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連載
ある日のおばあちゃんのバレンタイン日記 (本編に絡むよ)
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『う~ん』
聖域でサーヤが「ふぎゃあああ」と、にゃんこがしっぽを踏んずけられたような悲鳴をあげている頃、天界では、だれかの唸り声が⋯
〖り、凛さん?どうしたの?〗
〖な、何だかただならぬオーラが?〗
〖な、悩みがあるのでしたら聞かせていただけませんか?〗
(((周りに被害が出る前に⋯)))
ビクビクしながら声をかけるイル様、ジーニ様、シア様の仲良し家族の三人。
おばあちゃん、そんなに恐れられるなんて、どれだけ暴れてるのかな?
『え?あらあらまあまあ。おほほほほ。いやぁね?大したことじゃないのよ。おほほほほほ』
明らかに、なんでもない笑いではない。おばあちゃん、怪しい⋯
〖あれ?それって、神棚?〗
〖何をするつもりだったのかしら?〗
〖凛さん?〗
そう。おばあちゃんは神棚を前に唸っていたのです。
『あらあらまあまあ、いえね?いつもサーヤたちから、お供えしてもらえるじゃない?』
〖そうだね(お供えというか⋯)〗
〖そうね(あれをお供えというのならだけど⋯)〗
〖聖域から送ってますね(特に凛が自分宛に⋯)〗
〖〖〖それで?〗〗〗
お供えしてもらったものなら、料理でも食材でも届きます。本来なら神様に⋯
『あのね?ずっとサーヤの健康を願って、料理を作ってきた私としては、こちらからもサーヤに料理を届けられたらと思ったのよ。神棚を通して届くなら、こちらからも送れないかしら?と思って』
おばあちゃん、神棚を撫でてます。神棚は天界のおばあちゃんと、聖域のサーヤを繋いでくれている大切なものなのです。
〖あ~なるほど〗
〖気持ちはわかるわ〗
〖そうですわね〗
おいちゃんが持ってきてくれた、おばあちゃんのたくさんのレシピノート、サーヤへの愛情で出来ているのをみんな知ってます。
〖ありがとう。それで送れるのかしら?〗
おばあちゃんが、心配そうに聞くと
〖う~ん、あんまり何回もって言うのはダメだけど、たまにならいいかな?〗
〖そうね。あとは、私たちが下に行く時にまとめて持って行くとか?〗
〖そうですね。凛さんのお料理も美味しいですし〗
神さまたちも、どうにかしてあげたいのです。
『本当に?ありがとうございます』
おばあちゃんも嬉しそうです。
〖そうそう、凛さん。私、不思議に思うことがあるのですけど〗
『あら、なんでしょうか?』
シア様がどうやら本当に不思議に思っていることらしいです。
〖凛さんも、ゲンさんも同じ国で、しかもお隣さんだったのでしょう?〗
『そうですよ』
〖なのに、同じお料理でも味が違うのはなぜでしょう?同じ材料で作っても違うでしょう?しかも、おふたりとも、とてもおいしいのに〗
シア様、すごく不思議そうです。
『あらあらまあまあ、そういうことね。家庭の味と言ってね?そのおうちの味付けがあったりするのよ。例えば、昔はお味噌だって各家庭で作っていたりしたのよ。手前味噌と言ってね?その家に代々伝わる作り方があったりするの。料理もね、私も母から教えられたものがあったりするわ。だから、お隣同士はもちろん、住んでいる土地が違えば更に違う味になるのよ。もちろん、新しいものにも挑戦しますけどね』
おばあちゃんが、説明すると
〖そうなのですね〗
〖へぇ~良いわね。そういうの〗
〖それじゃあ、サーヤにはきっと凛さんの味がわかるね〗にこにこ
イル様が笑顔で言います。
『あらあらまあまあ、そうだと嬉しいわね』
頬を赤くして答えるおばあちゃん。
〖そっかあ。うん、それならなおさら届けないとね〗
〖そうね。サーヤが喜ぶ顔は見たいものね〗
〖はい。どうやって届けるかは、出来上がったものを見てからでもいいのではないですか?〗
神様たちも、おばあちゃんの願いを叶えてあげたいし、サーヤの嬉しい顔も見たいのです。
〖そうだね。凛さん、どうかな?僕たちからもお願いしたいな。サーヤの喜ぶ顔を見たいしね。それに出来れば僕たちも、おこぼれでも頂けたら嬉しいかな〗にっこり
『⋯もちろん!皆さんにも腕をふるわせてもらいますわ!ありがとうございます』
おばあちゃん、深深とお辞儀して、感謝を示してます。イル様は、おばあちゃんが気にしすぎないように、あえて自分たち達にもとお願いしています。おばあちゃんもそれが分かっています。
〖うん。それじゃ、がんばって〗
〖料理長も巻き込みましょ〗
〖あら、お母様?料理長ならきっと自ら飛び込んできますわよ〗
バンッ
『呼んだか!?呼んだよな!』どーんっ
〖ほら〗
〖ほんとね〗
〖ふふふ〗
『皆さん、ありがとうございます』
そんなこんなで⋯
『なあ、凛さん。この黒豆ってやつの汁はどうすんだ?少し減らすか?』
『あらあらまあまあ、ダメよ。黒豆はね、汁にも栄養がたくさんなのよ。そのまま飲んでもいいし、ヨーグルトや、牛乳、豆乳などに混ぜて飲んでもいいのよ』
『へえ。そうなのか』
『そうよ。サーヤが喉が痛くなったら、真っ先に飲ませてたわ。黒豆はサーヤの大好物だから、よく作ってたのよ』
『そうか。そりゃ、無駄にはできないな』
『そうよ』にこにこ
『しかしな、なんか全体的に、黒っぽいものが多くないか?』
テーブルの上にはサーヤの好きな和菓子がたくさん。チョコレートもあるが、それも茶色、黒⋯
『確かにね。でも、市販のお菓子は添加物が多かったから、どうしても、和菓子を手作りすることが多かったのよね』
テーブルの上のお菓子、イル様とジーニ様が張り切って、器に時間停止の魔法を付与してくれたから、冷たいのから温かいものまで作り放題。
白玉に、あんみつに、お汁粉に、お団子色々。大福に、羊羹も水ようかんから芋羊羹まで色々。
鹿の子ちゃんの鹿の子も作った。
大学芋や、かぼちゃと小豆のいとこ煮のような、おかずになりそうなものまである。
ちなみに大福などに使ったお餅は、
〖たしか、ドワーフが作っていた臼と杵とやらは、こんな感じでしたね〗
工芸神様が臼と杵を作り
〖んじゃ、餅つくのは俺に任せろ〗ふんっ
武神がやる気満々。そこへ⋯
『それでは合いの手は私がつとめましょう』
〖〖え?バート?〗〗
『私の手をついたらどうなるか、おわかりですよね?』ひゅお~
〖〖は、はい〗〗
無駄に緊張感たっぷりな餅つきが行われましたとさ。
『う~ん、水まんじゅうはどうしようかしらね?サーヤ、ずっと食べたそうにしてるんだけど、なかなか葛が集まらないみたいなのよね。せっかくがんばって集めてるのに、私が先に作ってしまったらがっかりするかしら?』
『大丈夫じゃねぇか?サーヤなら、ゲンに「おいちゃんもつくって」とか、言うくらいじゃないか?それにサーヤが本当に食べたいのは、凛が作った水まんじゅうなんじゃないか?』
『そうかしら?それじゃあ、とびっきり、ぷるぷるな水まんじゅうを作らないといけないわね』
『その意気だ』
『ありがとう。料理長』
こうして、和菓子が量産され⋯尚且つ
〖ねえ?凛。凛はケーキも作れるのよね?〗
『あら、ジーニ様。ケーキですか?いくつか作れますよ』
〖本当?じゃあ、女子力の高いケーキっていうの?作れるかしら?〗
『女子力?』
どこでそんな言葉を?
〖サーヤがね、ゲンがいない時に、ハクたちと話してたのよ。おばあちゃんの作ってくれるケーキは、サーヤの好きなお花や動物さんが乗ってることがあって、しかもそれが全部食べられるんだけど、かわいすぎて、食べるの困っちゃうって〗
『あらあらまあまあ、そんなことを?』
〖そうなの。それで、おいちゃんのは見た目すっきりで、おばあちゃんのは、女子力が高いケーキで、特別な時のケーキなんですって〗
『あらあらまあまあ、そんなこと言われたら作らないといけないわね。でもね、サーヤには内緒だけど、生クリームの摂りすぎは良くないから、実は豆乳やヨーグルトを使って生クリームの代わりにしてたのよ。ケーキを重ねる時も、一段はクリームじゃなくて、手作りのジャムにしたりね』
〖なるほど。本当の意味で特別だったのね〗うんうん
『そう言ってもらえると嬉しいわ』にこり
あらぁ、凛ったら、こんな笑い方もできるのね。聖女みたいね。
〖ふふ。サーヤもその内、そんな笑い方をするようになるのかしらね〗
『そんな笑い方?』
あら、自覚なしね。
〖ん~、狙った男を一発で仕留められるような笑顔?〗にやっ
『あらあらまあまあ、それは、使いどころを教えなくちゃね。悪い虫はつかないようにしないと』
〖そうね。それはもちろんよ〗
『〖うふふふふふ〗』
サーヤに近づく男はもれなくチェックしないとね。
〖な、何あれ?怖いんだけど?〗ぶるっ
〖お父様、見てはダメです〗
サーヤの将来は、ある意味安全?
そして、出来上がったたくさんのお菓子や、お料理。結局、きんぴらや、レンコン料理や、つくねやハンバーグなどのおかずから、ちらし寿司や、おこわまで炊いてしまったおばあちゃん。サーヤの大好きなものばかり。
『どうしようかしらね?これ。さすがに作りすぎたかしらね?』
だってほら、久しぶりにサーヤにお料理出来たものだから。張り切りすぎちゃったわ。
〖う~ん、これは、インベントリの使える誰かに届けてもらった方がいいよね〗
〖そうね。私が行こうかしら?〗
〖ダメですよ。お母様。お父様にはもうしばらくお母様の監視が必要です〗
〖そうね。見張らないとね〗
〖なんか、酷い!?〗
イル様はまだ療養中だからね。
『ふむ。では、こうしたらどうでしょう?私が医神様の天馬と一緒に行って、私だけ戻って来るというのは』
バートさんが思わぬ提案をしてきました。
〖そんなこと言って、ちゃんと帰ってくるんでしょうね?〗
『当たり前です。私だってできるならこんな駄⋯主神の世話より、かわいいサーヤのそばにいたいに決まってます。が、駄⋯主神が使い物にならない今、誰が溜まった仕事をするのですか?あ、ジーニ様変わって⋯』
〖行ってらっしゃい。バート。信頼しているわ〗
『⋯かしこまりました』ニヤ
バートさんに勝てるわけがない⋯
〖でも、なぜ天馬を?〗
シア様が聞くと
『ああ、どうもですね、サーヤたちが鍛治神様の虎に、『名前があるのに名前を呼べないのはかわいそう』だと、みんなで牙王というあだ名をつけたそうなのです』
〖うん。みんないい子だね。でも、それが?〗
イル様が聞くと
『それでですね、どうも進化して若返ったらしいのですよ』
〖はい?〗
〖〖ええ?〗〗
『あだ名なんだろ?』
『そう。あだ名です』こくり
〖ええ~聞いてないんだけど?〗
『貴方様は療養中なので伝えませんでした』ニヤリ
〖そ、そうなんだ〗
バートさん、楽しそう。
〖じゃあ、天馬にも同じことが起こるか検証しようということ?〗
『さすがジーニ様。お察しの通りです』にっこり
〖黒いわ、笑顔が⋯〗ぼそ
『何か?』にっこり
〖いいえ?〗
怖い怖い⋯
〖ん~そっかあ。わかったよ。それじゃあ天ちゃんと一緒にお届けお願いね〗
『かしこまりました』
そんなこんなで、バートさん、天馬と一緒にサーヤたちの元へ⋯
どうなるかな?
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読みいただきありがとうございます。
お気に入り、感想、エールありがとうございます。
バレンタインの番外編ですが、後日本編に絡みます。
聖域でサーヤが「ふぎゃあああ」と、にゃんこがしっぽを踏んずけられたような悲鳴をあげている頃、天界では、だれかの唸り声が⋯
〖り、凛さん?どうしたの?〗
〖な、何だかただならぬオーラが?〗
〖な、悩みがあるのでしたら聞かせていただけませんか?〗
(((周りに被害が出る前に⋯)))
ビクビクしながら声をかけるイル様、ジーニ様、シア様の仲良し家族の三人。
おばあちゃん、そんなに恐れられるなんて、どれだけ暴れてるのかな?
『え?あらあらまあまあ。おほほほほ。いやぁね?大したことじゃないのよ。おほほほほほ』
明らかに、なんでもない笑いではない。おばあちゃん、怪しい⋯
〖あれ?それって、神棚?〗
〖何をするつもりだったのかしら?〗
〖凛さん?〗
そう。おばあちゃんは神棚を前に唸っていたのです。
『あらあらまあまあ、いえね?いつもサーヤたちから、お供えしてもらえるじゃない?』
〖そうだね(お供えというか⋯)〗
〖そうね(あれをお供えというのならだけど⋯)〗
〖聖域から送ってますね(特に凛が自分宛に⋯)〗
〖〖〖それで?〗〗〗
お供えしてもらったものなら、料理でも食材でも届きます。本来なら神様に⋯
『あのね?ずっとサーヤの健康を願って、料理を作ってきた私としては、こちらからもサーヤに料理を届けられたらと思ったのよ。神棚を通して届くなら、こちらからも送れないかしら?と思って』
おばあちゃん、神棚を撫でてます。神棚は天界のおばあちゃんと、聖域のサーヤを繋いでくれている大切なものなのです。
〖あ~なるほど〗
〖気持ちはわかるわ〗
〖そうですわね〗
おいちゃんが持ってきてくれた、おばあちゃんのたくさんのレシピノート、サーヤへの愛情で出来ているのをみんな知ってます。
〖ありがとう。それで送れるのかしら?〗
おばあちゃんが、心配そうに聞くと
〖う~ん、あんまり何回もって言うのはダメだけど、たまにならいいかな?〗
〖そうね。あとは、私たちが下に行く時にまとめて持って行くとか?〗
〖そうですね。凛さんのお料理も美味しいですし〗
神さまたちも、どうにかしてあげたいのです。
『本当に?ありがとうございます』
おばあちゃんも嬉しそうです。
〖そうそう、凛さん。私、不思議に思うことがあるのですけど〗
『あら、なんでしょうか?』
シア様がどうやら本当に不思議に思っていることらしいです。
〖凛さんも、ゲンさんも同じ国で、しかもお隣さんだったのでしょう?〗
『そうですよ』
〖なのに、同じお料理でも味が違うのはなぜでしょう?同じ材料で作っても違うでしょう?しかも、おふたりとも、とてもおいしいのに〗
シア様、すごく不思議そうです。
『あらあらまあまあ、そういうことね。家庭の味と言ってね?そのおうちの味付けがあったりするのよ。例えば、昔はお味噌だって各家庭で作っていたりしたのよ。手前味噌と言ってね?その家に代々伝わる作り方があったりするの。料理もね、私も母から教えられたものがあったりするわ。だから、お隣同士はもちろん、住んでいる土地が違えば更に違う味になるのよ。もちろん、新しいものにも挑戦しますけどね』
おばあちゃんが、説明すると
〖そうなのですね〗
〖へぇ~良いわね。そういうの〗
〖それじゃあ、サーヤにはきっと凛さんの味がわかるね〗にこにこ
イル様が笑顔で言います。
『あらあらまあまあ、そうだと嬉しいわね』
頬を赤くして答えるおばあちゃん。
〖そっかあ。うん、それならなおさら届けないとね〗
〖そうね。サーヤが喜ぶ顔は見たいものね〗
〖はい。どうやって届けるかは、出来上がったものを見てからでもいいのではないですか?〗
神様たちも、おばあちゃんの願いを叶えてあげたいし、サーヤの嬉しい顔も見たいのです。
〖そうだね。凛さん、どうかな?僕たちからもお願いしたいな。サーヤの喜ぶ顔を見たいしね。それに出来れば僕たちも、おこぼれでも頂けたら嬉しいかな〗にっこり
『⋯もちろん!皆さんにも腕をふるわせてもらいますわ!ありがとうございます』
おばあちゃん、深深とお辞儀して、感謝を示してます。イル様は、おばあちゃんが気にしすぎないように、あえて自分たち達にもとお願いしています。おばあちゃんもそれが分かっています。
〖うん。それじゃ、がんばって〗
〖料理長も巻き込みましょ〗
〖あら、お母様?料理長ならきっと自ら飛び込んできますわよ〗
バンッ
『呼んだか!?呼んだよな!』どーんっ
〖ほら〗
〖ほんとね〗
〖ふふふ〗
『皆さん、ありがとうございます』
そんなこんなで⋯
『なあ、凛さん。この黒豆ってやつの汁はどうすんだ?少し減らすか?』
『あらあらまあまあ、ダメよ。黒豆はね、汁にも栄養がたくさんなのよ。そのまま飲んでもいいし、ヨーグルトや、牛乳、豆乳などに混ぜて飲んでもいいのよ』
『へえ。そうなのか』
『そうよ。サーヤが喉が痛くなったら、真っ先に飲ませてたわ。黒豆はサーヤの大好物だから、よく作ってたのよ』
『そうか。そりゃ、無駄にはできないな』
『そうよ』にこにこ
『しかしな、なんか全体的に、黒っぽいものが多くないか?』
テーブルの上にはサーヤの好きな和菓子がたくさん。チョコレートもあるが、それも茶色、黒⋯
『確かにね。でも、市販のお菓子は添加物が多かったから、どうしても、和菓子を手作りすることが多かったのよね』
テーブルの上のお菓子、イル様とジーニ様が張り切って、器に時間停止の魔法を付与してくれたから、冷たいのから温かいものまで作り放題。
白玉に、あんみつに、お汁粉に、お団子色々。大福に、羊羹も水ようかんから芋羊羹まで色々。
鹿の子ちゃんの鹿の子も作った。
大学芋や、かぼちゃと小豆のいとこ煮のような、おかずになりそうなものまである。
ちなみに大福などに使ったお餅は、
〖たしか、ドワーフが作っていた臼と杵とやらは、こんな感じでしたね〗
工芸神様が臼と杵を作り
〖んじゃ、餅つくのは俺に任せろ〗ふんっ
武神がやる気満々。そこへ⋯
『それでは合いの手は私がつとめましょう』
〖〖え?バート?〗〗
『私の手をついたらどうなるか、おわかりですよね?』ひゅお~
〖〖は、はい〗〗
無駄に緊張感たっぷりな餅つきが行われましたとさ。
『う~ん、水まんじゅうはどうしようかしらね?サーヤ、ずっと食べたそうにしてるんだけど、なかなか葛が集まらないみたいなのよね。せっかくがんばって集めてるのに、私が先に作ってしまったらがっかりするかしら?』
『大丈夫じゃねぇか?サーヤなら、ゲンに「おいちゃんもつくって」とか、言うくらいじゃないか?それにサーヤが本当に食べたいのは、凛が作った水まんじゅうなんじゃないか?』
『そうかしら?それじゃあ、とびっきり、ぷるぷるな水まんじゅうを作らないといけないわね』
『その意気だ』
『ありがとう。料理長』
こうして、和菓子が量産され⋯尚且つ
〖ねえ?凛。凛はケーキも作れるのよね?〗
『あら、ジーニ様。ケーキですか?いくつか作れますよ』
〖本当?じゃあ、女子力の高いケーキっていうの?作れるかしら?〗
『女子力?』
どこでそんな言葉を?
〖サーヤがね、ゲンがいない時に、ハクたちと話してたのよ。おばあちゃんの作ってくれるケーキは、サーヤの好きなお花や動物さんが乗ってることがあって、しかもそれが全部食べられるんだけど、かわいすぎて、食べるの困っちゃうって〗
『あらあらまあまあ、そんなことを?』
〖そうなの。それで、おいちゃんのは見た目すっきりで、おばあちゃんのは、女子力が高いケーキで、特別な時のケーキなんですって〗
『あらあらまあまあ、そんなこと言われたら作らないといけないわね。でもね、サーヤには内緒だけど、生クリームの摂りすぎは良くないから、実は豆乳やヨーグルトを使って生クリームの代わりにしてたのよ。ケーキを重ねる時も、一段はクリームじゃなくて、手作りのジャムにしたりね』
〖なるほど。本当の意味で特別だったのね〗うんうん
『そう言ってもらえると嬉しいわ』にこり
あらぁ、凛ったら、こんな笑い方もできるのね。聖女みたいね。
〖ふふ。サーヤもその内、そんな笑い方をするようになるのかしらね〗
『そんな笑い方?』
あら、自覚なしね。
〖ん~、狙った男を一発で仕留められるような笑顔?〗にやっ
『あらあらまあまあ、それは、使いどころを教えなくちゃね。悪い虫はつかないようにしないと』
〖そうね。それはもちろんよ〗
『〖うふふふふふ〗』
サーヤに近づく男はもれなくチェックしないとね。
〖な、何あれ?怖いんだけど?〗ぶるっ
〖お父様、見てはダメです〗
サーヤの将来は、ある意味安全?
そして、出来上がったたくさんのお菓子や、お料理。結局、きんぴらや、レンコン料理や、つくねやハンバーグなどのおかずから、ちらし寿司や、おこわまで炊いてしまったおばあちゃん。サーヤの大好きなものばかり。
『どうしようかしらね?これ。さすがに作りすぎたかしらね?』
だってほら、久しぶりにサーヤにお料理出来たものだから。張り切りすぎちゃったわ。
〖う~ん、これは、インベントリの使える誰かに届けてもらった方がいいよね〗
〖そうね。私が行こうかしら?〗
〖ダメですよ。お母様。お父様にはもうしばらくお母様の監視が必要です〗
〖そうね。見張らないとね〗
〖なんか、酷い!?〗
イル様はまだ療養中だからね。
『ふむ。では、こうしたらどうでしょう?私が医神様の天馬と一緒に行って、私だけ戻って来るというのは』
バートさんが思わぬ提案をしてきました。
〖そんなこと言って、ちゃんと帰ってくるんでしょうね?〗
『当たり前です。私だってできるならこんな駄⋯主神の世話より、かわいいサーヤのそばにいたいに決まってます。が、駄⋯主神が使い物にならない今、誰が溜まった仕事をするのですか?あ、ジーニ様変わって⋯』
〖行ってらっしゃい。バート。信頼しているわ〗
『⋯かしこまりました』ニヤ
バートさんに勝てるわけがない⋯
〖でも、なぜ天馬を?〗
シア様が聞くと
『ああ、どうもですね、サーヤたちが鍛治神様の虎に、『名前があるのに名前を呼べないのはかわいそう』だと、みんなで牙王というあだ名をつけたそうなのです』
〖うん。みんないい子だね。でも、それが?〗
イル様が聞くと
『それでですね、どうも進化して若返ったらしいのですよ』
〖はい?〗
〖〖ええ?〗〗
『あだ名なんだろ?』
『そう。あだ名です』こくり
〖ええ~聞いてないんだけど?〗
『貴方様は療養中なので伝えませんでした』ニヤリ
〖そ、そうなんだ〗
バートさん、楽しそう。
〖じゃあ、天馬にも同じことが起こるか検証しようということ?〗
『さすがジーニ様。お察しの通りです』にっこり
〖黒いわ、笑顔が⋯〗ぼそ
『何か?』にっこり
〖いいえ?〗
怖い怖い⋯
〖ん~そっかあ。わかったよ。それじゃあ天ちゃんと一緒にお届けお願いね〗
『かしこまりました』
そんなこんなで、バートさん、天馬と一緒にサーヤたちの元へ⋯
どうなるかな?
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読みいただきありがとうございます。
お気に入り、感想、エールありがとうございます。
バレンタインの番外編ですが、後日本編に絡みます。
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