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11 婚約破棄を破棄!?
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「僕との婚約をすっかり忘れられていたんだよ。しかも婚約者がいたんだ……」
はい、知っていますよ。何しろ昨日あなたの婚約したかった相手とお喋りしたくらいですからね。
「ひどいんだよ……僕との約束の方が先だったのに、順番を守らずに他のところへ行ってしまうなんて」
「……」
「どうして僕より地位の高い貴族は揃いも揃って割り込んでくるんだろう。本当にひどいよ……」
割り込みはもちろんダメだと思います。
しかし、幼児時代に無邪気に仲良く『結婚しようね』と言うような会話はあるかと思います。
それを今のいままで本気で捉え、割込だと言える思考が、ある意味素晴らしいと思ってしまったのは私だけでしょうか。
もう隣の護衛は限界です。笑いを堪えきれずに手で口を塞いでいますから。
もう少しの辛抱ですから。今日があなたにとって今までで過去最高にキツい仕事だというのは私もしっかり理解していますので……。
「どうしてそれで私と結婚という結論に至ったのですか?」
「ジュリーン、君は僕と円満に婚約破棄をした仲だ。それに僕の順序だってこれで守られたんだ。裏切られたとはいえ、最初の婚約者との話はキッチリと済ませた。これで堂々と、君との結婚ができるわけだ」
私はこの言葉には怒りを覚えました。さっきまで笑いを堪えていた護衛も真顔に戻っています。
私の友達になったエイプリーさんのことを裏切り者扱いすることだけは許せません。
なので、はっきりと言ってしまいましょう。
「ザザンガさん、あなたの要求は一切受け入れられません」
「へ!?」
「婚約破棄を言ってきたのはあなたですよね? それで予定が狂ってすぐに婚約を申し込んでくるのは図々しいです」
「でも僕は順序を守ったんだ。ほんのちょっと怒らせてしまったかもしれないけれど、順序さえ守ればそれで良いじゃないか」
ザザンガさんは引きません。仕方がありませんので、婚約したことを言うしかありませんね。
「それに、私には婚約破棄が終わった後に縁談がありました。昨日その方とお会いして婚約が決まりましたので、ザザンガさんの要望は無理なんです。申し訳ございません」
「そ……そんな……だってまだ婚約破棄してちょっとしか」
「確かに短いスパンでと思う方もいらっしゃるかとは思います。ですが、私とザザンガさんの場合はお互い様でしょう。ザザンガさんも昨日、幼馴染さんに婚約を申し込んだのですよね?」
「それは……そうだが……」
ザザンガさんの勘違いと信念によって残念な結果になってしまっていることには同情できます。ですが、自業自得でしょう。
しばらく無言が続いてしまったので、私は席を立ちました。
「ザザンガさんの分も、お会計は私が払っておきますね。それでは失礼いたします」
流石に空気に耐えられませんでしたので、先に店を出ます。
せっかくお互いに握手を交わしてまで婚約破棄をした仲だと思っていましたのに、残念な結果になってしまいました。
--------------------------
【後書き】
新作のお知らせです。
新作『姉に婚約者を奪われ、役立たずと言われ家からも追放されたので、隣国で幸せに生きます』
こちらも是非宜しくお願い致します。
はい、知っていますよ。何しろ昨日あなたの婚約したかった相手とお喋りしたくらいですからね。
「ひどいんだよ……僕との約束の方が先だったのに、順番を守らずに他のところへ行ってしまうなんて」
「……」
「どうして僕より地位の高い貴族は揃いも揃って割り込んでくるんだろう。本当にひどいよ……」
割り込みはもちろんダメだと思います。
しかし、幼児時代に無邪気に仲良く『結婚しようね』と言うような会話はあるかと思います。
それを今のいままで本気で捉え、割込だと言える思考が、ある意味素晴らしいと思ってしまったのは私だけでしょうか。
もう隣の護衛は限界です。笑いを堪えきれずに手で口を塞いでいますから。
もう少しの辛抱ですから。今日があなたにとって今までで過去最高にキツい仕事だというのは私もしっかり理解していますので……。
「どうしてそれで私と結婚という結論に至ったのですか?」
「ジュリーン、君は僕と円満に婚約破棄をした仲だ。それに僕の順序だってこれで守られたんだ。裏切られたとはいえ、最初の婚約者との話はキッチリと済ませた。これで堂々と、君との結婚ができるわけだ」
私はこの言葉には怒りを覚えました。さっきまで笑いを堪えていた護衛も真顔に戻っています。
私の友達になったエイプリーさんのことを裏切り者扱いすることだけは許せません。
なので、はっきりと言ってしまいましょう。
「ザザンガさん、あなたの要求は一切受け入れられません」
「へ!?」
「婚約破棄を言ってきたのはあなたですよね? それで予定が狂ってすぐに婚約を申し込んでくるのは図々しいです」
「でも僕は順序を守ったんだ。ほんのちょっと怒らせてしまったかもしれないけれど、順序さえ守ればそれで良いじゃないか」
ザザンガさんは引きません。仕方がありませんので、婚約したことを言うしかありませんね。
「それに、私には婚約破棄が終わった後に縁談がありました。昨日その方とお会いして婚約が決まりましたので、ザザンガさんの要望は無理なんです。申し訳ございません」
「そ……そんな……だってまだ婚約破棄してちょっとしか」
「確かに短いスパンでと思う方もいらっしゃるかとは思います。ですが、私とザザンガさんの場合はお互い様でしょう。ザザンガさんも昨日、幼馴染さんに婚約を申し込んだのですよね?」
「それは……そうだが……」
ザザンガさんの勘違いと信念によって残念な結果になってしまっていることには同情できます。ですが、自業自得でしょう。
しばらく無言が続いてしまったので、私は席を立ちました。
「ザザンガさんの分も、お会計は私が払っておきますね。それでは失礼いたします」
流石に空気に耐えられませんでしたので、先に店を出ます。
せっかくお互いに握手を交わしてまで婚約破棄をした仲だと思っていましたのに、残念な結果になってしまいました。
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