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今まで経験したことのないような快適な毎日を過ごしています。
毎朝聖なる力でモンスターの誕生を防ぐ結界を発動したあと、朝ごはんが用意されていました。
一日三食出来立ての食事を食べられるなんて、最初の人生で両親が生きていたころの楽しかった日々以来です。
私は誰かの身体に転移したわけではありませんから、当然こちらの世界では両親はいません。
おいしい食事を用意してくださるのですから、何度も掃除やお手伝いをしたいと申し出たのですが、なぜか断られます。
むしろ、侍女(チュリップと言うらしい)からやたらと優しくされるのです。
「ヴィレーナ様は、なにかやりたいことなどございませんか? もちろん、掃除などはお断りですが」
「仕事以外したことがないんだよね……」
「はい!?」
一度目の人生は、私が幼稚園に入る前に両親を亡くしてしまい、施設で生活していました。
自立できるよう、遊ぶ時間もなく徹底的な学業、そして高卒で入社した就職先でも仕事三昧。
二十歳になる前に過労死してしまいました。
転生してからも、生きていくために聖女活動+王宮のお仕事の日々でしたからね。
「チュリップも私と同じ十六歳なんだよね?」
「はい。そうですが……」
「休みの日はどんなことをするの?」
「そうですねぇ……。私が一人で休みのときは王都の散歩をしますね。恋人と一緒に休みがとれれば、彼が色々なところへ連れてってくれるのですよ」
恋人のことをとても大事にしているのでしょう。
チュリップが楽しそうにしながら顔を赤らめています。
そんな表情を見ていて、お願いしてみることにしました。
「チュリップにどこか連れていってほしいな……なんて」
「はい?」
「私は元々ブブルル王国の人間だったから、この国のことや王都もどんな感じか知らない。だから、王都案内してくれたら嬉しいなって」
「さようですか。そうしましたら陛下からの許可を得ますので、少しお待ちください」
しばらく部屋で待っているとチュリップがニコニコしながら戻ってきました。
「陛下からの許可がおりました。馬車も利用できますよ」
「ありがとう」
「こちらこそです。こちらの外出用の服装にお召替えいただき出発しましょうか」
そんなものまであるのですね。
部屋着、王宮内を歩き回る用の服、寝間着、そして外出用……。
私のためにこんなにも色々と用意してくださっていたたまれない気持ちになります。
どんどん国に対しての恩が増えてしまいますね。
♢
「なんという過酷な生活をされていたのですか……。メビルス王国では絶対にありえません!」
馬車の中で、チュリップが私のことについて尋ねてきました。
隠しているわけでがありませんので、ブブルル王国でどんな仕事をしていたかを話しました。
毎朝聖なる力を放ったあと、料理を作ったり掃除をしたり、時々国務も任されたりと。
チュリップは侍女だから、私がやっていたことと似たような仕事かなと思い話してみたのですが、彼女の反応はまるで違いました。
「ヴィレーナ様が謙虚すぎる理由がなんとなくわかりました……。さぞ辛い日々を送っていたのですね。それでこちらの国へ?」
「えぇと、そんなところかな」
神様に助けてもらって転移させてもらいましたとは言えません。
「こちらの国へ来たタイミングで騎士団長を救ってくださったことも本当にありがとうございました。瞬間移動ができるような魔法をお持ちだとか」
「あれは私の力ではないんだけどね。偶然助けていたと言うかなんというか。あ、魔法と言えば……」
「どうかされましたか?」
「この国に本屋さんってあるのかな? 魔法の教則本とか仕組みとかが書いてある本を読んでみたいなって」
「それではこのまま本屋へ向かいますか?」
「ありがとう!」
お金も大量に戴いてしまったし、前の世界よりも本の相場が高くても買うことができます。
私には魔法の適性がないようですが、せめてどのような仕組みで魔法が発動するのかなどは本で覚えてみたいなと思っていました。
念願だった本がついに手に入る!
チュリップのおかげで肝心なことを思い出せました。
社畜脳は少しづつ直していかないとですね。
「気がつかせてくれてありがとう♪」
「いえ、私はなにもしていませんよ。さぁ、そろそろ本屋です」
さぁて、いよいよ魔法の勉強ができますね!
毎朝聖なる力でモンスターの誕生を防ぐ結界を発動したあと、朝ごはんが用意されていました。
一日三食出来立ての食事を食べられるなんて、最初の人生で両親が生きていたころの楽しかった日々以来です。
私は誰かの身体に転移したわけではありませんから、当然こちらの世界では両親はいません。
おいしい食事を用意してくださるのですから、何度も掃除やお手伝いをしたいと申し出たのですが、なぜか断られます。
むしろ、侍女(チュリップと言うらしい)からやたらと優しくされるのです。
「ヴィレーナ様は、なにかやりたいことなどございませんか? もちろん、掃除などはお断りですが」
「仕事以外したことがないんだよね……」
「はい!?」
一度目の人生は、私が幼稚園に入る前に両親を亡くしてしまい、施設で生活していました。
自立できるよう、遊ぶ時間もなく徹底的な学業、そして高卒で入社した就職先でも仕事三昧。
二十歳になる前に過労死してしまいました。
転生してからも、生きていくために聖女活動+王宮のお仕事の日々でしたからね。
「チュリップも私と同じ十六歳なんだよね?」
「はい。そうですが……」
「休みの日はどんなことをするの?」
「そうですねぇ……。私が一人で休みのときは王都の散歩をしますね。恋人と一緒に休みがとれれば、彼が色々なところへ連れてってくれるのですよ」
恋人のことをとても大事にしているのでしょう。
チュリップが楽しそうにしながら顔を赤らめています。
そんな表情を見ていて、お願いしてみることにしました。
「チュリップにどこか連れていってほしいな……なんて」
「はい?」
「私は元々ブブルル王国の人間だったから、この国のことや王都もどんな感じか知らない。だから、王都案内してくれたら嬉しいなって」
「さようですか。そうしましたら陛下からの許可を得ますので、少しお待ちください」
しばらく部屋で待っているとチュリップがニコニコしながら戻ってきました。
「陛下からの許可がおりました。馬車も利用できますよ」
「ありがとう」
「こちらこそです。こちらの外出用の服装にお召替えいただき出発しましょうか」
そんなものまであるのですね。
部屋着、王宮内を歩き回る用の服、寝間着、そして外出用……。
私のためにこんなにも色々と用意してくださっていたたまれない気持ちになります。
どんどん国に対しての恩が増えてしまいますね。
♢
「なんという過酷な生活をされていたのですか……。メビルス王国では絶対にありえません!」
馬車の中で、チュリップが私のことについて尋ねてきました。
隠しているわけでがありませんので、ブブルル王国でどんな仕事をしていたかを話しました。
毎朝聖なる力を放ったあと、料理を作ったり掃除をしたり、時々国務も任されたりと。
チュリップは侍女だから、私がやっていたことと似たような仕事かなと思い話してみたのですが、彼女の反応はまるで違いました。
「ヴィレーナ様が謙虚すぎる理由がなんとなくわかりました……。さぞ辛い日々を送っていたのですね。それでこちらの国へ?」
「えぇと、そんなところかな」
神様に助けてもらって転移させてもらいましたとは言えません。
「こちらの国へ来たタイミングで騎士団長を救ってくださったことも本当にありがとうございました。瞬間移動ができるような魔法をお持ちだとか」
「あれは私の力ではないんだけどね。偶然助けていたと言うかなんというか。あ、魔法と言えば……」
「どうかされましたか?」
「この国に本屋さんってあるのかな? 魔法の教則本とか仕組みとかが書いてある本を読んでみたいなって」
「それではこのまま本屋へ向かいますか?」
「ありがとう!」
お金も大量に戴いてしまったし、前の世界よりも本の相場が高くても買うことができます。
私には魔法の適性がないようですが、せめてどのような仕組みで魔法が発動するのかなどは本で覚えてみたいなと思っていました。
念願だった本がついに手に入る!
チュリップのおかげで肝心なことを思い出せました。
社畜脳は少しづつ直していかないとですね。
「気がつかせてくれてありがとう♪」
「いえ、私はなにもしていませんよ。さぁ、そろそろ本屋です」
さぁて、いよいよ魔法の勉強ができますね!
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