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285話 武器の名称判明でございます!
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「と、ところでガーベラさん!」
「な、なに?」
「実は見ていただきたいものがまだあるのですが」
「ん? なんだろう」
私はメタモルアームを取り出して机の上に乗せた。なんとなくだけど私が昼間にロモンちゃん達に披露した、片刃の剣とダンビラのような刃物がついた槍、ガーベラさんなら何か知ってるような気がするの。
「このあいだダンジョンで見つけたやつだね」
「私、本日進化した後にロモンちゃん達と一緒に色々これで試してまして」
「自分の武器の効果を把握しておくのは大事だもんね」
「ええ。それで実はこの武器、なんと『私の一番得意な武器になって』や『二番目に得意な武器になって』という指定をしたところ見事にそれが反映されたのです」
「へー、そりゃ便利だ」
もしガーベラさんがこのメタモルアームの所有者で同じ指定をしたならどういった武器が出来上がったのかしら。やっぱり槍かな? それはさておき本題に入ろう。気にはなるけど。
「それでですね、実は私の記憶にない武器になりまして」
「一番目と二番目どっちも?」
「はい、どっちもです。前にお話ししたことありましたっけ、私が前世の記憶が若干あるということ」
「あったような、なかったような」
「ともかく私の武術の腕前などなそれに由来しているのですが、どうにもそれがこの武器にも反映されたみたいで……手合わせした時、私と同じ武術の挙動をしたガーベラさんなら何か知ってるんじゃないかと思って相談してみたいのです」
「ああ、じゃあ早速見せてよ」
そう、優しい顔でガーベラさんはそういった。頼もしいけど……なんかいつもと違う。上手くは説明できないけど、私に親切にしている裏になにか隠し事してる感じ。気になるわね。このまま両方の武器を見せれば分かることかしら。
「まずはこれです」
鞘に入った剣に変化させて、それを見せた。一瞬ガーベラさんの目が丸くなってかと思えば、すぐに何かを悟ったというかわかってたというか、理解したというかそんな表情になった。そしてしみじみと私の剣を優しく撫で始めた。
「その反応……やはりわかるのですか」
「うん。これはカタナだよ」
「カタナですか」
「普通の剣との違いは……」
「あ、いえ、それはなんとなくわかります」
「そうか……」
カタナ、カタナねぇ……。なんかいい感じの響き。これぞ正式名称って感じがするわ。しっくりくるとはこのことね。ともかく私は今後このカタナモードをメインに使っていけばいいわけだ。
にしても、みんなが知らなかった武器をガーベラさんが知ってるとは……。なんとなく勘で聞いてみたものの、やっぱりガーベラさんも記憶があるってことよね。多分私と同じ場所の。
「あの、ガーベラさんももしかして私と同じ場所の記憶が?」
「あ、ああ。多少ね。アイリスよりは覚えてるかなって感じ」
「そうでしたか、偶然ですね! それとも、私が記憶あること知ってました?」
「実はなんとなく」
私を好きになってくれた理由の一つにそれもあるのかしら。どちらにせよ共通の話題が増えたのは嬉しいわ。今度ご飯を作りに行く時、その共通の記憶から料理を選んでなんとなくおかしな懐かしさに二人で包まれるのもいいかもしれない。
「一緒にお話しできることが増えましたね!」
「そうだね、そうなるね」
「ふふふ、じゃあもう一方も見てもらいましょうか」
「いいよ」
私はメタモルアームをカタナから槍みたいな剣みたいなのに変化させた。ガーベラさんは一回頷いてからすぐにその答えを出してくれる。
「それはナギナタだね」
「ナギナタですか。薙ぎ払う鉈だから……?」
「由来は知らないけどそういう名前。それが二番目に得意な武器として出てきたの」
「ええ。ですから今後はこれとカタナ、状況に合わせて使っていこうと思って」
「いいんじゃないかな」
ナギナタとカタナ……『な』が多いわね。なんてね。
ガーベラさんの得意な武器って槍なわけだけど、このナギナタを扱えたりするのかしら。でも形状は近くとも扱い方は全然違うような気がするのよね。ちょっと聞いてみようかしら。
「ガーベラさん、槍使いなのでこれの扱いうまそうですね」
「実は俺が得物として槍を選んだのは……前世でこれが得意だった記憶があるからなんだ。この世界で一番近い武器はなにかって考えた時に槍だったんだよ。基本は違うけど、色々と似通ってるところはあるし」
「そうなのですか!」
じゃあガーベラさんがこんなにスイスイと冒険者としての出世街道を歩んでるのもナギナタ使いとしての記憶があるからなのね。武術とそのほか勉強、家事の記憶があるから進化先が増えた私みたい。あれ、私とガーベラさんってかなり共通点あるわね。夫婦って似るって言うから……あ、でもまだ夫婦じゃ……。いや、でもそのうち……。
「アイリス、大丈夫?」
「はっ! ええ、大丈夫ですよ」
「ところで、なんとなくだけどさ、アイリス」
「はい?」
「カタナと武術有りのアイリスとナギナタと武術有りの俺で、告白した時みたいに試合をしたら多分アイリスが勝つと思うんだ」
「そうなのですか? あまりピンときませんが」
「これは前世からの勘ってやつだけどね、どうする、もう一回試合してみる? 多分それが本当の結果になると思う」
「私の勝ちが本当の結果ですか? でも武術のみで負けたのは私ですから。……なんでそんなこと言いだすんです?」
カタナを最初に見せた時からなんかガーベラさんに違和感あったけど、まさかそんなこと言い出すなんて。おかしいわね。ガーベラさんのことだから私を裏切るような内容ではないと思うけど、何か隠し事をしているような気がしてならない。
ガーベラさんは後頭部を掻きながら話を続けた。
「……いや、だってアイリスが勝ってたら俺とアイリスはこういう関係じゃなかったわけだろ? 条件付きだったってことは、本当は俺とは……。だ、だからやり直したいなら……」
「そんなこと言い出すなんて、まさか他に好きな人が……?」
「まさか! ただ、俺は少し後悔してたんだ、本当は俺と付き合うつもりなかったんじゃないのかって」
……そんなこと考えさせていたとは。条件なんか出さずに普通に告白受けてればよかったわ。そもそもあの時点で結構この人に気持ち偏ってたわけだし。でも、今はもう偏ってるっていうレベルじゃなくて……。
「ガーベラさん」
「う、うん」
「そんな気弱なこと言うなんて珍しいですね。私は強い男性が好きなのですが」
「……ごめん」
「謝らないでください。むしろ悩ませてしまって申し訳ありませんでした」
「いや、そんなことは」
おかしいわね、やっぱり。今日はガーベラさんがガーベラさんじゃ……いや、ガーベラさんっぽいのかしら、むしろ。うーん……うーーん……。私はどうしたら。い今はただ言えることを言わなきゃ。
「でも私、好意を元から持ってなかったらあの時点で条件つけることなくキッパリと断ってますので。ガーベラさんだからこそ条件を出したのです」
「そ、そうなんだ」
「それより、不安に思わないでください。私がガーベラさんのこと好きかどうかに関して。……あの、あの……み、耳貸してください」
今思いついた言葉、たぶんガーベラさんを安心させらる言葉。でもなんか私とガーベラさんの会話に聞き耳を立ててる友人達に聞かれたらすごく恥ずかしい言葉。耳元でこっそりと私は言うことにする。ガーベラさんはいつのまにか赤みを帯びている耳を私に差し出した。私は口に手を当て、囁く。
「……大好きですから。け、結婚、そしてその後まで本気で考えてるくらいには……」
「……!」
ガーベラさんの顔が真っ赤になった。多分、私も赤い。
あーあ、言っちゃった。心臓だけゴーレムに戻すこととかできないかしら、早すぎて呼吸がきついわ。
#####
次の投稿は5/6か5/7です!
もう令和になってますね!
「な、なに?」
「実は見ていただきたいものがまだあるのですが」
「ん? なんだろう」
私はメタモルアームを取り出して机の上に乗せた。なんとなくだけど私が昼間にロモンちゃん達に披露した、片刃の剣とダンビラのような刃物がついた槍、ガーベラさんなら何か知ってるような気がするの。
「このあいだダンジョンで見つけたやつだね」
「私、本日進化した後にロモンちゃん達と一緒に色々これで試してまして」
「自分の武器の効果を把握しておくのは大事だもんね」
「ええ。それで実はこの武器、なんと『私の一番得意な武器になって』や『二番目に得意な武器になって』という指定をしたところ見事にそれが反映されたのです」
「へー、そりゃ便利だ」
もしガーベラさんがこのメタモルアームの所有者で同じ指定をしたならどういった武器が出来上がったのかしら。やっぱり槍かな? それはさておき本題に入ろう。気にはなるけど。
「それでですね、実は私の記憶にない武器になりまして」
「一番目と二番目どっちも?」
「はい、どっちもです。前にお話ししたことありましたっけ、私が前世の記憶が若干あるということ」
「あったような、なかったような」
「ともかく私の武術の腕前などなそれに由来しているのですが、どうにもそれがこの武器にも反映されたみたいで……手合わせした時、私と同じ武術の挙動をしたガーベラさんなら何か知ってるんじゃないかと思って相談してみたいのです」
「ああ、じゃあ早速見せてよ」
そう、優しい顔でガーベラさんはそういった。頼もしいけど……なんかいつもと違う。上手くは説明できないけど、私に親切にしている裏になにか隠し事してる感じ。気になるわね。このまま両方の武器を見せれば分かることかしら。
「まずはこれです」
鞘に入った剣に変化させて、それを見せた。一瞬ガーベラさんの目が丸くなってかと思えば、すぐに何かを悟ったというかわかってたというか、理解したというかそんな表情になった。そしてしみじみと私の剣を優しく撫で始めた。
「その反応……やはりわかるのですか」
「うん。これはカタナだよ」
「カタナですか」
「普通の剣との違いは……」
「あ、いえ、それはなんとなくわかります」
「そうか……」
カタナ、カタナねぇ……。なんかいい感じの響き。これぞ正式名称って感じがするわ。しっくりくるとはこのことね。ともかく私は今後このカタナモードをメインに使っていけばいいわけだ。
にしても、みんなが知らなかった武器をガーベラさんが知ってるとは……。なんとなく勘で聞いてみたものの、やっぱりガーベラさんも記憶があるってことよね。多分私と同じ場所の。
「あの、ガーベラさんももしかして私と同じ場所の記憶が?」
「あ、ああ。多少ね。アイリスよりは覚えてるかなって感じ」
「そうでしたか、偶然ですね! それとも、私が記憶あること知ってました?」
「実はなんとなく」
私を好きになってくれた理由の一つにそれもあるのかしら。どちらにせよ共通の話題が増えたのは嬉しいわ。今度ご飯を作りに行く時、その共通の記憶から料理を選んでなんとなくおかしな懐かしさに二人で包まれるのもいいかもしれない。
「一緒にお話しできることが増えましたね!」
「そうだね、そうなるね」
「ふふふ、じゃあもう一方も見てもらいましょうか」
「いいよ」
私はメタモルアームをカタナから槍みたいな剣みたいなのに変化させた。ガーベラさんは一回頷いてからすぐにその答えを出してくれる。
「それはナギナタだね」
「ナギナタですか。薙ぎ払う鉈だから……?」
「由来は知らないけどそういう名前。それが二番目に得意な武器として出てきたの」
「ええ。ですから今後はこれとカタナ、状況に合わせて使っていこうと思って」
「いいんじゃないかな」
ナギナタとカタナ……『な』が多いわね。なんてね。
ガーベラさんの得意な武器って槍なわけだけど、このナギナタを扱えたりするのかしら。でも形状は近くとも扱い方は全然違うような気がするのよね。ちょっと聞いてみようかしら。
「ガーベラさん、槍使いなのでこれの扱いうまそうですね」
「実は俺が得物として槍を選んだのは……前世でこれが得意だった記憶があるからなんだ。この世界で一番近い武器はなにかって考えた時に槍だったんだよ。基本は違うけど、色々と似通ってるところはあるし」
「そうなのですか!」
じゃあガーベラさんがこんなにスイスイと冒険者としての出世街道を歩んでるのもナギナタ使いとしての記憶があるからなのね。武術とそのほか勉強、家事の記憶があるから進化先が増えた私みたい。あれ、私とガーベラさんってかなり共通点あるわね。夫婦って似るって言うから……あ、でもまだ夫婦じゃ……。いや、でもそのうち……。
「アイリス、大丈夫?」
「はっ! ええ、大丈夫ですよ」
「ところで、なんとなくだけどさ、アイリス」
「はい?」
「カタナと武術有りのアイリスとナギナタと武術有りの俺で、告白した時みたいに試合をしたら多分アイリスが勝つと思うんだ」
「そうなのですか? あまりピンときませんが」
「これは前世からの勘ってやつだけどね、どうする、もう一回試合してみる? 多分それが本当の結果になると思う」
「私の勝ちが本当の結果ですか? でも武術のみで負けたのは私ですから。……なんでそんなこと言いだすんです?」
カタナを最初に見せた時からなんかガーベラさんに違和感あったけど、まさかそんなこと言い出すなんて。おかしいわね。ガーベラさんのことだから私を裏切るような内容ではないと思うけど、何か隠し事をしているような気がしてならない。
ガーベラさんは後頭部を掻きながら話を続けた。
「……いや、だってアイリスが勝ってたら俺とアイリスはこういう関係じゃなかったわけだろ? 条件付きだったってことは、本当は俺とは……。だ、だからやり直したいなら……」
「そんなこと言い出すなんて、まさか他に好きな人が……?」
「まさか! ただ、俺は少し後悔してたんだ、本当は俺と付き合うつもりなかったんじゃないのかって」
……そんなこと考えさせていたとは。条件なんか出さずに普通に告白受けてればよかったわ。そもそもあの時点で結構この人に気持ち偏ってたわけだし。でも、今はもう偏ってるっていうレベルじゃなくて……。
「ガーベラさん」
「う、うん」
「そんな気弱なこと言うなんて珍しいですね。私は強い男性が好きなのですが」
「……ごめん」
「謝らないでください。むしろ悩ませてしまって申し訳ありませんでした」
「いや、そんなことは」
おかしいわね、やっぱり。今日はガーベラさんがガーベラさんじゃ……いや、ガーベラさんっぽいのかしら、むしろ。うーん……うーーん……。私はどうしたら。い今はただ言えることを言わなきゃ。
「でも私、好意を元から持ってなかったらあの時点で条件つけることなくキッパリと断ってますので。ガーベラさんだからこそ条件を出したのです」
「そ、そうなんだ」
「それより、不安に思わないでください。私がガーベラさんのこと好きかどうかに関して。……あの、あの……み、耳貸してください」
今思いついた言葉、たぶんガーベラさんを安心させらる言葉。でもなんか私とガーベラさんの会話に聞き耳を立ててる友人達に聞かれたらすごく恥ずかしい言葉。耳元でこっそりと私は言うことにする。ガーベラさんはいつのまにか赤みを帯びている耳を私に差し出した。私は口に手を当て、囁く。
「……大好きですから。け、結婚、そしてその後まで本気で考えてるくらいには……」
「……!」
ガーベラさんの顔が真っ赤になった。多分、私も赤い。
あーあ、言っちゃった。心臓だけゴーレムに戻すこととかできないかしら、早すぎて呼吸がきついわ。
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