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7話 命名していただいたのでございます!
しおりを挟む私は、ここにいる全員に、自分が話してることを伝わるようにした。
もうこれでMP4もなくなったんだけど…。
これからはMPの管理が大変だなぁ…。
【皆様、私の念が届きますでしょうか?】
「うわ、本当に恐ろしいくらい流暢にしゃべるね! 大丈夫、届いてるよ」
「なんと、長年生きた魔物や高位の魔物でないとこんな流暢に喋れんぞ……やっぱり、ただのトゥーンゴーレムではないか……」
ふむふむ、丁寧な口調の効果はなかなかだ。
私の頭の良さも認めてもらえたみたいだし。
とりあえず、今することは…トゥーンゴーレムっていう魔物名じゃ、イマイチ嫌だから名前でもつけてもらおうかな。
【申し訳ないのですが、私に名前をつけて頂きたいのですが】
「名前! そだね、これから名前がないと呼ぶのに不便だもんね。なにがいいかな?」
「この子の性別わかる? おじいちゃん」
「そうだな。このトゥーンゴーレムは、頭部が半球で丸いからメスのようじゃぞ」
なぬ!? 私は女の子だったか。
そうか。
だいたい、ゴーレムに性別あったのか…なんで土人形に性別があるの?
あと私は基本、初対面の人のネーミングセンサに頼らず、いい名前にしたい。
ゆえに、名前の方向性のヒントをみなさんに送ろう!
【なら、私、花の名前等が良いです】
「花の名前! いいね」
「そうだね……ぼく、植物図鑑見てくるね」
リンネちゃん軽い駆け足で、この屋敷の奥のどっかに行った。
しばらくして、表紙が緑色の分厚い本を抱えて戻ってきた。
彼女は机の上にドンと本を下す。
「ふぅ、花言葉らへんから、いいのを選んだ方がいいとおもうよ。ボクは」
「そうだねー……うーんと、あ私、これいいと思う、お姉ちゃん!」
「どれ……いいね! それ、花言葉がぴったりだし名前もしっくりくる」
選ぶの早いな。
それで、どんなのが選ばれたのかな?
「じゃあ発表します! トゥーンゴーレムの名前は……アイリスちゃんです!」
「花言葉は信頼、友情、そして他の魔物と比べて頭がいい君にぴったりな知恵だよ」
なるほど、アイリスか。
悪くない、私にぴったり(?)な名前だね。
「どうかな?」
【どうもありがとうございます! 私はこれからアイリスです。よろしくお願いします】
「うん! よろしくね、アイリスちゃん」
「妹となかよくね、アイリスちゃん」
「はっはっは、孫の初めての仲間じゃ。これからよろしく頼む」
名前をつけてもらった。
嬉しい!
ステータスをみたら、名前が反映されてるとかないかな?
==============
アイリス (トゥーンゴーレム)
Lv.7
HP: 40/40
MP: 7/15
攻撃:40
魔力:12
防御:37
器用:28
素早:27
特技: [念話]
==============
おおっ! 反映されてるね。
それに念話も。
てなわけで私は完全にアイリスだ!
中々にいい名前だね。
リンネちゃんがなにやら、手をパンと叩き、『さて』とつぶやいた。
「じゃあぼく達もアイリスに自己紹介しようよ」
そういって改まって私の方を振り向く。
最初に私と最初に出会った水色のストレートロングレアの女の子から。
「そだね。私はロモンだよ! お母さんみたいな、立派な魔物使い目指してるの」
ふんふん、ロモンちゃんね。
魔物使い、これから頑張ってね、私も協力するからさ。
「ぼくはリンネ。ロモンの双子の姉だよ! お父さんみたいや、立派な剣士を目指してるの」
剣を見る限りそうじゃないかとおもってたんだ。
ボクっ娘剣士、いいねぇ~!
「わしはウォルクだ。この娘たちの祖父で、魔物使い兼研究者をしておる。アイリスが止血してくれたのがわしの娘…こやつらの母親の仲魔のケル、そしてわしの隣にいる白いのが、わしの仲魔のガーナじゃ」
なるほど、だからなにか興味ありげに私を見てるのか。
この人も魔物使いなのね。
【ヨロシク、アイリスちゃん。ワタシハガーナよ】
【ロモント、ボクヲタスケテクレテ、アリガトウナンダゾ、アイリス。ケルダゾ、ヨロシクナノダゾ】
いつの間にかケル君も起きてたみたい。
ガーナさん、みんなから自己紹介された。
でも、魔物二人はやっぱり私とちがって人間の会話のタイミングがつかめないのか、二人ともかぶって話している。
【ふつつかものですが、宜しくお願い致します】
私は劇のようなお辞儀をみんなにした。
◆◆◆
「さてと……」
ウォルクおじいさんがそう呟いた。
「新しい仲魔が加わったのはいいんだが、いろいろと問題は残ってるな、まずその冒険者共をどうするか……じゃが」
「コテンパンにしちゃってよ! ロモンを襲って、ケルを刺したんだよ!」
【ソウダゾ、イタカッタンダゾ】
「まぁ、証拠も証人もいることだし、このまま拘束して連行して貰えばいいか。あとは法に裁いてもらおう」
そう言って、ウォルクおじいさんは、ナーガさんを連れて、この家から出てどっか行ってしまった。
「大丈夫かな……」
「大丈夫だって、あとはおじいちゃんがなんとかしてくれるよ」
【ソウダゾ! アノヒトハ、ワリトスゴインダゾ!】
二人がこの先の展開を心配しているみたいだ。
さて、私はなにをすべきだろうか……。
ちょっと聞いてみるかな?
【あの…ロモン様、リンネ様。私はなにを今はすべきでしょうか?】
「ん? あ…そうね…ここでのんびりしててもいいし、外に出て村を見て回ってもいいんじゃないかな」
「私は回復魔法でケルちゃん治癒してるから…アイリスちゃん、行っておいで?」
なに、回復魔法だって?
是非とも見てみたい。
念にしか使わないMPなんか嫌だからさ、せっかくだし魔法覚えたい。
一緒にケル君治療させてもらえないか聞いてみよう。
【すいません、私、その回復魔法というものを見てみたいのですが、ケル様の治癒を手伝わせてもらえないでしょうか?】
リンネちゃんとロモンちゃんが互いに顔を見合わせて驚いた顔をしている。
そしてヒソヒソ話している。
お、なにやら決まったようだが?
「いいよ、アイリスちゃん。一緒にケルちゃん治癒しようね」
【ありがとうございます】
よし、間近で回復魔法が見れるぞ。
一回見たらしばらくは自己練習しよう。
回復魔法を覚えていて困ることなんて絶対ないはずだからね。
私は寝なくても、ご飯を食べなくてもいいから、強さを追求するのにぴったりなんだよね。
「じゃあ、アイリスちゃんこっち来てね」
「ん、なら、ぼくは外で鍛錬とか、村の人たちに新しい仲魔が加わったことを教えてくるね。じゃね」
そう言ってリンネちゃんも外に出て行った。
この場にいるのはロモンちゃんとケル君と私だけ。
私はロモンちゃんとケル君の元へと行く。
「じゃあ、今から回復魔法をケルちゃんにかけるから、アイリスちゃん、見ててね?」
そう言って、彼女は今、大人しくしているケル君の私お手製の包帯を解き、広い傷口をあらわにした。
そこに、当たるか当たらないかぐらいの距離で両手を広げて、まるでストーブに手をあててるような姿勢になった。
そして、彼女は『ペア』と唱えると、その広げた手のひらから優しい緑色の光が放たれた。
見ているとなにか安心できるような感覚になる。
とは言っても、どうやらケル君の傷は少しずつしか塞がってないみたいだった。
「う~ん……塞がらないかも……思ったより傷が深いなぁ…」
ならば、私もやってみよう。
ロモンちゃんと同じように手のひらを突き出し、『ペア』と頭の中で考えてみた。
しかし、なにも出なかった。
「呪文を習得するのは中々難しいから……それにアイリスちゃんはトゥーンゴーレム、もともと回復魔法は覚えられないよ?」
そんなの関係ない。
私は他のトゥーンゴーレムとは違うから、多分できる。
そうだ、唱えたらいけるかもしれない、でも口がないから唱えられない……。
どうしようかな…。
念だ、念を使えばいいんだ。
ケル君の頭の中に『ペア』というメッセージを送ってみよう、ついでに念と同じように、手のひらの一箇所に魔力を集めて放てばできるかもしれない。
【ペア】
ダメもとで唱えた。
すると、なんということだろう、私の手から緑色の光が放たれたではないか!
これは…習得できたんじゃないか?
【回復魔法『ペア』を習得しました】
うし!
「え! 嘘、すごい! アイリスちゃんすごいよ! ありえない!」
ふふん、そうでしょそうでしょ?
私はこれで回復役もできるね。
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