【完結】順序を守り過ぎる婚約者から、婚約破棄されました。〜幼馴染と先に婚約してたって……五歳のおままごとで誓った婚約も有効なんですか?〜

よどら文鳥

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10 また会うことになった

『ジュリーン、本当にすまないんだが、明日空いていないか? 物凄く大事な話があるんだ』
「は……はぁ、まぁ空いていますけど……」

 ザザンガさんから突然の連絡を受け、通信機能が備わった魔道具を使って通話しています。
 かなり焦っているようなので、婚約破棄の用紙にでも何か不備があったのかなと思いました。

『助かった。ありがとう! じゃあ明日の昼頃にいつもの喫茶店で良いか?』
「はい、構いませんよ。あ、でも護──」

『ラジャ! じゃあ明日!』

 そう言って私の話も聞かずに通話が切断されてしまいました。
 まぁそんなに大したことじゃないので良いでしょう。
 お互い他人になったのですから、ザザンガさんだって護衛か使用人と一緒に来るはずです。

 ♢

「あら、ザザンガさん、護衛なしですか?」
「一体どういうことだジュリーン。なぜ僕と会うだけなのに護衛が一緒なのだ?」

 そうでしたね。まだザザンガさんは知らないんでしょうけれど、私にはすでに婚約者がいるのです。だからこそ男女二人で会うのには問題がありますからね。

 それにしても護衛は笑いを堪えているようです。

 昨日あれだけザザンガさんのことで笑っていましたからね、目の前に現れて我慢するのが必死なのでしょう。

 失礼になりますから絶対に笑わないでくださいね。笑ったら竹刀で叩きますよ?

「今はすでにザザンガさんとは他人同士です。ですから、普段通りに私には護衛をつけているのですが問題ですか?」
「い……いや、別に問題はないが……」

 何か言いたそうな顔をしていますね。
 また彼の悪い癖が出ているようです。

「では本題をお願いいたします」

 こういう時は私がいつものように会話をリードしてあげれば良いのです。
 そうすればザザンガさんも少しは喋りやすくなりますからね。

「実は、その……僕と結婚してほしいんだ」
「「──!?」」

 隣に座っている護衛も一緒に驚いているようです。
 なお、ここは店内ですから、護衛が立っているわけにはいきませんからね。一緒にお客として同席しています。

「実は昨日幼馴染と会って婚約の話を進めたんだが、彼女はどうも脳の病気のようで……」
「はい!?」

 あまり突っ込むと喋れなくなりそうですから、しっかりと最後まで聞くことにします。

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