《書籍化》転生初日に妖精さんと双子のドラゴンと家族になりました

ひより のどか

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ある日のクモさん日記 番外編

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    私は絹。子供たちは、木綿、麻、紬、絣、縮、友禅、更紗という。サーヤが頑張って名前をつけてくれた。
今は聖域で家族全員アラクネにと進化し、子供たちと幸せに暮らしている。

少し前まで、私たちはただのクモの魔物だった。ただ、人間からすると私の出す糸は魅力的だったらしく、無理やり捕らえられ、逃げられぬように足を痛めつけられた。
だけど、その時すでに私には可愛い子供たちがいた。
このままでは近い将来子供たちも同じ目に合うかもしれない。いえ、もしかしたら、それ以上のひどいことになるかもしれない。
私は何とか、隙を見て、子供たちと一緒に逃げ出すことに成功した。

夜の闇に紛れ、人目を避け、人がいない森をめざし、子供たちを連れ移動した。森だって深くなれば強い魔物が多くなる。すでに傷だらけの体でどれだけもつかわからないけど、人間に利用されて死ぬより、魔物の世界で死んだ方がマシだ。
だけど、子供たちはまだ小さい。せめてもう少し一緒にいなければ。

なんとか、森の奥まで来た。子供たちに何かちゃんとしたものを食べさせてあげないと⋯
そうは思うが、この森で私たちより小さく弱いものなど、もういない。そう思っていると、

ブーン

羽音がする。そちらに音を立てず移動すると、そこには蜂蜜を集めるジャイアントビーがいた。普段であれば、手を出さない相手だ。迷ったが、自分も子供たちも限界だ、仕方ない。息を殺し、機会をうかがっていると

『ダメだよー!』
ぴゅい『クモさん!』
きゅい『ダメダメー!』

え?フェンリルに、ドラゴン?
私の目の前を塞ぐように、子供とはいえ魔物の頂点にいるようなもの達が現れた。

『『ハチさん危ないよ!』』
『『『きがついて~!!』』』

同時にジャイアントビーの方でも声がする。
私は狩りが失敗したことを悟った。同時に私たち親子はもう終わりだと⋯だけど

『くもさん、あんよどうしたの~?』
ぴゅい『ほんとだ!たいへん!』
きゅい『いたい?いたい?』

え?心配してくれてる?

ブーン
あっジャイアントビーもこちらに来た。
それに妖精と小動物?だが、見たことがない種族のようだ。

私はこれまでのことを説明し、謝罪をした。すると

ブーン
子供たちも沢山いるようだ。蜂蜜と果物くらいなら用意出来る。私たちの巣に来なさい。妖精たちも礼がしたい。一緒に来て欲しいと、ジャイアントビーが言ってくれた。
襲おうとした私たちに、そんな申し訳ないと、遠慮すると

『ダメだよ~。おけが治さなきゃ!ぼくたちといこうよ~』
ぴゅいきゅい『『そうだよ!』』
『きっとジーニ様が治してくれるよ!』
『そうだよ!子グモちゃんたちも行こう!』
『みんなで』
『いこう~』
『そうだよ~』

フェンリルをはじめ、この子達はまだ子供のようだ。私の子供たちもいつの間にか仲良くなっていた。それなら、
よろしく頼むと、ジャイアントビーたちの巣へと連れていってもらった。

そこではさらに驚くべきことが。ジャイアントビーたちの巣が、正確にはその宿る木が普通ではなかったのだ。
フェンリルの子供たちの話にも驚いた。この近くに愛し子と神がいらっしゃると。すると、ジャイアントビーたちが、木ごと引っ越すと言い出した。
あれよあれよという間に木が自ら地中から根を抜き、自らその根を足のようにして歩き出したのだ。
子供たちはそれが楽しかったのか、謎の歌を歌い出す始末。
到着した先には唖然とした顔の面々が⋯
あまりのすごい面子に驚くのはこちらなのだが⋯
そこで私はジーニ様より手当を受け、失った足も取り戻すことが出来た。そして、サーヤに名前をつけてもらった私達は

きゅるる『進化して、子供たちまでアラクネになった』
きゅるるん~『『『ぴかーってひかったら』』』
きゅるるん~『『『『こうなってた~』』』』
ちくちくちくちく。サーヤの新しい洋服を縫いながら、ドワーフのおかみさんたちに、今までの経緯を話していたのだ。

『そうかい。大変だったんだね』
『足をもぐなんて、なんてことを』
『ほんとに人間はろくな事しないね!』
ちくちくちくちく
おかみさんたちも手をとめずに話を聞いて、私たちがされたことを怒ってくれている。

きゅるる『でも、今は楽しい』
きゅるるん『『『たのしいよ~』』』
きゅるるん『『『『いろいろつくれる~』』』』
子供たちは帽子に耳を縫い付けている。今作っているのは着ぐるみパジャマ、ハクバージョン。真っ白なタオル地で作っている。

『そうだね。色々作れるのは楽しいね』
『ご飯も美味しいしね』
『ほんとだね』
ちくちくちくちく
おかみさんたちは、サーヤの畑仕事用の服を作っている。動きやすさを追求しているようだ。

きゅるる『ジーニ様が、私たちは付与魔法ができるようになる言った。それも練習』
もちろん攻撃魔法とかも練習するが、みんなのために一番役にたつのが付与魔法だと思う。

『付与か。そうだね。物を作る私らがそれを自在に出来たら』
『みんなの役にたてるね』
『そうだね。練習あるのみだね』
おかみさんたちも同じことを思ったようだ。今は平和だが、いつか必ず戦わなきゃいけない時が来るという。それまでにできる限りのことをしなくては

きゅるるん『『『ぼくたちも』』』
きゅるるん『『『『がんばる~!』』』』
子供たちもやる気だ。
きゅるる『みんなで、がんばる』
きゅるるん『『『はーい!』』』
きゅるるん『『『『がんばるよ~』』』』
みんな、いい子。

『そうだね』
『一緒に頑張ろうね』
『強くなろう!』
おかみさんたちも、いい人たちだ。

みんなで頑張ろう。これからも幸せでいるために。

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