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第二章
64【視点】ザグロームの企み
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「顔をあげよザグローム殿にサフランとやら……」
オルコック国王が玉座の席に座りながらザグロームたちに声をかけた。
流石に王の間というだけあって、ザグローム達も行動は謹んでいる。
片足だけカーペットに付けながら顔をあげた。
「其方らがアルガルデ王国から来た陛下とその婚約者だと聞いているが……」
「本当でございます」
先にサフランがあたかも優しそうな口調でそう答える。
「横にいらっしゃるお方がアルガルデで大変信頼されているザグローム陛下でございます」
キレガダム王国は今までアルガルデとの交友は全くなかったので、オルコック国王はいまいち全てを信用することができないでいた。
実際にはザグロームは王子という立場で陛下ではない。
だが、本人達が本気でそう思い込んでいるため、自然と嘘の表情は出さず自然としていられた。
だからこそ、オルコックも態度を見て少しずつ納得してしまったのだ。
態度も自然と敬語に変わっていく。
「ふむ、しかし、何故こんなところまで馬も使わずに歩いてこられたのです? アルガルデ王国のことは詳しくは知らぬが、護衛もなしで行動されるのですか?」
「実は……」
ザグロームが少しだけ言い淀む。
ここで嘘をつくか、真実を言うか迷っていたのだ。
出した答えは……。
「近隣国のオーブルジェ王国へ向かっておりました。しかし、道中襲撃に襲われてしまいましてな。なんとか逃げ延びることができたのですが護衛と馬を失ってしまい、道に迷いながら歩いておりました。たどり着いたところがキレガダムだとは思いませんでしたがね」
「なんと! 信じられぬほどのタフさなのですな」
「不思議な魔道具を使っていたことがありましてな。私とこちらのサフランは太陽の光さえ浴びていれば食事は不要で生きていける体になっているのですよ」
ザグロームはある程度真実を言うことにしたのだ。
一番大事なところでボロを一度でも出してしまえばこの後の大事な作戦が水の泡になってしまう。
オルコック国王はザグロームの話を興味深そうに聞いていた。
「魔道具にオーブルジェ王国か……。ザグローム王よ、実は近々オーブルジェ王国へ数台の馬車を走らせ送りつけるものがあってな。その馬車でオーブルジェ王国へ一緒に向かわれてはいかがですかな?」
「なんと! 我々が同乗してもよいのですか?」
「ただ……一つ問題がありましてな……」
オルコック国王が玉座の席から立ち上がり、申し訳なさそうな表情で話を続けた。
「三月ほど前にオーブルジェと名乗る盗賊が国を襲ってきましてな……。我々の防衛は強力なのが幸いしてすぐに捕らえたのですが、処分に困ってまして、こちらで勝手に処罰するよりも向こうへ送り返そうかと」
「その際に同時に多額の賠償を請求するわけですな」
「さすがザグローム王。流石に迷惑を被られてしまって黙っているわけにもいかないのでな。ただ、今捕らえているもの達が本当にオーブルジェのもの達かどうか確かめる術がなく困っておる……」
「私なら確実に判別できますが!」
ザグロームには絶対の自信があった。
しかも、囚人達ならば利用できるだろうと、躍起になっていたのである。
ーーーーーーーーーーーーー
ここまで長い間ご覧いただきありがとうございます。
更新が不定期になってしまいましたが、こちらは完結まで書く作品ですので、気長にお待ちいただけたら幸いです。
新作を投稿しましたのでお知らせ致します。
『無能聖女と呼ばれ婚約破棄された私ですが砂漠の国で溺愛されました』
こちらも是非宜しくお願い致します。
オルコック国王が玉座の席に座りながらザグロームたちに声をかけた。
流石に王の間というだけあって、ザグローム達も行動は謹んでいる。
片足だけカーペットに付けながら顔をあげた。
「其方らがアルガルデ王国から来た陛下とその婚約者だと聞いているが……」
「本当でございます」
先にサフランがあたかも優しそうな口調でそう答える。
「横にいらっしゃるお方がアルガルデで大変信頼されているザグローム陛下でございます」
キレガダム王国は今までアルガルデとの交友は全くなかったので、オルコック国王はいまいち全てを信用することができないでいた。
実際にはザグロームは王子という立場で陛下ではない。
だが、本人達が本気でそう思い込んでいるため、自然と嘘の表情は出さず自然としていられた。
だからこそ、オルコックも態度を見て少しずつ納得してしまったのだ。
態度も自然と敬語に変わっていく。
「ふむ、しかし、何故こんなところまで馬も使わずに歩いてこられたのです? アルガルデ王国のことは詳しくは知らぬが、護衛もなしで行動されるのですか?」
「実は……」
ザグロームが少しだけ言い淀む。
ここで嘘をつくか、真実を言うか迷っていたのだ。
出した答えは……。
「近隣国のオーブルジェ王国へ向かっておりました。しかし、道中襲撃に襲われてしまいましてな。なんとか逃げ延びることができたのですが護衛と馬を失ってしまい、道に迷いながら歩いておりました。たどり着いたところがキレガダムだとは思いませんでしたがね」
「なんと! 信じられぬほどのタフさなのですな」
「不思議な魔道具を使っていたことがありましてな。私とこちらのサフランは太陽の光さえ浴びていれば食事は不要で生きていける体になっているのですよ」
ザグロームはある程度真実を言うことにしたのだ。
一番大事なところでボロを一度でも出してしまえばこの後の大事な作戦が水の泡になってしまう。
オルコック国王はザグロームの話を興味深そうに聞いていた。
「魔道具にオーブルジェ王国か……。ザグローム王よ、実は近々オーブルジェ王国へ数台の馬車を走らせ送りつけるものがあってな。その馬車でオーブルジェ王国へ一緒に向かわれてはいかがですかな?」
「なんと! 我々が同乗してもよいのですか?」
「ただ……一つ問題がありましてな……」
オルコック国王が玉座の席から立ち上がり、申し訳なさそうな表情で話を続けた。
「三月ほど前にオーブルジェと名乗る盗賊が国を襲ってきましてな……。我々の防衛は強力なのが幸いしてすぐに捕らえたのですが、処分に困ってまして、こちらで勝手に処罰するよりも向こうへ送り返そうかと」
「その際に同時に多額の賠償を請求するわけですな」
「さすがザグローム王。流石に迷惑を被られてしまって黙っているわけにもいかないのでな。ただ、今捕らえているもの達が本当にオーブルジェのもの達かどうか確かめる術がなく困っておる……」
「私なら確実に判別できますが!」
ザグロームには絶対の自信があった。
しかも、囚人達ならば利用できるだろうと、躍起になっていたのである。
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