【完結】婚約相手は私を愛してくれてはいますが病弱の幼馴染を大事にするので、私も婚約者のことを改めて考えてみることにします

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　私だけの気持ちだけで考えてしまえば、おそらく相当な迷惑をかけてしまうでしょう……。

「もしお父様に迷惑がかかってしまったら私はどうしたら……」
「うむ……その発言が一番迷惑だと思ってくれればいい。私には迷惑をかけていいのだよ、ジュリアーナの父親なのだから」

　また私は泣いてしまいました。今日は何度泣けば気が済むのでしょうか。

　先ほどの感情が不安定で涙を落としたときとは違います。
　今はお父様の優しさで泣いているだけですから。

「婚約、考え直したいです……」
「よく言った。理由を聞かせてくれるか？」
「好きかどうかがわかりません。それだけならまだこのようなお願いはしませんが、バズドド様の面倒をこの先もしっかり見ていけるか心配です。それにリリノアさんとバズドド様がこの先良からぬ関係に発展するのではないかと疑ってしまうんです」

　初めて隠さずに全てを喋った気がします。喋ったことで、重くのしかかっていた重荷が一気に解放されたような気持ちになりました。

「ならば大至急婚約破棄の手続きを始めよう」
「ですが……こんな理由でそんなことをしてしまったら……」

「多額の慰謝料はかかるだろうし、貴族の者達からの評価は落ちるだろう。だが、これは私の責任だ。ジュリアーナが気にすることもあるまい」

　そこまでの大事になってしまうなら私は我慢だってできます。しかし、私が議論する前にお父様はすぐに行動を起こしてしまいました。

　あっという間に噂は広まり、事実上バズドド様との婚約は解消されました。