幸せのテーブル〜限界集落でクールな社長に溺愛されて楽しく暮しています〜

ろあ

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3話 限界集落であなたと出会う

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 次の仕事を探している間、旅行をすることにした。

 今ならいくらでも時間があるから、観光地ではない場所に行ってみようと思った。

 紙の地図を広げて、目を閉じてから「ここだ」と思った場所に指を置く。

 そこは都会から遠く離れていて、知らない名前の村だった。

 どんなところか分からないけど、今回の旅の目的地にしよう。もう、やけくそになっていた。

 なんとかなるだろう。

 根拠はないけど、不思議とそう思えた。

 きっと、店や宿泊施設もあるはずだ。



 旅行当日。新幹線に乗ってから二時間くらいで目的地の近くに着いた。

 そこからバスに乗って更に移動する。

 なんだかミステリーツアーをしているみたいで楽しかった。

 バスの席に座ってから窓の外を眺める。

 季節が春だから桜が咲いていて、木には緑色の葉っぱがついている。

 耕された畑、稲の苗が植えられている田んぼもあった。

 知らない名前の雑草もたくさん生えていて、緑豊かな場所だ。

 窓から入ってくる風も澄んでいて気持ちいい。


 店や家がぽつぽつと見えるところから三十分くらい経った場所でバスが停まった。

「お嬢さん、終点です」

 途中まで数人の乗客がいたけど、いつの間にか私だけになっていた。

 バスを降りてから周囲を見渡すと、たくさんの杉の木と穏やかに流れている川があった。

 川を見てみると、水が透き通っていて魚が見えた。

 木の枝が風で揺れる音、鶯の鳴き声が聞こえてくる。

 見上げると青い空が見えて、どこまでも続いていると分かるほど広かった。

 不便ではあるけど、静かな場所で落ち着く。

 自然に囲まれた場所で暮らしてみるのもいいかもしれない。

 適当に決めた旅行だけど、視野が広がったから来てよかった。

 満足したから、そろそろ帰ろう。

 スマホでバスが来る時間を調べるけど、電波が一本しか立っていなくてネットに繋がりにくい。

 やっと表示されたバスの時刻表を見て目を丸くする。

「今日の運行は、さっき乗っていたバスで終わり!?」

 どうやら、午後五時以降はバスが来ないようだ。

 近くに家がないし、車も走っていない。……何より人間が一人もいない。

 このまま野宿するしかないんだろうか。

 沈んでいく太陽を眺めながら絶望する。

 そうしているうちに夜になってしまった。

 明日の朝までどうしよう……。


 肌寒くなってきた時、一台の軽トラックが道路の端に止まった。

 運転手が降りて、私のところにやってくる。

「この辺の人ではなさそうだな。
 なぜこんな山道にいる?」

 その人が聖さんだった。

「旅行をしていたんです」

「限界集落に旅行……?
 変わった人もいるものだな」

「限界集落!?」
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