【完結】婚約者にウンザリしていたら、幼馴染が婚約者を奪ってくれた

よどら文鳥

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32 アドバイスをもらった

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「ふぅん、それでサバスちゃんのメイクを私にも手伝って欲しいと?」
「ひぃぃぃー、すみませんすみませんっ!」

 アリアが私のことをじーーーーーっと見つめてきた。
 あまりにも美しく美人可愛いコンボで何も言えずテンパってしまって、何故か謝った。
 サバス様のお母様というだけあって、顔だけで世界を虜にしてしまいそうなレベルだ。

「ううん……、ライアンちゃんが頑張ってやるのがいいと思うのよ」

 アリアがそう言っているのなら素直に従うしかないだろう。
 恐る恐る首を縦に振った。

「サバスちゃんのお顔に慣れなきゃね。もちろん私にも慣れて欲しいのよ。ダーリンだって私の顔を直視できるようになるまで何年もかかったのよ」
「いや、今も長時間は見ていられないが」

「これって結構寂しいのよ。好きな人には目と目を合わせて会話したいじゃない? それが出来ないのってあらぬ誤解を与えたりすることだってあるのよ。それにサバスちゃんは鈍感なところがあるからライアンちゃんが引っ張ってあげてって欲しいのよ」

 アリアが真剣な表情でアドバイスをしてくださった。
 私は流血しそうな鼻血を必死に押さえながら、しっかりと話を聞いた。

「アリアの発言は歌手のときも今も物凄くカッコいいです。ずっと追っかけていて、まさかここでこうやって話せるなんて夢のようで……」

「それだってライアンちゃんが自分自身で切り開いた道なのよ。そういう運命を作ったの。ライアンちゃんが選ぶ一つ一つの行動の選択で、これからも無限に夢を作っていけるのよ」

 アリアは私のことを何故か褒めてくださる。
 だが、私は特に何かをしたわけではない。
 お父様の料理にあこがれて、私も挑戦した。

 いつかのパーティーでクッキーやケーキを作って提供したときにたまたまサバス様が食べてくださった。
 それを気に入ってくださり縁談が進み今に至る。

 行動の選択か……。
 言われてみると、私だっていつまでもサバス様のお顔を直視できずに緊張して逃げているのも問題だな。
 よし……。

「ありがとうございます。私、やはり自分でサバス様のお顔を整えようかと思います」
「うん、それがいいのよ。頑張るのよ!」

 うーーー、物凄い緊張がすでに始まっていた。
 まずはアリアの素顔を見ても平気にならなくてはな。

 じーーーーーーっ。

「ふはぁ……!」

「ライアンちゃん!!」
「ライアン殿!!」

 相手は私の大好きな歌手だ。
 こうして対面しているだけでも、物凄いことなのだ。
 じっとアリアを見ただけで、鼻血が止まらなくなってしまい、変な声まで出てしまった。

 恥ずかしい。
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