私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍

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133話 久しぶりの故郷でございます! 3

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「ふむ…こんなところか」


 新種の魔物だからってジロジロ見られるのは少し恥ずかしかったけれど、研究のためだから仕方ない。
 

「それにしても飛べるのはすごいな。魔流の気を開発し、さらに多種多様な属性の魔法を覚えたアイリスちゃんだからこそできるものだと思った方が良さそうじゃの、この進化は」


 つまりこのエンジェルゴーレムは、まえのリトルリペアゴーレムと同じ私オリジナルということかしら。
 特別ってなんかいい気分。


「ああ、アイリスちゃん。もう人間に戻ってもらっても構わないぞ。……ところで半魔半人は魔物の特徴が現れるが…」


 例えばトカゲ系の魔物が半魔半人化したならば首…うなじにウロコがみえ、ほぼ100%八重歯が生えていたり目が爬虫類っぽいだとか、ゴブリン系の魔物なら肌が常に赤っぽく、耳の先端が人間とエルフの中間くらいまでの長さになってて尖ってるだとか。
 獣の魔物の半魔半人は獣人の皆さんもそう変わらない。
 そもそも獣人の祖先が半魔半人の集まりだって言われてるぐらいだし。


「ゴーレムの半魔半人なんぞ初めてじゃからな、どのようになってるか詳しく教えてもらえんかの? ああ口頭でいい」


 私も人になったからそれを考慮してくれたんだろう、口頭でいいというのは。裸になるわけにはいかないもんね。
 そんなわけだから私は丁寧に人とは基本的に違う部分を答えていったの。
 一緒にお風呂に入ってロモンちゃんとリンネちゃんが気がついたことも言っていってくれてる。
 ただ、ロモンちゃんが言っていた胸の谷間にある緑の痣の中に、何か入ってるように見えるってのは私も初めて聞いたかな。 


「ふむ……どうやらオリジナル性が強いようじゃな」


 おじいさんはそう言った。
 オリジナル性が強いっていうのはサナトスファビドの人間体のあの紋様だとか、私の頭の天使の輪とか、モンスターの分類的特徴ではなく個体種族的特徴が出てるやつのことね。


「ゴーレム共通だと見られるのは今のところ、その宝石が埋め込まれような痣と爪や目の色じゃろうな。アイリスちゃんは全体的にエメラルドグリーンであるから爪やヘソなどが緑色なのじゃろうが、仮に赤ならそこらが赤になってたことじゃろう」


 成る程…この私の身体に残ってる機械的な部分がゴーレム共通ってことだっておじいちゃんは見たのね。
 確かにそうかもしれない。


「とりあえずのことはわかったし推測はついた。協力ありがとうな。……それじゃあそらそろ昼食にでもするか。どれ久々におじいちゃんが作ってやろう」


 分厚いメモ帳を仕事部屋にしまってからおじいさんは台所へと消えた。


「ところでロモンちゃん、私の痣の中にあるものってどんな感じですか?」


 とりあえず気になったから聞いて見るの。
 最初にまじまじと自分の身体を見て以来、自分の裸なんて見てないからね。


「ん? …よくわかんないな。石っぽい…かな? もしかしたら心臓が透けてみえてるのかも」
「そ、それは怖いですね」
「わかんないよ、なにか検討もつかないもん」


 まあ私が胸をさらけ出すなんてこの子達の前だけだろうから気にしないけどね。 
 でもほんとに心臓だったらちょっと気持ち悪いかしら。


◆◆◆


 お昼ご飯を(私の感覚で)たらふく食べて、村の中をお散歩してるの。ロモンちゃんとリンネちゃんと一緒にね。
 村の人たちに一旦帰ってきたのを報告するのも同時に行ってるわ。

 やっぱり世間一般ではそれほど半魔半人化が広まってないからか、私が人間から皆んなが見知ってるゴーレムの姿に戻るたびに驚かれるの。
 ……それにしても村のみんなったら、私のこと可愛いだとか美人だとか言ってくれるのよ。
 そんなことない、お世辞なんだろなってことはわかってるけどなんか照れちゃう。


「この村はやっぱりのどかだね」
「故郷だからっていうのもあるけど…落ち着くねぇ」

 
 ひなたぼっこでもして見たい気分になってきていたその時、ハプニングが。


「「……あ」」
「「…あ」」


 リンネちゃんとロモンちゃんに告白したあの男子二人とばったりと会ってしまった。
 ここはあれだ、私みたいな立場の人は一旦退散するに限る。


「……ロモンちゃん、リンネちゃん、私は用事を思い出しましたので幼馴染らと思い出話でもしてて下さい」
「「えっ…ああ、ちょっとアイリスちゃん!?」」

 
 2人が私に待ってくれという前に、一旦2人の視界から外れてから、大隠密で隠れつつおじいちゃんのお家まで走って帰った。
 まあ、ガーベラさんのことで私をあれだけ弄ったんだしこの程度の仕返しはしてもいいと思うの。
 年頃なんだし、冒険したり強さを求めるのもいいかもしれないけれど、やっぱり青春もしなくっちゃね。


◆◆◆


【ン…ンンー、アイリス、ソコナンダゾ、ソコー】


 お昼寝から起きたケル君が可愛いかったから、ついつい撫でてたらマッサージしてることになっちゃった。
 仕方ないからそのまま続けてる。
 
 お腹をモニョモニョしたり、アゴをコチョコチョしたり、頭から額にかけてを優しく撫で回したり。
 魔物であるという事実やステータス以外はなんら仔犬と変わらないケル君。
 ロモンちゃんとリンネちゃんがトゥーンゴーレムの私を愛でてくれる時もこんな感じなのかしら。


【アラ、ケル…イイワネ】


 ガーナさんまでもが私の元にやってきた。座っている椅子の脚を伝って私の顔付近まで身体を伸ばしてくる。


【スッカリ ニンゲンニナッタノネ】
【ええ、おかげさまで】


 ガーナさんはそのまま私の腕へと移動し、軽く絡みついてくる。


【……リッパナモノヲモッテルノネ】
「んっ…」


 そう言いながら尻尾でペシペシと私の胸を叩いてくる。
 正直、立派ってほどでもないけれどあと一歩手前で巨乳の範疇に入れらんじゃないかってくらいの大きさだから内心ホッとはしてるけれど…。


「ただいまーっ」
「ただいまーっ」


 この家の玄関の戸が開かれ、家の中にロモンちゃんとリンネちゃんが入ってきた。 
 なんだか少しめんどくさそうな顔してる。


「ふふふ、どうでした?」
「んー、ヘマと仲直りしてきたー」
「カイヤと仲直りしてきたー」


 それぞれが告白してきた相手の名前を言いながら、本当に疲れたようにソファにヘタリ込む。もちろん同時にね。
 それにしても仲直りってどういう意味かしら。


「仲直りですか?」
「そうだよー、幼馴染でずっと仲よかったのに告白なんてされたら普通に接することできないし…」
「そうそう、だからあの時断ったことをごめんなさいして、とりあえずは今までの関係に戻ろうって言ってきたの」


 そうか…なんかわかる気がする。 
 幼い頃からずっと仲よかった人に告白されて関係がギクシャクしちゃうのは困るもんね。
 わかるなぁ。
 でも……なんで私わかるんだろう…それはわかんないや。
 とりあえずそれは置いといて、ともかく。


「2人はなんて言ってました?」
「んー、あの時はごめん、それで良いって」
「これからもよろしくねだってさ」


 そっか…。でも去り際にあの2人の表情を見た時、まだ諦めきれてなかったと思う。そのうち再チャレンジするのかな。
 なんやかんやいってもロモンちゃんもリンネちゃんもまだ14歳だから恋愛したいって時が来るでしょう、その時まで待ってもらわないとね。


「それにしてもアイリスちゃんひどいよ!」
「置いてくなんて!」
「あはは…御免なさいねー」


 まあ、全く悪いなんて思ってないんだけどね。
 

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