24 / 187
亜希の章 ツンデレな同居人
雑貨屋デートと偶然のペアチケット
しおりを挟む
昼過ぎ……昼食を済ませたあと、僕は亜希と一緒に買い物へと来ていた。
なんでも文房具を買いたいとかで、商店街にある雑貨屋へと訪れていた。
まあ、僕としてもずっと家にいるよりはこうして買い物に出るのもいいかもしれない。
そして、当の亜希はというと、シャーペンを手に取りかれこれ30分は悩んでいた……。
「あ……このウサギ柄のシャーペン可愛い~!こっちの猫の足跡柄のもいいわ~……どっちにしようか迷うわ……。ねえ、彼方はどっちがいいと思う?」
……どっちでもいいよ。
正直そう思うのだけど、そんな事を言ったら亜希の機嫌を損ないそうだから真剣に選ぶ必要があるだろう……。
「そうだね……亜希はどっちがいいの?」
「そうね……、私はこのウサギ柄が可愛いと思うわ。でも、こっちの猫の足跡のも可愛いのよね……、それとこの犬の足跡のもいいわ」
選択肢が増えたっ!?
まさかの展開だった……!
このままうかうかしていたらさらに選択肢が増えてしまいそうだ……。
僕はふと目を文具の方へとやると一つの激ゴムが目に入る。
それは猫の足跡柄のケースをしている。
「そうだね……、シャーペンはそのウサギ柄のにして、消しゴムをこの猫の足跡柄にしたらどうかな?」
「わぁ~、猫の足跡柄の消しゴムもあったのね……!彼方のおかげでいいものが見つけられたわ、ありがとうね」
「ま……まあ……、偶然見つけただけだよ……」
僕はその消しゴムを手に取ると亜希は目を輝かせ、ニコリと笑みを浮かべる。
その笑みにドキっとしてしまった僕は、照れ隠しでそっぽわ向きながらぶっきらぼうに答えた。
「ところで彼方は何か買うものとかはないの?」
「そうだな……、そろそろマウスパッドを買い換えようかなとは思っていたところかな……」
「そう、ならお礼に私が見繕ってあげるわ。……これなんかどうかしら?」
亜希はそう言うと一つのマウスパッドを手に取り僕へと手渡してくれた。
そのマウスパッドはシンプルな形なのだけど、色がピンク色。
……なんでピンク?
まあいいか……。
「ありがとう、亜希」
僕はマウスパッドを受け取ると、ウサギ柄のシャーペンと猫の足跡柄の消しゴムを持った亜希と共にレジへと向かった。
どうやら亜希は可愛いものが好きみたいだ。
同居し始めてまだ日にちが経っていないとはいえ、亜希のことを僕はまだ全然知らないんだなと思う。
レジへと向かう途中、僕はとあるものへと目が止まった。
「ん……?これは……」
それは雑貨屋の一角にあるヴァリアント・ブレイドというアニメに出てくる楓というキャラクターのアクリルスタンドだった。
そのキャラクターは赤に近いピンクの武装装甲を身にまとい、同じ色の髪色をしていた。
(なんかこれ……亜希やミアキに似てるような気がする……)
僕はなんとなくそれを手に取ると、マウスパッドとアクリルスタンドのお金を払うためレジへと向かった。
◆◆◆
「なんか結局色々買っちゃったわね……」
「そ……そうだね……」
夕日の差す商店街を僕と亜希は並んで歩いていた。
それぞれの手にはいくつもの買い物袋が下げられている。
雑貨屋のあと様々な店へと寄り、気がつけば色々と買ってしまっていた……。
勿論お金はそれなりに使ったのだけど、それよりも亜希とこうして買い物に行ったということがなんとなく楽しかったし、意外な一面が知れたのはどこか嬉しかった。
ていうかこれ……で……デート……なんじゃないかな……?
そう思うと途端に僕の顔が赤くなるのを感じる。
「ところで彼方、この福引券どうしようか……」
亜希の手には商店街でもらった福引券の補助券が何枚かある。
僕のも合わせれば2回くらいは引けるのかな……?
「折角だし引いてみようか……」
「そうね」
僕達は福引の補助券を握りしめて福引へと向かった……のだけど……。
「おめでとうございまーーすっ!3等のプールペアチケットの当たりですっ!」
福引所のお兄さんの威勢のいい声と共に鐘が鳴らされ僕と亜希は呆気にとられていた……。
最初僕が引いたのは残念賞のポケットティッシュ……しかし、亜希が引くとなんと3等のプールのペアチケットが当たってしまったのだっ!
なんていうか……亜希って運が良すぎない……?
「いやぁ、お二人は運が良いですね!カップルでプール……!いやうらやましいっ!」
「な……!か……カップル……!」
カップルと言われ亜希の顔が瞬時に真っ赤になる……。
「と……とりあえず亜希どうしようか……」
「う……う~ん……」
僕はプールのペアチケットを見ながら亜希へと問うと彼女は腕組みをしながら悩んでこそいたけどその目は確かにペアチケットへと向かれていた。
「と……とりあえず一旦帰ろうか……」
「そ……そうね……!」
プールのペアチケットを買い物袋へとしまうとはひとまず家へと帰ることにしたのだった……。
なんでも文房具を買いたいとかで、商店街にある雑貨屋へと訪れていた。
まあ、僕としてもずっと家にいるよりはこうして買い物に出るのもいいかもしれない。
そして、当の亜希はというと、シャーペンを手に取りかれこれ30分は悩んでいた……。
「あ……このウサギ柄のシャーペン可愛い~!こっちの猫の足跡柄のもいいわ~……どっちにしようか迷うわ……。ねえ、彼方はどっちがいいと思う?」
……どっちでもいいよ。
正直そう思うのだけど、そんな事を言ったら亜希の機嫌を損ないそうだから真剣に選ぶ必要があるだろう……。
「そうだね……亜希はどっちがいいの?」
「そうね……、私はこのウサギ柄が可愛いと思うわ。でも、こっちの猫の足跡のも可愛いのよね……、それとこの犬の足跡のもいいわ」
選択肢が増えたっ!?
まさかの展開だった……!
このままうかうかしていたらさらに選択肢が増えてしまいそうだ……。
僕はふと目を文具の方へとやると一つの激ゴムが目に入る。
それは猫の足跡柄のケースをしている。
「そうだね……、シャーペンはそのウサギ柄のにして、消しゴムをこの猫の足跡柄にしたらどうかな?」
「わぁ~、猫の足跡柄の消しゴムもあったのね……!彼方のおかげでいいものが見つけられたわ、ありがとうね」
「ま……まあ……、偶然見つけただけだよ……」
僕はその消しゴムを手に取ると亜希は目を輝かせ、ニコリと笑みを浮かべる。
その笑みにドキっとしてしまった僕は、照れ隠しでそっぽわ向きながらぶっきらぼうに答えた。
「ところで彼方は何か買うものとかはないの?」
「そうだな……、そろそろマウスパッドを買い換えようかなとは思っていたところかな……」
「そう、ならお礼に私が見繕ってあげるわ。……これなんかどうかしら?」
亜希はそう言うと一つのマウスパッドを手に取り僕へと手渡してくれた。
そのマウスパッドはシンプルな形なのだけど、色がピンク色。
……なんでピンク?
まあいいか……。
「ありがとう、亜希」
僕はマウスパッドを受け取ると、ウサギ柄のシャーペンと猫の足跡柄の消しゴムを持った亜希と共にレジへと向かった。
どうやら亜希は可愛いものが好きみたいだ。
同居し始めてまだ日にちが経っていないとはいえ、亜希のことを僕はまだ全然知らないんだなと思う。
レジへと向かう途中、僕はとあるものへと目が止まった。
「ん……?これは……」
それは雑貨屋の一角にあるヴァリアント・ブレイドというアニメに出てくる楓というキャラクターのアクリルスタンドだった。
そのキャラクターは赤に近いピンクの武装装甲を身にまとい、同じ色の髪色をしていた。
(なんかこれ……亜希やミアキに似てるような気がする……)
僕はなんとなくそれを手に取ると、マウスパッドとアクリルスタンドのお金を払うためレジへと向かった。
◆◆◆
「なんか結局色々買っちゃったわね……」
「そ……そうだね……」
夕日の差す商店街を僕と亜希は並んで歩いていた。
それぞれの手にはいくつもの買い物袋が下げられている。
雑貨屋のあと様々な店へと寄り、気がつけば色々と買ってしまっていた……。
勿論お金はそれなりに使ったのだけど、それよりも亜希とこうして買い物に行ったということがなんとなく楽しかったし、意外な一面が知れたのはどこか嬉しかった。
ていうかこれ……で……デート……なんじゃないかな……?
そう思うと途端に僕の顔が赤くなるのを感じる。
「ところで彼方、この福引券どうしようか……」
亜希の手には商店街でもらった福引券の補助券が何枚かある。
僕のも合わせれば2回くらいは引けるのかな……?
「折角だし引いてみようか……」
「そうね」
僕達は福引の補助券を握りしめて福引へと向かった……のだけど……。
「おめでとうございまーーすっ!3等のプールペアチケットの当たりですっ!」
福引所のお兄さんの威勢のいい声と共に鐘が鳴らされ僕と亜希は呆気にとられていた……。
最初僕が引いたのは残念賞のポケットティッシュ……しかし、亜希が引くとなんと3等のプールのペアチケットが当たってしまったのだっ!
なんていうか……亜希って運が良すぎない……?
「いやぁ、お二人は運が良いですね!カップルでプール……!いやうらやましいっ!」
「な……!か……カップル……!」
カップルと言われ亜希の顔が瞬時に真っ赤になる……。
「と……とりあえず亜希どうしようか……」
「う……う~ん……」
僕はプールのペアチケットを見ながら亜希へと問うと彼女は腕組みをしながら悩んでこそいたけどその目は確かにペアチケットへと向かれていた。
「と……とりあえず一旦帰ろうか……」
「そ……そうね……!」
プールのペアチケットを買い物袋へとしまうとはひとまず家へと帰ることにしたのだった……。
23
あなたにおすすめの小説
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
女子ばっかりの中で孤軍奮闘のユウトくん
菊宮える
恋愛
高校生ユウトが始めたバイト、そこは女子ばかりの一見ハーレム?な店だったが、その中身は男子の思い描くモノとはぜ~んぜん違っていた?? その違いは読んで頂ければ、だんだん判ってきちゃうかもですよ~(*^-^*)
向日葵と隣同士で咲き誇る。~ツンツンしているクラスメイトの美少女が、可愛い笑顔を僕に見せてくれることが段々と多くなっていく件~
桜庭かなめ
恋愛
高校2年生の加瀬桔梗のクラスには、宝来向日葵という女子生徒がいる。向日葵は男子生徒中心に人気が高く、学校一の美少女と言われることも。
しかし、桔梗はなぜか向日葵に1年生の秋頃から何度も舌打ちされたり、睨まれたりしていた。それでも、桔梗は自分のように花の名前である向日葵にちょっと興味を抱いていた。
ゴールデンウィーク目前のある日。桔梗はバイト中に男達にしつこく絡まれている向日葵を助ける。このことをきっかけに、桔梗は向日葵との関わりが増え、彼女との距離が少しずつ縮まっていく。そんな中で、向日葵は桔梗に可愛らしい笑顔を段々と見せていくように。
桔梗と向日葵。花の名を持つ男女2人が織りなす、温もりと甘味が少しずつ増してゆく学園ラブコメディ!
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしています。
マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる