121 / 179
第120話 アリスター、ルシア王女に会う どうして、今さら……
しおりを挟む
王宮の西庭。魔法障壁の中にひっそりと存在する花の温室――ルシアが幼い頃から好んでいた場所だ。
温室の中は、淡い光が漂っていた。夜咲きの花々が静かに揺れ、月明かりを受けた花弁が、まるで薄氷のように淡く煌めく。
その中央、白いドレスの少女が一人、腰かけていた。石造りのベンチの上に佇むその姿は、まるで幻想の一部のようだった。
「……やっぱり来たのね、お兄様」
静かな声が、温室の中に響く。背を向けたままのその少女――ルシアは、まるで風の音に語りかけるように言葉を紡いだ。
「“紅の仮面”の者たちが、再び王宮に動きを見せている。お兄様が戻ってくる気配がすれば、きっと彼らも動くと思っていた」
アリスターは、そっと前へ歩み寄る。緊張と、懐かしさと、決意を混ぜたような面持ちで、彼は言葉を紡いだ。
「ルシア……会いに来たよ」
その言葉に、ルシアはゆっくりと振り返る。亜麻色の髪、深紅の瞳――優しかった幼き日と変わらぬ、けれどその瞳には、王女としての覚悟と知性が宿っていた。
「アリスターお兄様……どうして、今さら……」
声に揺れる感情が滲む。それは喜びか、困惑か、それとも痛みか。
「真実を確かめたかった。ボクを追放に追い込んだのが、“紅の仮面”の仕業だったって……確信したから」
アリスターの瞳には、迷いがなかった。過去ではなく、未来を見据えた決意があった。
ルシアの表情が曇る。けれど、彼女の隣に歩み寄ったエリーゼが、静かに言葉を添えた。
「ルシア殿。わたしたちは“冤罪”によってそれぞれの国を追われた者たちです。けれどそれでも、誰かを恨むだけでは終わらせたくない。兄妹として……あなたが苦しんでいるのなら、助けたい」
その真っ直ぐな声に、ルシアは驚いたように目を見開く。
「……あなたが、噂の“剣聖”ね。兄と共に……追放された者たちの中に、あなたがいると聞いていた」
温室の入り口近く。ダリルとマスキュラーは距離を取って見守っていた。
「拙者たちの役目は情報収集でござるが……今は、ただ見届けるしかないでござるな」
「そうだな。けど……アリスターの妹さん、賢い人みたいだ」
マスキュラーが、ほっとしたように呟いた。
アリスターは、妹の前に立った。もう「ただの兄」ではいられないと知っていた。
「ルシア。君に頼みたいことがある」
ルシアの瞳が揺れる。「頼みたいこと」――それは、ただの再会ではないという宣言だった。
「ボクは……王位を目指すことにした」
温室の空気が、静かに震えた。
「国を、元に戻したい。腐敗した貴族たちと“紅の仮面”に操られたままの王政を、断ち切りたい。冤罪に苦しむ者たちを、もう出したくない。そのためには、この国を変えるしかないんだ」
ルシアは言葉を失ったまま、兄を見つめていた。だが、アリスターはその視線を真っ直ぐ受け止めた。
「かつてのボクは、自分のことしか考えていなかった。けれど仲間たちと出会って変わった。ボクには彼らがいる。そして、ルシア……君にも、この国を想う心があると信じている」
「……私は」
ルシアの唇がわずかに震えた。
「私は、兄様が去ったあと……ずっと後悔していた。兄様の言葉を信じてあげられなかったこと、王室に従って黙っていたこと……ずっと、苦しかった」
彼女はそっと胸に手を当てる。
「でも……王女である以上、私はこの国を守らなくてはいけなかった。貴族たちに逆らえば、処刑される。それが現実なの」
「分かってる」
アリスターは小さく頷いた。
「でも、ルシア――君が変わる気があるなら、ボクは全力で手を取りたい」
その瞬間、温室の外から鳥の声が響いた。ガーランの使い魔による合図。どうやら“紅の仮面”の一部が何か動きを見せ始めているらしい。
エリーゼが小声でアリスターに耳打ちする。
「時間がないかもしれない。決断を……」
アリスターはルシアに手を差し伸べた。月明かりの下、震える指先を、静かに向ける。
「この国を、取り戻そう。もう誰にも、傷ついてほしくない。君と一緒に未来を変えたい」
ルシアは、その手をしばらく見つめていた。そして、ゆっくりと、自分の手を伸ばした。
「……はい、兄様。私にできることがあるなら、なんでも力を貸します。たとえ敵がこの王宮の中にいたとしても――私は、あなたの妹であり続けますから」
その手が、しっかりと重なった。
離れて見ていたエリーゼが、目元を少しだけ拭ったのを、アリスターは気づかぬふりをした。
そして――王都奪還の第一歩が、温室の中で静かに踏み出された。
温室の中は、淡い光が漂っていた。夜咲きの花々が静かに揺れ、月明かりを受けた花弁が、まるで薄氷のように淡く煌めく。
その中央、白いドレスの少女が一人、腰かけていた。石造りのベンチの上に佇むその姿は、まるで幻想の一部のようだった。
「……やっぱり来たのね、お兄様」
静かな声が、温室の中に響く。背を向けたままのその少女――ルシアは、まるで風の音に語りかけるように言葉を紡いだ。
「“紅の仮面”の者たちが、再び王宮に動きを見せている。お兄様が戻ってくる気配がすれば、きっと彼らも動くと思っていた」
アリスターは、そっと前へ歩み寄る。緊張と、懐かしさと、決意を混ぜたような面持ちで、彼は言葉を紡いだ。
「ルシア……会いに来たよ」
その言葉に、ルシアはゆっくりと振り返る。亜麻色の髪、深紅の瞳――優しかった幼き日と変わらぬ、けれどその瞳には、王女としての覚悟と知性が宿っていた。
「アリスターお兄様……どうして、今さら……」
声に揺れる感情が滲む。それは喜びか、困惑か、それとも痛みか。
「真実を確かめたかった。ボクを追放に追い込んだのが、“紅の仮面”の仕業だったって……確信したから」
アリスターの瞳には、迷いがなかった。過去ではなく、未来を見据えた決意があった。
ルシアの表情が曇る。けれど、彼女の隣に歩み寄ったエリーゼが、静かに言葉を添えた。
「ルシア殿。わたしたちは“冤罪”によってそれぞれの国を追われた者たちです。けれどそれでも、誰かを恨むだけでは終わらせたくない。兄妹として……あなたが苦しんでいるのなら、助けたい」
その真っ直ぐな声に、ルシアは驚いたように目を見開く。
「……あなたが、噂の“剣聖”ね。兄と共に……追放された者たちの中に、あなたがいると聞いていた」
温室の入り口近く。ダリルとマスキュラーは距離を取って見守っていた。
「拙者たちの役目は情報収集でござるが……今は、ただ見届けるしかないでござるな」
「そうだな。けど……アリスターの妹さん、賢い人みたいだ」
マスキュラーが、ほっとしたように呟いた。
アリスターは、妹の前に立った。もう「ただの兄」ではいられないと知っていた。
「ルシア。君に頼みたいことがある」
ルシアの瞳が揺れる。「頼みたいこと」――それは、ただの再会ではないという宣言だった。
「ボクは……王位を目指すことにした」
温室の空気が、静かに震えた。
「国を、元に戻したい。腐敗した貴族たちと“紅の仮面”に操られたままの王政を、断ち切りたい。冤罪に苦しむ者たちを、もう出したくない。そのためには、この国を変えるしかないんだ」
ルシアは言葉を失ったまま、兄を見つめていた。だが、アリスターはその視線を真っ直ぐ受け止めた。
「かつてのボクは、自分のことしか考えていなかった。けれど仲間たちと出会って変わった。ボクには彼らがいる。そして、ルシア……君にも、この国を想う心があると信じている」
「……私は」
ルシアの唇がわずかに震えた。
「私は、兄様が去ったあと……ずっと後悔していた。兄様の言葉を信じてあげられなかったこと、王室に従って黙っていたこと……ずっと、苦しかった」
彼女はそっと胸に手を当てる。
「でも……王女である以上、私はこの国を守らなくてはいけなかった。貴族たちに逆らえば、処刑される。それが現実なの」
「分かってる」
アリスターは小さく頷いた。
「でも、ルシア――君が変わる気があるなら、ボクは全力で手を取りたい」
その瞬間、温室の外から鳥の声が響いた。ガーランの使い魔による合図。どうやら“紅の仮面”の一部が何か動きを見せ始めているらしい。
エリーゼが小声でアリスターに耳打ちする。
「時間がないかもしれない。決断を……」
アリスターはルシアに手を差し伸べた。月明かりの下、震える指先を、静かに向ける。
「この国を、取り戻そう。もう誰にも、傷ついてほしくない。君と一緒に未来を変えたい」
ルシアは、その手をしばらく見つめていた。そして、ゆっくりと、自分の手を伸ばした。
「……はい、兄様。私にできることがあるなら、なんでも力を貸します。たとえ敵がこの王宮の中にいたとしても――私は、あなたの妹であり続けますから」
その手が、しっかりと重なった。
離れて見ていたエリーゼが、目元を少しだけ拭ったのを、アリスターは気づかぬふりをした。
そして――王都奪還の第一歩が、温室の中で静かに踏み出された。
3
あなたにおすすめの小説
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
『追放令嬢は薬草(ハーブ)に夢中 ~前世の知識でポーションを作っていたら、聖女様より崇められ、私を捨てた王太子が泣きついてきました~』
とびぃ
ファンタジー
追放悪役令嬢の薬学スローライフ ~断罪されたら、そこは未知の薬草宝庫(ランクS)でした。知識チートでポーション作ってたら、王都のパンデミックを救う羽目に~
-第二部(11章~20章)追加しました-
【あらすじ】
「貴様を追放する! 魔物の巣窟『霧深き森』で、朽ち果てるがいい!」
王太子の婚約者ソフィアは、卒業パーティーで断罪された。 しかし、その顔に絶望はなかった。なぜなら、その「断罪劇」こそが、彼女の完璧な計画だったからだ。
彼女の魂は、前世で薬学研究に没頭し過労死した、日本の研究者。 王妃の座も権力闘争も、彼女には退屈な枷でしかない。 彼女が求めたのはただ一つ——誰にも邪魔されず、未知の植物を研究できる「アトリエ」だった。
追放先『霧深き森』は「死の土地」。 だが、チート能力【植物図鑑インターフェイス】を持つソフィアにとって、そこは未知の薬草が群生する、最高の「研究フィールド(ランクS)」だった!
石造りの廃屋を「アトリエ」に改造し、ガラクタから蒸留器を自作。村人を救い、薬師様と慕われ、理想のスローライフ(研究生活)が始まる。 だが、その平穏は長く続かない。 王都では、王宮薬師長の陰謀により、聖女の奇跡すら効かないパンデミック『紫死病』が発生していた。 ソフィアが開発した『特製回復ポーション』の噂が王都に届くとき、彼女の「研究成果」を巡る、新たな戦いが幕を開ける——。
【主な登場人物】
ソフィア・フォン・クライネルト 本作の主人公。元・侯爵令嬢。魂は日本の薬学研究者。 合理的かつ冷徹な思考で、スローライフ(研究)を妨げる障害を「薬学」で排除する。未知の薬草の解析が至上の喜び。
ギルバート・ヴァイス 王宮魔術師団・研究室所属の魔術師。 ソフィアの「科学(薬学)」に魅了され、助手(兼・共同研究者)としてアトリエに入り浸る知的な理解者。
アルベルト王太子 ソフィアの元婚約者。愚かな「正義」でソフィアを追放した張本人。王都の危機に際し、薬を強奪しに来るが……。
リリア 無力な「聖女」。アルベルトに庇護されるが、本物の災厄の前では無力な「駒」。
ロイド・バルトロメウス 『天秤と剣(スケイル&ソード)商会』の会頭。ソフィアに命を救われ、彼女の「薬学」の価値を見抜くビジネスパートナー。
【読みどころ】
「悪役令嬢追放」から始まる、痛快な「ざまぁ」展開! そして、知識チートを駆使した本格的な「薬学(ものづくり)」と、理想の「アトリエ」開拓。 科学と魔法が融合し、パンデミックというシリアスな災厄に立ち向かう、読み応え抜群の薬学ファンタジーをお楽しみください。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
婚約破棄され森に捨てられました。探さないで下さい。
拓海のり
ファンタジー
属性魔法が使えず、役に立たない『自然魔法』だとバカにされていたステラは、婚約者の王太子から婚約破棄された。そして身に覚えのない罪で断罪され、修道院に行く途中で襲われる。他サイトにも投稿しています。
出来損ないと虐げられた公爵令嬢、前世の記憶で古代魔法を再現し最強になる~私を捨てた国が助けを求めてきても、もう隣で守ってくれる人がいますので
夏見ナイ
ファンタジー
ヴァインベルク公爵家のエリアーナは、魔力ゼロの『出来損ない』として家族に虐げられる日々を送っていた。16歳の誕生日、兄に突き落とされた衝撃で、彼女は前世の記憶――物理学を学ぶ日本の女子大生だったことを思い出す。
「この世界の魔法は、物理法則で再現できる!」
前世の知識を武器に、虐げられた運命を覆すことを決意したエリアーナ。そんな彼女の類稀なる才能に唯一気づいたのは、『氷の悪魔』と畏れられる冷徹な辺境伯カイドだった。
彼に守られ、その頭脳で自身を蔑んだ者たちを見返していく痛快逆転ストーリー!
お言葉ですが今さらです
MIRICO
ファンタジー
アンリエットは祖父であるスファルツ国王に呼び出されると、いきなり用無しになったから出て行けと言われた。
次の王となるはずだった伯父が行方不明となり後継者がいなくなってしまったため、隣国に嫁いだ母親の反対を押し切りアンリエットに後継者となるべく多くを押し付けてきたのに、今更用無しだとは。
しかも、幼い頃に婚約者となったエダンとの婚約破棄も決まっていた。呆然としたアンリエットの後ろで、エダンが女性をエスコートしてやってきた。
アンリエットに継承権がなくなり用無しになれば、エダンに利などない。あれだけ早く結婚したいと言っていたのに、本物の王女が見つかれば、アンリエットとの婚約など簡単に解消してしまうのだ。
失意の中、アンリエットは一人両親のいる国に戻り、アンリエットは新しい生活を過ごすことになる。
そんな中、悪漢に襲われそうになったアンリエットを助ける男がいた。その男がこの国の王子だとは。その上、王子のもとで働くことになり。
お気に入り、ご感想等ありがとうございます。ネタバレ等ありますので、返信控えさせていただく場合があります。
内容が恋愛よりファンタジー多めになったので、ファンタジーに変更しました。
他社サイト様投稿済み。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
新作
【あやかしたちのとまり木の日常】
連載開始しました。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる