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連載
299 結葉様の(珍しい)心労は続く…
しおりを挟む珍しくお困りの結葉様…
ど、どうしようかしら?うっかりギンの活躍が~とか口にしちゃったけど、これは子供たちに見せていいもの?ボキボキボキッて……結葉様の頬に笑顔のまま汗が一筋…
『結葉様、お父さんの番なの?ぼく見ていい~?』
「さーやみょ、みちぇいい~?」
ぴゅいきゅい『『みた~い』』
『『見せて~』』
『『『むすびはさま~』』』
みゃあ『おねがいにゃ~』
きゅるるん『『『『『『『みせて~』』』』』』』
ハクがサーヤたちを乗っけて、とてとて歩いてきた。
けどぉ、いや~んっ、みんな期待に満ちたキラキラした目を向けてくるんだけどぉ~?
『ハク、みんな…え、ええとねぇ?ちょっと待ってねぇ?』
ど、どうしたらいいかしらぁ?
《ジーニ様ぁ。どうしたらいいかしらぁ?子供たちに見せていいものかしらぁ?》
苦しい時のジーニ様頼み…念話で聞いてみましょう。
《結葉?》
やった!応えてくれたわぁ。
《ジーニ様ぁ、子供たちに、うっかり『ギンの活躍が始まったみたいよ』って言っちゃったらぁ、みんな目をきらきらさせて見たがってるのぉ。見せて大丈夫かしらぁ?》
《ええ!?言っちゃったの!?》
《あ~ん、ごめんなさぁい》
ジーニの前では、まだギンが二匹を水に閉じ込めている。水の中には苦しげにもがく二匹…確かにこれは、見せていいのか微妙よねぇ。流石の結葉が聞いてくるほどだもの。今ならさっきの氷の時よりマシかしら?
《う、う~ん。見ないと納得しないわよね~?せめて音だけでも遮断しましょうか?》
ハクには戦い方の勉強になるだろうし…
《そうしてくれるとぉ、助かるわぁ。もう、ハクの目が~》
結葉様の目の前ではハクが
『結葉様~見ていい?見たいなぁ見たいなぁ~』キラキラキラキラ
あ~ん、ハクの目がぁ、キラキラが痛いわぁ~
『え、えっとぉ、今ジーニ様に聞いてみるから、ちょっと待ってねぇ?ね?』
『うん!分かった~』
ああ、ハクのしっぽがブンブンしてるわぁ。ほんとに見せて大丈夫かしらぁ。
《ジーニ様ぁ、ちょっとぼかすとか…》
《そ、そうね。さすがにあまり上手くいかない気はするけど、まあ、いくわよ?》
《え?そんな、ちょっと、待っ…あ~》
その瞬間、ジーニ様の張った目隠しから大きな水の龍が見えるようになった。
みんながピシッと固まった。
あ、あ、やっぱり刺激が強かったかしらぁ?
『み、みんなぁ?大丈夫ぅ?』
《ジーニ様ったらぁ、せめて一言いうくらいの時間をちょうだいよぉ。みんな固まっちゃったじゃないのぉ》
《あ、あら、ごめんなさい?》
いつも優しいギンの、いつもと違う姿を見たら…そう思った時、
「うきゃあああ~!かっちょい~!りゅ~!」
『うわぁ~お父さんすごぉい~!』
ぴゅきゅ~っ!『『かっこいい~!』』
『『すごいすごい!』』
『おみず~』
『ぐるぐる~』
『ぐお~』
みゃ~ん『ぐるぐるにゃ~!』
きゅるるん『『『ぼくたちと』』』
きゅるる~ん『『『『おそろい~!』』』』
まさに拍手喝采!大興奮!
『…………はい?』
《…………え?》
だ、大丈夫みたいね?拍手してるくらいだし?むしろ……
『ね、ねぇ、あれ』
『ああ。あれ溺れてるよな?』
『ガボガボ言ってますね』
『あれは溺れてるじゃなくて』
きゅるる『溺れさせてるわねぇ』
『けっこう、えげつにゃいにゃ~』
大きい子達が引いてるわね…絹とニャーニャまで。そうよね、フゥ達も山桜桃達も絹たちもそう思うわよねぇ?顔も引きつってるものねぇ。でも、若干名…
『なるほど、水はああいうことも出来るのね』
うんうん。と頷く青葉。
『でもぉ、地上では効果的だけど、水中ではどうかな?』
首を傾げて疑問を口にする薄花。
『もっと水の管の中のまでグルグルしたらどうだ?』
月草は楽しそうに提案。
『あ~滝壺の水流とか急流みたいに?いいんじゃないか?』
想像して具体例をあげる千草。
『はい!なにかいれちゃうのは?』
『ありかも!いし、とか?』
『それ!いたくて、ないちゃうかも!』
『みずくさは~?』
『お~!からむかもね!』
『だれか、こおり、つくれるようになったら?』
『おお!いいね!まぜたらキケン!』
妖精たちまで、やる気満々…
『色々出来そうよね』
『研究のしがいがあるね!』
『後で練習決定』
『かっこいい見た目も大事!』
『『『わたしたちも』』』
『『『やる~!』』』
ああ、予想外の展開に……
《ジーニ様ぁ、私の心配っていったい?なんかカッコよく見えてるみたいなんだけどぉ?》
どういうことぉ?
《う、う~ん?一番酷いとこは見てないし、音は聞こえないはずだしね?かっこいい外側だけ見えてるのかもねぇ》
外側?
《あ~確かにぃ。サーヤが「りゅーがかっこいい」って言ってるわぁ》
《ま、まあ、良かったんじゃない?》
《そうねぇ。でも問題はこれからどうなるかよねぇ?》
更に酷いことにならないかしらぁ?
《うっ。まあ、いざとなったら見えないようにするわよ》
《ほんとにぃ?お願いよぉ?》
固まったりしないでねぇ
《わ、分かってるわよ。それじゃ、切るわよ》プツッ
あっ!逃げたわねぇ~
そして、戦いの場では
『どうした?こんなもの大したことないのだろう?なら抜け出すなど簡単なはずだ。はやくやってみたらどうだ?』
ギンは二匹に言い放つが、二匹は水の中でもがくだけ。
『ふむ。ギン、奴らには聞こえてないのではないか?聞こえるようにしてやったらどうだ?』
横で見ていた吹雪が尤もらしく言うが、その顔はニヤリっと笑っている。何かしろということだろう。ならば、
『水の精霊』
『なんですか?』
『あれを…』
『ふむ。面白そうですね。いいでしょう。手伝いますよ。派手にいきましょうか。ふふふ』
二人で頷くと
『『空翔ける龍』』
二人で同時に唱えると水の龍は渦を巻きながら空に駆け昇り、そして一気に地上目掛けて真っ逆さまに降りてくる。そして
『氷の精霊、風の精霊、地の精霊も頼む』
『了解よ』
『分かったわ』
『…仕方ないね』
『『『精霊の檻』』』
その瞬間、ドーンっと地響きと共に水の龍が地上に突き刺さる。精霊の檻は衝撃が外に漏れないように、周りが破壊されないように張ってもらった。
本来、風の精霊だけでもできる事だが、あえて氷と土の精霊の力を借りたのは、氷や土で周りを硬め奴らに与える衝撃を倍増させるためだったのだが、もうひとつ、思わぬ効果を生んだ。
「ふわ~あぁぁ!りゅーが~!!ずどーん!」
『お父さんすごい!かっこいい!ぼくもやる~!』
きゅ~~『ひゅ~ぅぅぅ』
ぴゅい~!『どーん!』
『『ぐるぐるぐるぐる~』』
『『『ドドーン!!』』』
みゃ~ん『すごいにゃ~』
きゅるるん『『『落っこちて』』』
きゅるるん『『『『どうなったの!?』』』』
うん。ちびっ子たち大興奮ねぇ。
きゅるる『見えないわね(良かったわ)』
『みえにゃいにゃね(よかったにゃ)』
『『『『ほんとですね(うわぁ)』』』』
興奮するちびっ子たちに賛同する表の声。だけど、保護者たちの隠れた裏の声が聞こえるようだわぁ。みんな見えなくてホッとしてるわねぇ。
『『『『素晴らしい!』』』』
『『『あれも!』』』
『『『とっくんけってい!』』』
泉の精霊たちは、妙にやる気満々…大丈夫かしらぁ?
とにかく、精霊たち良くやったわ~!!
あとでご褒美あげないとね~。ゲンに頼みましょう!それにしても、
《ジーニ様、ダメじゃないのぉ。約束したでしょぉ?もう!》
子供たちに見えるところだったじゃないのぉ!
《ごめんなさ~い》
もう!だめだめねぇ
結葉様、珍しく心臓に悪い一日…
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