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314話 アーティファクトを貰うのでございます! 2
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「よし、私も決まった!」
私が鍋を選び終わってすぐ、ロモンちゃんがそう言った。手に持っているのは銀色のネックレス。でも王様はまだ鍋を選んだばかりの私のそばにいるし、そのアーティファクトの説明は受けていないはず。
「あれ、ロモンちゃん、それの効果わかるの?」
「はい王様。実はこれ、本か何かで見たことがあるんですよ」
「そうなんだ!」
「あの、王様。あれは一体どのようなアーティファクトなのですか?」
「あー、あれはねぇ」
王様曰くロモンちゃんが選んだネックレスの効果は、魔法を唱えて発動するまでの時間が大幅に短縮されるというもの。単純に魔法を撃つスピードが速くなる。どうやら魔人融体のスピードも上がるようなのでそれを狙って選んだのでしょう。
「いい選択だと僕は思うよ。あとはガーベラ君とリンネちゃんかな?」
「王様、よろしいですか? これの効果教えてほしいのですけど」
「はいはーい」
王様は、なにやら私のあげたイダテンの腕輪によく似た腕輪を握っているリンネちゃんの元に向かった。そしてその説明をする。
どうやらリンネちゃんが王様に訊いてる腕輪は『ゴウリキの腕輪』というらしく、効果もイダテンの腕輪に近いもの。イダテンの腕輪が素早さを二倍にするのなら、ゴウリキの腕輪は力を二倍にするらしい。
「なら、ぼくこれにします!」
「おお、いいねー!」
実はリンネちゃん、普段はイダテンの腕輪は一切つけていない。自分本来の速さを追求するために、お仕事以外ではつけないようにしているらしい。……そして最後にお仕事をしたのはしばらく前で、その間に特訓をして素でお父さんの一歩手前くらいの速さを有してるから、今イダテンの腕輪の効果を使ったらどうなってしまうのかわからない。
それに加え、力が二倍になる腕輪まで装備したとなると……。私たち三人と一匹の中で一番強いのはSランク極至種の私だと思ってたけれど、もしかしたらリンネちゃんかもしれない。
さて、これで私達が持つアーティファクトは、私が武器と鍋、ロモンちゃんが盾とネックレス、リンネちゃんが剣二本と腕輪二つ、ケルくんが鎧と指輪となった。私たちと同じ年齢くらいの冒険者チームの中で一番所有してるんじゃないかしら。十個だもんね、全部で。
「ガーベラくんはどう?」
「いざとなると迷ってしまって……」
「ガーベラくんが今持ってるアーティファクトって、槍と鎧と籠手だったっけ? それで僕は二つか三つあげるよって言ったから、盾とグリーヴを選べばいいんじゃないかな」
そうすればアーティファクトでフル装備したことになるものね。私もそれがいいと思う。
悩んでる仕草をしながら、ガーベラさんは何故か私の方に顔を向けて来て欲しそうな目線を送ってきた。なんで私に来て欲しがってるのかわからないけど、一応行ってみることにする。
「どうかされましたか?」
「いや、あの……盾とグリーヴを外しちゃうとアイリスの、なんていうか……」
「ん? 盾とグリーヴになんかアイリスちゃんがなんか関係あるの?」
「実はその装備品に使っている魔物の素材って、私なんですよ」
「えぇ!? そうなんだ」
ガーベラさんは恥ずかしそうに、自分の装備から完全に私の身体を使ったものを外していいものか迷っていると言った。私が想像していた以上に、私の身体の装備品を気に入ってくれているみたい。私のことが好きだから身を包まれたい……とか? でも私的にはより強い装備品を揃えて強くなってもらった方が嬉しいのだけど。
「なるほど、愛だね……!」
【……話聞いてたけど、それって下手すればすごく変態的な考えじゃないかゾ? アイリスが毛嫌いするやつゾ】
「あ、あの、大丈夫ですから! ちゃんと、私が過去に大事にしてくれて嬉しいと言ってしまっために気を使ってくださってるのはわかってますから! 大切にしてくれるのなら、べ、別に使わずとも!」
「って、アイリスちゃんは言ってるよ、ガーベラくん」
「そ、そうですね。それならグリーヴと盾、選ばせていただきます」
ふぅ……ケルくんってばもう。でもガーベラさん以外の男性が同じようなこと言ったと想像したら寒気がするからケルくんが言ってることは正しいのだけれど。
ガーベラさんは王様と一緒に防具品を一つ一つ見ながら選び始めた。結構な時間がかかりそう。王様もそのことを察したのか、私達に先に戻っていていいと言ってくれた。私はガーベラさんに、時間と場所を指定して、そこで待ってると言ってから退室した。それから私達は一旦、お屋敷へと戻った。お母さん達は先に帰ってきている。
「「ただいま!」」
「おかえりなさい。王様からどんなアーティファクトいただいたのかしら?」
「「みせるー!」」
ロモンちゃんとリンネちゃんはスペーカウの袋からそれぞれもらったアーティファクトを広げた。私も一緒にお鍋を置く。そして私達三人はそれぞれどんなアーティファクトかを順番に説明した。
そのあと、まずお父さんがリンネちゃんが選んできたものについてコメントをくれた。
「ヴィランドだっけ、その剣は私も覚えがあるな。こんな剣誰が使うんだと思っていたが、まさかリンネがタダで貰ってくるとは」
「いいよー、これ! ぼくにとってはね!」
「そうだな。王様もおっしゃってたんだろう? 使い手はリンネぐらいしかいないって。その通りだと思うよ。……パパも闇と光の剣技、使えるようになりたいな」
「ぼく、うまく教えられるかわかんないけど、明日からの特訓中に教えてあげる!」
「ありがとう。そうしてもらおうかな。それと、女の子であるリンネは力不足になりやすい。ゴウリキの腕輪を選んだのも大正解だっただろう」
「でしょ!」
次にお母さん。お母さんはニコニコしながらスペーカウの袋に手を入れると、その中からなんとロモンちゃんが選んできたネックレスと全く同じものを取り出した。
「えぇ! お母さん持ってたんだ!」
「そうなのよ、十年くらい前にダンジョンで見つけたの。お揃い~」
「えへへ、お揃い~! それで、どうなの? 実際の使い勝手とか。本だけじゃわからないこともあるし」
「実際にかなり便利よ。実はこれ、魔人融体しても効果があるのよ。だから例えばロモンがケルに魔人融体したら、その間はケルも早く魔法を撃てるようになるってわけ」
「そうなんだ!」
「明日にでもちょっと使ってみましょうね」
ああ、そっか、二人とも明日からお母さん達と特訓するから一緒に使って試してみるってことができるんだ。いいわね、それは。
そして最後に二人とも私の鍋について触れてきた。どうやら五つも城で所持してることは有名だったみたい。
「これかぁ、貰ってきたんだ」
「食堂にある分はよくパーティとかで使われてるのよね」
「同じ場所から4つも出てきて、そのダンジョン突入の指揮をとってたタイガーアイが丸一日驚いた表情だったのは笑えたな」
「もしかしてリンネとロモンのために選んできてくれたの?」
「ええ、その通りです」
「ふふ、アイリスちゃんらしいわね」
正直、私がガーベラさんの元に嫁いだらロモンちゃん達にあげるつもりでいる。私もガーベラさんも大食いじゃないしね。でもそれまでの時間、二人にたくさん食べさせてあげられたらいいなぁ、なんて。
「そうだアイリスちゃん、デートはいつからなの?」
「えっと、今から2時間後ですね」
「それならさ、今からスープつくってよ、そのお鍋で!」
「いいね! お願いお願い!」
「わかりました。では、作りましょうか」
この鍋で料理するのは明日以降になると思ってたんだけどね、おおめにガーベラさんのお宅訪問までの時間取っておいて正解だったわ。……無限に沸くスープを、二人で一体何杯食べられるのか計算して置こうかしら。
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私が鍋を選び終わってすぐ、ロモンちゃんがそう言った。手に持っているのは銀色のネックレス。でも王様はまだ鍋を選んだばかりの私のそばにいるし、そのアーティファクトの説明は受けていないはず。
「あれ、ロモンちゃん、それの効果わかるの?」
「はい王様。実はこれ、本か何かで見たことがあるんですよ」
「そうなんだ!」
「あの、王様。あれは一体どのようなアーティファクトなのですか?」
「あー、あれはねぇ」
王様曰くロモンちゃんが選んだネックレスの効果は、魔法を唱えて発動するまでの時間が大幅に短縮されるというもの。単純に魔法を撃つスピードが速くなる。どうやら魔人融体のスピードも上がるようなのでそれを狙って選んだのでしょう。
「いい選択だと僕は思うよ。あとはガーベラ君とリンネちゃんかな?」
「王様、よろしいですか? これの効果教えてほしいのですけど」
「はいはーい」
王様は、なにやら私のあげたイダテンの腕輪によく似た腕輪を握っているリンネちゃんの元に向かった。そしてその説明をする。
どうやらリンネちゃんが王様に訊いてる腕輪は『ゴウリキの腕輪』というらしく、効果もイダテンの腕輪に近いもの。イダテンの腕輪が素早さを二倍にするのなら、ゴウリキの腕輪は力を二倍にするらしい。
「なら、ぼくこれにします!」
「おお、いいねー!」
実はリンネちゃん、普段はイダテンの腕輪は一切つけていない。自分本来の速さを追求するために、お仕事以外ではつけないようにしているらしい。……そして最後にお仕事をしたのはしばらく前で、その間に特訓をして素でお父さんの一歩手前くらいの速さを有してるから、今イダテンの腕輪の効果を使ったらどうなってしまうのかわからない。
それに加え、力が二倍になる腕輪まで装備したとなると……。私たち三人と一匹の中で一番強いのはSランク極至種の私だと思ってたけれど、もしかしたらリンネちゃんかもしれない。
さて、これで私達が持つアーティファクトは、私が武器と鍋、ロモンちゃんが盾とネックレス、リンネちゃんが剣二本と腕輪二つ、ケルくんが鎧と指輪となった。私たちと同じ年齢くらいの冒険者チームの中で一番所有してるんじゃないかしら。十個だもんね、全部で。
「ガーベラくんはどう?」
「いざとなると迷ってしまって……」
「ガーベラくんが今持ってるアーティファクトって、槍と鎧と籠手だったっけ? それで僕は二つか三つあげるよって言ったから、盾とグリーヴを選べばいいんじゃないかな」
そうすればアーティファクトでフル装備したことになるものね。私もそれがいいと思う。
悩んでる仕草をしながら、ガーベラさんは何故か私の方に顔を向けて来て欲しそうな目線を送ってきた。なんで私に来て欲しがってるのかわからないけど、一応行ってみることにする。
「どうかされましたか?」
「いや、あの……盾とグリーヴを外しちゃうとアイリスの、なんていうか……」
「ん? 盾とグリーヴになんかアイリスちゃんがなんか関係あるの?」
「実はその装備品に使っている魔物の素材って、私なんですよ」
「えぇ!? そうなんだ」
ガーベラさんは恥ずかしそうに、自分の装備から完全に私の身体を使ったものを外していいものか迷っていると言った。私が想像していた以上に、私の身体の装備品を気に入ってくれているみたい。私のことが好きだから身を包まれたい……とか? でも私的にはより強い装備品を揃えて強くなってもらった方が嬉しいのだけど。
「なるほど、愛だね……!」
【……話聞いてたけど、それって下手すればすごく変態的な考えじゃないかゾ? アイリスが毛嫌いするやつゾ】
「あ、あの、大丈夫ですから! ちゃんと、私が過去に大事にしてくれて嬉しいと言ってしまっために気を使ってくださってるのはわかってますから! 大切にしてくれるのなら、べ、別に使わずとも!」
「って、アイリスちゃんは言ってるよ、ガーベラくん」
「そ、そうですね。それならグリーヴと盾、選ばせていただきます」
ふぅ……ケルくんってばもう。でもガーベラさん以外の男性が同じようなこと言ったと想像したら寒気がするからケルくんが言ってることは正しいのだけれど。
ガーベラさんは王様と一緒に防具品を一つ一つ見ながら選び始めた。結構な時間がかかりそう。王様もそのことを察したのか、私達に先に戻っていていいと言ってくれた。私はガーベラさんに、時間と場所を指定して、そこで待ってると言ってから退室した。それから私達は一旦、お屋敷へと戻った。お母さん達は先に帰ってきている。
「「ただいま!」」
「おかえりなさい。王様からどんなアーティファクトいただいたのかしら?」
「「みせるー!」」
ロモンちゃんとリンネちゃんはスペーカウの袋からそれぞれもらったアーティファクトを広げた。私も一緒にお鍋を置く。そして私達三人はそれぞれどんなアーティファクトかを順番に説明した。
そのあと、まずお父さんがリンネちゃんが選んできたものについてコメントをくれた。
「ヴィランドだっけ、その剣は私も覚えがあるな。こんな剣誰が使うんだと思っていたが、まさかリンネがタダで貰ってくるとは」
「いいよー、これ! ぼくにとってはね!」
「そうだな。王様もおっしゃってたんだろう? 使い手はリンネぐらいしかいないって。その通りだと思うよ。……パパも闇と光の剣技、使えるようになりたいな」
「ぼく、うまく教えられるかわかんないけど、明日からの特訓中に教えてあげる!」
「ありがとう。そうしてもらおうかな。それと、女の子であるリンネは力不足になりやすい。ゴウリキの腕輪を選んだのも大正解だっただろう」
「でしょ!」
次にお母さん。お母さんはニコニコしながらスペーカウの袋に手を入れると、その中からなんとロモンちゃんが選んできたネックレスと全く同じものを取り出した。
「えぇ! お母さん持ってたんだ!」
「そうなのよ、十年くらい前にダンジョンで見つけたの。お揃い~」
「えへへ、お揃い~! それで、どうなの? 実際の使い勝手とか。本だけじゃわからないこともあるし」
「実際にかなり便利よ。実はこれ、魔人融体しても効果があるのよ。だから例えばロモンがケルに魔人融体したら、その間はケルも早く魔法を撃てるようになるってわけ」
「そうなんだ!」
「明日にでもちょっと使ってみましょうね」
ああ、そっか、二人とも明日からお母さん達と特訓するから一緒に使って試してみるってことができるんだ。いいわね、それは。
そして最後に二人とも私の鍋について触れてきた。どうやら五つも城で所持してることは有名だったみたい。
「これかぁ、貰ってきたんだ」
「食堂にある分はよくパーティとかで使われてるのよね」
「同じ場所から4つも出てきて、そのダンジョン突入の指揮をとってたタイガーアイが丸一日驚いた表情だったのは笑えたな」
「もしかしてリンネとロモンのために選んできてくれたの?」
「ええ、その通りです」
「ふふ、アイリスちゃんらしいわね」
正直、私がガーベラさんの元に嫁いだらロモンちゃん達にあげるつもりでいる。私もガーベラさんも大食いじゃないしね。でもそれまでの時間、二人にたくさん食べさせてあげられたらいいなぁ、なんて。
「そうだアイリスちゃん、デートはいつからなの?」
「えっと、今から2時間後ですね」
「それならさ、今からスープつくってよ、そのお鍋で!」
「いいね! お願いお願い!」
「わかりました。では、作りましょうか」
この鍋で料理するのは明日以降になると思ってたんだけどね、おおめにガーベラさんのお宅訪問までの時間取っておいて正解だったわ。……無限に沸くスープを、二人で一体何杯食べられるのか計算して置こうかしら。
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