせ、目をこすった。
「……まさか……まさか今日この日に……!」
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「ひぇっ!?」
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結果――なぜかルゥナは、そのまま結婚式に招かれることになった。
「いや、そりゃあ……恩人ですし……祝福の……ほら、“奇跡の令嬢”って噂もありますし……」
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その言葉に、列席者たちは「謙虚……」「やはり只者では……」とざわついた。
式は進み、花束を投げる時間。
ルゥナは求められるままに、花束を手に立ち上がった。
「では……皆さまに、幸が訪れますように」
ふわりと投げた花束は――
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「ぐふっ!」
場が静まり返ったその瞬間、花束が地面に落ちる前に、新婦がぱっと駆け出して見事にキャッチした。
「……っ!」
「お、おおおおお……!」
「……これが、新たな門出の奇跡……!」
拍手と歓声が広がるなか、ルゥナは微笑んだ。
「結果的に良き風となったようで、安心いたしましたわ」
式の最後、ルゥナは新郎新婦に小さな花束を手渡した。
「おふたりに、末永きご縁がありますように。風の穏やかな日々となりますよう、祈っておりますわ」
その祝辞に、普段は無骨なグルーデン氏が――
「……う、うわあああああん……!」
号泣した。
それを見た参列者たちは一斉に跪き、
“花言葉の巫女”“涙を引き出す天使”“祝福の旅人”と、またしても彼女に新たな名を与えた。
帰り道、猫が草むらから顔を出す。
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