私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍

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45話 人助けでございます! 2

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「そうだったのか……ありがとう。俺たちを助けてくれて」
「本当にありがとね、ゴーレムさん」
【いえ、困ったときはお互いさまですから】


 私が見た限り、行動した通りの状況を全て彼らに説明すると、二人は礼を述べてきた。
 私は少し謙遜をしてみている。
 威張ったってしょうがないからね。

 この人達はBランクの冒険者パーティなんだと。
 Bランクの冒険者と言ったらかなりの実力者で、仮に小さな街のギルドだったとすれば、その街で一番の戦力になる程度の実力はあるんだ。
 ただ、Bランク冒険者と言っても、Bランクの魔物を倒せるわけじゃない。
 せいぜい倒せてCランクなんだ。
 なのにこの人達は運悪くBランクの魔物と遭遇し、高価なアイテムである『対魔物用バリア(長時間型)」を使ってしまっていたんだよ。
 かわいそうに、不運だったね。
 でもそほバリアを使わなきゃ死んでたけどね。
 
 シェリーという名前の女性魔物使いは、私に重ねて質問してくる。


「貴女は…みたところ誰かの仲魔みたいだけれど……マスターはどこにいるの?」
【現在、私はマスターに内緒で行動しております。マスターは城下町の宿で寝てます】
「そ、そう……。でも、あのゴーレムをここまで調教できるのですもの、相当凄腕の魔物使いなんでしょうね」
「あぁ、そうだな」


 毎度のことだけど、この知能は私が最初っから……。
 ううん、いいの。
 別に訂正しなくたってなんの問題もないんだから。
 

「ふぁ……ここはなんだ?」
「ふぇ…なんか悪い夢を見たような……」


 話してるうちに、残りの二人も起き上がったみたい。
 起き上がって早々、私を見て驚いたけれど、先に起きていた二人が今までの説明をしたから、過剰に不審がられることはなかった。


「とにかく、ありがとね、ゴーレムちゃん」
「あ、ありがとう!」


 あとで起きた魔法使いの青年と、僧侶の女性も私にお礼を言ってきた。
 流石はBランク、そこらへんはしっかりしてるよね。
 仕事中に女の子襲うようなクズ共とは全然違う。

 
「この中の物……持ってってくれよ。中身は今日、俺達が狩ったダンジョンの中の魔物の素材だ」


 唐突に、そう言ってこのパーティのリーダーだというアパタという青年は、私に一つのスペーカウの袋を差し出してきた。
 別にお礼が目的で助けたわけじゃないし、いらないんだけど。
 あー、でも貰えるもんはもらったほうがいいよね。
 こういうのって、貰ったほうが相手の気持ち的に楽になると思うの。変に断るよりね。


【…わかりました。ありがたくいただきます】


 私は彼から袋を手渡され、それを私の袋の中に入れた。
 入れたはいいけど、まだ空きはある。
 流石に袋は渡されたもの一枚で相当な額がするはずだから、これは返さなきゃね。
 
 最初は袋もそのまま渡すと皆さんは言っていたけれど、流石に高級品だから受け取れないと言って半ば強引に返却した。
 うん、これでいいのだ。


「じゃあ、俺達はそろそろ帰るよ」
「ありがとう、ゴーレムさん」
「僕は今、感激している!」
「ま、またどこかでぇー!」


 彼らは身支度をすぐに済ませ、早々と4人で帰って行った。
 ここら辺の魔物はBランクもあればなんの問題もないだろうし、おくってかなくて大丈夫そうだね。

 私は彼らの姿が見えなくなるまで見送ると、ダンジョンの中に再突入した。
 あの冒険者達の分と合わせると、今回は袋が満タンになるかもしれない。
 うひひ。


◆◆◆
 

「なんだったのかしら……あのゴーレムは」


 魔物使いである彼女は、ダンジョンから城下町までの帰路道中にそう呟いた。


「なんだって……優しいゴーレムだと僕は思うけどね」
「いや、そうだけど……でも……」
「もしかして、シェリーはあのゴーレムを鑑定したのか?」

 
 仲間の一人がなにかを伝えようとしているのを、このパーティのリーダーである青年は察した。
 

「そうなの…あの、あのゴーレム……鑑定できなかったの……」


 若干、彼女の声は震えているようだ。
 その様子を見てリーダーの青年はもう少し、そのことについて詳しく聞いてみることにした。


「鑑定できないってのは……それは、あのゴーレムのマスターが鑑定されるのを許可制にしてるんじゃないか?」
「ううん、いくら許可制にしていても、その魔物の種属名・ランク・種類は見えるのよ……だけど……」


 彼女は顔を俯かせ、話を続ける。
 下を向いた顔の表情は、まるで凄いものを見て興奮しているよう。
 いや、天変地異が目の前で起こったような表情も比喩した方がいいかもしれない。


「種属は…リトルリペアゴーレム……。恐らく新種よ。そしてDランクの中」
「じ、じゃあ、その新種なのが問題なのー?」


 彼女は首を横に振った。


「違うわ…ただ新種ってだけならまだよかったかもしれない。でも、でもそれより種類が……」
「種類が…どうかしたのかい? その様子だと、普通はおろか、亜種ですらないよね。超越種かな?」


 魔物使いである彼女は、興奮してるのを落ち着かせるように深呼吸一度し、さらに話を続ける。


「違う…私では鑑定できなかったの…。あのゴーレムの種類を。超越種まで普通に見えるのに! この意味わかる?」
「え、まさかそれって……」
「つまりシェリーはあのゴーレムが…極至種だっていいたいんだね?」
「そう!」


 そう、かなり興奮している彼女に対し、魔法使いの青年はこう応じた。


「でも、極至種って相当珍しいんだろう? そんなのが、なんでこんなところに……」
「わからないわ。でもそんな極至種を育てているマスターがこの街に今いるってことよ! もしかしたら魔物武闘大会にも出るかもしれない! きゃー! 会いたい、会ってお話ししたい!」
「……いや、そんな凄い人だったら多分、Sランクじゃないの? シェリーとはランクが違うと思うよ?」
「まぁ……そうよね……」


 彼女は興奮した様子から一変、あからさまに落ち込んだ。
 その様子を見た魔法使いの青年は必死でフォローする。


「で、でも魔物武闘大会で優勝したりすれば嫌でも目に入るよ。シェリーは去年も一昨年もF~Cランクで優勝してるんだし、今年も優勝すればきっと会えると思うよ、その凄い人に」
「そ……そうよね! よーし、今年も頑張っちゃうわ。 ね、ゴブザロス」


 ゴブザロスと呼ばれた、ボスゴブリンに幼体化しているキングゴブリンは、彼女が何を言っているかはわからなかったがとりあえず、こくりと頷いた。


「よぉし! 命拾いした記念に一杯いこう!」
「いや、お金もうないでしょ」
「まぁ…そうなんだが、俺も剣術大会の方で優勝するからさ! その賞金の前倒しってことで!」
「んーもう、しょうがないわねー!」
 
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