私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍

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93話 決着の時でございます!

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 ガキンッと、刃物と刃物が合わさった音が再び響く。
 どうやらギフトのスピードが、また、上がったみたいだ。


「……………………アババババビババババッ……コロコロコロコロコロ殺してやる、絶対絶対絶対絶対絶対絶対にッ! 猛毒真ざ____」
「やれるものならな……瞬速迅斬っ!」 

 
 狂ったギフトが技を出すよりも早く、お父さんはその技を放った。
 ロモンちゃんが大会でアパタさんに使った技の上のやつだと思う。
 多分、さらに早く攻撃した。

 次の瞬間、私の元に飛んできたのは、ダガーが握られた両手首。


「オオオオオオオオオオレのテっ…手は…は…」
「斬り飛ばした。……手首だけでは済むと思うなよ? 断裂鬼斬」


 自分の腕から手首とダガーが消え、混乱しているギフトに、お父さんは断裂鬼斬を4発。
 左右腕脚の付け根から。

 自分の体を支えていた脚が斬り取られたギフトは、地面に落ちる。……本気を出したと思ったのに、あっけなく決着がついてしまった。


「アイリスちゃん!」
【はいっ!】

 
 ここからがまた、私の出番。
 私は四股が無くなったギフトの傷口を凍結させ、さらに、ギフトが寝転んでる地面を凍らせ、身動きを取れなくした。
 ……これで終わ_____


「ゴフッ…!」
【お父さんっ!?】


 お父さんが口から血を吐き、膝から、ゆっくりと、崩れるように倒れた。
 身動きが取れないというだけで、口はまだ動くギフトが、訊いてもいないのに勝手にその理由を言い始める。


「オレは…オレは毒蛇王ダゾ…。オレの出すもの全て、オレの身体全てが即死級の超猛毒を含んでやがる。勿論、さっきまで出してた、あの霧も猛毒だ。ザマァ…ザッマァアアアアアアアアアアアアアッ!! 魔王の幹部がそう簡単に殺られるワケねーだろッ! ザマァみやがれクソどもが!!」


 なんだ、ただの毒か。
 私は急いで、かつ冷静に、父さんにスペアラとリペアムを唱えた。

 毒が消え去ったお父さんは、平然と立ち上がる。
 ロモンちゃんがかなり安堵してるのがわかる。

 その光景、私が回復魔法を放ち、あっという間に治療してしまった光景を見たギフトはポカンとした顔をしている。

 お父さんは私のそばに来てから、ギフトにこう言い放った。


「悪いな、この子は恐らく、この国で1番回復魔法が上手いのだ」
「クソガ………クゥソォガアァァァァァァアァッ……アッ」


 ギフトが叫び出したから、私は闇氷で顔を凍らせるまではいかずとも、口が開かない程度に固まらせ、喋れないようにした。舌を噛んで自殺されても困るしね。
 これで私達は勝利したわけだ。
 結構、あっけなかった。


◆◆◆

 
 もうギフトは反撃できないと判断した私は、ギフトを逃さないようにするために作っていた闇氷魔法製のバリケードを消滅させる。
 
 そのバリケートの外側には、拘束具や封印具を所持した、この作戦に参加した騎士や兵士の皆さん、数百人がスタンバイしていた。

 お父さんが叫ぶ。


「我々は…勝った…! 勝ったぞーーーーッ!!」


 その叫びとともに、兵士さんらは道具を大喜びでこちらまで運んでくる。
 兵士さん達を一瞥しながらお父さんは指示を出し始めた。


「これより、事前の作戦通りに行動する! 先ずは拘束を!」


 2つの拘束具が備え付けられた、大きなミスリルでできた板(相手が魔王の幹部なので良いものを選んでもらった)に、ギフトを私が抱きかかえ、置く。
 そして持って来た、アルティメタル製の鎖で頑丈に、強固にギフトを縛り付け、さらに首と胴の部分にある、板についていた輪っかのような拘束具を施錠。

 そして、血を吸い出す機械と冷たい食塩水を用意してもらい、ギフトの血を全て吸い出し、保管するようにしてもらう。血を吸い出しつつ、用意してもらった食塩水を流し込む。
 それが済んだら、急いで魔力を封じたりするためのアイテムをギフトにつけて準備完了。


「これからどうするんだったか?」


 一人の隊員さんがそう訊いてきた。
 私は答える。


【凍らせます】


 大きめの箱の中に、板に括り付けたギフトを詰め、その箱の中を急速に冷凍した。
 私の知識が正しければ、これで仮死状態になるはず。

 そうすれば必要な時に、ギフトに抜いた血を流し込んで、私が回復魔法を放てばギフトは生き返るって寸法よ!
 必要な時とは、魔王も復活しちゃったり、もう一人幹部が現れちゃったりした時ね。

 仮に手順が間違っていたとしても………まあ、別に構わない。


「これで良いのだな? あとは闇の氷を砕き、血を注入し、回復魔法をかけさえすれば、欲しい時に情報を吐かせられる……と。よし、この冷凍体と血を馬車まで運べ!」


 お父さんが兵士さん達にそう、指示を出す。
 冷凍ギフトの入った頑丈な、鋼鉄製の箱はいろんな道具を駆使して持っていかれた。

 それを見送った後は、あたりの清掃などを始めた兵士さん達に混じり、ギフトが飛ばした鱗などは、お父さんに許可をとってから私が回収しようと思う。

 ロモンちゃんがみてる前では、あからさまに鱗を回収できない。


【アイリスちゃん、お疲れ様! これ、解くね】
【はい】


 ロモンちゃんはしばらくしてから、魔人融対を解いた。
 さっそく、お父さんに訊いてみよう。


【お父様、お忙しいところ申し訳ございません】
「なんだい? アイリスちゃん」
【その、サナトスファビドが落とした鱗を数枚、回収しても良いですか? アレに使います】
 

 そう伝えると、お父さんはしばらく考え込んだ。
 けれど、すぐに結論を出してくれる。


「いいよ。数枚ならね」
【ありがとうございます!】


 やった。
 飛んできた分だけじゃ足りるか不安だったんだよね!
 私はお辞儀をしてから、兵士さん達と共にモンゾニ村に帰ろうとした。


「あ、ちょっと待って」


 今度はお父さんが私を呼び止める。


【はい?】
「これ、どうしたらいいと思う? 多分、アーティファクトなんだよね…。この手柄はアイリスちゃんも加担してるわけだし、一応…ね」


 そう言いながら見せてきたのは、二本の短剣。
 やっぱりアーティファクトだったか。……でもいらない。


【どこか売るわけにもいきませんし、私が受け取るわけにもいきません。やはり、国でお宝として保管するしかないかと】
「そうだよね。…ありがとう。うん……色々と」


 そう言いながら、お父さんは私の頭をそっと撫でてくれた。『はい』と返事をした私はさらにお父さんから、帰れないと言うことを伝えられる。
 お父さん達はまだ、少しだけ調査が残ってるらしい。
 帰ってこれるのは3日後だとか。
 先に帰ってろと言われたよ。


◆◆◆


「アイリスちゃん! やったね! 倒したね!」


 村に着くと、ロモンちゃんが勢いよく抱きついてきた。
 

【はい! お疲れ様でした! ……お父様方はまだ後数日、この村に残るそうです。先に帰れと言われました】
「むう…そっかあ…。でもお仕事だし仕方ないよね! 帰ろ、アイリスちゃん!」
【はい!】


 私はロモンちゃんの手を握りながら、私達を帰らすための馬車に乗り込む。
 ギフトを城に送る馬車と合わせて、この二台しか帰らないみたい。

 馬車に乗り込んだ瞬間、私の頭の中に表示が出てきた。


【魔王軍幹部ギフトを、協力し、封じ込めた! 経験値3432を取得】
【レベルが1上がって、40になった。これ以上上がらない!】
【進化条件を満たした!】



#######

次の投稿は11/2です!

#######

魔王軍幹部

・名前:ギフト (毒蛇王サナトスファビド超越種の半魔半人)

・扱う武器:ありとあらゆるもの刺せ、刺した対象をその傷口から腐食させる2本のダガー(アーティファクト)

・特徴
 +身体の全て、鱗の一枚一枚に至るまで猛毒を含んでいる。
 +水などを汚染することも可能。魔物の時、彼が彼の毒を一滴垂らすか、直接身体が触れるだけで水は毒となる。
 +放つ魔法全てに触れれば猛毒状態となる術を仕込める。MPを消費し、直接猛毒状態にすることも可能ではあるが、本人はそれを好まない。
 +牙に毒蛇王のみが扱える『呪毒』が含まれている。
 +呪毒は術者より種族的に高い位の異常回復魔法でのみ治癒することができる。また、呪毒は対象に絶対的な死と地獄のような痛みを与える。死ぬまでの期間は術者が自由に操れる。
 +脱皮をすることにより、HPとMPを全回復することができる。半日に一度のみ。
 +MPを霧状に噴出すれば、それは猛毒を含み、またその間は身体能力が向上する。
 +独特な特技の一つに、万物を腐食させる霧を波状に放出することができるものがある。
 +一時的に身体能力を高める特技がある。
 

 村や町を1匹で、1日で潰すことなど彼には容易い。

 ゴーレム等の毒の状態異常が無効化される相手でなかったり、敵の味方に高位の異常回復魔法が使える相手がいないかったり、ステータス的に同レベルで長物や遠距離攻撃をして来ない等の条件が揃えば、Sランクの魔物10匹を一度に相手しても無傷で全滅させられることができる。
 状況次第では単独でSSランクの魔物を倒すことも可能。

 グライドが勝てたのは、上記の大半を満たすアイリスが居たからである。
 なお、彼の身体から取れた物は異常回復魔法で浄化することにより、素材として使うことが可能。



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