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連載
ある日の七夕日記’2022 番外編
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ドワーフさんたちの工房近く、新たに作られた工房の中。
仁王立ちであるものを睨みつける男と幼女と編みぐるみ。
あまりに真剣なその姿に、固唾を飲んで、いつでも手伝えるように構えるウサギさんと、豹さん。
そして、その姿を呆れたように見つめるドワーフさんたち···
『手順は頭に入ってる。必要な道具も親方たちのおかげで揃った』
日本手ぬぐいで頭をきゅっと絞め、更に最近作りはじめた藍染の前掛けをギュッと絞め、仁王立ちのおいちゃん。
「こみゅぎこ、ちおみじゅ、こうきゅーごまあぶりゃ、おっけーでしゅ」
この日のために良質の小麦と胡麻の種を何種類も用意させられたサーヤ。真っ白な割烹着と三角巾をきっちりと着せてもらった。山桜桃ちゃんに。
『あらあらまあまあ、あとは、この難しい工程をきちんとこなせるかね』
『ゲンと凛の経験と、サーヤの異世界辞書頼み。職人技なのに。ぷっ』
不安そうな口ぶりとは対照的に、なぜか自信満々な感じのおばあちゃんと、みあ。やはりサーヤとお揃いの割烹着に身を包んでいる。
『ごくっ。ゲンさんたちから並々ならぬ気合いを感じます』
『ごくっ。これから作るものはそんなに凄いものなのでしょうか』
『『緊張します』』ごくっ
おいちゃんたちの気迫に毒された山桜桃ちゃんと、春陽くん。
『いやいや、そんな世界平和がかかってる!みたいな雰囲気で作るもんじゃねえだろ?』
『サーヤは普通に食べるなら、うどんの方が好きって言ってたぞ』
『ただ、この麺じゃなきゃ出来ないことがある!って力説してたけどな』
『『『竹まで育ててな』』』
『でもさ、すごい職人技なんだろ』
『何十年も修行して身につける伝統技術らしいね』
『ゲンと凛は一度『体験つあー』とかいうのに参加しただけなんだろ?』
『『『大丈夫かね?』』』
そう。今から作ろうとしているもの。それは···
『七夕と言えば、そうめん!』
『夏の風物詩と言えば、そうめん!』
『そうめんといえば!』
「にゃがちしょーめん!」ババン!
そう、今から作ろうとしてるのは手延べそうめん!数々の工程を経て作り上げる伝統技術!完成すれば保存食にもなり、しかも寝かせれば寝かすほど美味さが増す!
地方によって作り方が違えば、特徴も変わる!それもまた醍醐味!
だが、サーヤが楽しみにしてるのは、みんなで食べる流しそうめん!
サーヤは流れてくるそうめんを捕まえるために、おいちゃんにサーヤ専用そうめん用お箸を作ってもらい、お箸の特訓までしたのだ!
もちろん流しそうめん用に、太い竹まで育てた!おいちゃんとドワーフさんたちにより、綿密に計算された流しそうめん台も作られ、あとは設置するのみ!
『さあ、まずは、生地からだな。これは力仕事だ』
『んじゃ、おれたちの仕事だな』
『任せな』
『大量に必要そうだしな』
『私らだって』
『負けちゃいられないね』
『サーヤちゃんたちは下がってな』
おいちゃんと、親方たちがこれから粉をこねるみたいです。
「あ、あい」
あ、あれ?おかしいな?なんか、戦闘モード?
『あらあらまあまあ、なんやかんや、やる気よね?』
『ぷっ。単純』
みあちゃん?失礼ですよ。
『サーヤちゃん、私たちはこねあがった物を踏む係だそうです』
『サーヤちゃん用の足袋も絹さんからお預かりしてます。履いて準備しましょう』
「あい!」
おうどん作りみたいだね!ふみふみがんばるよ!
『あらあらまあまあ、サーヤと私たちが踏んで意味があるかは疑問だけどね』
『軽くてか弱い』
『ははっ、サーヤはともかく、凛さんとみあがか弱いかは疑問だ···』バキィッ『ぐはっ』ミシッ
『あらあらまあまあ、ゲンさんたら、どうしたのかしらね?』
『勝手に飛んでった。ぷっ』
「あわわ」
『サーヤちゃん、見ちゃダメです』
『さあ、反対の足も履きましょう』
「あ、あい」
最近、山桜桃ちゃんと春陽くんのスルースキルがすごいです。
『ゲンは懲りないね』
『わざとなんじゃないかと思うよね』
『凛さんの飛び蹴りも鋭さが増してるよね』
おかみさんたち、おいちゃんはね、本気の
「じゃんねんしゃん」
『そうだな』
『ありゃ、マジもんの』
『残念な奴だな』
そうなんだよ。さすが、親方たち。まさか、お仲間?
『『『断じて違う!』』』
『『『どうだかね~』』』
『いてて···と、とにかく捏ねるぞ』
「おーっ」
『サーヤちゃんは、これからのために少しお休みです』
『はい。いつものレンゲ女王様のはちみつレモン水ですよ』
「あい」くぴくぴ
「おいち」
『『良かったです』』にこ
『あらあらまあまあ、山桜桃ちゃんと春陽君は、サーヤの扱いスキルもバッチリね』
『サーヤ使い』
なんですか?おばあちゃん。
『ほい。よろしくな!どんどん行くぞ』
『あらあらまあまあ?もうなの?二十分くらいかかるはずなのに?』
『だって、ほら、職人集団だからな』くいくいっ
おいちゃんが、くいくいって、親方たちを見てみろってするから、見てみたら
『ほっ、よっ』
『うりゃあ』
『気持ちいいなこれ』
『そうだね。こっちはあんたらとゲンに任せようかね』
『そうだね、私らかなり速いみたいだからね』
『凛さんとこ手伝って覚えようかね』
バタンバタンっぎゅっぎゅっ
「ふお~」
『『すごい』』
『あらあらまあまあ、手元が見えないわね』
『規格外』
捏ねる手元がばばばばって、見えません。
『な?』
「あい」
お仕事のお時間です。
「おいっちにおいっちに」
『いっちにいっちに』
おばあちゃんと、向かい合わせにおててつないで、生地をふみふみ。
『サーヤがんばる』
「あい」
みあちゃんは、サーヤの頭の上で監督です。
『サーヤちゃん』きゅっきゅっ
『頑張ってください』きゅっきゅっ
「あい」
頑張ります。
山桜桃ちゃんと春陽君は一人ずつで踏んでます。それと
『紅、交代だよ』
『あいよ』
おかみさんたちは、生地を持って来るタイミングで、一人ずつこっちに交代で来てます。
『この感触気持ちいいね』
『うどんでもやるけど、いいよね、これ』
おかみさんたち気に入ったみたいです。たしかにむにむに感気持ちいいよね。
そして、
生地を寝かせて、地域でこの辺りはやり方が違うらしいんだけど、切り出して、渦上によって伸ばして、寝かして、伸ばしてを、繰り返して、その時にごま油を使うんだって。それから、長いお箸みたいのを使って、最後のすだれみたいに伸ばすんだけど、ここで一番活躍したのが
『あらあらまあまあ、そーれ』ぴょんっ・みょーん
『そーれ』しゅぱっ・みょーん
『そーれ』ぴょんっ・みょーん
『そーれ』しゅぱっ・みょーん
「ふお~」
おばあちゃんと、みあちゃん···
『体重か?体重がちょうどいいのか?』
『凛さん、よく分からないけどすごいです』
『はい。なんか、ゲンさんとやり方違うはずなのに』
『よく伸びるね~』
『みあの箸を入れるタイミングもね』
『なんだろね?ありゃ』
『曲芸か?』
『ジャンプして、つかまって、落ちてくるだけ···だよな?』
『その間にみあが素早く箸差し込んで広げてるな』
おばあちゃんと、みあちゃん、不思議生物に見えます。
『いや、そもそも不思議生物だろ?編みぐるみだぞ』
たしかに~。
『まあ、なんだ、おれらは地道にやるか』
『そうだな』
『うん』
『『『やろうやろう』』』
『『はい』』
親方たちは現実を受けいれたのか、はたまた逃避したのか···
『サーヤはそこで休んでていいからな。ほれ、麦茶とサーヤの好物だぞ』
「ふお~だぢゃちゃまめ~」じゅるり
「いちゃぢゃきましゅ」ぽぽぽっ
「おいち」もっきゅもっきゅ
麦茶とだだちゃ豆、最強です。
ちろっ
『そーれ』ぴょんっ・みょーん
『そーれ』しゅぱっ・みょーん
『そーれ』ぴょんっ・みょーん
『そーれ』しゅぱっ・みょーん
うん。気にしちゃいけないやつです。
そして、数日後。
そうめんの乾燥も終わり、綺麗に切りそろえられ
いつもの泉のほとり、精霊樹の下。七夕の笹も、しっかりと短冊つけられて、サラサラ。
「にゃがちしょーめんっ!やりゅよーっ」
どんどんどんぱふぱふっ
おいちゃんに太鼓と、ぱふぱふ鳴るの作ってもらいました。
おいちゃんとドワーフさんたちが作ってくれた、大人用と子供用の台がそれぞれ二台ずつ。ちゃんと、別れてます。
『だってな、一緒にしたらお前···はね飛ばされるぞ』
はね飛ばされる?
〖それは私が狙ってたのよ!〗しゅばば
〖早い者勝ちですよ〗しゅばば
うん。飛ばされるかも···
そんなことを考えてると
『サーヤ~』
ぴゅいきゅい『『ながちしょーめん?』』
『『なに~?』』
『『『あそぶの~?』』』
みゃあ『これ、なんにゃ?』
『竹で出来てるのだ?』
みんなが来ました。
「みんにゃ~。たのちいけぢょ、たべりゅにょ」にこにこ、ぱふぱふー
『山桜桃ちゃんと春陽くんも、知ってるっぽいのに教えてくれないのよね』
『そうなんだよ。楽しみにしてくださいって、ニコニコするだけなんだよ』
フゥとクゥがブーブー言ってるけど
「もうじき、わかりゅ」にぱっ
楽しいよ!
『さーやちゃん、お言葉に甘えて父ちゃんたちも連れてきただ』
『みんなで来ただよ』
『ありがとなんだな』
「ぽぽちゃんちゃちも、いらっちゃい♪」
待ってたよ!
『よく来たな。流しそうめん出来るのは、ぽぽたちが育ててくれた物のおかげだからな。沢山食べてくれよ』
おいちゃんも、
『あ、ありがとなんだな』
ぽぽちゃんのパパさんたちも、もふもふです。
今日はちゃんと、おナスとか、インゲンとかも流すからね!
トッピング出来るように、トマトとか、オクラとか、枝豆とか、鶏肉蒸したのとかも用意してあるよ!
〖うふふ、楽しみね~〗
〖お母様、この竹、お水流れてますよ〗
〖長い台ですね。おや?向こうの端にいるのは〗
『トレちゃんと、ゴラちゃんたちねぇ』
『キャラちゃんたちもいらっしゃいますわね』
『何する気かにゃ?』
『あら、山桜桃ちゃんと春陽くんたちが来ましわよ』
大人たちも揃ってきました。
『皆様、お待たせしました』
『これより、流しそうめんを始めます』
『麺つゆの入りました器と、お箸をお渡ししますので、大人はこちらに』
『サーヤちゃんたちと、ぽぽちゃんたちはこちらに』
『竹の脇に立ってお待ちください』
『トレちゃんとゴラちゃんたちが、そうめんを流してくれますので』
わさわさ
トレちゃんたちがお手手振ってくれてます
『流れてくる、そうめんなどをお箸ですくい取ってお食べ下さい』
『くれぐれも平和的に仲良く、お楽しみください』
『そうでないと、ずっとこの日を楽しみに』
『楽しみに待っていたサーヤちゃんが』
『『泣いてしまいます』』
「うにゅ?」
サーヤ?とりあえず
「ふえ~んえんえん」
泣き真似しておきます
〖いや~ん♪見事な嘘泣きだけど、かわいいわ~♪〗
『『ぐふっ』』つ~
『にゅふっ』つ~
『ちょっとぉ?アイナたち大丈夫ぅ?』
安定のジーニ様とアイナ様たち···
『あらあらまあまあ、サーヤったら、やるわね』
「うにゅ?」
何が?
『くくっ、まあ、いつまでもつか分からないけどな、牽制にはなるだろ』
けんせい?
〖うぐっ、まあ、サーヤのためだもの〗
〖そうですね。平和に行きましょう〗
〖お母様、医神、本当に大丈夫でしょうね?〗
なるほど~
『それでは、始めます』
『トレちゃんたち、お願いします』
「わ~♪」どんどんどんぱふぱふ♪
始まった~
わさわさ『『いくよ~』』
と、トレちゃんとゴラちゃんたちが次々に流してくれます。
『うわぁ~流れてきた~えいっ』すかっ『あれ~?』
ぴゅいきゅい『『えいっ』』すかっ『『あれ~?』』
人化したハクと、モモとスイが失敗して、サーヤのところに流れてきました!
んん~っ
「えいっ」すちゃっ
「とれちゃ~」ずずずっ
「おいち」ちゅるんっ
練習の成果が出ました!
『半分流れてったけどな』
なんですか?おいちゃん。ちゅるんっ
『『なるほど~』』
『『『そうやるんだね』』』
みゃあ『がんばるにゃっ』
『よし来い!なのだ!』
サーヤが一度成功するのを見たら、みんなもやり方がわかったらしくて、だんだん
『あっ取れたよ~』ちゅるん
ぴゅいきゅい『『えいっとれた~』』ちゅるんっ
『『やった~』』ちゅるんっ
『『『えいっせいこう~』』』ちゅるんっ
みゃあ『あっ、はんぶんとれたにゃ!』ちゅるんっ
『残りの半分は姫がとったのだ!』ちゅるんっ
『『『『『おいし~♪』』』』』
『『『『『たのし~♪』』』』』
そうでしょう♪
きゅるるんっ『『『みてみて~』』』
きゅるるんっ『『『『とれたよ~』』』』
『うわあっ子グモさんたち』
『頭いいんだな!』
『ひっかかってるだ!』
ぽぽちゃんたちが驚いてる方を見てみると
「ふえ?」
『おお~』
ぴゅいきゅい『『くものす?』』
そうなのです。
竹の台の終点から、下に準備してあるタライに流れ落ちる所に、子グモさんたちが糸でネットを作ってそこに引っかかった、そうめんを食べてます。
『『あっスライムさんたち』』
そして、タライの中では
ぷるるん『『あ~ん』』ちゅるんっ
と、子グモさんの糸に引っかからなかったそうめんを食べてました。
ぷるるん『『美味しい』』
ちゃんと器とお箸持ってプカプカしてます。
『『『おお~』』』
みゃあ『いっぽんもないにゃ』
『完ぺきなのだ』
無駄がありません。
そう言えば大人たちは?
『サーヤちゃん、世の中には見ちゃいけないものがあるんです』にこ
『ちびっ子さんたちもですよ。こちらは楽しく平和に食べましょう』にこ
「あ、あい」
山桜桃ちゃんと春陽くんの笑顔が最近おばあちゃんに似てきた?
『あらあらまあまあ、偉いわ。二人とも』
『『光栄です』』
大変だ!仕込まれてる~
そして、
〖医神!見たわよ!転移はなしよ!正々堂々と戦いなさい!〗
〖なんの事です?私は普通に箸で取ってますが?〗
〖何が普通よ!〗
〖お二人共、もう少し大人しく食べてください。あっ!結葉!また私の器から盗みましたね!〗
『ええ?なんのことぉ?』ちゅるんっ
『お母様、浅ましいですわ』
『ご自分でお取りなさいませ』
『でも、難しいにゃ』すかっ
『うんうん。さすが俺らだな』ひょいっズズっ
『なかなか美味いな』ひょいっちゅるっ
『今度、これ用の箸でも作ってやるか?』ひょいっバクっ
『あんたら、このゴマだれの汁もいけるよ』ずずずっ
『この野菜とか鶏肉とかもいいね』ぱくぱく
『色々楽しめるね』ばくっ
『すげぇ、親方たちまた手が見えねぇ』
『トレたちの動きもなかなかだな』
『ええ。負けずと高速ですね』
おいちゃんと、アルコン様とギン様はなぜか子供用にいます。
『ん?こっちの方がのんびり出来るだろ?』
『子らの懸命な姿も見られるしな』
『そうですね。それにしても、肉も欲しいところですね』
『ん?鶏肉ならあるぞ』
『ふむ。いただくか』
『ほっほ。小僧も昔なら迷わずあちらだったろうにの』
『ほっほ。ほんに大人になったのぉ』
『『ほっほ』』
『黙れじじいども』
「あおばちゃんたちも、おいち?」
『はい。これ、ワカメですよね?』
『こんなサラダみたいな食べ方もあるんだね』
『おいしいよ』
『うん。それに楽しい』
「よかっちゃ」にこっ
みんなでワイワイ楽しくて美味しいと幸せだね!
またやろうね!
仁王立ちであるものを睨みつける男と幼女と編みぐるみ。
あまりに真剣なその姿に、固唾を飲んで、いつでも手伝えるように構えるウサギさんと、豹さん。
そして、その姿を呆れたように見つめるドワーフさんたち···
『手順は頭に入ってる。必要な道具も親方たちのおかげで揃った』
日本手ぬぐいで頭をきゅっと絞め、更に最近作りはじめた藍染の前掛けをギュッと絞め、仁王立ちのおいちゃん。
「こみゅぎこ、ちおみじゅ、こうきゅーごまあぶりゃ、おっけーでしゅ」
この日のために良質の小麦と胡麻の種を何種類も用意させられたサーヤ。真っ白な割烹着と三角巾をきっちりと着せてもらった。山桜桃ちゃんに。
『あらあらまあまあ、あとは、この難しい工程をきちんとこなせるかね』
『ゲンと凛の経験と、サーヤの異世界辞書頼み。職人技なのに。ぷっ』
不安そうな口ぶりとは対照的に、なぜか自信満々な感じのおばあちゃんと、みあ。やはりサーヤとお揃いの割烹着に身を包んでいる。
『ごくっ。ゲンさんたちから並々ならぬ気合いを感じます』
『ごくっ。これから作るものはそんなに凄いものなのでしょうか』
『『緊張します』』ごくっ
おいちゃんたちの気迫に毒された山桜桃ちゃんと、春陽くん。
『いやいや、そんな世界平和がかかってる!みたいな雰囲気で作るもんじゃねえだろ?』
『サーヤは普通に食べるなら、うどんの方が好きって言ってたぞ』
『ただ、この麺じゃなきゃ出来ないことがある!って力説してたけどな』
『『『竹まで育ててな』』』
『でもさ、すごい職人技なんだろ』
『何十年も修行して身につける伝統技術らしいね』
『ゲンと凛は一度『体験つあー』とかいうのに参加しただけなんだろ?』
『『『大丈夫かね?』』』
そう。今から作ろうとしているもの。それは···
『七夕と言えば、そうめん!』
『夏の風物詩と言えば、そうめん!』
『そうめんといえば!』
「にゃがちしょーめん!」ババン!
そう、今から作ろうとしてるのは手延べそうめん!数々の工程を経て作り上げる伝統技術!完成すれば保存食にもなり、しかも寝かせれば寝かすほど美味さが増す!
地方によって作り方が違えば、特徴も変わる!それもまた醍醐味!
だが、サーヤが楽しみにしてるのは、みんなで食べる流しそうめん!
サーヤは流れてくるそうめんを捕まえるために、おいちゃんにサーヤ専用そうめん用お箸を作ってもらい、お箸の特訓までしたのだ!
もちろん流しそうめん用に、太い竹まで育てた!おいちゃんとドワーフさんたちにより、綿密に計算された流しそうめん台も作られ、あとは設置するのみ!
『さあ、まずは、生地からだな。これは力仕事だ』
『んじゃ、おれたちの仕事だな』
『任せな』
『大量に必要そうだしな』
『私らだって』
『負けちゃいられないね』
『サーヤちゃんたちは下がってな』
おいちゃんと、親方たちがこれから粉をこねるみたいです。
「あ、あい」
あ、あれ?おかしいな?なんか、戦闘モード?
『あらあらまあまあ、なんやかんや、やる気よね?』
『ぷっ。単純』
みあちゃん?失礼ですよ。
『サーヤちゃん、私たちはこねあがった物を踏む係だそうです』
『サーヤちゃん用の足袋も絹さんからお預かりしてます。履いて準備しましょう』
「あい!」
おうどん作りみたいだね!ふみふみがんばるよ!
『あらあらまあまあ、サーヤと私たちが踏んで意味があるかは疑問だけどね』
『軽くてか弱い』
『ははっ、サーヤはともかく、凛さんとみあがか弱いかは疑問だ···』バキィッ『ぐはっ』ミシッ
『あらあらまあまあ、ゲンさんたら、どうしたのかしらね?』
『勝手に飛んでった。ぷっ』
「あわわ」
『サーヤちゃん、見ちゃダメです』
『さあ、反対の足も履きましょう』
「あ、あい」
最近、山桜桃ちゃんと春陽くんのスルースキルがすごいです。
『ゲンは懲りないね』
『わざとなんじゃないかと思うよね』
『凛さんの飛び蹴りも鋭さが増してるよね』
おかみさんたち、おいちゃんはね、本気の
「じゃんねんしゃん」
『そうだな』
『ありゃ、マジもんの』
『残念な奴だな』
そうなんだよ。さすが、親方たち。まさか、お仲間?
『『『断じて違う!』』』
『『『どうだかね~』』』
『いてて···と、とにかく捏ねるぞ』
「おーっ」
『サーヤちゃんは、これからのために少しお休みです』
『はい。いつものレンゲ女王様のはちみつレモン水ですよ』
「あい」くぴくぴ
「おいち」
『『良かったです』』にこ
『あらあらまあまあ、山桜桃ちゃんと春陽君は、サーヤの扱いスキルもバッチリね』
『サーヤ使い』
なんですか?おばあちゃん。
『ほい。よろしくな!どんどん行くぞ』
『あらあらまあまあ?もうなの?二十分くらいかかるはずなのに?』
『だって、ほら、職人集団だからな』くいくいっ
おいちゃんが、くいくいって、親方たちを見てみろってするから、見てみたら
『ほっ、よっ』
『うりゃあ』
『気持ちいいなこれ』
『そうだね。こっちはあんたらとゲンに任せようかね』
『そうだね、私らかなり速いみたいだからね』
『凛さんとこ手伝って覚えようかね』
バタンバタンっぎゅっぎゅっ
「ふお~」
『『すごい』』
『あらあらまあまあ、手元が見えないわね』
『規格外』
捏ねる手元がばばばばって、見えません。
『な?』
「あい」
お仕事のお時間です。
「おいっちにおいっちに」
『いっちにいっちに』
おばあちゃんと、向かい合わせにおててつないで、生地をふみふみ。
『サーヤがんばる』
「あい」
みあちゃんは、サーヤの頭の上で監督です。
『サーヤちゃん』きゅっきゅっ
『頑張ってください』きゅっきゅっ
「あい」
頑張ります。
山桜桃ちゃんと春陽君は一人ずつで踏んでます。それと
『紅、交代だよ』
『あいよ』
おかみさんたちは、生地を持って来るタイミングで、一人ずつこっちに交代で来てます。
『この感触気持ちいいね』
『うどんでもやるけど、いいよね、これ』
おかみさんたち気に入ったみたいです。たしかにむにむに感気持ちいいよね。
そして、
生地を寝かせて、地域でこの辺りはやり方が違うらしいんだけど、切り出して、渦上によって伸ばして、寝かして、伸ばしてを、繰り返して、その時にごま油を使うんだって。それから、長いお箸みたいのを使って、最後のすだれみたいに伸ばすんだけど、ここで一番活躍したのが
『あらあらまあまあ、そーれ』ぴょんっ・みょーん
『そーれ』しゅぱっ・みょーん
『そーれ』ぴょんっ・みょーん
『そーれ』しゅぱっ・みょーん
「ふお~」
おばあちゃんと、みあちゃん···
『体重か?体重がちょうどいいのか?』
『凛さん、よく分からないけどすごいです』
『はい。なんか、ゲンさんとやり方違うはずなのに』
『よく伸びるね~』
『みあの箸を入れるタイミングもね』
『なんだろね?ありゃ』
『曲芸か?』
『ジャンプして、つかまって、落ちてくるだけ···だよな?』
『その間にみあが素早く箸差し込んで広げてるな』
おばあちゃんと、みあちゃん、不思議生物に見えます。
『いや、そもそも不思議生物だろ?編みぐるみだぞ』
たしかに~。
『まあ、なんだ、おれらは地道にやるか』
『そうだな』
『うん』
『『『やろうやろう』』』
『『はい』』
親方たちは現実を受けいれたのか、はたまた逃避したのか···
『サーヤはそこで休んでていいからな。ほれ、麦茶とサーヤの好物だぞ』
「ふお~だぢゃちゃまめ~」じゅるり
「いちゃぢゃきましゅ」ぽぽぽっ
「おいち」もっきゅもっきゅ
麦茶とだだちゃ豆、最強です。
ちろっ
『そーれ』ぴょんっ・みょーん
『そーれ』しゅぱっ・みょーん
『そーれ』ぴょんっ・みょーん
『そーれ』しゅぱっ・みょーん
うん。気にしちゃいけないやつです。
そして、数日後。
そうめんの乾燥も終わり、綺麗に切りそろえられ
いつもの泉のほとり、精霊樹の下。七夕の笹も、しっかりと短冊つけられて、サラサラ。
「にゃがちしょーめんっ!やりゅよーっ」
どんどんどんぱふぱふっ
おいちゃんに太鼓と、ぱふぱふ鳴るの作ってもらいました。
おいちゃんとドワーフさんたちが作ってくれた、大人用と子供用の台がそれぞれ二台ずつ。ちゃんと、別れてます。
『だってな、一緒にしたらお前···はね飛ばされるぞ』
はね飛ばされる?
〖それは私が狙ってたのよ!〗しゅばば
〖早い者勝ちですよ〗しゅばば
うん。飛ばされるかも···
そんなことを考えてると
『サーヤ~』
ぴゅいきゅい『『ながちしょーめん?』』
『『なに~?』』
『『『あそぶの~?』』』
みゃあ『これ、なんにゃ?』
『竹で出来てるのだ?』
みんなが来ました。
「みんにゃ~。たのちいけぢょ、たべりゅにょ」にこにこ、ぱふぱふー
『山桜桃ちゃんと春陽くんも、知ってるっぽいのに教えてくれないのよね』
『そうなんだよ。楽しみにしてくださいって、ニコニコするだけなんだよ』
フゥとクゥがブーブー言ってるけど
「もうじき、わかりゅ」にぱっ
楽しいよ!
『さーやちゃん、お言葉に甘えて父ちゃんたちも連れてきただ』
『みんなで来ただよ』
『ありがとなんだな』
「ぽぽちゃんちゃちも、いらっちゃい♪」
待ってたよ!
『よく来たな。流しそうめん出来るのは、ぽぽたちが育ててくれた物のおかげだからな。沢山食べてくれよ』
おいちゃんも、
『あ、ありがとなんだな』
ぽぽちゃんのパパさんたちも、もふもふです。
今日はちゃんと、おナスとか、インゲンとかも流すからね!
トッピング出来るように、トマトとか、オクラとか、枝豆とか、鶏肉蒸したのとかも用意してあるよ!
〖うふふ、楽しみね~〗
〖お母様、この竹、お水流れてますよ〗
〖長い台ですね。おや?向こうの端にいるのは〗
『トレちゃんと、ゴラちゃんたちねぇ』
『キャラちゃんたちもいらっしゃいますわね』
『何する気かにゃ?』
『あら、山桜桃ちゃんと春陽くんたちが来ましわよ』
大人たちも揃ってきました。
『皆様、お待たせしました』
『これより、流しそうめんを始めます』
『麺つゆの入りました器と、お箸をお渡ししますので、大人はこちらに』
『サーヤちゃんたちと、ぽぽちゃんたちはこちらに』
『竹の脇に立ってお待ちください』
『トレちゃんとゴラちゃんたちが、そうめんを流してくれますので』
わさわさ
トレちゃんたちがお手手振ってくれてます
『流れてくる、そうめんなどをお箸ですくい取ってお食べ下さい』
『くれぐれも平和的に仲良く、お楽しみください』
『そうでないと、ずっとこの日を楽しみに』
『楽しみに待っていたサーヤちゃんが』
『『泣いてしまいます』』
「うにゅ?」
サーヤ?とりあえず
「ふえ~んえんえん」
泣き真似しておきます
〖いや~ん♪見事な嘘泣きだけど、かわいいわ~♪〗
『『ぐふっ』』つ~
『にゅふっ』つ~
『ちょっとぉ?アイナたち大丈夫ぅ?』
安定のジーニ様とアイナ様たち···
『あらあらまあまあ、サーヤったら、やるわね』
「うにゅ?」
何が?
『くくっ、まあ、いつまでもつか分からないけどな、牽制にはなるだろ』
けんせい?
〖うぐっ、まあ、サーヤのためだもの〗
〖そうですね。平和に行きましょう〗
〖お母様、医神、本当に大丈夫でしょうね?〗
なるほど~
『それでは、始めます』
『トレちゃんたち、お願いします』
「わ~♪」どんどんどんぱふぱふ♪
始まった~
わさわさ『『いくよ~』』
と、トレちゃんとゴラちゃんたちが次々に流してくれます。
『うわぁ~流れてきた~えいっ』すかっ『あれ~?』
ぴゅいきゅい『『えいっ』』すかっ『『あれ~?』』
人化したハクと、モモとスイが失敗して、サーヤのところに流れてきました!
んん~っ
「えいっ」すちゃっ
「とれちゃ~」ずずずっ
「おいち」ちゅるんっ
練習の成果が出ました!
『半分流れてったけどな』
なんですか?おいちゃん。ちゅるんっ
『『なるほど~』』
『『『そうやるんだね』』』
みゃあ『がんばるにゃっ』
『よし来い!なのだ!』
サーヤが一度成功するのを見たら、みんなもやり方がわかったらしくて、だんだん
『あっ取れたよ~』ちゅるん
ぴゅいきゅい『『えいっとれた~』』ちゅるんっ
『『やった~』』ちゅるんっ
『『『えいっせいこう~』』』ちゅるんっ
みゃあ『あっ、はんぶんとれたにゃ!』ちゅるんっ
『残りの半分は姫がとったのだ!』ちゅるんっ
『『『『『おいし~♪』』』』』
『『『『『たのし~♪』』』』』
そうでしょう♪
きゅるるんっ『『『みてみて~』』』
きゅるるんっ『『『『とれたよ~』』』』
『うわあっ子グモさんたち』
『頭いいんだな!』
『ひっかかってるだ!』
ぽぽちゃんたちが驚いてる方を見てみると
「ふえ?」
『おお~』
ぴゅいきゅい『『くものす?』』
そうなのです。
竹の台の終点から、下に準備してあるタライに流れ落ちる所に、子グモさんたちが糸でネットを作ってそこに引っかかった、そうめんを食べてます。
『『あっスライムさんたち』』
そして、タライの中では
ぷるるん『『あ~ん』』ちゅるんっ
と、子グモさんの糸に引っかからなかったそうめんを食べてました。
ぷるるん『『美味しい』』
ちゃんと器とお箸持ってプカプカしてます。
『『『おお~』』』
みゃあ『いっぽんもないにゃ』
『完ぺきなのだ』
無駄がありません。
そう言えば大人たちは?
『サーヤちゃん、世の中には見ちゃいけないものがあるんです』にこ
『ちびっ子さんたちもですよ。こちらは楽しく平和に食べましょう』にこ
「あ、あい」
山桜桃ちゃんと春陽くんの笑顔が最近おばあちゃんに似てきた?
『あらあらまあまあ、偉いわ。二人とも』
『『光栄です』』
大変だ!仕込まれてる~
そして、
〖医神!見たわよ!転移はなしよ!正々堂々と戦いなさい!〗
〖なんの事です?私は普通に箸で取ってますが?〗
〖何が普通よ!〗
〖お二人共、もう少し大人しく食べてください。あっ!結葉!また私の器から盗みましたね!〗
『ええ?なんのことぉ?』ちゅるんっ
『お母様、浅ましいですわ』
『ご自分でお取りなさいませ』
『でも、難しいにゃ』すかっ
『うんうん。さすが俺らだな』ひょいっズズっ
『なかなか美味いな』ひょいっちゅるっ
『今度、これ用の箸でも作ってやるか?』ひょいっバクっ
『あんたら、このゴマだれの汁もいけるよ』ずずずっ
『この野菜とか鶏肉とかもいいね』ぱくぱく
『色々楽しめるね』ばくっ
『すげぇ、親方たちまた手が見えねぇ』
『トレたちの動きもなかなかだな』
『ええ。負けずと高速ですね』
おいちゃんと、アルコン様とギン様はなぜか子供用にいます。
『ん?こっちの方がのんびり出来るだろ?』
『子らの懸命な姿も見られるしな』
『そうですね。それにしても、肉も欲しいところですね』
『ん?鶏肉ならあるぞ』
『ふむ。いただくか』
『ほっほ。小僧も昔なら迷わずあちらだったろうにの』
『ほっほ。ほんに大人になったのぉ』
『『ほっほ』』
『黙れじじいども』
「あおばちゃんたちも、おいち?」
『はい。これ、ワカメですよね?』
『こんなサラダみたいな食べ方もあるんだね』
『おいしいよ』
『うん。それに楽しい』
「よかっちゃ」にこっ
みんなでワイワイ楽しくて美味しいと幸せだね!
またやろうね!
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