私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍

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134話 おじいさん…!? でございます!

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「お邪魔しました」


 結局おじいさんの家には2泊3日したの。
 故郷だから懐かしむ…私にとってはそれぐらいしかすることないしね、この村では。
 その3泊の間におじいさんはロモンちゃんとリンネちゃんの功績をお祝いしてくれたりしたの。


「いつでもこれるんじゃろ」
「うん! また今度ね!」
「すぐ来るよ!」


 ロモンちゃんとリンネちゃんはおじいさんに抱きつきながらそう言った。
 

「じゃ、行こうか」


 またどうせすぐ戻ってくるというのに、おじいさん以外にも村人が数人やってきて見送ってくれる。
 そんな中でリンネちゃんは高級転移魔法陣、転移二式を起動した。


◆◆◆


「帰ってきたね」
「ええ」


 本当にあっけない…すぐに帰ってこれた。
 今私たちは街の入り口前に立っている。


「これから街から村に行き放題だね!」
「ね! なにかわからないことがあったらおじいちゃんにすぐ聞けるね!」
「ほっほほ、そうじゃの」


 私達4人はまた行こうね、なんて言い合いながら、街へと入ろうと_________ん、4人!?


「……おじいちゃん!?」
「どうしておじいちゃんが居るの!?」


 そう、おじいさんが居た。
 私たちの真後ろに、さっきお別れしたはずのおじいさんが。


「り、リンネちゃんのお近くに居て巻き込まれたとか……」
「いやいや違うよ。ワシも普通に王都へと転移できるでな、ホッホッホ!」


 そ、そうだったんだ。
 …いや、よくよく考えたら当たり前かも。この国の中で一番大きいのはこの街なんだから、なにか膨大な過去がありそうなおじいさんがここに転移できてもおかしいことはない。


「そうなんだ……」
「そうなんじゃよ。実はロモンとリンネの大会の様子もバッチリ見とったぞ」
「「「ええええ!!?」」」


 双子が声を合わせるのと一緒についつい私まで。
 見てたんだね…全く気がつかなかった。


「じ、じゃあ訪ねてくるなりしてくれれば……」
「ふむ。ノア…ああつまりお母さんのドッキリ好きは誰譲りじゃと思う?」


 おじいさんがニヤリと怪しく笑った。
 そ、そういうことか。あのお母さんのドッキリ好きはおじいさん譲りだったのか……!
 それがロモンちゃんとリンネちゃんにも受け継がれるって考えると血筋ってすごい。


「ずっとこのタイミングを待っておったんじゃよ、一旦村に帰ってきて、王都に帰るのに移動魔法陣を使うタイミングをな!」


 ドヤ顔で話を進めて行くおじいさん。
 そんなに私達の反応が嬉しかったのか、今まで見てきたどのおじいさんよりも生き生きしてる。


「さっ……さすがおじいちゃん!」
「すっごい驚かされたっ!!」


 2人はどうなら今のでおじいさんをさらに尊敬したみたいだ。うん、やっぱり血は繋がってる。


「そうじゃろそうじゃろ」
「……てことは今日はおじいちゃん、王都に泊まってくの?」
「いや、お母さんの様子を見てから帰るつもりじゃよ。しっかりワシの後任を務められてるか見てからな」


 あ、おじいさんも昔はお城に勤めてたんだね。
 まあ当然といえば当然なのかもだけど。


「それにケルもベスと合わせてやりたいしな」


 そう言いながらおじいさんはどこからともなく封書を取り出してケル君を出現させ、腕に抱いたの。
 ケル君は眠っているみたい。
 やっぱり普通の犬としてみたら天使のように可愛い。


「あれ、なんでおじいちゃんケルに封書使えるの? ケルはお母さんの仲魔だよね?」
「育ててるのはおじいちゃんだけど」
「この封書は自作した、2人以上が使える封書じゃよ」


 そんなの聞いたことない…けど、おじいさんならできるんだろう、そんな気がする。
 

「「さすがおじいちゃん!」」


 2人は声を揃えて感嘆した。孫娘に尊敬されておじいさんは本当に嬉しそうだ。
 

「どれ、そろそろ街の中に入ろうか」
「「うん!」」


 おじいさんと一緒に街の中に入る私達。
 今この街に住んでるのは私達だけど、おじいさんはなんだかずっとそこに住み続けてるような足取りだ。普通に住んでた年数が長いのかもしれない。


「ロモンとリンネが住んでる場所はどこじゃ?」
「あそこの宿だよ!」


 リンネちゃんが私達の寝泊まりしてる宿を指差す。


「ほお…宿泊費は滞納しとらんよな?」
「うん、ちょっと色々あってね、アイリスちゃんが毒状態の宿屋の女の子を治してから半年無料なの」
「そうか、それはよかったな」


 おじいさんは不意に、ロモンちゃんとリンネちゃんと同じ身長にしている私の頭を撫でた。
 んん、この人に撫でられるのはなんか気持ちい。
 なんだかすごく落ち着く。
 これが熟年のプロの腕前なのかしら。


「それじゃあ、わしは昼までそこらへんを散歩してくるとしよう。昼飯はおじいちゃんがご馳走するよ……あ、全力は無理じゃがな」
「ううん、大丈夫!」
「ありがとー!」


 全力でこの2人が食事すると、一日で大きい宝石三分の一個分のお金が飛んでくからね。
 それはもう半端じゃないお値段よ。
 おじいちゃんもいまはそこまでの手持ちがないんでしょう。


「じゃあの!」


 そう言っておじいさんはケル君を連れて散歩に行った。


◆◆◆


「久しぶりですな」


 城に唐突に訪ねてきた1人の老人は、この国の重鎮の1人であるオーニキスの元を訪ねて来た。
 犬を抱いているその老人から発せられる存在感は一瞬にしてオーニキスに昔のことを思い出させる。


「いえいえ、こちらこそお久しぶりです。ジーゼフ殿」


 どうやってこの老人が城に入って来たか、オーニキスにとって、否、城に尽くす者にとってそれは考えるまでもない、顔パスである。
 なぜこの老人がオーニキスの執務室を知っているか、それも全く疑問に思わない。
 その老人がもともと城で勤務していたからである。


「いやぁ…本当に久しい。何年振りじゃろうか」
「貴方が魔物を許可なく使用するのを禁じられる前ですから……20年ぶりですか」
「そんなわけないじゃろう。その間に3、4回はあっていると思いますがね」
「おや……。私もどうやら歳ですかな」


 ははは、と2人の威厳が溢れ出ている老人は笑い合う。


「しかし、孫娘を助けるためにグライド君の出軍許可を出したのは本当に感謝しますよ」
「…まあ結果的にはそうですけど、実際はあの幹部をどうにかしなければなりませんでしたからな」


 オーニキスがそう言うとジーゼフの顔つきが変わった。それこそ、現役時代を彷彿とさせるような威圧感のあるロモンとリンネが知らないような表情である。


「……わかってますよ。サナトスファビドをみたいのでしょう?」
「おお、わかっとりますの」


 ジーゼフはとても嬉しそうな顔をする。
 オーニキスはため息をついた。


「貴方だから特別ですよ。まあ許可にはしばらく時間がかかると思いますが……ところでその敬語はどうにかなりませんか? 歯がゆくて仕方ない」
「む、そういうオーニキス殿こそもうワシより立場が上じゃろうて」
「それでも昔は私の方が下だったんですから……」


 なんともやりにくそうな仕草をオーニキスは取る。その間にジーゼフは懐中時計を取り出し時間を見た。


「おっと、そろそろ行かねばならん」
「どこへ?」
「可愛い可愛い2人の孫娘とのランチじゃよ」
「そうですか……貴方は生真面目なんだか自由人なんだか昔からよくかわかりませんね。……ランチが終わったら再び来てくださいよ、その間に陛下から許可を頂いて来ます」
「わるいの」

 
 老人、もといジーゼフは城を去った。


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