《書籍化》転生初日に妖精さんと双子のドラゴンと家族になりました

ひより のどか

文字の大きさ
40 / 690
連載

80 主神様からの手紙と⋯

しおりを挟む
大人たちがサーヤの話を聞き、これからどうするかを話していると

「ふわ~ぁ」
サーヤが欠伸をしだした。

『あらぁ大変。そろそろお眠ねぇ』
精霊樹の精様が眠そうにしてるサーヤの頬を優しく撫でると、「むふ~」と変な声を出すサーヤ。

〖いや~ん♪かわ…じゃなくて、それじゃあ、今日はこれくらいにして寝ましょう〗
『明日は忙しくなるしねぇ。うふふ』
「うにゅ~?」
サーヤは一瞬、ゾクッとした。
サーヤは忘れてるようだけど、明日は…ふふふ

そんな話をしながら小屋のドアを開けると、リビングのテーブルの上にサーッと光が差した。
すると、手紙と一緒に何かが置かれていた。
『何かしらぁ?』
〖主神が何か送ってきたみたいね〗
送られてきたのは手紙とバッグ?ジーニ様が中身を確かめようと手を伸ばす。まず、手紙から。

『主神様が?ジーニ様、何が書かれているのですか?』
ギン様が尋ねるとジーニ様は手紙の封を切る
〖待って。今見るから〗
みんながジーニ様に注目する。
ジーニ様はざっと目を通すと、ほっと安堵のため息をついた。

「じーにしゃま?」
さっきまで欠伸をしていたサーヤも、心配そうにジーニ様の服を握っていた。
ジーニ様は、ふわっと笑ってサーヤの頭を撫でる。
〖大丈夫よ。みんなが頑張って作ってくれた花冠。それにサーヤのおまじないのおかげで、シアが起きたそうよ。サーヤもみんなもありがとう〗
「ほんちょ?」
サーヤの目がまん丸に
〖ええ。本当よ〗
ジーニ様がにっこりと笑った。
「やっちゃ~♪」
サーヤもにこにこ。バンザ~イ!

ぴゅいきゅい『『やった~!』』
『よかったな』
『がんばったもんね』
双子もバンザイ。フゥとクゥもほっとしてます。
『『おいわいだね~』』
『『『おめでとう~』』』
フルーとフライも妖精トリオも、みんなの周りをクルクルしてます。
『水の妖精さんにもお礼しなきゃね~』
「あい!」
またハクの背中に乗せてもらって泉の中に行かなきゃ!

『それで、そっちはなんですか?』
〖これはね、主神とシアからの贈り物みたいね〗
ジーニ様が手紙の続きを見て苦笑している。

〖サーヤ、主神とシアから伝言よ。まずはシアからね。「花冠ありがとう。お陰様で起きれるようになりました。近い内に会いに行きます。それまで待っていてね」ですって〗

「あい!ちゃのちみ!」
シア様おっきして良かったね!はやく会いたいな~。

〖次は主神ね「サーヤ、みんな、お陰様でシアが目覚めたよ。ありがとう。それでね、シアと一緒に最初に渡すはずだったものを送るね。遅くなってごめんよ。まず今夜はこのふたつを先に。残りは明日の楽しみに取っておいて。僕もまた会いに行くからね。今日は疲れただろうから、もうお休み。では、またね」ですって〗

「あい!あいがちょ!いりゅしゃまも、あいちゃい!」
いつ会えるかな~?

〖じゃあ、先に渡す二つを出すわね〗そう言って手紙と一緒に送られてきたバッグから出したのは…
「ふあっ?」
柔らかそうな素材でできた白いパジャマと、毛糸で編まれたくまのぬいぐるみだった。
それを見たサーヤが
「さーにゃにょくましゃん!!」
と叫んだ。

『ええ?サーヤの?』
『サーヤ?それ、サーヤのくまさんなの?』
自分のだ!と、自信たっぷりに言うサーヤ。クゥとフゥが本当に?と聞くと

「あい!おばあちゃんがちゅくってくりぇちゃ、さーにゃにょくましゃん!」
びっくりな答えが返ってきた。

ぴゅきゅ?『『え~?』』
『どういうこと~?』
ちびっ子たちもびっくり!

〖どうやら主神とシアが頑張ってくれたみたいね。サーヤ、主神とシアがね、サーヤとおばあちゃんとの思い出の品が残ってないか探してくれたみたい。少ないけどごめんねって〗
ジーニ様も驚いた。主神とシアが、少しでもサーヤを喜ばせたくて努力してくれたのだと理解しているが、それがどんなに大変か理解しているからだ。

「ありがちょう!くましゃん、しゅごくうれちい!」
サーヤはくまさんをギュッと抱きしめている。
主神、シア、サーヤはとても喜んでるわよ。良かったわね。

〖そう。良かった。今日からその子と一緒に寝られるわね〗
「あい!」にこにこ
〖じゃあ、このパジャマに着替えて寝ましょうね〗
「あい!いっちょにねんねね~」
と、ぬいぐるみに話かけている。

『じゃあ、私が着替えさせてベッドに寝かせてきますね』
〖お願いね、フゥ。サーヤ、お休みなさい〗
「あい!おやしゅみなしゃい!!」
『お休み』
『またあしたね~』
ぴゅきゅ『おやしゅみ~』
みんなで手を振って送ります。ドアが締まりサーヤが見えなくなると、みんながジーニ様を見ます。

『それで、ジーニ様。手紙には他に何が?』
アルコン様が切り出した。
そして、みんながジーニ様を注目する中、ジーニ様は弱々しく笑顔を見せる。

〖このバッグに入っているのは主神とシアが用意した最低限の衣服よ。それから、ある人のお陰でサーヤとおばあちゃんの思い出の品をいくつか回収できたらしいの。それをこのバッグにまとめて入れてくれたみたいなんだけど〗
そう言ってバッグを見せる。

『それはマジックバッグですね』
ギン様がバッグから魔力を感じて尋ねる。

〖ええ。そしてもうひとつ。まだこちらには何も入ってないわ。これもサーヤが使っていたものだそうよ。マジックバッグに変えてあるけどね〗
そう言って、もうひとつのちいさなバッグを見せる。

『それで?』
ジーニ様のなんとも言えない表情を見て、先を促すアルコン様。きっと、誰かがそうしなければジーニ様は中々話出せなかっただろう。

〖…こちらのバッグの中にはね、おばあちゃんが残した写真や日記、サーヤに当てた手紙なんかもあるみたいなの。それ以外も愛用してたものとかね〗

ジーニ様の思いがけない言葉に、みんなが息を飲む。

『手紙ですか?サーヤの祖母の?』
ギン様がなんとか声に出すと…

〖そうよ。どうしたって自分の方が先に逝くんだからと、サーヤが誕生日に読めるように二十歳までの手紙を書いていたみたい。あと日記はけっこう色々書いてあるみたいでね。主神とシアがサーヤに見せられるもの、そうでないものを見極めてほしいと言ってるわ〗
ジーニ様はバッグを撫でながら切なそうに言う。覚悟はしていてもまだまだその時は先だと思っていたろうに。さぞ無念だっただろうと…

『それは、サーヤに見せたら苦しむかもしれない物も入っているってことぉ?』
精霊樹の精様が、そんなジーニ様の肩にそっと手を置く。

〖ええ。少なくとも今はまだ見せない方がいい物があるようね。見せられそうな物でもどういう反応をするか分からないから、まずはさっきのくまのぬいぐるみと、パジャマを渡したみたい〗
ジーニ様が少し悲しげに微笑む。

『え?でもパジャマには反応しなかったですよ?』
クゥが先程のサーヤを思い出して言う。サーヤはぬいぐるみにだけ反応していた。

〖まだ存在を知らなかったのよ。おばあちゃんが新しく縫っていたのね。それに主神が自動サイズ調整と自動修復を付与したみたい。いつか教えてあげましょう〗
『サーヤのおばあちゃんの手縫い…』
クゥも何とも言えない顔をしている。きっとおばあちゃんはサーヤが喜ぶ顔を自分で見たかったはず。見られると思っていたはず。

『それじゃ、私がフゥと交代してくるわぁ。中身の選別、私よりフゥの方がいいでしょ?最初からずっと一緒にいたのはフゥとクゥだものぉ』
ぽんぽんとジーニ様の肩を優しく叩いて精霊樹の精様が言うと

ぴゅい『わたちも!』
きゅい『ぼくも!』
双子が自分たちだってサーヤと最初から一緒だったと訴えてきた。

『ごめんなさい。そうだったわねぇ。モモ、スイ、私の分もお願いねぇ』

きゅいぴゅい『『わかったー』』
精霊樹の精様がそう頼むと双子がまかせて!と胸を張って応える。

『それじゃ、行ってくるわぁ』
〖悪いわね。お願い〗
『まかせてぇ~』
そう言って、精霊樹の精様はドアの向こうに消えていった。


コンコンコン
『フゥ?』
ドアの隙間から精霊樹の精様が寝室を覗くと

『どうぞ』
フゥの少し沈んだ声が聞こえ、中に入る。

『サーヤの様子はどう?』
フゥのこの沈みようだと何かあったのは確実だと思うけど

『それが、パジャマに着替えさせるまで上機嫌だったんですけど、着替えた途端に泣き出してしまって…』
フゥまで泣きそうになっている。いえ、もしかしたら泣いていたのかもしれないわね。
『…そう。理由を言っていたかしらぁ?』

『おばあちゃんの匂いがするって…』
サーヤの髪を撫でながらフゥが話す。

『そう。今は眠っているのねぇ』
良かった。確かに目尻に涙が光っているけど、ぬいぐるみを抱きしめて寝ている。

『はい。最後は「おばあちゃんと一緒」って泣きながら笑ってましたけど、くまさんも抱きしめて寝ちゃいました』
クスッと笑いながらフゥが言う。

『そう…分かったわぁ。フゥ、ここは私が交代するからみんなのところに行って、今の話をしてくれる?みんな待ってるわ』

『え?』
フゥがびっくりしている。

『理由は向こうで教えてくれるわ。さあ、行ってぇ』
戸惑うフゥを急かせる。

『は、はい。分かりました。では、サーヤをよろしくお願いします』

『ええ。まかせてぇ』

フゥは戸惑いながらも精霊樹の精様に一礼してみんなの元へ向かった。

☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読み頂きありがとうございます。お気に入り登録、感想など励みになっております。ありがとうございます。
ここから数話、少々シリアスが続きます。お付き合い下さい。
しおりを挟む
感想 1,713

あなたにおすすめの小説

もふもふ相棒と異世界で新生活!! 神の愛し子? そんなことは知りません!!

ありぽん
ファンタジー
[第3回次世代ファンタジーカップエントリー] 特別賞受賞 書籍化決定!! 応援くださった皆様、ありがとうございます!! 望月奏(中学1年生)は、ある日車に撥ねられそうになっていた子犬を庇い、命を落としてしまう。 そして気づけば奏の前には白く輝く玉がふわふわと浮いていて。光り輝く玉は何と神様。 神様によれば、今回奏が死んだのは、神様のせいだったらしく。 そこで奏は神様のお詫びとして、新しい世界で生きることに。 これは自分では規格外ではないと思っている奏が、規格外の力でもふもふ相棒と、 たくさんのもふもふ達と楽しく幸せに暮らす物語。

転生先は海のど真ん中!? もふ強魔獣とイケオジに育てられた幼女は、今日も無意識に無双する

ありぽん
ファンタジー
25歳の高橋舞は、気がつくと真っ白な空間におり、そして目の前には土下座男が。 話しを聞いてみると、何とこの男は神で。舞はこの神のミスにより、命を落としてしまったというのだ。 ガックリする舞。そんな舞に神はお詫びとして、異世界転生を提案する。そこは魔法や剣、可愛い魔獣があふれる世界で。異世界転生の話しが大好きな舞は、即答で転生を選ぶのだった。 こうして異世界へ転生した舞。ところが……。 次に目覚めた先は、まさかの海のど真ん中の浮島。 しかも小さな子どもの姿になっていてたのだ。 「どちてよ!!」 パニックになる舞。が、驚くことはそれだけではなかった。 「おい、目が覚めたか?」 誰もいないと思っていたのだが、突然声をかけられ、さらに混乱する舞。 実はこの島には秘密があったのだ。 果たしてこの島の正体は? そして舞は異世界で優しい人々と触れ合い、楽しく穏やかな日々を送ることはできるのか。

ドラゴンともふ魔獣に懐かれて〜転生幼女は最強ドラゴン騎士家族と幸せに暮らします〜

ありぽん
ファンタジー
神様のミスで命を落としてしまった高橋結衣(28)。そのお詫びとして彼女は、様々な力を授かり、憧れだった魔法と剣と魔獣の存在する、まるで異世界ファンタジーのような世界へと転生することになった。 しかし目を覚ました場所は、街の近くではなく木々が生い茂る森の中。状況が分からず混乱する結衣。 そんな結衣に追い打ちをかけるように、ゾウほどもある大きな魔獣が襲いかかってきて。さらにドラゴンまで現れ、魔獣と激突。数分後、勝利したドラゴンが結衣の方へ歩み寄ってくる。 転生して数10分で命を落とすのか。そう思った結衣。しかし結衣を待っていたのは、思いもよらぬ展開だった。 「なぜ幼児がここに? ここは危険だ。安全な俺たちの巣まで連れて行こう」 まさかのドラゴンによる救出。さらにその縁から、結衣は最強と謳われるドラゴン騎士の家族に迎え入れられることに。 やがて結衣は、神から授かった力と自らの知識を駆使し、戦う上の兄や姉を支え、頭脳派の兄の仕事を手伝い。可憐で優しい姉をいじめる連中には、姉の代わりに子ドラゴンやもふ強魔獣と共にざまぁをするようになって? これは神様の度重なるミスによって、幼児として転生させられてしまった結衣が、ドラゴンやもふ強魔獣に懐かれ、最強のドラゴン騎士家族と共に、異世界で幸せいっぱいに暮らす物語。

無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~

鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!  詳細は近況ボードに載せていきます! 「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」 特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。 しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。 バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて―― こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。