どうしてこんな拍手喝采

ソラ

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「状態が良くなりました。」

片桐さんが三日間の休みを得て初めて仕事に復帰した朝、真っ先に俺に伝えられた言葉に片桐さんは嬉しそうだった。

「よかったです」

「北谷も後から来て目ん玉飛び抜けるかと思いましたよ。」

「なよなよしてましたからバシッと言ってみました。」

「さすが冰澄さんスよ。本当に…。会わせたいんすけどね。」

片桐さんの眉が下がる。複雑な笑みだった。
俺は片桐さんたちの一件でここにいる人たちは他にもいろいろなことを抱えていることに気づいた。

俺が小さく笑って片桐さんの入れてくれた紅茶を飲んだ。

「大丈夫ですよ。きっとすぐ。」

「……冰澄さんが言うと本当にそうなりそうです。」

「そうだといいんですけどね。」

頭の片隅に流れる音が俺の中に落ちてきた。
いろんな人がいろんなものを抱えているけど俺も変わらない。

ゆっくりと学校に行くまでを過ごしているとふいに携帯が点滅した。メールだ。
手にとって見てみると、政宗さんじゃなかった。

不思議に思い件名をタッチしてみる。


「 こんにちわ 」


それだけだった。たったそれだけだった。


「 そろそろ迎えに行くね。 」


自分でも驚くほど冷静に息をしていた。

片桐さんが俺を呼ぶ声が聞こえていた。それもすぐに拍手喝采に飲まれて消えていった。

拍手喝采だ。

幕が上がると言わんばかりの、


拍手喝采。
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