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81 意外な功労者
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戸惑いながらも精霊樹の精様に言われた通り、フゥはみんなのところに戻り先程の話しをした。
〖そう。サーヤは感じ取っていたのね。まだ先にしようと思っていたけど、明日話しましょう〗
フゥの話を聞いてジーニ様が明日サーヤに話そうと提案した。みんな、サーヤが泣いていたと聞いてうつむいている。
『でも、おばあちゃんが渡せなかった理由を聞かれたら?』
フゥの疑問はもっともだけど
〖…なぜ、おばあちゃんが亡くなったかは覚えていないはずなの。おばあちゃんがいたという記憶はあるけどね。あの子の楽しい記憶は全ておばあちゃんと結びついているから〗
ジーニ様が悲しげに答える。
その答えに顎に手をやり考えていたアルコンが魔神にたずねた。
『なぜ、主神様はあえて記憶を残したのだ?いっそ全て消してしまった方が楽であったろう?』
〖…それは、まだ言えないの。ごめんなさい〗
辛そうに応えるジーニ様
『理由があってのことなんですね?』
クゥもそこは気になっていた事だった。
〖ええ。そうね。だけど今はまだ…〗
ジーニ様は涙を堪えて辛そうな笑顔で答えた。
『分かりました。今は聞きません。だけど、その時が来たら』
〖ええ。話すわ〗
『お願いします』
辛そうなジーニ様を見て、今はその時ではないと、みんなが沈黙を理解する。いつか話してくれるという約束を信じて。
『とりあえず明日、パジャマのこと聞かれたらどうしますか?』
〖サーヤは自分が小さくなったことは分かってるわ。だから、次のシーズン用に作っていたけど、サーヤが着ないうちに大きくなって渡し損ねたとでも伝えましょう〗
クゥの問に少し微笑んで答えるジーニ様。そう、ここからはみんなで話を合わさなくては…
『じゃあ、次は見せていいものの選別だな』
『ジーニ様、一度中身を全部出して貰えませんか?』
アルコン様とギン様が、雰囲気を変えるように少し明るくジーニ様に願う。
〖分かったわ。まずは、主神とシアが用意した最低限の衣服ね〗
出てきたのは、下着数着に洋服が何組か、ローブに、靴とブーツ、サンダルのようものが一足ずつ。
『ほんとに最低限ですね』
フゥが暫くは大丈夫でしょうけど、と、心配すると
〖仕方なかったのよ。何せ二人ともほかの神に連絡できないくらい急いだんだから。それでも、自動サイズ調整に自動修復、防御は施してあるわ。あとは、これから用意するとも書いてあったし、許してあげて〗
『分かりました。イル様たち大変でしたもんね。すみません』
〖大丈夫よ〗
フゥを安心させるように笑うジーニ様。
『あとは?なんですか?』
クゥが不思議そうに見たことも無い物を見ている。
〖普段使っていたものだそうよ。櫛とか、手鏡とか、裁縫道具とか、手作りのおもちゃに、お道具箱、サーヤの宝箱、おばあちゃんのレシピ帳とかね。あとは手紙に、アルバム、日記、それから、証拠…〗
『証拠?』
〖 …… 〗
証拠とは何だろうと、みんなが思ったが、ジーニ様は答えてくれない。きっと、これもサーヤには見せられない物のひとつなのだろう。
まだ、話してはくれないだろうと察したギン様が
『そもそも、よくこれだけでも揃えられましたね?』
と、まずは話を続けられそうな話題に変えた。
〖それがね、サーヤの話に出たお隣のおじさん覚えてるかしら?〗
『はい。牛さんのですね』
『モーモーのおいちゃんっ呼んでましたね』
フゥとクゥが覚えてると言うと、
〖そう。そのおじさんがね、先日亡くなったそうなの。あっ、安心して。寿命よ、寿命!〗
みんな、まさかと息を飲んだのを察してジーニ様は慌てて付け加えた。
それを聞いて、みんなもほっと一息。
〖そのおじさんね、天界で日本の神に心残りはないか聞かれた時に、言ったそうなの。隣に住んでいたお祖母さんとサーヤのことを。サーヤのおばあちゃんとよく話していたらしくて、自分に何かあったら渡して欲しいって、手紙を預かってたそうなのね〗
『『え?それって』』
フゥとクゥがジーニ様を見ると、ジーニ様は頷いて肯定した。
〖そうよ。未来のサーヤに宛てた手紙ね。それで日本の神がサーヤのことだと気づいて、わざわざ主神に連絡してきてくれたそうよ。そのおじさんが言うには、あの事件の後、サーヤが引き取られて行って、家の取り壊しが決まったそうなの。その時に、サーヤが元気になって、ここをもし訪ねてきて、何も残ってないのを知ったらきっと傷つくから、せめて手紙と一緒に渡せるものをと、周りの目を盗んで、何とかこれだけ持ち出してくれたそうなの。それで、いつか渡せるように保管していたんだけど、それを渡せなかったのが心残りだと。⋯サーヤの周りにこんな優しい人もいてくれたのね〗
ジーニ様は、大事そうにそれらを撫でながら言った。
〖そう。サーヤは感じ取っていたのね。まだ先にしようと思っていたけど、明日話しましょう〗
フゥの話を聞いてジーニ様が明日サーヤに話そうと提案した。みんな、サーヤが泣いていたと聞いてうつむいている。
『でも、おばあちゃんが渡せなかった理由を聞かれたら?』
フゥの疑問はもっともだけど
〖…なぜ、おばあちゃんが亡くなったかは覚えていないはずなの。おばあちゃんがいたという記憶はあるけどね。あの子の楽しい記憶は全ておばあちゃんと結びついているから〗
ジーニ様が悲しげに答える。
その答えに顎に手をやり考えていたアルコンが魔神にたずねた。
『なぜ、主神様はあえて記憶を残したのだ?いっそ全て消してしまった方が楽であったろう?』
〖…それは、まだ言えないの。ごめんなさい〗
辛そうに応えるジーニ様
『理由があってのことなんですね?』
クゥもそこは気になっていた事だった。
〖ええ。そうね。だけど今はまだ…〗
ジーニ様は涙を堪えて辛そうな笑顔で答えた。
『分かりました。今は聞きません。だけど、その時が来たら』
〖ええ。話すわ〗
『お願いします』
辛そうなジーニ様を見て、今はその時ではないと、みんなが沈黙を理解する。いつか話してくれるという約束を信じて。
『とりあえず明日、パジャマのこと聞かれたらどうしますか?』
〖サーヤは自分が小さくなったことは分かってるわ。だから、次のシーズン用に作っていたけど、サーヤが着ないうちに大きくなって渡し損ねたとでも伝えましょう〗
クゥの問に少し微笑んで答えるジーニ様。そう、ここからはみんなで話を合わさなくては…
『じゃあ、次は見せていいものの選別だな』
『ジーニ様、一度中身を全部出して貰えませんか?』
アルコン様とギン様が、雰囲気を変えるように少し明るくジーニ様に願う。
〖分かったわ。まずは、主神とシアが用意した最低限の衣服ね〗
出てきたのは、下着数着に洋服が何組か、ローブに、靴とブーツ、サンダルのようものが一足ずつ。
『ほんとに最低限ですね』
フゥが暫くは大丈夫でしょうけど、と、心配すると
〖仕方なかったのよ。何せ二人ともほかの神に連絡できないくらい急いだんだから。それでも、自動サイズ調整に自動修復、防御は施してあるわ。あとは、これから用意するとも書いてあったし、許してあげて〗
『分かりました。イル様たち大変でしたもんね。すみません』
〖大丈夫よ〗
フゥを安心させるように笑うジーニ様。
『あとは?なんですか?』
クゥが不思議そうに見たことも無い物を見ている。
〖普段使っていたものだそうよ。櫛とか、手鏡とか、裁縫道具とか、手作りのおもちゃに、お道具箱、サーヤの宝箱、おばあちゃんのレシピ帳とかね。あとは手紙に、アルバム、日記、それから、証拠…〗
『証拠?』
〖 …… 〗
証拠とは何だろうと、みんなが思ったが、ジーニ様は答えてくれない。きっと、これもサーヤには見せられない物のひとつなのだろう。
まだ、話してはくれないだろうと察したギン様が
『そもそも、よくこれだけでも揃えられましたね?』
と、まずは話を続けられそうな話題に変えた。
〖それがね、サーヤの話に出たお隣のおじさん覚えてるかしら?〗
『はい。牛さんのですね』
『モーモーのおいちゃんっ呼んでましたね』
フゥとクゥが覚えてると言うと、
〖そう。そのおじさんがね、先日亡くなったそうなの。あっ、安心して。寿命よ、寿命!〗
みんな、まさかと息を飲んだのを察してジーニ様は慌てて付け加えた。
それを聞いて、みんなもほっと一息。
〖そのおじさんね、天界で日本の神に心残りはないか聞かれた時に、言ったそうなの。隣に住んでいたお祖母さんとサーヤのことを。サーヤのおばあちゃんとよく話していたらしくて、自分に何かあったら渡して欲しいって、手紙を預かってたそうなのね〗
『『え?それって』』
フゥとクゥがジーニ様を見ると、ジーニ様は頷いて肯定した。
〖そうよ。未来のサーヤに宛てた手紙ね。それで日本の神がサーヤのことだと気づいて、わざわざ主神に連絡してきてくれたそうよ。そのおじさんが言うには、あの事件の後、サーヤが引き取られて行って、家の取り壊しが決まったそうなの。その時に、サーヤが元気になって、ここをもし訪ねてきて、何も残ってないのを知ったらきっと傷つくから、せめて手紙と一緒に渡せるものをと、周りの目を盗んで、何とかこれだけ持ち出してくれたそうなの。それで、いつか渡せるように保管していたんだけど、それを渡せなかったのが心残りだと。⋯サーヤの周りにこんな優しい人もいてくれたのね〗
ジーニ様は、大事そうにそれらを撫でながら言った。
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