私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍

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189話 ケル君vsCランクでございます!

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【チェッ……イッパツ モラッチャッタンダゾ】
「キシャァ………グァァ……」


 パタリ、と音を立ててリザードマン(成体)は倒れた。ケル君は見事なヒットアンドアウェイでほぼ完封してたわね。
 最後の最後にリザードマンが、石を投げてきてそれに当たってしまったけどそれ以外はなにも食らってない。
 Cランクを1対1で圧倒できるということは、多分、敵にもよるけどリザードマン程度のCランク2体までなら一匹でなんとかなるかもしれない。
 思ってたよりケル君が強くなっている。
 

「あっさりと倒してしまいましたね。まだ覚えるべきことすべてを覚えたわけでもないのに」
「ねーっ、もっとこれからが楽しみになったよ!」


 しかし鍛錬を初めて早1ヶ月近く。
 もうこんな強さになるだなんて、進化したばかりの時の私と、同じくらいの成長スピードね。
 ロモンちゃんが優秀だったり、私の特技の効果があったり、新種に進化できたり……そもそも親であるベスさんがSランクだからね。
 そしてケル君の賢さと合わせればこうもなるか。
 もしBランクを倒せるようになったら、進化前の私…極至種のゴーレムと同じ強さってことになるけれど、それはさすがに期待しないわ。
 亜種で極至種と同じことできるだなんて、そんなことは流石にないと思うの。


【サキニ ススムンダゾ! ツギモ オイラガ アイテスルゾ!】


 そう言ってケル君は意気揚々と進み始めた。
 二回ほどDランクの魔物複数のグループと遭遇した後、今度は冷気をまとったトカゲに出会った。
 見る限りスヒョウラリザード。
 確実に上級魔法を使ってくるわね。


【ケル、こんどは注意してくよ! スヒョウラリザード……上級魔法を使うから、さっきのリザードマンと比べて殺傷力も魔法耐久も違うよ!】
【危なくなったらすぐに助けるからね!】
【ワカッタゾ! ゼンリョク デ イクンダゾ!】


 ケル君は魔流の気を纏った。
 進化前は黒が輝いてるような青光りだったたけれど、今は体毛が白。青いものをまとっているのが一目でわかる。
 どちらもカッコいいかな。見た目的には前の方が好みではあったけれどね。


【ゾオオオオ!】


 スヒョウラリザードに向かって駆けたケル君は、走りながらリファイムを飛ばした。それに気がついたスヒョウラリザードは身を翻しそれを回避。
 回避程度ならさっきのリザードマンをやっていたけれど、こいつは器用にも、同時に上級範囲氷魔法を放った。

 ケル君は真上にジャンプして回避したけれど、床が氷張りになってしまう。着地してすっ転んだところに、すかさずスヒョウリザードは再び魔法を放った。

 
【ケルっ!?】
【スシャイファイラ】


 慌てる私たちと対照的に、ケル君は冷静に、光を付与した炎範囲魔法を唱えた。実戦では初めて使うのに、異様にコントロールができている。
 本当だったらランクで勝るスヒョウラリザードがおし勝つけれど、光を付与し、魔流の気までら展開しているケル君のスファイラは見事に相殺した。


【リファイム】


 口を足元に向け、ケル君は魔法を唱えることにより足下の氷を溶かす。しかし上級魔法だったため威力が高すぎて、自分も跳ね飛ばされてしまった。
 まあ、上級魔法の氷はその魔法と同じ威力くらいないと溶かすのは難しいんだけど。

 
「ケルが飛んだ!!」
【ゾ、ゾゾゾ! ……ゾッ…リシャイ! リシャイ! リシャイ! リシャイ!】


 空中を浮遊しながら足をジタバタさせていたケル君は、くるりと身を翻すと、うまいこと口を地上にいるスヒョウラリザードに向け、光属性の中級単発魔法を放った。
 それと一回だけじゃなく複数回。
 六発ほどの光球が相手に降り注ぐ。

 そしてケル君放ったそのまま着地。
 予想外からの攻撃を受けたスヒョウラリザードは若干怯んでいる。しかしまだ闘志はあるのか、もう一度、着地したばかりのケル君に向かって魔法を放つ。


【リファイム!】


 しかし、ケル君は少し早くまた空に飛んだ。
 そしてもう慣れてしまったかのように身を再び翻し、こんどは一発。


【リシャイファイム!】


 光をまとわせた炎の火球。
 それは意表をついた一撃で、スヒョウラリザードの顔面に直撃した。そしてケル君、再び華麗に着地。


【トドメダゾ! リゴロゴム! リファイム!】


 単発上級魔法2連続。
 一瞬気絶し、回避する暇がなかったスヒョウラリザードに見事な命中、そして絶命。ケル君が勝った。


【ゾーッ、ゾーッ……エッヘン! コレコソ カクウエ トノ タタカイ ナンダゾ! サッキノ リザードマン ハ  ヨワスギ タンダゾ!】
【ケル、自分の魔法食らってたけど大丈夫?】
【ウマイコト ヤッタツモリ ダケド、ヒリヒリ スルンダゾ。カイフク シテホシイ ゾ】


 それを聞いてすぐに、私が動く前にロモンちゃんがケル君を完全回復させた。
 ただ、今日になってからすでに魔法を連発しすぎたケル君はもうヘロヘロ。


【ゾォォ……カイフクシタケド、ツカレタンダゾ。オヤスミナサイ スルンダゾ】
【そっか、じゃあ封書の中でお休みなさい、ケル】
【オヤスミゾ】


 ケル君は封書の中に入った。
 ぐっすり眠るんだね。こういう自分と比べて強敵との戦いは、ボーナスがたくさんもらえる。この子にとって、とってもいい経験になったんじゃないかしら。


「ケル、凄まじかったね」
「普通だったらあのまま氷漬けにされて終わりだよね。Cランクの魔法を使う魔物なんて、冒険者でも勝てる人って中級者以上なのに」
「成長してるって証だね!」
「うん! ……もしかしたら教えれば、ケルもぼくやお父さんみたいに空中を蹴って方向転換したりできるようになるかも」


 確かに、空中なのにやけにうまかった体の操作をみればそう思うのも仕方ない。
 でもリンネちゃんとお父さんのあれは2本足だからできるものなんじゃないのかしらね。
 

「それでどうします? ケル君の今の実力はだいたい把握できたのではないでしょうか」
「うん! Cランクを一匹で相手にできるくらいだね」
「今日はこのままダンジョンを進めますか? それとも、お父さんのところに寄ってから帰っちゃいますか?」
「うーん、後者の方にしよう。ダンジョンの攻略はケルと一緒にしたいしね」


 というわけで私達はお父さんのところに少し立ち寄ってた。蜘蛛の半魔半人の動きはまだないらしく、同時に行方もなかなかわからないとのことで、困っているらしい。
 お父さんは私たちと同じように大探知の特技を習得してるにもかかわらず。
 もしかしたら、サナトスファビドの時のように、私たちの探知を上回る特技を習得しているのかも知れない。

 宿屋に帰ってきてからは明日からなんの特訓をケル君にさせるかという話になったんだけど、せっかく種族としての特技に私と同じ光魔法を強化するものがあるのだから、光の上級魔法のうち、単発だけでも覚えさせようという話になったの。
 また、リンネちゃんと私の教えることが先延ばしになったたけど、誰もそれは気にしてない。
 そもそも光魔法は私が教えることになってるから、ついでに言葉も教えながらやろうと思うわ。

 私が教えるからにはしっかり覚えてもらわないとね!
 ……でもやっぱり両方一緒はきついかな? ケル君ならできると思うんだけどなぁ……。
 ロモンちゃんに相談してみようかしらね?


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