私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍

文字の大きさ
189 / 378

188話 ケル君の実力試しでございます!

しおりを挟む
 ケル君が火属性の単体上級魔法と範囲上級魔法を覚えてから3日が経った。
 お父さんの方は特に問題なく探索は続いてるみたい。
 私達の方では、ケル君が雷属性の上級魔法二つをすんなりと覚えてしまった。さらに光魔法と闇魔法を付与させることも一回で成功させた。
 さすがに光魔法と闇魔法の上級を覚えることはできなかったけど、もう十分でしょう。


【というわけだからケル、どうする? 光魔法と闇魔法の練習するか、ダンジョンにまた行って実戦経験を積んでみるか】
【リンネ ト カラダヲ ツカッタ トクギ ノ レンシュウ モ、アイリス トノ おベンキョウ モ マダあルンダゾ。 ダカラ、キョウハ ヒサビサニ  ダンジョン ニ ユクゾ!】


 なるほど、これから練習はまだたくさん残ってるから、その前に一旦自分の実力をダンジョンで見てみたいというわけね。


【いいよ! じゃあ今日はダンジョンに行こう!】
【ヤッタゾ!】


 そんなわけで私達はちょっと久しぶりにダンジョンにやってきた。中断したところから再スタートね。
 と、行っても前は隠し部屋を出てから少し歩いただけのところだから、全然進んでないんだけれど。


【サッソク、リトルリザードマン ガ イタンダゾ!】
【よぉし、じゃあ覚えたてのリゴロゴムを撃ってみよう!】
【ゾッ!】


 ケル君はリトルリザードマンがこちらに気がついたのと同時に雷属性の単発上級魔法を唱えた。
 雷豪球は容赦なく的に当たり、その身を焦がす。
 まだ生きてはいるものの、ダメージと衝撃と、電気による痺れでもはや全く動けていない。


【ゾ……コレ、ツヨイゾ!】
「中級魔法の時はだいたい単発で2発半から3発で倒せて倒せていたものを、上級魔法なら1発で瀕死ですか。流石ですね」
「Dランクも楽勝になったねぇ!」
【ファイ……イヤ、フツウニ ツメデ タオスゾ】


 ケル君は爪を立て、動けないリトルリザードマンの首を引っ掻いて倒した。
 それからしばらく歩いて行くも、ケル君は次々とDランクの個体かEランクのグループを上級の単発魔法と範囲魔法を使い分け、倒していった。


「……それにしてもDランクの魔物、多いね」
「前のダンジョンもなかなか長かったけどね。まあぼく達が行った時はすでにアイリスちゃんがほとんど進めてたけど」
「そうですね……む、どうやら一つ段階が上がったようです」


 私は少し先にいるリトルリザードマンともう一匹、別の魔物に気がついた。
 あれはリゴロゴリザード、Dランク。
 なるほど、ついにDランクのグループになったか。


【モシカシテ、Dランク2ヒキゾ? ツギノ ダンカイゾ! ガンバンルゾ!】
【大丈夫だと思うけど、一応気をつけてね】
【ゾ!】


 ケル君は一匹で私達より先に、そいつらに向かって駆けていった。吠えて挑発し、対峙する。
 
 まず、ケル君はリファイムをリゴロゴリザードに向かって放った。
 相手はリゴロゴを唱えて抵抗しようとするもケル君は素早さが高いから難なく回避でき、逆に魔法を撃ったことで数秒の遅れが出たリゴロゴリザードは直撃し、即死。
 そのあとケル君は残りのリトルリザードマンもさっきまでの様に難なく倒してしまった。


【デキタンダゾ!】
【おおー! 一瞬で片付けたね!】


 進化する前の私と違って種族的に素早いから、あんなスピーディな動きができるのね。
 私の場合は基本的に避けずに受けて攻撃すればよかったから。素早いし小回りが利くから連続した攻撃もしやすくなるし。


【マダマダ キョウハ イケルゾ! ススムンダゾ!】


 ケル君のいう通りに再び歩み始めると、今度はスバシャリザードとリファイリザードが出現した。
 ケル君は生まれてからずっとおじいさんの元にいた手間、普通より魔物に詳しい方だけど、基本的に私達と比べると知識がない。だから範囲魔法を使う属性魔物か、単発を使う属性魔物かは判断ができない。


【ケル君、気をつけてください。青色のトカゲの方、今回は範囲攻撃魔法を使います】
【ワカッタゾ! アリガトナンダゾ!】

 
 さっきのトカゲより早く気がついたスバシャリザードは、ケル君に向かって自分の属する魔法を放った。
 しかしケル君はそれを素早く、難なく回避し、まずそいつにリゴロゴムを撃つ。
 ヒットしたのを軽く確認したら、続けざまにリファイリザードにもリゴロゴム。
 
 二匹ともそれでは絶命に至ってなかったから、ケル君は中級範囲魔法を一度だけ唱え、トドメを刺した。


【フゥ、エッヘンナンダゾ!】
【おお、すごいね! よく倒せたね!】
【マダ、ヨユウソウナンダゾ! Cランクナラ ナントカナルゾ!】


 素早い動きに一撃必殺。
 リンネちゃんの魔法バージョンみたいな感じになってきた。犬の魔物だから行動が早いのだとしたら、これからリンネちゃんと練習するにあたってもっと素早さは研ぎ澄まされるはず。
 

【MPは大丈夫?】
【マダ、ヨユウガ アルンダゾ! ダイジョーブソウ ナンダゾ! ア、デモ セツヤク シタイカモ】
【わかった。何か目新しいことがあるまでアイリスちゃん、お願いね。じゃあさきに進もっか】


 私たちはケル君を先頭にして進み始める。
 それからDランクのグループと3回、遭遇をした。ケル君とロモンちゃんからの要求で、Dランク2体を同時に相手して勝てることは十分にわかったからMPを温存したいらしく、その3回とも私が蹴散らした。


【ヤッパリ、アイリス ノ マホウハ キョウリョク ナンダゾ!】
【レベルとランクが違いますからね。おのずと、ケル君も強くなってゆくことができますよ】
【ウン!】


 しばらくして、ついに私たちはこのダンジョン初のCランクの魔物に遭遇した。ただのリザードマン。
 リトルリペアゴーレムの時ですら私は瞬時に倒すことができたCランクの中でも基本的に弱い魔物。
 でも、ある程度の知能はあるからどこかで武器の知識を得たり、魔法が使えたりすれば一気に強くなる、個体差が激しい魔物なの。
 そもそも知能の高い魔物や人形の魔物のほぼ全てにそれは言えるんだけど。

 過去に独自で覚えた魔法と拾った剣のおかげで、魔法剣士のような特技を持ち合わせた野生のリザードマンが、個体でBランクの魔物を討伐したという記録もある。
 魔物使いの仲間にならない限り、CランクがBランクを倒すことは困難を極める。

 ちなみにそのリザードマンは、のちにSランクになり、一つの地域の長のような存在になったらしい。
 つまり、あまり油断はあまりしない方がいいってことね。中には油断する人も多いけど。


【……ケル君、いかますか? 油断だけは絶対にいけませんよ】
【ワカッタゾ。……ヤッテミルゾ】
【では、念のために防御の補助を】
【ゾ】


 ケル君は私の補助魔法を受けてから、リザードマンの前に出た。


「ワン!ワンワン! グルルル」
「キシャッ…!」


 何を言ってるかわからないけど、魔物同士で会話するときもだいたい念話だから、ただ挑発してるだけね。
 ケル君はやる気満々だから、ランクが上のはずのリザードマンが根負けしてるみたい。

 小手調べにケル君はリゴロゴムを唱える。
 リザードマンは目を見開いて軽く吹っ飛び、転倒。

 さて、このままケル君はこのリザードマンに勝てるのかしら。もう、気合の入り方の時点でわかったようなものかもしれないけれど。


#####


次の投稿は11/20です!
しおりを挟む
感想 142

あなたにおすすめの小説

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡

サクラ近衛将監
ファンタジー
 女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。  シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。  シルヴィの将来や如何に?  毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします

未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢 十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう 好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ 傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する 今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~

eggy
ファンタジー
 もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。  村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。  ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。  しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。  まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。  幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

処理中です...