《書籍化》転生初日に妖精さんと双子のドラゴンと家族になりました

ひより のどか

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510 本題?

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「おばあちゃ~ん、おいちゃ~ん」ぐすっ

『どうした?サーヤ』
『あらあらまあまあ、なんでそんな泣きそうな顔してるのかしら?』

なぜかサーヤが泣きそうな顔をしている。おいちゃんがサーヤを抱っこして胡座をかくと、おばあちゃんがおいちゃんの膝によじ登ってサーヤの頭をなでなでする。

『なんだ?怖い夢でも見たか?』
『サーヤ、どうしたの?』
さっきまで何ともなかったのに、何があったのか?

「あいなしゃまちょ、にゃーにゃにゃん、にゃいちぇりゅ」ぐずっ

『ん?』
『え?』
アイナ様とニャーニャが泣いてる?

「あいなしゃまちょ、にゃーにゃにゃん、かにゃちいちてりゅ」ひっく

『アイナ様とニャーニャが』
『悲しいしてる?』
どういうことだ?と、首を捻るおいちゃんとおばあちゃん。何せ今ここにアイナ様とニャーニャはいないのだ。

「おいちいにょ、ちゅくりゅ」ぐすっ

『んん?おいしいの?』
『アイナ様とニャーニャちゃんが喜ぶお料理を作るってことかしら?』
今度はおいしいもの?サーヤの突飛な発言で更に困惑するおいちゃんとおばあちゃん。

「あい。おいち、げんきでりゅ」ぐすぐす

サーヤはなんだか分からないけど、アイナ様とニャーニャが悲しんでる気がするから、元気づけるためにおいしい何かを作りたいと言いたいらしい。

『分かったわ。アイナ様とニャーニャちゃんのために美味しいもの作りましょう』
『そうだな。二人ともお菓子が好きだからな。なんか作るか』

なんでそう思ったのかは分からないが、可愛いサーヤが誰かのために喜んでもらいたいと言ってることに、反対する理由はない。

「あい!」にこっ

こうしてアイナ様とニャーニャの知らないところで『アイナ様とニャーニャにゃんを励ます会』の開催が決定された。

「あっ、でみょ~」

『『でも?』』

「むすびはしゃまには、あげちゃ、めっ!にゃ、きがしゅりゅ?」う~ん?

サーヤ自身なんでそう思うのかはさっぱり分からないという感じだが

『あ~』
『なるほどねぇ』
何かを察したおいちゃんとおばあちゃんでした。そして⋯


『ま、まあ、なんだ。ついアイナ様とニャーニャの昔話をしちまったが』
『俺たちに聞きたいことがあるんだろ?』
『何を聞きたいんだ?お宝のことか?』
ドワーフさんたちがすっかり本題からズレてしまった話題を戻す。なんか、最後違う気がするけど⋯
とにかく、話題を変えないと部屋の中が

『『うううぅ』』しくしくしく⋯

〖苦労したのですね⋯〗くっ
『モモ、スイ⋯』ううっ

鬱陶し⋯湿っぽ⋯重苦しくて仕方ない。

『ああ、そうでしたわね』ぐすっ
『ごめんにゃ』ぐすっ
〖アイナたちが謝ることはありませんよ〗
『ああ。話を聞きたがったのは我らだしな』
『そうですか?なんだかお耳汚しを⋯』
『ごめんにゃ』
アイナ様とニャーニャは悪くない、気にするなと言うエル様とアルコン様に、ジーンと感動していると

〖おかげで結葉とは、じっくりと、話さなければならないことがわかりましたしね〗フフフ
『そうだ。我が子らの未来を守るためにも、話し合いは必要だな。バートもいれば尚良いがな』クク

『え?』
『にゃ?』
な、何か不穏な言葉が⋯そして、お名前が⋯

〖ああ。それは名案ですね。是非呼びましょう。バートも喜ぶでしょう〗フフフフ
『それはありがたい』ククク

『あわわわ』
き、気のせいではなかったですわ!ニャーニャどうしましょう!?
『にゃにゃにゃにゃ』
ど、どうすると言われても、どうにもならないにゃ!?

『な、なんだ?』
『どうした?』
『な、なんかあそこだけ』
『『『黒いぞ?』』』
ドワーフさんたち!?そんなことを不用意に言っちゃっ

『『しっ!(にゃ)』』
『ダメですわ!』こそっ
『静かににゃ!』こそと
命が惜しければ空気になるしかない(にゃ)ですわ!
『『『お、おう』』』こそっ
す、すまねぇ。

〖フフフフフフ〗
『クククククク』
もう誰にも止められない⋯


『ど、どうしましょう?』
『と、とりあえず、話を戻すにゃ』
『そ、そうですわね。あの、ドワーフさん達にお聞きしたいことと言うのはですわね』
『里の外の森に行った時のことなのにゃ』
アイナ様とニャーニャは無理やり話を戻した!

『お、おう?』
『里の外に行った時?』
『なんの事だ?』
ドワーフさんたちは忘れているようだ。

『親方たちにお聞きしましたの。以前、里の外の森に行かれた時、何かを感じて中々里に戻ることが出来なかったとか』
『その時のことを聞かせて欲しいのにゃ』
真剣な様子で聞いてくるアイナ様とニャーニャに、記憶を辿るドワーフさんたち

『あっあれか!』
『ああ、あったな』
『なんか禍々しい気配の時か!』
やっと思い出してくれたドワーフさんたち。

『そうですわ。その時のことを詳しくお聞きしたいのですわ』
『お願いにゃ』

〖そうですね〗ぬっ
『できる限り詳しく』ぬっ

『『『うおっ!?』』』
い、いつの間に?

まるで初めから会話に加わっていたかのように入ってきたエル様とアルコン様に、驚くドワーフさんたち。

『良かったですわね。無事にお話聞けそうですわ』
『そうにゃね』
ちょっとやそっとじゃ動じなくなったアイナ様とニャーニャ。慣れって怖い⋯

『えーと、あの時のことだよな。あの時は、たまには森の外の見回りもしないとなと思ってよ。ついでに厄介な魔獣とかいたら間引くつもりでよ、割としっかり準備して出かけたんだよ。な?』
『そうだな。それで里の外の領域を出たあたりからよ、なんか空気が重いっつうか、まとわりつくっつうか、とにかく嫌な感じが里から離れるほど強くなってよ』
『そうそう。普段なら薬草とか採取しつつ、食えそうな肉とか調達するんだがよ、なんか、嫌な感じするんだよ。禍々しいって言うかな?口にしちゃいけねぇ感じがしてな』

だいたい親方から聞いた通りの話だった。

『でもよ、なんか魔物もいつもより気が立ってるっつうか、凶暴っつうかな、向こうからやって来るんだよ。普段なら自分から逃げるような弱い魔物すらな』
『だもんだからよ、仕方ないから俺らも倒すしかないんだけどよ、こんな訳分からない状態のもん、里に持ち帰るのも嫌でな。倒したら焼いて土に埋めてきたんだよ』
『あっ、一応な、清めの塩まいて、なんとなくやらなきゃいけない気がしてな?クリーンの魔法をかけて移動してたんだよ。光魔法の浄化は出来ねぇから気分的なもんだけどな。聖水でもあったら良かったんだろうけどな、さすがに』

〖通常は持ち歩きませんね〗

『『『そうなんだよ』』』

ドワーフさんたちの話に、実は少々驚きつつ、感心していたエル様。

〖もしかしたらあなた方の内の誰か、聖魔法の素質があるのかもしれませんね。いえ、もしかしたら三人とも何かしら⋯〗ふむ
『そうだな。正直、驚いた』
『ええ。私もですわ』
『第六感みたいなものかにゃ?』
エル様だけでなく、アルコン様やアイナ様とニャーニャも驚いていた。

浄化の必要性を感じて、かなわないまでも塩で清めてクリーンをかけたというのだ。普通なら逃げ帰るところだろうが、三人ともそうはしなかったのだ。

『『『え?』』』
エル様たちからの思いがけない言葉に驚くドワーフさんたち。

『そもそも見回りを思い立ったのも第六感か何かかもしれないにゃよ』
『そうですわね。これから起こる危険を、無意識に回避したのかも知れませんわね。危険察知でしょうか?予知⋯ではないですわよね?』
『予知はかなり稀な能力だ。それはないのではないか?』
〖そうですね。しかし、私は聖魔法や光魔法の可能性が気になります。開花すればこんな心強いことはありません〗

こんな感じで話をしていると

『ちょ、ちょっと待ってくれ』
『それは俺たちのことか?』
『他の誰かではなく?』
ドワーフさんたちはこれ以上、手に負えない会話になる前に必死で話を止めるが

『間違いなくお前たちのことだな』
『そうですわね。そうですわ!これから実際に森に行きましょう!』
『それいいにゃね。あっ、でも、周りはもう浄化してきちゃったにゃよ』
〖大丈夫ですよ。実際に魔物を埋めた所など案内してもらいましょう。それに、森の様子を直に見てもらって、前回との違いを教えてもらうだけでも価値があります〗

話しは無情にも、どんどん進められていく。

『『『あ、あのよ?』』』
果敢にも声をかけるが

〖そうと決まれば早速行きましょう。さあ行きますよ〗
『『『え?えええ?』』』
ドワーフさんたちに、逆らう術はない。
ズルズルと見た目に反して力持ちなエル様に引きずられていく。

『まあ、エル様はサーヤちゃんの言うところの細マッチョという方なのでしょうか?』
『そうにゃね。細マッチョのイケメンって奴にゃね。エル様、サーヤちゃんの前で親方と腕相撲でも披露したらいいにゃ』
『そうですわね。きっと可愛らしいお目目をキラキラさせて、すごいすごいって喜んでくれますわね』
〖それはいいですね。アルコン、相手はあなたでもいいですよ〗
『ふむ。そうだな。モモとスイにいい所を見せねばな』
〖フフフ、そうはいきませんよ。勝つのは私です〗
『ドラゴンである我に勝つと?おもしろい。ククク』
悪いお顔で笑うエル様とアルコン様。引きずられるままのドワーフさんたちはいつの間にやら城の上に

『あ、あのよ』
『森へ行くんだよな?』
『なんでここに?』
『『『ま、まさか⋯』』』
これから起こることを察して逃げようとするドワーフたち

『往生際が悪いな』
サーッと光が差し、目の前にアルコン様がドラゴンの姿に。その圧巻の姿に腰を抜かすドワーフさんたちをアルコン様が襟首を咥えてまとめてポイッ
背中に乗せると、

『では、行くぞ』
エル様とアイナ様とニャーニャも背中に乗ったのを確認して、羽ばたきひとつ⋯あっという間に空の上

『『『あわわわわわわ⋯』』』ふぅ⋯バタンッ
哀れドワーフさんたちは

『あっ、気絶したにゃ』ツンツンツン
『あら、本当ですわね』ツンツンツンツン
〖おやおや、情けないですね〗フフフ
『そんなに恐ろしいか?』

まあ、普通の人だったら強制的な空の旅は恐怖だよね⋯
かわいそうなドワーフさん達なのでした。

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