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ある日のじじばば日記 番外編
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「じぃじ~!かめじぃ~!さーや、きちゃよ~!」
今日も今日とて、静かな泉の底…
じぃじこと、ケルピーの青磁と、亀じぃこと、亀の蒼が泉の底の洞窟にジーニ様が作ってくれた、特別な空間で最近すっかりお気に入りのお茶を入れて寛いでいると、元気な声が外から聞こえて来た。
『おや、可愛いお客が来たかの』
『そうだのぉ』
じぃじたちが迎えに行こうとすると
『サーヤ~。そんな大っきな声出したらじぃじたちびっくりしちゃうよ~?おばあちゃんに言われたでしょ~?』
「しょうでちた…やりにゃおちちましゅ…」
外でハクとサーヤが何かやり取りをしとるようだ。
『ほっほ。これは気付かぬふりをして待った方が良いかのぉ?』
『そうだの。待つかの』
すると
「こんこんこん。はいっちぇましゅか~?じぃじ~、かめじぃ~、さーやでしゅよ~。こんにちゃ~」
『ん~?なんか違う気がするよ~?』
確かにさっきより控えめな挨拶だが、入ってますか?は何か違う…
『『ぷっ』』
『ほっほ。コンコンコンは口だったのぉ』
『ほっほ。入っとると教えてやらんとの』
そう言って迎えに行くじぃふたり。
『ほっほ。入っとるよ。サーヤ』
『よく来たのぉ。サーヤもハクも。さあ、お入り』
最初のやり取りは気づかない振りをして対応するじぃじたち
「あ~♪いちゃ~♪」にこにこっ
『そりゃいるよ~。こんにちは~』
ハクはツッコミも忘れないが、ちゃんと挨拶も忘れない。それで思い出したのかサーヤも
「こんにちゃ♪」
ご挨拶です。
『ほっほ。こんにちはじゃの』
『こんにちは。ちゃんと挨拶出来て偉いのぉ、二人とも』
「『えへへ~』」
最近この二人似てるのぉ。
そうだのぉ。
『ああ、ハク。ここからはその膜は無しで大丈夫じゃよ』
じぃじがハクに水の幕を解くように言う。
『ジーニ様がお茶を飲めるように、地上と同じ空間を作ってくれたからの』
『は~い』
今日はじぃじ達のためにジーニ様が作ってくれた部屋を見に来たのだ。
きゅい『ぼくたちも』
ぴゅい『いるよ~』
『『こんにちは~』』
『『『おじゃましま~す』』』
にゃ『お水のなかきれいにゃ!』
『そりゃそうなのだ。ここは普通の水の中より更に綺麗なのだ!』
姫は青葉ちゃんたちが作ってくれた守石だから、とっても自慢気です。
『ほっほ。そうかそうか。みんなもよく来たのぉ』
『さあ、お茶でもどうかの?』
ちびっ子たちに上がるように勧めるじぃじたち。その時、子供たちの後から
『邪魔させてもらうぞ』
『お邪魔しますね』
と、入って来たのは
『おや、吹雪に白雪ではないかの』
『ギンではなくお主たちが一緒とは珍しいのぉ』
そう。ハクのおじいちゃん吹雪と、おばあちゃんの白雪です。
『ふふ。今日はハクたちの付き添いだ』
『ええ。子供たちだけで水の中に入るのは危ないですからね』
『この泉が大丈夫なのは分かってるが、この辺りの水脈は迷ってしまうと厄介だからな』
『それに、たまには孫たちと一緒にいたいから、今回お願いして役目を変わって頂いたのよ』
『それに、たまにはジジババ談義もいいかと思ってな』ニヤ
『ゲンさんからお茶菓子も預かって来たのよ』
『はい。私たちがご用意しますね』
『皆さん、お座りください』
すちゃっと現れたのは
『おや。山桜桃に春陽、いらっしゃい』
『こちらも珍しいのぉ』
かごを持った山桜桃と春陽だった。
『はい。お邪魔します』
『今回はフゥさんとクゥさんの代わりに来ました』
『たまには外に出てこいってゲンさんに追い出されてしまったんです』
『手持ちぶたさなら茶の用意でもしたらいいだろ。とも言われましたので』
『『お茶の用意はお任せ下さい』』ぺこり
相変わらず真面目な山桜桃と春陽。頭を下げると早速お茶の準備をしている。
『ほっほ。きっと、ちっとも休もうとしない山桜桃と春陽を無理矢理でも休ませたかったのだろのぉ』
『ほっほ。しかし、あの二人のことじゃ。本当のことを言うと断るだろうから、口実に仕事を与えたんだろのぉ』
じぃじたちは聖域の大人たちの想いを想像し、口にすると
『その通りだ。ゲンと神様方がな、山桜桃たちにも息抜きさせたいと仰ってな』
『フゥとクゥは今、代わりにお料理を習ってるのよ。山桜桃たちの手伝いが出来るように』
じぃじたちの言う通りだと吹雪と白雪が説明しているその頃
『ほら、よそ見するな。手を切るぞ。押さえる指をそんなに出すな』
『は、はい』ざくっずるっ
『『うわぁっ』』
ゲンさんが超がつくほど危なっかしい手つきで野菜を切るクゥに付きっきり。
『うわぁっ』ぼっ!
『フゥ、火強すぎ!』
『消そうとして風送ってどうするんだい!』
『家燃やす気かい!?』
『ご、ごめんなさぁいっ』
凛さんがフゥに指導しているのかと思いきや、ドワーフのおかみさんたち三人がかりで教えていた。なぜなら
『あらあらまあまあ、びっくりしたわねぇ。まさか自分の体すれすれに火柱が上がるとは思わなかったわぁ』
『ぷっ。丸焼きの危機』
『みあ、覚えてなさい』
お腹と鼻の頭がチリっ?
『なるほどの。少しでも負担が減ると良いがの』
『いっそ、新しい子を見つけてきた方がいいかもしれんのぉ』
『そうだな』
『そうねぇ』
じぃじたちが話し込んでると
「じぃじ~」
『おじいちゃ~ん』
ぴゅいきゅい『『おちゃはいったよ~』』
『『はやくはやく~』』
サーヤたちが呼ぶ。見るとピクニックのようにゴザを敷いて座っているちびっ子たちが。
『ほっほ。こりゃすまんのぉ』
『待たせたの』
『悪い悪い』
『今いくわね』
サーヤたちはすでに自分のお出かけ用のコップを手に待ちかまえていた。
「じぃじ~かめじぃ~おめでちょ♪」
『『ん?』』
何がおめでとうかの?
さあ?何かのぉ?
『違うよ~サーヤ。えっと、しんきょかんせい?おめでとう。だよ』
「しょっか~。えへ~?」
『『んん?』』
ハクのおかげで言いたいことはわかったがの?
なぜハテナがついておるのだ?
『くく。実はな?ここに来る前にゲンと凛に教えこまされたのだよ』
察した吹雪と白雪が助け舟を出した。
『そうなのよ。『いいか?じぃじたちに、新居完成おめでとうって言ってから、乾杯するんだぞ』って』くすくす
『みんなで、うんうん頷いてたから理解していたのだと思っていたんだがな?』
『この調子だと、言葉だけ丸暗記してたのかもしれないわね?』くすくす
『『なるほどの(ぉ)』』
新居完成の意味が分かってるいなかったみたいだの。
そうだのぉ。
『ありがとうの。みんな』
『ありがとうのぉ。みんなに会えたおかげで、こんなに特別な新しい家を作ってもらえたよ』
『『ありがとうの(ぉ)』』
さり気なく新居完成の意味を教えるじぃじたち。
「しょっか~」
『そういう意味だったんだね~』
ぴゅいきゅい『『すっきり~♪』』
ちびっこたち、やっぱり言葉の意味が分かってなかったみたいです。
『『ふっ』』
『『やっぱり』』
じぃじたち、大当たりです。
謎も解けたので、では乾杯しようかというその時、外から
『じぃじ~』
『亀じぃ~』
『『こんにちは~』』
『『『あそびきたよ~』』』
『『『い~れ~て~♪』』』
と、可愛い声が
『おやおや、今日は千客万来だの』
『ほっほ。賑やかで良いのぉ』
じぃじたちが迎えに行こうとすると
『ぼくたちが行きます』
『お待ちください』
春陽と山桜桃がササッと動く。
『やっぱりじっとしていられないのねぇ』
『仕方ないな。いいか?みんな、今日は山桜桃と春陽もちゃんと楽しめるようにしような』
白雪と吹雪がちびっ子たちに言うと
「あい!」
『まかせて~』
ぴゅいきゅい『『うん!』』
『自分でできることは』
『自分でやるよ~』
『『『サーヤのおてつだいも!』』』
みゃ『やるにゃ!』
『まかせるのだ!』
「ぶー。さーや、できりゅもん!」
サーヤのほっぺたがパンパンになってるの。
そうだのぉ。
『ほっほ。そうだの。サーヤはできる子だしのぉ』
『みんなも手伝ってくれるようだしの』
「あい!」にこにこ
『まかせて~』
みんながニコニコになったところで
『お待たせしました』
『お連れしました』
山桜桃と春陽が新しいお客を連れて戻ってきた。
「あ~あおばちゃん」
『みんなも~』
そう。入って来たのは青葉たち泉の精霊、妖精たち
『こんにちは』
『『『こんにちは』』』
『『『じぃじ~亀じぃ~』』』
『『『お客さん連れてきた~』』』
『『ん?』』
お客さん?
誰かのぉ?
『あ、あの。お邪魔するんだな』
『お、おまねきいただき』
『ありがとなんだな』
「あ~ぽぽちゃん」にこにこ
『つくしちゃんと、なずなちゃんもだ~』
ぴゅいきゅい『『いらっしゃ~い』』
なんと!ぽぽたちか。
なるほどのぉ。
『じぃじたちの新居のお祝いって聞いたから』
『迎えに行ってきたんだよ』
『なんたってぽぽちゃんは恩人だからね』
『一緒にお祝いしないとね!』
やはりのぉ水の精霊樹の件では世話になったからのぉ。
青葉たちが気を使ってくれたんだの。
『ありがとうの。みんな。ぽぽたちもよく来てくれたのぉ』にこり
『なずな、つくし、水の中はどうだったかの?』にこり
『お、恩人?そっただことないだよっ。恐れ多いだよ』
ぽぽは照れを通り越して顔を青くしとるのぉ。
だが、事実だしの。
『不思議なんだな。水の中なのに息できるんだな』
『とってもきれいなんだな。おさかなさんあいさつしてくれたんだな』
つくしとなずなは素直に喜んでくれてるようだの。
そうだのぉ。かわいいのぉ。
『そうかそうか。それは良かったの』にこ
『ぽぽが水の精霊樹を助けてくれたおかげだのぉ』にこ
『ええ?ち、違うだよ』
『兄ちゃんすごいだ!』
『さすがにいちゃんなんだな!』
ぽぽのお陰だと言うと、ぽぽは慌てだし、つくしたちは目をキラキラさせてぽぽを見ている。
ほほえましいのぉ。
新たな癒しだの。
「にぇーにぇー。かんぱいちにゃいにょ?」
おっと、サーヤが痺れを切らしたようだの。
さっきからお預け状態だからのぉ。
『すまんすまん。そうだったの』
『では、乾杯しようかの』
「あい!」
みんなそろったかのぉ。
そうだの。では
『『乾杯!』』.
「かんぱ~い」
『『『『『かんぱ~い』』』』』
みんなで乾杯すると、皆それぞれ好きなものを取り始める。
『サーヤちゃん、これ美味しいですよ』
「あい。あいがちょ」
大きい姿になった青葉から一口サイズのフルーツタルトを食べさせてもらうサーヤ。
「おいち♪」
『サーヤちゃんこれも美味しいだよ』
「あいがちょ。あーん」
今度はぽぽに一口サイズのスイートポテトを口に入れてもらうサーヤ。
「おいち~♪」
『良かったね~サーヤ』
「あい♪」
美味しそうにみんなから食べさせてもらうサーヤ。
『ほっほ。サーヤは自分でやるのは忘れとるようだのぉ』
『そうだの。だが、みんながサーヤを手伝って、自分たちのことは自分でやってるからの』
『そうだな。山桜桃と春陽も一緒に食べられてるな』
『うふふ。うまいことつくしちゃんとなずなちゃんが二人の隣についてくれたから、なおのこと上手くいったみたいね』
じぃじたちが、わいわいと楽しんでいるみんなをニコニコしながら眺めている。
『ゆすらちゃん、これは何だか?美味しそうなんだな』
自分のお皿と山桜桃のお皿に同じものを乗せて質問するつくし。
『これはモモのタルトですよ。とっても甘くて美味しいですよ』
ニコニコしながら食べている。
『はるひにいちゃん、これなんだか?きれいなんだな!』
同じ様に自分と春陽のお皿に同じものを乗せて春陽に質問するなずな。
『これは甘夏のタルトですよ。甘酸っぱくて美味しいですよ』
やっぱりニコニコしながら食べている。
『ほっほ。楽しんどるようだのぉ』
『ほっほ。こんな日が来るとはの。苦労したかいがあったの?吹雪、白雪』
優しい目で孫たちを眺める吹雪と白雪を、やはり優しい目で見るじぃじたち。
『本当に。みんなには感謝しかない。この目まで治してもらったしな。お陰で両の目で孫の姿を見られるようになった』
『本当ですね。こんな幸せな日が来るなんて。本当に皆さんには感謝しかないわ』
吹雪と白雪の目にキラリと光るものが。
『これからまだまだ、見られるでの』
『この子達の成長はこれからだからのぉ』
『そうだな。せっかく若返ったのだからな』
『ええ。第二の人生を頂いたのだもの』
『見守るさ。しっかりとな』
『ええ。私たちもまだ強くなりますしね』
吹雪と白雪の目には覚悟が見える。
『そうだのぉ。まだまだこれからだの』
『これからの人生、この子達のために』
この平和な時間がいつまでも続くように…
今日も今日とて、静かな泉の底…
じぃじこと、ケルピーの青磁と、亀じぃこと、亀の蒼が泉の底の洞窟にジーニ様が作ってくれた、特別な空間で最近すっかりお気に入りのお茶を入れて寛いでいると、元気な声が外から聞こえて来た。
『おや、可愛いお客が来たかの』
『そうだのぉ』
じぃじたちが迎えに行こうとすると
『サーヤ~。そんな大っきな声出したらじぃじたちびっくりしちゃうよ~?おばあちゃんに言われたでしょ~?』
「しょうでちた…やりにゃおちちましゅ…」
外でハクとサーヤが何かやり取りをしとるようだ。
『ほっほ。これは気付かぬふりをして待った方が良いかのぉ?』
『そうだの。待つかの』
すると
「こんこんこん。はいっちぇましゅか~?じぃじ~、かめじぃ~、さーやでしゅよ~。こんにちゃ~」
『ん~?なんか違う気がするよ~?』
確かにさっきより控えめな挨拶だが、入ってますか?は何か違う…
『『ぷっ』』
『ほっほ。コンコンコンは口だったのぉ』
『ほっほ。入っとると教えてやらんとの』
そう言って迎えに行くじぃふたり。
『ほっほ。入っとるよ。サーヤ』
『よく来たのぉ。サーヤもハクも。さあ、お入り』
最初のやり取りは気づかない振りをして対応するじぃじたち
「あ~♪いちゃ~♪」にこにこっ
『そりゃいるよ~。こんにちは~』
ハクはツッコミも忘れないが、ちゃんと挨拶も忘れない。それで思い出したのかサーヤも
「こんにちゃ♪」
ご挨拶です。
『ほっほ。こんにちはじゃの』
『こんにちは。ちゃんと挨拶出来て偉いのぉ、二人とも』
「『えへへ~』」
最近この二人似てるのぉ。
そうだのぉ。
『ああ、ハク。ここからはその膜は無しで大丈夫じゃよ』
じぃじがハクに水の幕を解くように言う。
『ジーニ様がお茶を飲めるように、地上と同じ空間を作ってくれたからの』
『は~い』
今日はじぃじ達のためにジーニ様が作ってくれた部屋を見に来たのだ。
きゅい『ぼくたちも』
ぴゅい『いるよ~』
『『こんにちは~』』
『『『おじゃましま~す』』』
にゃ『お水のなかきれいにゃ!』
『そりゃそうなのだ。ここは普通の水の中より更に綺麗なのだ!』
姫は青葉ちゃんたちが作ってくれた守石だから、とっても自慢気です。
『ほっほ。そうかそうか。みんなもよく来たのぉ』
『さあ、お茶でもどうかの?』
ちびっ子たちに上がるように勧めるじぃじたち。その時、子供たちの後から
『邪魔させてもらうぞ』
『お邪魔しますね』
と、入って来たのは
『おや、吹雪に白雪ではないかの』
『ギンではなくお主たちが一緒とは珍しいのぉ』
そう。ハクのおじいちゃん吹雪と、おばあちゃんの白雪です。
『ふふ。今日はハクたちの付き添いだ』
『ええ。子供たちだけで水の中に入るのは危ないですからね』
『この泉が大丈夫なのは分かってるが、この辺りの水脈は迷ってしまうと厄介だからな』
『それに、たまには孫たちと一緒にいたいから、今回お願いして役目を変わって頂いたのよ』
『それに、たまにはジジババ談義もいいかと思ってな』ニヤ
『ゲンさんからお茶菓子も預かって来たのよ』
『はい。私たちがご用意しますね』
『皆さん、お座りください』
すちゃっと現れたのは
『おや。山桜桃に春陽、いらっしゃい』
『こちらも珍しいのぉ』
かごを持った山桜桃と春陽だった。
『はい。お邪魔します』
『今回はフゥさんとクゥさんの代わりに来ました』
『たまには外に出てこいってゲンさんに追い出されてしまったんです』
『手持ちぶたさなら茶の用意でもしたらいいだろ。とも言われましたので』
『『お茶の用意はお任せ下さい』』ぺこり
相変わらず真面目な山桜桃と春陽。頭を下げると早速お茶の準備をしている。
『ほっほ。きっと、ちっとも休もうとしない山桜桃と春陽を無理矢理でも休ませたかったのだろのぉ』
『ほっほ。しかし、あの二人のことじゃ。本当のことを言うと断るだろうから、口実に仕事を与えたんだろのぉ』
じぃじたちは聖域の大人たちの想いを想像し、口にすると
『その通りだ。ゲンと神様方がな、山桜桃たちにも息抜きさせたいと仰ってな』
『フゥとクゥは今、代わりにお料理を習ってるのよ。山桜桃たちの手伝いが出来るように』
じぃじたちの言う通りだと吹雪と白雪が説明しているその頃
『ほら、よそ見するな。手を切るぞ。押さえる指をそんなに出すな』
『は、はい』ざくっずるっ
『『うわぁっ』』
ゲンさんが超がつくほど危なっかしい手つきで野菜を切るクゥに付きっきり。
『うわぁっ』ぼっ!
『フゥ、火強すぎ!』
『消そうとして風送ってどうするんだい!』
『家燃やす気かい!?』
『ご、ごめんなさぁいっ』
凛さんがフゥに指導しているのかと思いきや、ドワーフのおかみさんたち三人がかりで教えていた。なぜなら
『あらあらまあまあ、びっくりしたわねぇ。まさか自分の体すれすれに火柱が上がるとは思わなかったわぁ』
『ぷっ。丸焼きの危機』
『みあ、覚えてなさい』
お腹と鼻の頭がチリっ?
『なるほどの。少しでも負担が減ると良いがの』
『いっそ、新しい子を見つけてきた方がいいかもしれんのぉ』
『そうだな』
『そうねぇ』
じぃじたちが話し込んでると
「じぃじ~」
『おじいちゃ~ん』
ぴゅいきゅい『『おちゃはいったよ~』』
『『はやくはやく~』』
サーヤたちが呼ぶ。見るとピクニックのようにゴザを敷いて座っているちびっ子たちが。
『ほっほ。こりゃすまんのぉ』
『待たせたの』
『悪い悪い』
『今いくわね』
サーヤたちはすでに自分のお出かけ用のコップを手に待ちかまえていた。
「じぃじ~かめじぃ~おめでちょ♪」
『『ん?』』
何がおめでとうかの?
さあ?何かのぉ?
『違うよ~サーヤ。えっと、しんきょかんせい?おめでとう。だよ』
「しょっか~。えへ~?」
『『んん?』』
ハクのおかげで言いたいことはわかったがの?
なぜハテナがついておるのだ?
『くく。実はな?ここに来る前にゲンと凛に教えこまされたのだよ』
察した吹雪と白雪が助け舟を出した。
『そうなのよ。『いいか?じぃじたちに、新居完成おめでとうって言ってから、乾杯するんだぞ』って』くすくす
『みんなで、うんうん頷いてたから理解していたのだと思っていたんだがな?』
『この調子だと、言葉だけ丸暗記してたのかもしれないわね?』くすくす
『『なるほどの(ぉ)』』
新居完成の意味が分かってるいなかったみたいだの。
そうだのぉ。
『ありがとうの。みんな』
『ありがとうのぉ。みんなに会えたおかげで、こんなに特別な新しい家を作ってもらえたよ』
『『ありがとうの(ぉ)』』
さり気なく新居完成の意味を教えるじぃじたち。
「しょっか~」
『そういう意味だったんだね~』
ぴゅいきゅい『『すっきり~♪』』
ちびっこたち、やっぱり言葉の意味が分かってなかったみたいです。
『『ふっ』』
『『やっぱり』』
じぃじたち、大当たりです。
謎も解けたので、では乾杯しようかというその時、外から
『じぃじ~』
『亀じぃ~』
『『こんにちは~』』
『『『あそびきたよ~』』』
『『『い~れ~て~♪』』』
と、可愛い声が
『おやおや、今日は千客万来だの』
『ほっほ。賑やかで良いのぉ』
じぃじたちが迎えに行こうとすると
『ぼくたちが行きます』
『お待ちください』
春陽と山桜桃がササッと動く。
『やっぱりじっとしていられないのねぇ』
『仕方ないな。いいか?みんな、今日は山桜桃と春陽もちゃんと楽しめるようにしような』
白雪と吹雪がちびっ子たちに言うと
「あい!」
『まかせて~』
ぴゅいきゅい『『うん!』』
『自分でできることは』
『自分でやるよ~』
『『『サーヤのおてつだいも!』』』
みゃ『やるにゃ!』
『まかせるのだ!』
「ぶー。さーや、できりゅもん!」
サーヤのほっぺたがパンパンになってるの。
そうだのぉ。
『ほっほ。そうだの。サーヤはできる子だしのぉ』
『みんなも手伝ってくれるようだしの』
「あい!」にこにこ
『まかせて~』
みんながニコニコになったところで
『お待たせしました』
『お連れしました』
山桜桃と春陽が新しいお客を連れて戻ってきた。
「あ~あおばちゃん」
『みんなも~』
そう。入って来たのは青葉たち泉の精霊、妖精たち
『こんにちは』
『『『こんにちは』』』
『『『じぃじ~亀じぃ~』』』
『『『お客さん連れてきた~』』』
『『ん?』』
お客さん?
誰かのぉ?
『あ、あの。お邪魔するんだな』
『お、おまねきいただき』
『ありがとなんだな』
「あ~ぽぽちゃん」にこにこ
『つくしちゃんと、なずなちゃんもだ~』
ぴゅいきゅい『『いらっしゃ~い』』
なんと!ぽぽたちか。
なるほどのぉ。
『じぃじたちの新居のお祝いって聞いたから』
『迎えに行ってきたんだよ』
『なんたってぽぽちゃんは恩人だからね』
『一緒にお祝いしないとね!』
やはりのぉ水の精霊樹の件では世話になったからのぉ。
青葉たちが気を使ってくれたんだの。
『ありがとうの。みんな。ぽぽたちもよく来てくれたのぉ』にこり
『なずな、つくし、水の中はどうだったかの?』にこり
『お、恩人?そっただことないだよっ。恐れ多いだよ』
ぽぽは照れを通り越して顔を青くしとるのぉ。
だが、事実だしの。
『不思議なんだな。水の中なのに息できるんだな』
『とってもきれいなんだな。おさかなさんあいさつしてくれたんだな』
つくしとなずなは素直に喜んでくれてるようだの。
そうだのぉ。かわいいのぉ。
『そうかそうか。それは良かったの』にこ
『ぽぽが水の精霊樹を助けてくれたおかげだのぉ』にこ
『ええ?ち、違うだよ』
『兄ちゃんすごいだ!』
『さすがにいちゃんなんだな!』
ぽぽのお陰だと言うと、ぽぽは慌てだし、つくしたちは目をキラキラさせてぽぽを見ている。
ほほえましいのぉ。
新たな癒しだの。
「にぇーにぇー。かんぱいちにゃいにょ?」
おっと、サーヤが痺れを切らしたようだの。
さっきからお預け状態だからのぉ。
『すまんすまん。そうだったの』
『では、乾杯しようかの』
「あい!」
みんなそろったかのぉ。
そうだの。では
『『乾杯!』』.
「かんぱ~い」
『『『『『かんぱ~い』』』』』
みんなで乾杯すると、皆それぞれ好きなものを取り始める。
『サーヤちゃん、これ美味しいですよ』
「あい。あいがちょ」
大きい姿になった青葉から一口サイズのフルーツタルトを食べさせてもらうサーヤ。
「おいち♪」
『サーヤちゃんこれも美味しいだよ』
「あいがちょ。あーん」
今度はぽぽに一口サイズのスイートポテトを口に入れてもらうサーヤ。
「おいち~♪」
『良かったね~サーヤ』
「あい♪」
美味しそうにみんなから食べさせてもらうサーヤ。
『ほっほ。サーヤは自分でやるのは忘れとるようだのぉ』
『そうだの。だが、みんながサーヤを手伝って、自分たちのことは自分でやってるからの』
『そうだな。山桜桃と春陽も一緒に食べられてるな』
『うふふ。うまいことつくしちゃんとなずなちゃんが二人の隣についてくれたから、なおのこと上手くいったみたいね』
じぃじたちが、わいわいと楽しんでいるみんなをニコニコしながら眺めている。
『ゆすらちゃん、これは何だか?美味しそうなんだな』
自分のお皿と山桜桃のお皿に同じものを乗せて質問するつくし。
『これはモモのタルトですよ。とっても甘くて美味しいですよ』
ニコニコしながら食べている。
『はるひにいちゃん、これなんだか?きれいなんだな!』
同じ様に自分と春陽のお皿に同じものを乗せて春陽に質問するなずな。
『これは甘夏のタルトですよ。甘酸っぱくて美味しいですよ』
やっぱりニコニコしながら食べている。
『ほっほ。楽しんどるようだのぉ』
『ほっほ。こんな日が来るとはの。苦労したかいがあったの?吹雪、白雪』
優しい目で孫たちを眺める吹雪と白雪を、やはり優しい目で見るじぃじたち。
『本当に。みんなには感謝しかない。この目まで治してもらったしな。お陰で両の目で孫の姿を見られるようになった』
『本当ですね。こんな幸せな日が来るなんて。本当に皆さんには感謝しかないわ』
吹雪と白雪の目にキラリと光るものが。
『これからまだまだ、見られるでの』
『この子達の成長はこれからだからのぉ』
『そうだな。せっかく若返ったのだからな』
『ええ。第二の人生を頂いたのだもの』
『見守るさ。しっかりとな』
『ええ。私たちもまだ強くなりますしね』
吹雪と白雪の目には覚悟が見える。
『そうだのぉ。まだまだこれからだの』
『これからの人生、この子達のために』
この平和な時間がいつまでも続くように…
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「なぜ幼児がここに? ここは危険だ。安全な俺たちの巣まで連れて行こう」
まさかのドラゴンによる救出。さらにその縁から、結衣は最強と謳われるドラゴン騎士の家族に迎え入れられることに。
やがて結衣は、神から授かった力と自らの知識を駆使し、戦う上の兄や姉を支え、頭脳派の兄の仕事を手伝い。可憐で優しい姉をいじめる連中には、姉の代わりに子ドラゴンやもふ強魔獣と共にざまぁをするようになって?
これは神様の度重なるミスによって、幼児として転生させられてしまった結衣が、ドラゴンやもふ強魔獣に懐かれ、最強のドラゴン騎士家族と共に、異世界で幸せいっぱいに暮らす物語。
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
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「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
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