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509 話し合いのはずが?
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麦茶を空にし、あらためて熱々のお茶をごっくん。
『だ、大丈夫ですの?』
『大丈夫かにゃ?』
心配そうにドワーフさん達に確認するアイナ様とニャーニャ。
『『『ぷはーっ』』』
どどんっ!
『なんとも⋯』
〖豪快ですね⋯〗
まだ唖然としているアルコン様とエル様⋯
あっでも、エル様声は出るようになりました。
『はーっ失礼しました。医神様、エンシェントドラゴン様』
『親父とお袋たちがいつも世話になってます』
『親父たちはご迷惑おかけしてないだろか?』
はーっと息を吐き、やっと落ち着いたドワーフさんたち。発した言葉は親方たちのことでした。
〖ふふ。迷惑などとんでもない。金剛達には私たちの方こそお世話になってますよ。そうそう、私のことは名前で良いですよ。そうですね、サーヤたちと同じエル様とでも呼んでいただければ〗
『そうだな。親方たちは聖域で大活躍だぞ。我も世話になりっぱなしだ。心配せずとも大丈夫だ。それから、我もアルコンで良いぞ。サーヤに付けてもらってな、気に入っておるのだ』
エル様とアルコン様はドワーフさん達に安心するように言います。
『そ、それは』
『恐れ多いといいますか』
『さすがにお名前では⋯』
恐縮するドワーフさんたち
〖おや。金剛たちのお子さん達は随分と控えめな方々なのですね〗
『親方たちはあっという間に馴染んでいたがな』
エル様とアルコン様が妙な関心の仕方をすると
『騙されてはいけませんわ!』
『そうにゃ!とってもでっかい猫かぶってるにゃ!猫脱ぐにゃ!』
目の前のドワーフたちがそんな殊勝なわけがない!と、ちょっぴりご立腹なアイナ様とニャーニャ。
『お、おい!なんてことをぬかすんだ』
『そうだぞ!さすがの俺たちだってな』
『やっちゃやばいことは分かるんだよ!』
アイナ様とニャーニャにゃんに猛抗議するドワーフさんたち。
〖アイナ、落ち着きなさい〗
『ニャーニャも落ち着け⋯』
何だかおかしな雰囲気になってきたので、エル様たちが収めようとするが
『ですが、私たちにはそんなこと一度もなかったではないですか!』
『そうにゃ!遠慮どころか馬鹿力でバシバシするにゃ!』
そして、更に反論するアイナ様とニャーニャ。
〖ですから〗
『落ち着け』
もはや、御二方の声は届かない⋯
『そりゃ、威厳が違うだろうがよ!』
『『そうだそうだ!』』
お?猫が剥がれてきた?
『私だって一応精霊王ですわよ!』
『ニャーニャだってご主人の眷属で一応ケット・シーの長にゃ!』
『自分たちで一応って言ってる時点でダメだろがよ!』
『『だよな』』
あっ。猫剥がれた!
〖おや?〗
『雲行きが変わってきたか?』
仕方なくしばらく見守ることにした御二方⋯
『うううっあなた方相手に威厳の出し方なんて知りませんわぁ』
『うううっそうにゃ。大人になった時にはすでに仲良しだったにゃ~』
初めは威勢が良かったアイナ様とニャーニャ。だんだん様子が⋯?
『あ~、そりゃなあ~。アイナ様もニャーニャも不憫だったからなぁ。なあ?』
『『そうだなぁ』』
ドワーフさんたち一気に可哀想なものを見る目に⋯
『『うううっ』』
ああ、アイナ様とニャーニャが泣きそうになっている。
『そうだな。里中のみんなで世話して守ってたって先祖代々語り継がれてるくらいだしなぁ』
『食事とかの世話から看病までしたって語り継がれてるしなぁ』
『可哀想でついつい甘やかしちまったって語り継がれてるくらいだしなぁ』
『『『親は選べないからなぁ』』』
本気で気の毒に⋯という目を二人に向けるドワーフたち
『『うわああああっ』』
ああ、とうとう泣き出した。
『あ~なるほど。分かってきたぞ』
〖アイナたちはドワーフ達に育てられたということですね〗
『それはもう家族と一緒だな』
〖威厳も何もないでしょうね〗
妙に納得の御二方⋯
『まあなぁ、親父がよく言ってたもんなぁ。『俺のオヤジと爺さんがまだちっこい地の精霊王様たちを助けたんだぞ』って。あっ俺の親父は金剛です』
『ああ、言ってたな。あっ、俺たち従兄弟なんで』
『俺んとこも言ってたな。あ、その幼なじみです』
ドワーフさんたち、ようやく自己紹介?
〖そうですか。よろしく〗
『よろしくな。それで?』
ちゃっかりアイナ様とニャーニャの昔話を聞き出そうとしている御二方
『あのですね、アイナ様は地の精霊王様で、ニャーニャはその眷属じゃないですか』
〖そうですね〗
『その通りだな』
何を当たり前のことを?と思う御二方
『それでですね、精霊樹の精様、ええと今は⋯』
〖結葉ですね〗
『そう。その結葉様が、地の精霊王とその眷属なら、ありとあらゆる地の性質を体験しなきゃいけないとか、訳の分からないことを言ったらしいんだよ』
『しかも、よちよち歩きのちびっ子の時な』
『ニャーニャもな、よちよちな時な』
はあってため息をつくドワーフさんたち。だんだん口調が砕けてきていることに気づいていない。
〖体験ですか?知るではなく?〗
『嫌な予感がするな』
〖私もです〗
〖『それで?』〗
でも続きを聞く御二方
『そうなんだよ。当時の高位の土の精霊連れてきてな?突然アイナ様とニャーニャの目の前に色々作り出して、あろうことかそこに突き落としてたんだよ』
〖はい?〗
『何だそれは?』
さすがに理解を超えた御二方。突き落とした?
『それがな『土の気持ちがわかったかしらぁ?』とか言って見てたらしいんだよな』
『『わかったら上がって来ていいわよぉ』とかな?んなこと出来るわけないだろ?ちびっ子に』
ドワーフたちが首を振り振り話します。
〖ええ、そうですね〗
『その前に落とさないな』
〖『それで?』〗
その先を急かす御二方。
『そりゃもちろん、落ちた時点で気絶するに決まってんだろ?ちびっ子だぜ』
『その度にたまたま通りかかった俺たちの爺さんや、曾祖父さんたちがな、血相変えて助けてたんだよ』
例えばな、と話し出した中身は⋯
『ある時は底なし沼』
〘きゃーっ〙
〘にゃーっ 〙
ずぶずぶずぶずぶ
〘ごぽごぽ⋯〙
〘にゃごご⋯〙
〘ぎゃーっ!ちびっ子どもしっかりしろーっ沈むなーっ〙
〘あらぁ?〙
『ある時は蟻地獄』
〘きゃーっ〙
〘にゃーっ〙
ぐるぐるぐるぐる
〘きゅううう⋯〙
〘にゃううう⋯〙
〘ぎゃーっ!ちびっ子どもしっかりしろーっ吸い込まれるなーっ〙
〘あらぁ?〙
『ある時は永久凍土』
〘きゃーっ〙
〘にゃーっ〙
カチーンっ
〘⋯⋯〙
〘⋯⋯〙
〘ぎゃーっ!ちびっ子どもしっかりしろーっ息をしろーっ〙
〘あらぁ?〙
『て、具合にな?』
〖⋯⋯〗
『⋯⋯』
さすがに言葉も出ない御二方。
『ひでぇだろ?マグマの時はたまたま落とす前に爺さんが気がついて、土の精霊ぶん殴って消さしたらしいけどな』
間に合ってよかったよなぁ。と、ため息をつくドワーフたち。
〖それは、本当に良かった〗
『ああ。爺さんすごいな』
あったこともないお爺さんに感謝する御二方
『そんで、その度に婆さんとひい婆さんたちが結葉様に『何考えてんだーっ』て怒鳴り込みに行くんだけどな?なにしろ』
『『『あれだろ?』』』
声を揃えるドワーフたち
『『うううっ』』
まだ泣いている二人
〖⋯二人ともよく生きてましたね〗
『⋯ほんとにな』
なんとも言えない目で見る御二方
『飯にしたってな?』
『ああ。あれな』
『ぶっ倒れてたってやつな』
『『『ひでぇよな』』』
ドワーフたちが更に深いため息をつく
〖まだあるんですか⋯〗
『聞きたくないような⋯』
『じゃあやめるか?』
〖『続けて』〗
もちろん聞く御二方
『わ、わかった』
『ある日、結葉様が言ったらしいんだよ』
『『地の精霊王に、その眷属なら、大地に育つものを理解しなくてはいけないわぁ。だから、これからは自分で育てたものを食べなさい』とか言ってな』
『まだ畑経験もないちびっ子に種だけ渡したんだよ。種だぞ苗じゃないぞ?』
『それでな、アイナ様とニャーニャは真面目だから言われた通りにしたんだよ』
『『『バカだよなぁ。は~』』』
と、ドワーフたちは今日一番のため息⋯
〖何か予想ができます。ひどすぎる〗
『ううっ我は涙が出てきたぞ』
涙が出てきた御二方
『そうなんだよ。誰にも教わってないから自分たちなりに考えて耕した畑に、種まいて、水まいて、魔力流したらしいんだけどな』
『誕生したばかりのちびっ子たちだ。すぐに食いもんが育つわけないだろ?』
『それでも、芽が出て育つように魔力を流してたらしいんだよ。まあ、結果予想つくだろ?』
ドワーフたちがそう言うと
〖⋯魔力欠乏に空腹で間違いなく倒れますね〗
『うううっこれがもし我が子らだと思ったら涙が』
もう完全に涙を堪えきれない御二方
『そうなんだよ。それでな、見つけたのが俺たちの婆さんとひい婆さんなんだけどな』
ぱたり。
〘〘ぎゃーっ!〙〙
〘ちびちゃん達!〙
〘しっかりおしーっ〙
〘〘う~ん⋯〙〙
〘家に運ぶよ!〙
〘はいよ!〙
『って感じでな、畑で手を繋いでぶっ倒れてた二人を家に運んで』
『飯食わせて看病してな』
〖間に合って良かった〗
『うううっひどすぎる。モモ、スイ』
お一人完全に間違った置き換えを⋯
『爺さんたちがそれ聞いてブチ切れてな』
『結葉様に、しばらくちびっこ共は家で預かる!って宣言してな』
『ちびっ子たちに手を貸さなかった精霊共にはこっぴどく、しば⋯制さ⋯説教したらしい』
ドワーフたち、今、しばくって言いかけた?制裁って言った?
〖当然ですね⋯〗
『そうだな⋯』
御二方から怒りのオーラが
『そんな感じでな、アイナ様とニャーニャは、この里で語り継がれてんだよ。どうしたって接し方は甘くなるよなぁ』
『しかも話はこんなもんじゃ済まないしな~』
『まあ、威厳なんかないよなぁ』
気の毒に⋯と、目が語っているドワーフたち
『『うううっ』』
なんだか更に悲しくなって涙が止まらない二人
〖くっ⋯!結葉の被害がこれ程とは⋯〗
『うううっよく無事で⋯』
もはや、涙が流れるままになっている御二方。
恐るべし、結葉様。結葉様被害者の会員はいったいどれだけいて、どれだけのことをされているのか⋯
すっかり涙溢れる部屋になってしまい、もはやいったい何の話しをしに来たのか分からない状態になっているのでした。
『だ、大丈夫ですの?』
『大丈夫かにゃ?』
心配そうにドワーフさん達に確認するアイナ様とニャーニャ。
『『『ぷはーっ』』』
どどんっ!
『なんとも⋯』
〖豪快ですね⋯〗
まだ唖然としているアルコン様とエル様⋯
あっでも、エル様声は出るようになりました。
『はーっ失礼しました。医神様、エンシェントドラゴン様』
『親父とお袋たちがいつも世話になってます』
『親父たちはご迷惑おかけしてないだろか?』
はーっと息を吐き、やっと落ち着いたドワーフさんたち。発した言葉は親方たちのことでした。
〖ふふ。迷惑などとんでもない。金剛達には私たちの方こそお世話になってますよ。そうそう、私のことは名前で良いですよ。そうですね、サーヤたちと同じエル様とでも呼んでいただければ〗
『そうだな。親方たちは聖域で大活躍だぞ。我も世話になりっぱなしだ。心配せずとも大丈夫だ。それから、我もアルコンで良いぞ。サーヤに付けてもらってな、気に入っておるのだ』
エル様とアルコン様はドワーフさん達に安心するように言います。
『そ、それは』
『恐れ多いといいますか』
『さすがにお名前では⋯』
恐縮するドワーフさんたち
〖おや。金剛たちのお子さん達は随分と控えめな方々なのですね〗
『親方たちはあっという間に馴染んでいたがな』
エル様とアルコン様が妙な関心の仕方をすると
『騙されてはいけませんわ!』
『そうにゃ!とってもでっかい猫かぶってるにゃ!猫脱ぐにゃ!』
目の前のドワーフたちがそんな殊勝なわけがない!と、ちょっぴりご立腹なアイナ様とニャーニャ。
『お、おい!なんてことをぬかすんだ』
『そうだぞ!さすがの俺たちだってな』
『やっちゃやばいことは分かるんだよ!』
アイナ様とニャーニャにゃんに猛抗議するドワーフさんたち。
〖アイナ、落ち着きなさい〗
『ニャーニャも落ち着け⋯』
何だかおかしな雰囲気になってきたので、エル様たちが収めようとするが
『ですが、私たちにはそんなこと一度もなかったではないですか!』
『そうにゃ!遠慮どころか馬鹿力でバシバシするにゃ!』
そして、更に反論するアイナ様とニャーニャ。
〖ですから〗
『落ち着け』
もはや、御二方の声は届かない⋯
『そりゃ、威厳が違うだろうがよ!』
『『そうだそうだ!』』
お?猫が剥がれてきた?
『私だって一応精霊王ですわよ!』
『ニャーニャだってご主人の眷属で一応ケット・シーの長にゃ!』
『自分たちで一応って言ってる時点でダメだろがよ!』
『『だよな』』
あっ。猫剥がれた!
〖おや?〗
『雲行きが変わってきたか?』
仕方なくしばらく見守ることにした御二方⋯
『うううっあなた方相手に威厳の出し方なんて知りませんわぁ』
『うううっそうにゃ。大人になった時にはすでに仲良しだったにゃ~』
初めは威勢が良かったアイナ様とニャーニャ。だんだん様子が⋯?
『あ~、そりゃなあ~。アイナ様もニャーニャも不憫だったからなぁ。なあ?』
『『そうだなぁ』』
ドワーフさんたち一気に可哀想なものを見る目に⋯
『『うううっ』』
ああ、アイナ様とニャーニャが泣きそうになっている。
『そうだな。里中のみんなで世話して守ってたって先祖代々語り継がれてるくらいだしなぁ』
『食事とかの世話から看病までしたって語り継がれてるしなぁ』
『可哀想でついつい甘やかしちまったって語り継がれてるくらいだしなぁ』
『『『親は選べないからなぁ』』』
本気で気の毒に⋯という目を二人に向けるドワーフたち
『『うわああああっ』』
ああ、とうとう泣き出した。
『あ~なるほど。分かってきたぞ』
〖アイナたちはドワーフ達に育てられたということですね〗
『それはもう家族と一緒だな』
〖威厳も何もないでしょうね〗
妙に納得の御二方⋯
『まあなぁ、親父がよく言ってたもんなぁ。『俺のオヤジと爺さんがまだちっこい地の精霊王様たちを助けたんだぞ』って。あっ俺の親父は金剛です』
『ああ、言ってたな。あっ、俺たち従兄弟なんで』
『俺んとこも言ってたな。あ、その幼なじみです』
ドワーフさんたち、ようやく自己紹介?
〖そうですか。よろしく〗
『よろしくな。それで?』
ちゃっかりアイナ様とニャーニャの昔話を聞き出そうとしている御二方
『あのですね、アイナ様は地の精霊王様で、ニャーニャはその眷属じゃないですか』
〖そうですね〗
『その通りだな』
何を当たり前のことを?と思う御二方
『それでですね、精霊樹の精様、ええと今は⋯』
〖結葉ですね〗
『そう。その結葉様が、地の精霊王とその眷属なら、ありとあらゆる地の性質を体験しなきゃいけないとか、訳の分からないことを言ったらしいんだよ』
『しかも、よちよち歩きのちびっ子の時な』
『ニャーニャもな、よちよちな時な』
はあってため息をつくドワーフさんたち。だんだん口調が砕けてきていることに気づいていない。
〖体験ですか?知るではなく?〗
『嫌な予感がするな』
〖私もです〗
〖『それで?』〗
でも続きを聞く御二方
『そうなんだよ。当時の高位の土の精霊連れてきてな?突然アイナ様とニャーニャの目の前に色々作り出して、あろうことかそこに突き落としてたんだよ』
〖はい?〗
『何だそれは?』
さすがに理解を超えた御二方。突き落とした?
『それがな『土の気持ちがわかったかしらぁ?』とか言って見てたらしいんだよな』
『『わかったら上がって来ていいわよぉ』とかな?んなこと出来るわけないだろ?ちびっ子に』
ドワーフたちが首を振り振り話します。
〖ええ、そうですね〗
『その前に落とさないな』
〖『それで?』〗
その先を急かす御二方。
『そりゃもちろん、落ちた時点で気絶するに決まってんだろ?ちびっ子だぜ』
『その度にたまたま通りかかった俺たちの爺さんや、曾祖父さんたちがな、血相変えて助けてたんだよ』
例えばな、と話し出した中身は⋯
『ある時は底なし沼』
〘きゃーっ〙
〘にゃーっ 〙
ずぶずぶずぶずぶ
〘ごぽごぽ⋯〙
〘にゃごご⋯〙
〘ぎゃーっ!ちびっ子どもしっかりしろーっ沈むなーっ〙
〘あらぁ?〙
『ある時は蟻地獄』
〘きゃーっ〙
〘にゃーっ〙
ぐるぐるぐるぐる
〘きゅううう⋯〙
〘にゃううう⋯〙
〘ぎゃーっ!ちびっ子どもしっかりしろーっ吸い込まれるなーっ〙
〘あらぁ?〙
『ある時は永久凍土』
〘きゃーっ〙
〘にゃーっ〙
カチーンっ
〘⋯⋯〙
〘⋯⋯〙
〘ぎゃーっ!ちびっ子どもしっかりしろーっ息をしろーっ〙
〘あらぁ?〙
『て、具合にな?』
〖⋯⋯〗
『⋯⋯』
さすがに言葉も出ない御二方。
『ひでぇだろ?マグマの時はたまたま落とす前に爺さんが気がついて、土の精霊ぶん殴って消さしたらしいけどな』
間に合ってよかったよなぁ。と、ため息をつくドワーフたち。
〖それは、本当に良かった〗
『ああ。爺さんすごいな』
あったこともないお爺さんに感謝する御二方
『そんで、その度に婆さんとひい婆さんたちが結葉様に『何考えてんだーっ』て怒鳴り込みに行くんだけどな?なにしろ』
『『『あれだろ?』』』
声を揃えるドワーフたち
『『うううっ』』
まだ泣いている二人
〖⋯二人ともよく生きてましたね〗
『⋯ほんとにな』
なんとも言えない目で見る御二方
『飯にしたってな?』
『ああ。あれな』
『ぶっ倒れてたってやつな』
『『『ひでぇよな』』』
ドワーフたちが更に深いため息をつく
〖まだあるんですか⋯〗
『聞きたくないような⋯』
『じゃあやめるか?』
〖『続けて』〗
もちろん聞く御二方
『わ、わかった』
『ある日、結葉様が言ったらしいんだよ』
『『地の精霊王に、その眷属なら、大地に育つものを理解しなくてはいけないわぁ。だから、これからは自分で育てたものを食べなさい』とか言ってな』
『まだ畑経験もないちびっ子に種だけ渡したんだよ。種だぞ苗じゃないぞ?』
『それでな、アイナ様とニャーニャは真面目だから言われた通りにしたんだよ』
『『『バカだよなぁ。は~』』』
と、ドワーフたちは今日一番のため息⋯
〖何か予想ができます。ひどすぎる〗
『ううっ我は涙が出てきたぞ』
涙が出てきた御二方
『そうなんだよ。誰にも教わってないから自分たちなりに考えて耕した畑に、種まいて、水まいて、魔力流したらしいんだけどな』
『誕生したばかりのちびっ子たちだ。すぐに食いもんが育つわけないだろ?』
『それでも、芽が出て育つように魔力を流してたらしいんだよ。まあ、結果予想つくだろ?』
ドワーフたちがそう言うと
〖⋯魔力欠乏に空腹で間違いなく倒れますね〗
『うううっこれがもし我が子らだと思ったら涙が』
もう完全に涙を堪えきれない御二方
『そうなんだよ。それでな、見つけたのが俺たちの婆さんとひい婆さんなんだけどな』
ぱたり。
〘〘ぎゃーっ!〙〙
〘ちびちゃん達!〙
〘しっかりおしーっ〙
〘〘う~ん⋯〙〙
〘家に運ぶよ!〙
〘はいよ!〙
『って感じでな、畑で手を繋いでぶっ倒れてた二人を家に運んで』
『飯食わせて看病してな』
〖間に合って良かった〗
『うううっひどすぎる。モモ、スイ』
お一人完全に間違った置き換えを⋯
『爺さんたちがそれ聞いてブチ切れてな』
『結葉様に、しばらくちびっこ共は家で預かる!って宣言してな』
『ちびっ子たちに手を貸さなかった精霊共にはこっぴどく、しば⋯制さ⋯説教したらしい』
ドワーフたち、今、しばくって言いかけた?制裁って言った?
〖当然ですね⋯〗
『そうだな⋯』
御二方から怒りのオーラが
『そんな感じでな、アイナ様とニャーニャは、この里で語り継がれてんだよ。どうしたって接し方は甘くなるよなぁ』
『しかも話はこんなもんじゃ済まないしな~』
『まあ、威厳なんかないよなぁ』
気の毒に⋯と、目が語っているドワーフたち
『『うううっ』』
なんだか更に悲しくなって涙が止まらない二人
〖くっ⋯!結葉の被害がこれ程とは⋯〗
『うううっよく無事で⋯』
もはや、涙が流れるままになっている御二方。
恐るべし、結葉様。結葉様被害者の会員はいったいどれだけいて、どれだけのことをされているのか⋯
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